- 経理への転職ってどうなのかな?
- 未経験でも経理になれる?
- 経理って具体的にどんなことをする仕事なの?
経理は専門職のため、転職するのはむずかしいと考えている人が多いようですが、実際にはそんなことはありません。
しかし誰でも経理になれるという訳ではありませんし、向き・不向きがありますので、経理の仕事を理解して転職するかを判断しましょう。
目次
経理は引く手あまた?経理職の現状とは
事務職の求人倍率が低迷し続けるなか、経理の求人市場はどうなっているのでしょうか?
中途採用では「即戦力」を求める傾向が強いようですが、20代の転職は可能なのかをみていきましょう。
経理への転職は売り手市場!
事務職の求人とは反対に、経理の仕事は売り手市場です。
その原因は、経理の労働人口が減っているのが理由です。
リーマンショックの影響で景気が悪くなり、経理をはじめとする売上に直接関わらない人員を減らす時期がありました。
そのため2010年ごろには新卒入社が経理へ配属することがほとんどなかったようです。
ところが景気が回復して、やるべき経理業務は増加。
そんな状況で30代前半の層がすっぽりと空き、「経理の経験者が足りない」という状況に陥っています。
20代で未経験でも間口は広がっている
経理の人材不足で、企業は「未経験でもこんな資格があればOKです」という求人をだし、経理職を多く募集しています。
30代・40代になってからのキャリアチェンジは難しいので、20代から30代前半までに転職するのがオススメです。
未経験でも経理になれる?転職を成功させるポイントと経理の魅力について
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経理の仕事内容とは?
経理は現場の社員が商品やサービスを売ったり、材料などを仕入れたり、それに伴う外出や出張など、日々の企業活動に必要なお金の動きを管理するのが仕事です。
日々の業務、月次業務、年次業務に分かれ、年間を通して以下のような仕事があります。
- 仕入れに関するお金の管理
- 売上に関するお金の管理
- 現金・預金管理
- 会社の財務状況をまとめる(決算)
- 会社の資産を換算する
- 給与や社会保険料の計算
- 納税
経営者は経理がまとめた決算書をもとに、会社がどのくらい儲かっているか、運営状況や資産状況をチェックして、今後の会社の経営に活かします。
経理の仕事は地味だと思われがちですが、現場のスタッフから頼りにされ、社長の経営判断を左右する重要な役回りなのです。
会社規模や業種によって経理の仕事内容は異なる
経理の仕事はお金の流れを数値化して管理するのが仕事です。
これはどこの会社でも変わりませんが、企業規模や業種でやるべき仕事内容は異なっています。
転職においては、「どんな経理になりたいか」を基準に会社選びをすると、理想に近い働き方ができます。
【会社の規模別】経理の仕事の違い
大企業・上場企業
売上や取引規模、従業員数などすべての面で規模が大きいのが特徴です。
そのため分業化されていることが多く、経理・財務・決算などを担当ごとに分けてやることになります。
中小企業
日々の仕訳から決算業務、税金計算・申告まで、すべて一人もしくは複数人で担当します。
なかには税務だけ会計事務所に任せている会社も多いようです。
上場子会社・関連会社
親会社と同じ、もしくは親会社が求めるレベルの決算を行います。
内容を親会社へ報告する義務があるため、親会社の経理担当者とやりとりをすることが多く、対等な知識が必要です。
外資系企業
国内での税務申告用の決算業務と、海外の親会社への決算報告が必要です。
それに伴い語学力も求められます。
【業種別】経理の仕事の違い
金融業
銀行や保険会社などが該当し、お金が商品であるため仕事の内容も他業種と大きく異なります。
管理項目のチェックが非常に厳しい傾向にあるのが特徴です。
不動産業
扱う商品が大きく、プロジェクトの計画から完了までが長期に渡ります。
そのため年度をまたいでの原価計算処理が行われます。
小売業
簿記で学ぶ「モノを仕入れて売る」という業態が多いのが小売業で、商品を多く仕入れるため仕入管理が日常業務の多くを占めます。
年度末に行われる棚卸しでは、在庫数の確認や価格の確定などの業務も発生します。
製造業
自動車や機械、部品などのメーカーが当てはまります。
自社で材料を仕入れて製品を作るため、「製品を作るのにいくらかかったか」という原価計算が大きなポイントです。
経理の年収は上がっている
経理は求人も増えているため、年々、年収が上がり続けている状況です。
人材サービスdodaの調査によると、経理の平均年収は502万円となっています。
年代別 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 391万円 |
30代 | 516万円 |
40代 | 618万円 |
50代 | 757万円 |
経理の場合、経験を積むごとに年収が上がる傾向が強いようです。
これから経理を目指す人にとって、魅力的な材料のひとつではないでしょうか?
