仕事を辞めようと思った時に気になるのは、次の仕事のこととお金のことではないでしょうか。
すぐに仕事が見つかれば良いですが、見つからない可能性もありますし、少し休みたいと思っている人もいると思います。
どちらにしてもお金の心配をしながら生活をするのは嫌ですよね。
そこで頭に浮かぶのは“退職金”です。
看護師も退職金をもらえるのか、誰でももらえるのか、もらうために手続きは必要なのか、多くの疑問があると思います。
気になる看護師の退職金事情をご紹介しますね。
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目次
看護師の退職金は勤務年数や役職で異なる
退職金の額は、看護師の勤務年数や役職により大きく異なります。
ここからは、そんな要素が看護師の退職金に影響を与えるのか、詳しく解説します。
ただし、あくまで一般的な退職金の額を紹介するので注意してください。
解説する金額に、すべての看護師が当てはまるわけではありません。
3年以上は30万程度の退職金
看護師としての勤務年数が3年以上の場合、退職金として一般的に30万円程度が期待できます。
この金額は、3年という勤務年数が最低ラインと考えられることから基準とされています。
退職金は、従業員が会社に貢献した年数を反映するものであり、看護師も例外ではありません。
3年以上の勤務というのは、一定の専門知識と経験を持っていることを示します。
その労力と貢献を評価した結果が退職金として出るのでしょう。
5年で50万前後の退職金
勤務年数が5年に達すると、退職金は50万円前後に増える傾向にあります。
5年という期間は、看護師としての技術や経験が一定レベルに達する目安とされ、それが退職金に反映されます。
その期間、看護師としての専門的な知識や技術を磨き上げることで、患者へのケアの質も向上します。
その結果として、5年勤務の看護師は、退職金としてより多くの報酬を受け取ることができます。
10年以上を務めると200万円以上が期待できる
長期にわたり勤務を続けると、その結果として退職金も大きく増えます。
例えば、10年以上の勤務年数を有する看護師は、200万円以上の退職金を期待できます。
10年という長い期間は、その看護師が高い専門性と経験を持っていることの証です。
勤務先の、患者へのケアの質を大いに向上させたことを示しています。
その献身的な労力と専門的な貢献が、退職金という形で評価されるのでしょう。
管理職レベルは退職金の水準が高い
役職が管理職レベルとなると、退職金の水準も一段と高くなります。
その理由は、管理職としての職務経験やリーダーシップ能力が評価されるからです。
看護師の中には、チームや部門の管理職を務める人もいます。
これらの職務は、看護師自身が行う日々の看護業務だけではありません。
スタッフの管理や育成、業務の効率化など、更なる責任とスキルを必要とします。
その結果、退職金もその役職の重要性と難しさを反映したものになるのでしょう。
看護師の一般的な退職金とは?
退職金とは、大きく3つにわけることができます。
退職一時金制度
退職する時に支払われるものです。
定年退職だけではなく、自己都合での退職や会社都合の退職の場合も支払われます。
企業年金制度
退職時ではなく、後に年金として支払われるものです。
退職一時金と併用している企業もあります。
前払い制度
退職時ではなく、決まった金額を月々のお給料や賞与に上乗せして支払われるものです。
私たちが一般的に言っている退職金は、退職一時金を指していることが多いですね。
どの制度を使っているかは、その企業により違いがありますので、自分が働いている病院や施設の退職金制度がどうなっているかを調べて置くと良いですよ。
看護師が退職金をもらう条件
退職金はどの業種でももらえる可能性があり、看護師も例外ではありません。
ただし、退職金は法律で定められているものではありませんので、退職金制度を導入していない企業もあるのです。
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勤務先に退職金制度がある
まずは自分が働いている病院や施設で、退職金制度があるか調べましょう。
これは就業規則に書かれていますので、簡単に調べられると思います。
書かれていなければ、制度自体がないことになりますので、退職金をもらうことは絶望的かもしれません。
ですが、明記されていないだけで最後のお給料に少し上乗せされている場合もありますので、先に辞めた人がいる時は聞いてみると良いですよ。
退職金は定年退職だけではなく、中途退職でももらえることもあります。
その際は、条件がついている可能性がありますので、その条件を満たさなければ支払われないことになります。
勤続年数が条件になっていることが多く、3年から5年くらい働いていると支払われるケースが多いですね。
退職金がもらえるかどうかは、退職金制度があるか、支払条件を満たしているか、この2点がカギになります。
転職する際は、退職金制度があるかチェックするようにしてくださいね。
退職金制度がある病院とない病院の特徴
転職時に退職金のことを質問するのは、ちょっと抵抗がありますよね。
すぐに辞めるつもりなのかと思われて採用されない可能性もあります。
退職金がもらえる病院か、もらえない病院か、外からみてわかりやすい特徴をまとめてみましょう。
退職金がもらえる病院
- 大学病院
- 公立病院
- 職員数が多い病院
特に大学病院と公立の病院は、国家公務員や地方公務員の退職金の計算方法を採用しているところも多く、一般企業の計算よりも高くなります。
