看護師の仕事にも慣れた頃、もっと上を目指したいと思う人も多いと思います。
スキルアップ、キャリアアップがしたいと、専門看護師や認定看護師の取得を考える人もいれば、もっと深く医療に関わりたいと思い医師を目指す人もいます。
看護師と医師は同じ医療の中で仕事をしていますし、病院の中でも距離が違い身近な存在ですよね。
ですが、違う職業であることは間違いありません。
看護師が医師を目指す場合、どのような経過が必要なのか考えていきましょう。
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目次
看護師から医師になる方法は2種類
看護師から医師への道は大きく分けて2つです。
- 医学部への編入
- 医科大学や医学部に新たに入学する
しかし、以上の道は容易ではありません。
非常に難易度の高い大学入試に挑む覚悟が必要となります。
そのためには、看護師としてのキャリアを一時的に中断する必要があるでしょう。
医学部へ編入する
看護師としての経験と知識を活かして、医学部に編入する方法です。
看護師資格を持っていれば、2年次前期や後期、3年次前期に編入することが可能です。
しかし、医学部への編入試験は非常に難易度が高いので注意しましょう。
受験の準備だけでも、多くの時間と労力が必要です。
勉強には生命科学分野について深い知識が求められます。
対策のため、予備校への通学が必須と考えてください。
医科大学や医学部に入る
看護師のキャリアを中断して大学に再入学し、医学部を卒業する方法です。
しかし、決して簡単なものではありません。
医科大学や医学部の試験は難易度が非常に高く、さらに競争倍率も高いでしょう。
長期間の勉強と経済的な準備が必要です。
仕事をやめてしまうと給料が入らないため、金銭的に困難があることも考えられます。
看護師から医師になることは難しい?
看護師から医師へのキャリアチェンジには、多くのハードルがあります。
年齢的な面や経済的な面だけでなく、キャリアの中断も考えて動いてください。
ここでは、看護師から医師になることの難しさを説明します。
年齢的な問題がある
看護師から医師になるためには、最短でも6年間の医学教育を受ける必要があります。
すでに看護師として働いている場合、新たに医師になる頃には30歳以上の可能性が高いでしょう。
高度な医学知識を習得し、研修医から一人前の医師となるまでには、さらに時間がかかります。
年齢を重ねるにつれて、体力的にも精神的にも大変なチャレンジになると考えてください。
年齢的な問題を乗り越えるためには、自己管理能力と向上心が求められます。
看護師のキャリアを中断しなくてはいけない
医師を目指すためには、看護師としてのキャリアを中断しなければなりません。
すでに看護師としての経験やスキルを積み重ねている人は、大きな決断となるでしょう。
仕事の中断期間中は、収入が途絶えます。
言われて、医師になることができなかった場合のキャリア再開も考えてください。
転職活動のリスクを十分に理解し、人生プランにマッチする方法を選びましょう。
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高い費用がかかる
医学部の学費は、以下の通りです。
- 国公立大学の場合約320万円~350万円
- 私立大学では約2,000万円~4,700万円
さらに教科書代や実習費用、生活費なども考慮に入れると総額はさらに増えます。
そのため、自分の資金だけでなく奨学金制度を活用するなど、経済的な計画をしっかり立ててください。
最低6年の期間がかかる
医師免許を取得するためには最低6年の期間がかかります。
看護師のキャリアを中断して6年間勉強することに、抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
6年間を仕事をしない覚悟だけでなく、その間に必要なお金も準備しましょう。
決められた教育課程を終了すれば、医師免許取得のために国家資格の受験が可能です。
ただし、試験は1年に1回しか実施されません。
受験に失敗すると、来年に備える必要があります。
その場合は最短の医師免許取得が不可能でしょう。
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看護師から医師へ転職するメリット
看護師から医師へ転職するメリットは以下の通りです。
- 独立の可能性がある
- 定年制度がない
- 病気やケガの治療に直接関われる
- 収入がアップする
- 医師の仕事に看護師の経験が活かせる
医師と看護師の職業は異なりますが、どちらも医療現場で患者の健康を守るという共通の目的を持っています。
その中で、看護師から医師へとキャリアを転じることを考える人もいるでしょう。
独立の可能性がある
医師になると、自分でクリニックを開業できます。
看護師とは違った働き方が可能でしょう。
経験を重ね、信頼を得てから開業することで、自分自身のビジョンを具現化できます。
加えて、患者に対する直接的な治療やケアができるでしょう。
医師になればスキルアップも期待でき、それが収入増にもつながる可能性があります。
定年制度がない
医師の職業は、自身の体力や精神力が続く限り続けられます。
年齢に制限されずに働けるのが、医師の一つの特徴と言えるでしょう。
経験を積み重ねることで、医師としてのスキルを磨き続けられます。
年齢に関わらずキャリアの形成が可能です可能となります。
病気やケガの治療に直接関われる
医師は、患者の診断や治療に直接関わります。
医師になると診断や治療法の決定など、より広い範囲での医療行為が可能でしょう。
医療技術が直接患者の回復につながることは、やりがいを感じられますね。
看護師も治療やケアに関わる仕事ですが、医者になることで対応できる範囲の幅が広がります。
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収入がアップする
一般的に、医師は看護師に比べて高い収入です。
基本給だけでなく、各種手当も充実していることが特徴です。
他にも、医師の資格がある人材は、転職市場でも高く評価されます。
医師は経済動向に関わらず、需要がある仕事です。
収入アップと、安定した働き方が可能でしょう。
医師の仕事に看護師の経験が活かせる
