会計士の転職は未経験分野への挑戦も可能です。
監査法人だけでなく、一般事業会社でも財務や税務のスキルがある会計士は、一定の需要があります。
しかし、会計士の転職には、活動を進めるうえで気を付けたいことや、成功のコツがあるので注意が必要です。
会計士が転職で未経験の仕事を目指すときのポイントを確認しましょう。
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目次
会計士の転職は未経験歓迎の求人が多い
会計士の転職は以下の業種などで、未経験歓迎の求人が多い傾向です。
- 監査法人
- 会計事務所
- 一般事業会社
- コンサルティングファーム
その理由には、公認会計士登録のカリキュラムが影響しています。
公認会計士登録の流れでは、試験合格後に監査法人で2年間実務を経験します。
その後、実務補修の補修所に通学し、修了考査に合格する必要があるため、会計士になるために実務経験は必須です。
監査法人で2年間仕事をすれば、多くの転職先で求められる会計士の実務要件を満たせるので、未経験者も歓迎されやすい傾向があります。
会計士の転職は未経験も売り手市場!難易度は低め
会計士の合格者数は、年々減っている傾向です。
そもそも会計士の数が少ないので転職は未経験も売り手市場で、高いハードルがあると感じにくいでしょう。
ただし、求人を出している会社は、コミュニケーション能力や経験重視で、より安定して長く務めてほしいというニーズがあります。
ひとりでも多くの人材を採用したいという方針より、求められる人材のレベルが高いため適応できるように対策しましょう。
会計士の転職は未経験でも監査以外の需要がある
会計士の転職は、景気の面からみても監査以外の仕事でも需要があります。
2008年のリーマンショック後は、会計士が資格を取っても監査法人に採用されない時期もあった就職氷河期でした。
リーマンショックによる不景気が落ち着き始めた2012年以降は、一般事業会社からも求人募集が行われるようになりました。
2022年現在は景気安定の視点から見ても、会計士の転職は売り手市場と言えるでしょう。
会計士の転職で未経験の仕事をするときのポイント4つ
会計士の転職で未経験の仕事をするときのポイントには、以下のものがあります。
- 社会人としての総合的な能力が求められる
- 年齢によっては昇進が難しいことがある
- 転職先の社風にマッチしない場合がある
- 年収が下がる可能性がある
4つの注意点について、具体的にまとめました。
1.社会人としての総合的な能力が求められる
監査法人以外の仕事では、一般的な会計業務では使用しないコミュニケーションスキルやトラブル対応などの能力が必要になるでしょう。
社会人としての総合力が求められるため、公認会計士資格を持っているだけでは転職しても思うように活躍できない可能性があります。
昇進では求められるスキルが発揮できるかが重要なので、財務や税務の技術だけでは出世できないおそれにも注意してください。
2.年齢によっては昇進が難しいことがある
未経験でなおかつ年齢が高くなってからの転職は、希望通りのキャリアパスがつくれない可能性に気をつけましょう。
監査法人への転職を例にすると、職位は在職年数によって決まります。
転職先と年齢によっては、高いスキルがあっても昇進が難しいこともあるので注意してください。
3.転職先の社風にマッチしない場合がある
一般事業会社やコンサルティングファームの多くは、経営者のカラーが仕事現場に反映するケースが多く見られます。
現職が大規模な会社の場合は、転職後は小さい職場に適用できるか、社風を調べておきましょう。
小規模集団にうまく適応できない場合は、異動することも不可能なため、再び転職してしまう危険性があります。
4.年収が下がる可能性がある
会計士は転職によって、年収がダウンする可能性があります。
特に監査法人から未経験分野への一般事業会社への転職は、給与面で注意が必要です。
一般事業会社へ転職する場合は、一般職と同じ給与体系が考えられ、年収ダウンが避けられない可能性に気をつけてください。