この他にも、手当などの賃金体制がしっかりとしているところは、退職金制度があるところが多いですし、グループ経営をしている病院や介護施設なども退職金がある倍が多いですよ。
退職金がない病院
- 小規模なクリニック
- 基本給が高すぎる病院
- いつも求人が出ている病院
個人経営で外来だけというようなクリニックは、退職金がないところが多いですね。
規模の割に基本給が高い病院も要注意です。退職金がない代わりにお給料を高めに設定している可能性があります。
そして求人がしょっちゅう出ているところは、労働環境があまり良くなかったり、福利厚生が整っていない可能性がありますので、退職金は期待できないかもしれません。
個人病院でも、外来の他にデイケアや訪問看護ステーションなど複数の部門があるようなところは、退職金制度がある場合もありますので、確認してみると良いですよ。
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最低限の勤務年数をクリアしている
次の条件は、最低限の勤務年数をクリアしていることです。
退職金は、その医療機関への貢献を評価するためのものです。
このため短期間の勤務では退職金をもらうことは難しいでしょう。
具体的な最低勤務年数は、医療機関によりますが、一般的には3年以上とされています。
つまり、看護師が退職金を受け取るためには、3年以上その医療機関で働く必要があります。
看護師の退職金を計算する方法
退職金の計算方法は、勤務年数や役職、それぞれの医療機関の規定によります。
以下では、その具体的な計算方法をいくつかご紹介します。
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退職金=毎月の基本給×勤続年数
一般的な計算方法の一つは、基本給と勤続年数を掛け合わせる方法です。
「退職金=毎月の基本給×勤続年数」で求めることができます。
この計算方法では、長く働いて高い基本給をもらっているほど退職金が多くなります。
退職金=勤続年数によって勤務先で決まった額
勤務先が勤続年数によって、あらかじめ定めた金額を退職金とする場合もあります。
この場合、退職金は「勤続年数によって勤務先で決まった額」になります。
ここでも、長く勤務したほど退職金が増える形になります。
退職金=勤続年数×固定金
勤続年数に応じて固定された金額をかけ合わせる計算方法もあります。
「退職金=勤続年数×固定金」となります。
この計算方法でも、勤務年数が長いほど、退職金は多くなります。
これらの具体的な計算方法は、それぞれの医療機関の規定や、個々の労働契約によります。
自分が働く医療機関の雇用契約内容をよく理解することが重要です。
退職金=毎月の基本給×勤続年数×貢献度や功績
「退職金=毎月の基本給×勤続年数×貢献度や功績」というものです。
この方法では、勤務年数だけでなく、個々の貢献度や業績も考慮に入れます。
看護師が取り組んだ業務の質や範囲、成果などが評価されるでしょう。
それによって退職金の額が増える可能性があります。
ただし、この計算方法を採用している医療機関は少ないと言われています。
看護師の退職金にまつわる基本情報
看護師の退職金について理解を深めるため、いくつかの基本情報を知っておくと良いでしょう。
ここからは、退職金の金額と、高い退職金が期待できる職場選びについて詳しく説明します。
高い収入は退職金の高さに比例しない
看護師の給与が高いからといって、必ずしも退職金が高いとは限りません。
退職金の額は、勤務先の規定や勤務年数、役職など多くの要素によって決まります。
たとえば、基本給が高くても勤務年数が短いと、退職金は少なくなる可能性があるでしょう。
逆に、基本給が高くなくても勤務年数が長ければ、退職金はそれなりに出る場合もあります。
国立大学病院は退職金が高め
国立大学病院で働く看護師は、退職金が高めに設定されていることが多いです。
これは、国立大学病院が公的な機関であるため、安定した経済基盤を持ち、退職金の支払いに対しても負担が少ないからです。
また、国立大学病院は研究や教育の場でもあります。
そのため、長期間働く看護師を評価し、退職金でその功績を称える傾向にあります。
老人ホームも退職金がやや高い
老人ホームで働く看護師も、退職金がやや高めに設定されていることがあります。
これは、老人ホームでの看護業務が体力的にも精神的にも大変ということが原因です。
看護師が高く評価され、退職金として反映されることが多いからです。
勤務している老人ホームから高い退職金をもらいたい場合は、貢献度をあげましょう。
都心の規模が大きい病院は退職金が高い
都心の大規模な病院では、退職金が高額に設定されている場合が多いです。
これは、都心の大病院は医療技術の最先端を進んでいるためです。
他にも、幅広い診療科があるため、看護師の専門知識や技術が高く評価されることも理由でしょう。
その結果、看護師の退職金も高くなる傾向にあります。
看護師が退職金に悩んだら転職エージェントに相談しよう
看護師の退職金については、働く環境や施設によりその額は大きく変動します。
そのため、退職金について不安や疑問がある場合は、専門の転職エージェントに相談すると良いでしょう。
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看護師の退職金は雇用契約通りに支払われる
看護師の退職金の計算方法、支払い時期などは事前に雇用契約で定められます。
退職金で不安を感じたら、雇用契約書を確認してください。
役職や高いポジションの看護師の退職金は、相場と比べると高い傾向です。
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