社会人の能力として求められるのが、タスク処理能力とタスク管理能力です。
多くの企業ではToDo式、つまり「誰が、何をする」ことを端的に表す方法で、各個人の作業量を管理しています。
ToDo式では個人でタスク管理を行うため、上司が部下の進捗状況を把握しにくいのがデメリットです。
しかしカンバン式のタスク管理をおこなえば、メンバーのタスク状況が一目でわかるほか、業務によっては管理がしやすくなるメリットがあります。
今回はカンバン式のタスク管理方法の特徴やm導入するメリット・デメリット、またおすすめのツールまで徹底的に解説していきます。
目次
業務効率をアップさせるなら業務の見える化が重要
みなさん、職場の業務効率が落ちていると感じてはいませんか?
タスク管理を行っているのに、メンバー間の作業の遅れが目につくこともあります。
実は業務効率が下がっている原因の一つに、タスクを個人で管理すると、業務の見える化がされないことが関係しています。
業務の見える化ができていないと、皆さんの感じている下記の状況に結び付いていきます。
変化がわからないことで業務が遅れる
タスクを個人で管理することで、管理者側が管理状況の変化を把握しづらくなります。
タスクを完了できない状況で、何が起きているのかを把握できないので、根本的な状況の改善ができなくなります。
ずるずるとタスクの遅れを引きずることになり、最終的に業務に大幅な遅れが生じることにもなります。
生産性がどれだけ上がったかがわからなくなる
タスクを見える化しないことで、作業でどれだけ生産性が上がったかを把握しづらくなります。
タスクを完了してから次のタスクに着手するまでに、どの程度の時間がかかったのか、作業の時間はどの程度かかっているのかを把握しづらくなります。
作業者側の体感でのみ成長が実感されるものの、管理者側としては部下の成長度合いをうまく把握できなくなります。
またタスクを処理している側も、タスクをただ淡々とこなしていくだけで、作業時間がどの程度かかっているかを把握できませんから、自分の成長度合いを体感しにくいデメリットがあるのです。
ToDoリストでは自己管理のできない人も多い
企業で多く導入されているToDoリストですが、自己管理ができることを前提に導入されています。
つまりToDoリストを管理するには、自分で計画性を持ってタスク処理を行う必要があります。
管理ができない人は、タスク処理が上手くいかずにため込んでしまい、逆に作業に遅れが生じてしまいます。
カンバン式タスク管理の特徴
カンバン式タスク管理の特徴は、以下の通りです。
1つのボードと項目を設定する
カンバン式タスク管理は1つのボードでメンバー間のタスクを一覧で表示して、進行度を確認できる管理方法です。
ボードの縦の列にはメンバーの名前を記載し、横の列には「準備」「作業途中」「完了」等の作業経過を記載します。
タスクで使用する項目は各自で自由に設定できるので、業務の進行度合いを一元管理できます。
進行度合いに応じてチームメンバーが更新する
設定されたタスクに対して、作業を進めながら進行度合いに応じてチームメンバーが表を更新していきます。
完了された項目を一目で確認できるので、誰がどの程度時間をかけているのか、メンバーの誰が作業が遅れているのかを把握できます。
カンバン式タスク管理を取り入れるメリット
カンバン式タスク管理を取り入れるメリットは、下記の3つです。
- 同一画面で管理するので各自でタスクの進行度合いが把握しやすい
- 上司が誰にタスクを振っているかを把握しやすい
- スケジュールを事前に立てて計画性を持った業務ができる
以下で詳しく解説していきます。
同一画面で管理するので各自でタスクの進行度合いが把握しやすい
カンバン式タスク管理は、1つの画面でメンバー全員の作業経過を把握できます。
そのためメンバー間で誰がタスクをどの程度まで進めているのかを、目視で確認しやすくなります。
メンバー間で進んでいる人が遅れている人のサポートをしたり、逆に遅れている人が他のメンバーに助けを求めやすくなります。
また管理者側でも評価しやすくなるので、純粋な作業量で部下を評価できるメリットもあります。
上司が誰にタスクを振っているかを把握しやすい
ToDo式のタスク管理法だと、タスクを出したことは履く出来るものの、誰にどれだけタスクを出しているかが把握しづらくなります。
特にプロジェクトを立ててチームで動くときには、各自の作業内容を把握しておかないと、全体の進捗度合いを正確につかめません。
結果として作業の遅れにつながってしまいます。
しかしカンバン式を取り入れることで、プロジェクトごとに誰に何を振っているかを把握できるので、いちいちメモに残す必要もありません。