ただし、転職先の規模や自分のキャリアによっては、現状維持や年収アップも考えられるため、転職に何を期待するかよく考えましょう。
会計士の転職で未経験の仕事に就くコツ
会計士の転職で未経験の仕事に就くためのコツを、くわしく紹介します。
転職を本格的に始める前にしておきたいことを解説するので、確認してください。
情報収集を欠かさない
転職先の情報収集は早い段階から始め、業界や事業についても確認しましょう。
求人情報と会社の事業方針から、企業がどんな人を求めているか読み取れます。
自分のスキルが企業の希望とマッチするか、入社後はどんな風に貢献できるか、具体的なイメージを持って、情報収集してください。
どんな人が入ってほしいか、会社の視点から考えることは転職成功の近道です。
知人紹介で転職先を探す
知人紹介で転職先を探す方法は、未経験の職種でも上手くいけば採用まで有利に進みます。
これまで培った人脈を活用し、会計士のスキルだけでなく人間性や仕事ぶりを徹底的にアピールしましょう。
ただし求人情報を持っている知人が限られると、仕事の選択肢が少ない場合があります。
知人紹介で採用試験を受けることは、あくまで転職活動のサブと考えてください。
採用試験や面談ではプラスアルファをアピールする
採用試験や面談では、転職先が採用したいと考えるようなプラスアルファの技術をアピールしてください。
税務財務の基本的なスキルや、数字に強いことは会計士として当たり前なので、長所としてくわしく話す必要はありません。
以下のようなスキルを使って、会社でどんな風に貢献できるのか一緒に伝えると、採用判断でプラスとなります。
- グローバルな事業に対応できる英語力
- 類似する業務の経験があるため、即戦力になれる
- インターネットの活用に必須なITリテラシーへの理解があること
- 転職先の仕事内容を覚えるための学習意欲があること
- 仕事で重要なコミュニケーション能力と協調性があること
エージェントを活用して効率的に転職活動をする
転職自体が未経験の会計士には、転職エージェントの活用をおすすめします。
希望するキャリアパスや持っているスキルが企業とマッチするかなど、仕事の悩みを相談できるので、転職の目標がはっきりと見えるでしょう。
転職エージェントに登録すれば、自分ひとりで探すよりも効率的に転職先が見つけやすいため、今の仕事が忙しい人にもおすすめです。
会計士の転職で未経験者が覚えておきたいことを年代別に紹介
会計士の年代ごとに、未経験者が転職で成功するコツを紹介します。
同じ会計士でも企業から求められる条件は、若年層と40代では異なることに注意してください。
会計士の転職で未経験20代の場合
20代の会計士未経験者の場合は、今後の目標によっては転職先を吟味する必要があります。
安定したワークライフバランスで、会社員として働きたいという人には、一般事業会社への転職が考えられます。
将来的に独立を目指す会計士は実務経験や人脈を作ることに有利な、コンサルティングファームへの転職がおすすめです。
会計士の転職で未経験30代の場合
会計士の転職で未経験分野を希望する場合は、30代でも年齢によって注意点が異なります。
30代後半は一般事業会社への転職のハードルが高くなり、年収が下がってしまう可能性が考えられます。
コンサルティングファームへ転職する場合は、30代はコミュニケーション能力だけでなくコンサルティングの専門的な知識や経験などが求められるでしょう。
企業が希望する条件をクリアすれば、高いポジションの採用枠が期待できます。
会計士の転職で未経験40代の場合
40代が一般事業会社に転職する場合は実務要因としてではなく、管理業務を担当するポジションに配属される可能性があります。
社内会計士として外部とのプロジェクトを遂行したり、IPO(株式新規上場)の業務に携わったり、高いスキルが求められる場合がほとんどです。
40代の場合はコンサルティングファームへの転職には未経験者は、高いハードルがあると考えましょう。
小規模なコンサルティングファームであれば入社は期待できますが、高いスキルやレベルの高い英語力を求められる可能性があります。
