転職先候補として、家族経営の企業が上がっている人もいます。
ただ家族経営の企業だと、親族優先で親族以外だと、不当な扱いを受けるのでは?とマイナスな印象があります。
しかしこれは選ぶ企業による部分も多く、必ずしも該当するわけではありません。
そこでこの記事では、家族経営の企業に転職するメリット・デメリットと、良い企業を見抜くポイントを解説します。
目次
家族経営の企業に転職するのはアリ?
家族経営の企業とは、創業一家が経営する会社のことで、役員の名字が全員同じということも珍しくありません。
会社名に社長の名前が入っている、役員の中に社長と同じ名前があるなどの企業は、家族経営の企業の可能性が高いでしょう。
このような家族経営の企業だと、親族や家族ばかり優遇されて、一般社員はあまり良い環境ではないことを心配されることがあります。
そのため家族経営の企業への転職を避けているという人も、中に入るでしょう。
実際に家族経営の企業への転職は、アリなのかナシなのか、それは転職先にもよるでしょう。
健全な経営がされているなら問題ない
家族経営で心配されるのが、家族や親族ばかり優遇されて、給与や待遇面で公私混同してしまうことです。
家族経営ではなければ健全な経営のために、株主や監査役などが厳しくチェックしていますが、家族経営では外部の目が届かずに健全とは言えない経営をしていることがあります。
そのため家族経営でも健全な経営がされている企業であれば、家族を優遇したり一般社員を冷遇するなどはなく、転職しても問題ないでしょう。
中には問題を抱えている企業もある
中には残念ながら問題を抱える企業もあります。
プライベートの車を経費で購入、身内ばかり待遇面や給与・役職で優遇されるなど、家族だけが得をするような経営をしていることもあるのです。
そのような企業だと、転職しても働きにくく後悔に繋がってしまいます。
家族経営の企業に転職するメリット
家族経営に転職するのは、どの企業を選ぶかにもよってアリ・ナシが変わります。
ただ家族経営だからという理由で、避けてしまうのはもったいないかもしれません。
家族経営だからこそのメリットもあり、転職したら良かったと思うかもしれません。
メリットもしっかり把握したうえで、転職するのかどうかを決めることが大切です。
そこでここでは、家族経営の企業に転職するメリットを解説します。
経営者との距離が近いこともある
家族経営で中小企業だと、経営者との距離が近いこともメリットです。
経営者がどのような考えを持っているのか、経営者と一体感を持って仕事ができます。
何のために業務をしているのか、それを把握しやすいため仕事に対するやりがいも感じやすくなります。
経営者との距離の近さがデメリットに感じてしまう人もいますが、それがメリットになることもあるのです。
〇代目等経営が比較的安定していることが多い
家族経営でも〇代目など創業してからが長い企業であれば、比較的安定していることが多いでしょう。
創業100年など長く経営している企業では、家族経営であるパターンが多いといわれています。
このような企業の場合、基盤が安定しているためちょっとのことでは倒産しないというメリットがあるのです。
もちろん創業からの長さがすべてではありませんが、長く続く企業はそれだけ信頼性も高く雇用も安定しています。
雰囲気が良いところが多い
家族経営でも健全な経営ができている企業であれば、社内の雰囲気もアットホームで働きやすいというメリットがあります。
特に子どもいる家庭では、急な休みにも快く対応してくれる、融通が利きやすいなど長く続けやすい雰囲気の企業もたくさんあります。
大きな企業では味わえないような家族の安心感や頼りやすい環境も、家族経営で働くメリットと言えるでしょう。
食事会などのイベントが多い可能性もある
家族経営の企業では、社員との距離も近いため本当の家族のような雰囲気で働ける企業もたくさんあります。
そのような企業では、定期的に食事会やイベントなどがあり、社員同士の仲が深まっていくような楽しみをたくさん作っていて、楽しい気持ちで働けるのです。
もちろんそういう雰囲気が得意ではない人もいますが、職場だけではなく長くいる場所だから良い関係を築きたい人にとっては、このような楽しいイベントなどが多いのは、嬉しいポイントとなっています。
家族経営の企業に転職するデメリット
家族経営の企業に転職するメリットを解説しました。
経営が安定している、雰囲気が良いなどのメリットがあり、家族経営でも悪いことばかりではないということがわかりました。
しかし残念ながら家族経営だから感じてしまうデメリットもあります。