またタスクが振られていないメンバーも確認できます。
スケジュールを事前に立てて計画性を持った業務ができる
カンバン式タスク管理は、スケジュールを事前に立てて、計画性を持って業務を進められます。
またスケジュールを立てても、判断ミスで作業に遅れが生じることもあります。
PDCAを回しやすくなるので、ミスを次に生かしやすいのもポイントです。
カンバン式タスク管理を取り入れるデメリット
カンバン式タスク管理を取り入れるデメリットは、以下の3つです。
- メンバー間のタスク負担の比重が把握しづらい
- 長期的なスケジューリングには向かないこともある
- 個人で導入しても意味がない
以下で詳しく解説していきます。
メンバー間のタスク負担の比重が把握しにくい
メンバー間のタスク負担の比重が確認しづらいことが、カンバン式タスク管理のデメリットです。
1面で誰にタスクを振っているかを確認できるものの、個人に振られているタスク負担は一目で管理できません。
長期的なスケジューリングには向かないこともある
カンバン式はあくまプロジェクト単位ごとで管理されますので、長いスパンのプロジェクトには向かないこともあります。
一つの画面に多くのタスクが書き込まれていると、すべてに目を通すのが面倒になります。
ごちゃごちゃしている画面だと、どのタスクに取り組むべきかを考える時間が発生しますので、逆に効率が悪くなります。
個人で導入しても意味がない
何度も伝えているように、カンバン式タスク管理はあくまでチームでの作業で導入するのが一般的です。
個人で複数の案件を抱えているなら利用できますが、企業に勤めていて一つの案件しか担当していないのであれば、ToDoリストのほうが管理しやすいです。
おすすめカンバン式タスク管理ツール3選
カンバン式のタスク管理はホワイトボードに付箋でも対応できますが、オンライン化の進んでいる今、パソコン上で確認したいですよね。
以下ではおすすめのカンバン式が導入されているタスク管理ツールを4つ紹介していきます。
①Trello
Trelloはボード上でタスクのすべきこと、進行度合い、完了報告が簡単にできるアプリケーションです。
Googleやコストコなど、世界的企業でも導入されているアプリです。
サイト上の翻訳は少し読みづらいですが、グローバル企業が運営していますので安心です。
またチームの大きさに応じて利用金額が変わるので、予算内での導入を目指せるのもメリットです。
②Jooto
Jootoは無料でも利用できるカンバン式のタスク管理ツールです。
ドラッグアンドドロップでタスクを操作できるので、いちいちボタンの配置を覚える必要もありません。
直感的に操作ができるので、初めて使う方でも使いやすいとの評判もあります。
またガントチャート機能もついているので、スケジュールの全体を把握できます。
カンバン式のデメリットを補う機能がついているので、プロジェクトを効率よく運用できます。
③Microsoft Planner
Microsoft PlannerはMicrosoft社が開発した、カンバン式のタスク管理ツールです。
何処でも利用できますし、MicrosoftのOSを使っていれば導入も楽々です。
有料ツールではありますが、運営元も世界的大企業ですので、安心して任せられます。
またTeamsとも連携していますので、チームタスク管理には欠かせないサービスです。
タスク管理をうまく運用するための2つの方法
タスク管理をうまく運用するためには、下記の2つの方法も並行して試してみましょう。
- ミスしてもいいからタスク完了時間を予測する
- タスクの優先順位を付けておく
ミスしてもいいからタスク完了時間を予測する
判断ミスがあってもいいので、タスクの完了時間を予測しておきましょう。
完了時間を予測することで、おおよそのスケジュール感もつかめます。
仮に目測を誤ったとしても、大体の作業時間を把握できますから、次に生かせます。
作業時間を予測する能力も付きますので、成長にも役立ちます。
タスクの優先順位を付けておく
カンバン式でも何から取り掛かるかを確認して、タスクの優先順位を付けておくことをおすすめします。
一覧で表示できるものの、各自が作業を進めるために優先度付けをしておかないと、作業が滞ってしまうこともあります。
タスクの優先度はタスク完了までの時間をもとに設定すると、失敗しにくいです。
カンバン式タスク管理を導入してチームの生産性を上げよう
カンバン式タスク管理は、1つの画面でチームのタスクを管理できるため、チームの生産性を上げられます。
ToDoリストを導入している企業でも、タスクの進行度合いに問題を感じているなら、一度導入を検討してみてください。