会計士の転職で未経験者が求められるスキルを職種別に解説
会計士の転職で未経験者が求められる条件を、職種ごとに紹介します。
会社や事業の規模によって期待されるスキルは異なるため、応募前に確認しておきましょう。
会計士の転職で未経験者が一般事業会社に勤める場合
一般事業会社で活躍するためには、経理や財務、経営企画や内部監査の実績とスキルが有利です。
そのほかに、ベンチャー企業では管理部門経験や、IPO(株式新規上場)に関係するスキルにも需要が高まっている傾向です。
M&A(事業買収)に必須な買収企業の財務状況を正しく判断できる会計知識があれば、会社の規模に関わらず活躍できるでしょう。
40代以降は、経理の実務経験がないと一般事業会社への就職は難しい場合があります。
一般事業会社では、他の部署との連携が必須なため人物面に関わる評価も重要です。
会計士の転職で未経験者がコンサルティングファームに勤める場合
財務・会計系、税理士法人系のコンサルティングファームは、会計士なら未経験でも転職しやすい傾向です。
実務経験が豊富な30代〜40代の会計士は、即戦力としてのキャリア採用が望めるでしょう。
コンサルティングファームでは会計士のスキルや実績に加え、クライアントに対応するためのコミュニケーション能力が求められます。
なぜこの会社で働きたいのか、どんなことに貢献できるのか、具体的なイメージが持ってもらえるようにPRしてください。
コンサルティングファームは実力主義の会社が多いため、頑張り次第ではインセンティブが受け取れ年収アップにつながる可能性があります。
会計士が一般事業会社から監査法人へ転職する場合
会計士が監査法人への転職は、実績を評価してもらえるため比較的成功しやすい傾向があります。
一般事業会社よりも年収が高い傾向ですが、ワークライフバランスを取るためには勤務時間や残業時間に注意してください。
勤務体系については、働き方改革の推進から以前と比べると働きやすい監査法人が増えました。
監査法人BIG4は勤務年数で職位が異なるため、昇進を目指す人は30代までに転職することをおすすめします。
中小企業の監査法人なら、実績があれば40代からの転職も不可能ではありません。
会計士の転職で未経験者におすすめの転職エージェント
会計士の転職には、業種に特化した転職エージェントを選ぶことをおすすめします。
転職について仕事のカウンセリングや、応募書類の添削のほか、転職先とのスケジュール調整の代行などさまざまなサポートが受けられます。
会計士特化型の完全無料で活用できる転職エージェントと、サービスの特徴をまとめました。
マイナビ会計士
マイナビ会計士は、事業会社や大手監査法人コンサルタントなど希望にあった求人が豊富にそろっています。
転職サイトに記載のない企業情報や配属先の雰囲気について教えてもらえるため、入社後のギャップが抑えられるでしょう。
転職活動には専任のアドバイザーが付き、履歴書添削や面接対策など全般的なサポートが受けられます。
レックスアドバイザーズ
公認会計士の転職に強いレックスアドバイザーは、希望する業種別に求人を探せます。
キャリア相談では年収や仕事の環境を伝えることで、活躍できる職場を紹介してもらえるでしょう。
フレックス勤務やリモートワークの仕事もそろっていることが、レックスアドバイザーズの特徴です。
MS-Japan
MS-Japanは、管理部門や士業特化型の転職エージェントです。
30年以上の実績とノウハウがつまった転職支援と、職種ごとに深い理解があるアドバイザーがつくサポートが特徴です。
MS-Japanでしか見られない、他社非公開求人の紹介が受けられます。
会計士の転職は未経験者も需要がある!企業研修で採用に近づこう
会計士の転職には、未経験者にも需要があります。
会計士になるためのカリキュラムに実務経験が含まれていることで、会社がひととおりの仕事が可能と判断できることが理由と考えられます。
ただし、未経験者歓迎の求人には、たくさんの応募が集まると考えてください。
転職を有利に進めるために、面談では会計士の実績だけでなく、プラスアルファのスキルを伝えましょう。