メリット・デメリットもしっかり把握したうえで、自分の性格や特性に家族経営の企業がマッチするのかを判断することが大切です。
そこでここでは、家族経営の企業へ転職するデメリットを解説します。
気に入られないと評価されない可能性もある
家族経営では、創業一家が権力を握っており、一般社員でも気に入られれば役職がもらえたり給料が高くなったりなどすることがあります。
しかし逆に経営や業務内容に口を出してしまうなど、社長や創業一家に気に入られなければ、冷遇されてしまう可能性もあります。
業務負荷が大きくなる、パワハラやセクハラを受けるなど、冷遇されてしまうと働きにくくなり退職を余儀なくされてしまいます。
家族経営でなければないような違法行為も起こってしまう可能性があるのは、大きなデメリットといえます。
社員同士がギスギスしている可能性もある
健全経営がされておらず、家族や親族ばかり優遇されるような企業に当たってしまうと、社員同士がギスギスした雰囲気で、とても働きにくい環境になってしまう可能性もデメリットです。
さらに家族間で揉め事が発生すると、そのままの雰囲気で会社に持ち込まれてしまい、雰囲気が最悪だということも珍しくありません。
さまざまな面で、社員同士がギスギスしている中で働かなければいけない可能性があるのは、とても働きにくく家族経営だからこそのデメリットといえます。
独裁経営がおこなわれていることもある
家族経営でワンマン社長の場合、社長の意見が絶対で反対意見は言えない、社長の気分で経営方針や規則が変わるなど、独裁経営になりやすいのもデメリットです。
社長がこうだといえば必ずそれに従う、違法な労働を求められても従うしかないなど、独裁経営だと社長がすべてになってしまいます。
株主や監査役、労働組合等がない家族経営では社長に意見できる人がおらず、ブラック企業になってしまう企業が少なくないのが現状です。
身内が優先して評価される可能性がある
どんなに仕事ができて利益を上げても、優先されるのは身内ばかりという可能性があるのも、家族経営のデメリットです。
どれだけ頑張っても正当な評価は得られず、給与や待遇も上がることはないだけでなく、社長の息子がいきなり子会社社長就任など、家族ばかり優遇されてしまうこともあるのです。
身内か身内じゃないかで評価が決まるような企業へ転職してしまうと、正当な評価が得られず疲弊してしまう可能性があります。
家族経営の企業が健全かを見極めるには?
家族経営のメリット・デメリットについて解説しました。
家族経営が絶対的に悪いわけではなく、健全な経営が行われている企業へ転職すれば、転職してよかったと思えるでしょう。
そこで転職前には家族経営かどうかだけでなく、健全な経営がされているかをしっかり見極めて判断することが大切なのです。
そこで家族経営の企業が健全かどうか見極めるときのポイントを解説します。
離職率が高くないかを確認
まず転職先候補が決まったら、その企業の離職率に注目してください。
離職率が高い企業だと、一般社員が冷遇されている、雰囲気が悪いなど何らかの問題があり定着率が悪くなっている可能性があります。
転職後に後悔しないためにも、内定承諾する前に離職率を確認し、あまりに高い場合には少し考えたほうが良いかもしれません。
会社の評判がどうなっているか
離職率あわせて会社の評判についても確認するのがおすすめです。
口コミを見るのも良いですし、周りに就業経験のある人がいれば、その人に確認するのも良いでしょう。
どのような会社なのか、社内の雰囲気、社長が独裁的ではないかなど、家族経営のデメリットとなる部分について調べ、当てはまるようであれば考え直すことも大切です。
若い社員がいるかどうか
離職率の高い家族経営の企業では、若い社員は少なく平均年齢が高い傾向にあります。
若い社員がいない企業は、離職率が高く採用しても定着しにくいと判断できます。
その場合、ブラック気質やワンマン社長で働きにくい環境など問題がある可能性が高いでしょう。
もちろんこれがすべてではありませんが、注意ポイントの一つとして覚えておくと健全ではない企業を避けることにも繋がります。
家族経営の企業へ転職するなら事前に企業情報を確認しておこう
家族経営の企業へ転職するメリット・デメリットを中心に解説しました。
家族経営の企業は、社長がワンマンで独裁的、創業一族だけが優遇されるなどデメリットを抱えている場合も少なくありません。
ただ健全経営して長く続いている企業もたくさんあります。
家族経営だからと嫌煙するのではなく、その企業の情報をよく確認し後悔しない転職にすることが大切です。