看護師として働いてきた経験は、医師になったあとも活かせます。
仕事から得られる視点やスキルが、転用できることがメリットです。
患者の状態を理解し、適切な診断と治療を行うためにこれまでのスキルが役立つでしょう。
医療未経験者よりも、勉強内容が頭に入りやすいこともポイントです。
看護師から医師へ転職するデメリット
看護師から医師への転職には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
- 仕事のプレッシャーが大きくなる
- 休みが思うように取れない
- 医師のキャリア志向になじめない危険性
- 上司が年下の可能性が高い
以上を理解して、自身のキャリアパスを決めてください。
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仕事のプレッシャーが大きくなる
医師は、生命を預かるという大きな責任を持つ職業です。
看護師と比べて、診断や治療の決定に直接関わるため、プレッシャーは大きくなります。
多くの業務は、患者の生命を左右する仕事です。
強い責任感だけでなく、精神的な耐性が求められます。
体力的にも精神的にも強くなくては、医師としての活躍は難しいでしょう。
休みが思うように取れない
医師は、休みが予定通りに取れないことが多いです。
緊急事態が発生したときや災害時の対応など、長時間の労働を強いられることもあります。
仕事の性質から、忙しさは避けて通れません。
そのため、プライベートの確保が難しいことがあります。
医師のキャリア志向になじめない危険性
医師の職場では、仕事で学歴やキャリアを重視する人もいます。
看護師からの転職者は、職場によってはなじみにくい可能性があるでしょう。
新しい環境や人間関係に適応するのが難しい可能性もあります。
しかし、仕事の能力と個人の考えは別のものです。
仕事と割り切って、互いに尊重し合うことが大切です。
上司が年下の可能性が高い
看護師から医師へ転職した場合、上司や指導者が年下である可能性があるでしょう。
年齢に関わらず、経験のある医師から学ぶことが多くなります。
しかし、医療の現場は年齢より経験とスキルが尊重される世界です。
個人の年齢に関係なく、上司や先輩として敬意をもって接しましょう。
医師になるためには、場面にあった適応力も必要と考えてください。
看護師から医師になることがおすすめの人
看護師から医師になることがおすすめの人には、以下の特徴があります。
- 医学への情熱を持つ人
- 具体的な目標を持つ人
- 高収入を目指す人
以上を理解して、医師という新たなキャリアへのステップを考えましょう。
医学への情熱を持つ人
医学に対する深い興味と熱意を持つ人は、医師への転職に向いています。
医療分野について学ぶ楽しみや、研究する喜びを感じられることは、十分な適性です。
進化する医学の世界では、常にキャッチアップが求められるでしょう。
ただし、医師になるためには情熱だけではなれません。
困難な試験を乗り越えるためには、エネルギーと時間の投資が必要です。
具体的な目標を持つ人
医師になるという明確な目標を持つ看護師は、適性があります。
具体的なゴールがあると、日々の学習や研究、困難な試験に対するモチベーションを保ちやすいでしょう。
医師として働くためのスキルや知識を勉強しやすくなります。
詳しい目標があれば、キャリアを積むためのプランも考えやすいですね。
高収入を目指す人
医師は一般的に、安定した高収入を得られる職業です。
生活や金銭面の安定を望む看護師には、医師への転職がおすすめできます。
高収入を得たい人にとっても、医師への転職は魅力的ですね。
しかし、医師免許を取るためには高額な学費や教育費が必要です。
投資と将来のリターンのバランスを考えることが重要です。
看護師から医師になる以外のキャリアアップ方法
看護師から医師になる以外のキャリアアップ方法をまとめました。
以上の方法について、詳しいポイントを紹介します。
認定看護師の資格を取得
認定看護師は、特定の専門分野における高度な知識と技術を持つ看護師を指します。
資格を取得するためには、教育機関での学習と認定試験の合格が必須です。
認定看護師の資格を持つ看護師は、特定の分野で高い専門性があることを証明できます。
看護職の中でも指導的な役割を果たすことが多く、キャリアアップにつなげられるでしょう
特定医療看護師の資格を取得
特定医療看護師とは、国が定めた特定の医療行為ができる看護師のことです。
資格取得には、特定の医療行為に対する研修を受け、修了証を取得しなくてはいけません。
呼吸器や循環器、中心静脈カテーテル関連、透析管理関連などの業務に携われます。
看護師として更なるスキルアップを目指す人にとって、おすすめの認定です。
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助産師を目指す
助産師は、妊娠、出産、産後のケアを専門とする職業です。
看護師として働く人は、最短1年間で助産師の資格を取得できます。
母子のケアに関わる仕事が助産師の役割です。
看護師とは異なる知識と技術が求められるでしょう。
助産師の認定は、キャリアを広げるために有利な方法です。
大規模な医療機関への転職
大規模な医療機関に転職することも、キャリアアップの方法です。
規模が大きい医療機関では、患者数も多く、様々な疾患に対応しなくてはいけません。
スキルアップのために、経験を積むことが可能でしょう。
看護師としての技術を高めるための、現実的な方法ですね。
転職に成功すれば、年収アップも難しくありません。
看護婦から医師への転職は覚悟が必要
看護師は専門的な知識と技術を必要とする仕事です。
患者さんが元気になるために日々奮闘していますが、もっとできることがあるのではないか、もっと患者さんのためにしたいという思いが強くなり、看護師資格だけでは物足りなさを感じる人もいます。
医師のように他の資格を取るというのも良いですが、今ある看護師の資格を活かす方法もあります。
新たな勉強や資格取得には時間と費用がかかりますので、これからどのようなことをしていきたいのか、どのような分野に進みたいのかを考え、それに沿った資格取得や方法を考えていきましょう。
悩んでいる時は視野が狭くなりがちです。
医師への転職も含めて、ゆっくりと納得できる選択をするようにしてくださいね。