参考:doda(平均年収ランキング最新版)
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
20代の経理職の採用基準
経理の募集は会社によって評価軸が異なります。
大きく分けると以下の3つになりますので、応募先がどんな人材を求めているのかを、求人票で読み解いてから応募しましょう。
ポテンシャル
ポテンシャル採用とは、今は即戦力にはならないが、将来的に大きな成長が期待できる人材を見出し採用することです。
主に、経理の組織が確固されオペレーションがシステム化された大企業や、そのグループ企業に多い傾向があります。
即戦力
中途採用では、一般的に即戦力が重要視されます。
大手企業は人気があるため、豊富な経験を持った人材が多く集まりやすい傾向です。
一方で、中小企業やそれ以下の規模の会社では思うような人材を確保することが難しいため、経理の知識を持った未経験者まで枠を広げて募集しています。
カルチャーフィット
ベンチャー企業やスタートアップ企業に多いのが、カルチャーフィットを大切にした採用です。
この場合は経理としての経験がどんなに豊富であっても、社風や価値観が違っていると採用されません。
そのためスキルは最低限レベルのものが求められる程度で、カルチャーフィットを重要視して採用されます。
経理にはこんな働き方もある!広がる在宅勤務
正社員の求人以外で目立つのが、在宅勤務などの新しい勤務体系です。
「家庭との両立」や「経験を活かして働きたい」という目的で、とくに女性のフリーランスに多くみられます。
東京では売り手市場で人材を確保できないため、地方に経理機能を置く企業も増えてきているようです。
今後は経理のクラウド化も進んでいくことが予想されるため、このような働き方が増えていくでしょう。
未経験から経理への転職でやっておきたい事前準備とは?
20代はわりと仕事探しに苦戦しない市場ですが、転職するならより条件のいい会社を選びたいですよね。
人気企業は応募する人数も多く、ライバルと差をつけるためには事前の準備が大切になってきます。
経理の知識を証明する資格取得
経理の求人では、部署の若返り目的や欠員の補充で募集をかけることが多いため、企業は20代の採用に積極的です。
そんな中で経理の実務がなくとも、経理に関する資格を持っているだけで、採用担当者は未経験者の採用に踏み切れます。
資格を取得するなら、もっとも有名な日商簿記がオススメです。
2級を持っていれば、かなり優位に働きます。
ほかにもFASS検定や給与計算実務能力検定、IFRS検定などがありますので、自分の興味のあるものや、転職先で活かせそうな資格を選んで勉強をはじめてみましょう。
前職で経理に活かせる能力をピックアップ
会社が転職者に求めるものは、経理の知識や資格などもありますが、多くの会社に共通するのが「コミュニケーション能力」です。
ですので、前職での経験をアピールする場合、コミュニケーション能力に絡んだことを材料にするのがオススメです。
前職が一般事務の場合
前職が一般事務であれば、ひと通りのパソコンスキルは持っていると判断されます。
その上で、他部署とやりとりをする中で注意した点や、部内の業務を効率化するために工夫した経験などは是非アピールしてほしいと思います。
前職が営業の場合
営業出身者であれば、コミュニケーション能力は兼ね備えていると思われることが多いので、「どんな顧客に対応していたか」「自分の営業成績に対する意識」などを述べるのがオススメ。
経理職についたときに、どこまで数字に対する意識が高いかを、採用担当者がイメージできます。
20代での経理の転職は難しくない!
経理職は引く手あまたですので、20代であれば未経験でも積極的に転職活動が行えます。
まずは経理としてどんな風にキャリアアップしていきたいかを考え、応募する企業規模や業種を選択していきましょう。
次にどの資格を持っていると転職に有利かを考え、資格の勉強をスタートさせます。
これまでの経験で経理に活かせそうなスキルやエピソードを紙に書き出し、面接対策に備えましょう。