転職や就職を考える際、気になる分野の需要の高さや、将来性について調べておくことは大切です。
その仕事を安定して長く続けていけるかどうかは、これからのライフプランを考えるうえでも重要な要素ですからね、
この記事では介護事務の需要や将来性、求人数の状況などを紹介していきます。
介護事務の仕事が気になっている方はぜひ目を通してみてください。
目次
介護事務とは
介護事務とは、介護サービス提供する施設や事業所で事務業務を担当する人のことです。
介護保険制度がスタートした2000年からニーズが生まれるようになりました。
一般事務との大きな違いは、介護保険制度や介護報酬請求等の専門知識を必要とする業務があることですね。
介護報酬請求というのは、施設や事業所が介護サービスを提供した際に支払われる報酬を請求する業務です。
介護報酬は、介護サービスを提供する施設や事業所の主な収入源です。
正確に請求書を作成し、期限までに国民健康保険団体連合会へ提出して、滞りなく介護報酬を受け取れるようにするのが介護事務のメイン業務と言えます。
また施設によって担当業務の範囲が異なり、場合によっては現場で介護職のサポートを行うことも。
施設全体が円滑に運営できるよう幅広くサポート業務を担っているのが、介護事務の特徴です。
介護事務の需要は高い?
まずは介護事務の需要について解説します。
介護事務の業務や業界の特徴についても触れていますので参考にしてみてください。
介護事務の需要は増え続けている
日本の高齢者の人口が増え続けていることもあり、介護業界の需要は今も増加傾向にあります。
介護事務は介護保険制度がスタートした2000年からニーズが生まれ始めた仕事ですが、介護業界の需要増に伴いこちらも需要は増え続けていると言えます。
介護保険制度の開始により、多くの事業者が介護行秋に参入するようになっていますから、今後も介護事務の仕事は必要不可欠なものとなるでしょう。
業務範囲の広い介護事務は現場でも戦力に
介護事務の仕事は多岐にわたり、施設によっては介護職と兼務して利用者をサポートしたり、ケアマネジャーの書類作成業務を手伝うことも。
介護業界は慢性的に人手不足ですから、介護事務も必要に応じてデスクを離れ、現場で活動することは珍しくありません。
介護事務としての需要ももちろんありますが、そこにはいち介護従事者としての需要も少なからず含まれていると言えます。
介護事務は、施設全体が円滑に運営できるようオールラウンドに活躍できる「なんでも屋」のように扱われることも増えているのです。
介護事務の将来性
介護業界とはいえ、事務職の将来性を心配する声は多いです。
ルーティン的な作業や数字・データの処理はAIの得意とするところ。
AI技術の発展に伴い、将来的には事務業務の8割はAIに代替されるとも言われています。
では実際のところ、介護事務の将来性についてどうとらえることができるのか見ていきましょう。
介護事務はAIに置き換えるのが難しい
社会的に需要の高い介護業界であっても、事務職には将来性がないのでは…?
そう不安に思う方もいるでしょう。
ただ、介護事務は一般事務と違い、介護保険制度や介護報酬請求の知識を必要とする業務がメインとなっています。
こういった専門性の高い業務はAIに完全に置き換えることが難しく、知識を持った人間による作業が不可欠です。
つまり数ある事務の中でも、介護事務は今後も比較的安定してニーズのあるポジションとなっていくことが予想されます。
介護事務は施設運営に無くてはならない重要ポジション
すでに紹介していたように、介護事務はデスクワークにとどまらず現場のサポートやケアマネジャーの補助、窓口対応といったように業務内容が幅広いです。
状況に応じて臨機応変に対応し、施設の円滑な運営をサポートする介護事務のポジションを、現状AIに完全に代替することはできないでしょう。
また介護は人間がつくるサービスであり、人間同士のコミュニケーションを重要視する業界です。
人工知能の技術が進歩しても、あれもこれもと置き換えをすることはなく、どの業界よりも慎重になることが予想されます。
ただし、今後人間がAIの負けないためには、ただ請求業務ができるだけではない付加価値が必要になっていきます。
介護や利用者ケア等、福祉関連の知識やスキルを幅広く身につけた、より高い専門性を持った人材が求められるようになるでしょう。
介護事務のつらいところは?辞めたいと思う人が多い理由や体験談を紹介
介護事務の求人数は少ない
介護事務の需要は高まっていますが、それにしては求人数が少ないな、と感じている方もいるのではないでしょうか。
実際に介護業界関連求人を専門に扱う求人サイトで、全国の介護事務の求人を検索した結果が下記になります。
全体 | 正社員 | パート | |
---|---|---|---|
介護事務 | 376件 | 139件 | 237件 |
介護職 | 51,640件 | 22,449件 | 29,191件 |
この表では介護職の求人数と比較しています。
求人数に関しては時期によって変動しますので、大体の数字を参考にしてみてください。
注目していただきたいのはその比率です。
同じ介護系でも、介護職と介護事では求人数の比率が圧倒的に違うことが分かりますね。
1施設に対して介護事務は数人ですから、当然少なくはなるのですが、実はそれだけが理由ではありません。
では介護事務の求人が少ない理由について解説していきたいと思います。
定着する人が多い
募集が少ないということはポストに空きが出ないということであり、一度介護事務として勤めた人が長く定着していることが理由として考えられます。
介護職よりは体力仕事が少ない点や、正社員やパート等生活スタイルに合った働き方ができる点で、介護業界の中でも人気のあるポジションですからね。
一度就職すれば長く務めることが出来る、働きやすさがあるからだと捉えられます。
もともといるスタッフがデスクワークに転換することも多い
介護事務員の中には、もともとその施設で勤務していて、デスクワークに転換したという方も多いです。
介護で体を壊したり、体力的に現場が厳しくなったスタッフが介護事務にキャリアチェンジするというわけですね。
長く勤めていたスタッフなら施設の勝手も良く分かっていますし、未経験の事務スタッフを新しく採用するよりも合理的です。
求人の掲載にも費用は掛かりますし、年齢がほとんど影響しないポジションであることも影響していると考えられます。
求人を出さなくても集まる
お伝えしていたように、介護事務採用のための求人掲載にはお金がかかります。
そのため経費を抑えるために求人サイトには広告を出さず、ホームページなどで作用情報を載せているところも多いです。
介護サービスを提供する施設や事業所に直接連絡をして就職・転職活動をする人も多いので、わざわざ求人を出さなくても希望者が集まるというわけですね。
中にはホームページには記載がなくても、電話してみたら募集していた、なんてことも。
求人サイトでヒットしたもの以外にも、実際にはもっと多くの友人があるということですね。
介護事務の需要は高いが、競争率も高い
介護事務の需要や将来性、求人数の状況等について解説しました。
介護事務の需要は今後さらに増加していくことが予想されます。
専門性の高い業務も多いため、完全にAIに置き換えることも難しく、事務職の中でも将来性のある仕事ということができますよ。
ただ今後AIの進化に負けないためには、介護事務もより幅広い専門知識を持った人材が求められるようになるでしょう。
また介護事務は介護業界にしては求人数が少なく人気のポジションです。
採用に年齢が影響しにくいため、自然とライバルも多くなります。
介護業界や事務未経験の方は、介護事務関連の資格を取るなどしてアピールポイントをつくった方が、採用時に有利になるでしょう。