事務職の求人が少なくなる一方で、安定した求人数がある経理は、男女問わず人気の職業です。
しかし専門的な仕事のイメージが強いため、未経験者にとってはハードルが高く敬遠されがち。
「経験がなくても経理へ転職できるのか知りたい!」という人に、経理の転職事情や転職を成功させるコツを紹介します。
事務系の中では地味なイメージもある経理ですが、実は経理ならではのメリットが多い職種です。
目次
経理への転職は難しいって本当?
中途採用は即戦力を求められている
経理の中途採用は「即戦力」を重視するため、どうしても実務経験の有無が問われ経験者にプラスに働きます。
経理の仕事はお金に関する専門的な知識や、伝票を処理する能力が必要になるからです。
経理は女性に人気の事務系の中でも求人が多い
事務系の求人を狙う転職者は、求人数の少なさに悩んでいる人も多いかもしれません。
2018年に求人サイトのdodaが調査した「転職求人レポート」では、事務・アシスタント系職種の求人倍率は11職種の中でも最下位の、0.23倍という低さでした。
しかし経理職を含む、企画・管理系の職種には1.83倍の求人があることが分かっています。
つまり事務系の仕事をしたい人にとって、経理は穴場な職種となっているのです。
20代の転職なら経理がオススメ!未経験でも採用されやすい経理の仕事とは
経理への転職を成功させる方法は?
求人数が多いといっても、まったくの未経験者が簡単に採用されるほど転職は甘くありません。
そこで、未経験でも転職がスムーズにいくためのポイントを紹介したいと思います。
簿記3級の資格を取得する
経理の仕事の中でも、決算や予算実績管理などは、ある程度の経験を積んだベテランの社員が担当することになります。
未経験者の場合、まずは経費精算や売掛・買掛金の処理などの日常的な業務から取り掛かることが多いようです。
事務的な仕事からのスタートでは、簿記3級の資格を持っていると業務にも馴染みやすく必要な知識が身につきます。
採用担当者にも「一定の経理の知識がある」と分かってもらえるので、全くの未経験者と差別化され転職でも有利です。
簿記3級であればスクールなどに通わなくとも、独学で学ぶことができるでしょう。
条件を高く設定しすぎない
せっかくの転職ですので、より好条件の企業に入社したいと思うのは当たり前です。
しかし経験者に有利な経理への転職は、はじめから条件を高く設定せず、出来るだけゆるめに設定して応募する企業数を増やしましょう。
「大企業に入社したい」「ベンチャー企業で経理全体の仕事を任されたい」という気持ちがあれば、2、3年の経験を積んでから転職しても遅くありません。
まずは「経理職につく」ということを重視して、実務経験を積んでからより良い企業へステップアップするというのがベストです。
転職エージェントを利用する
未経験からの転職では、どれだけ企業の求める人材に近いか、的確な自己アピールができるかが重要です。
実務経験がないため、これまでの経験で経理職に活かせるポイントはないかを分析して、募集しているポジションに適材であることを採用担当者にアピールしなくてはなりません。
そこでオススメなのが、転職エージェントを活用した転職活動です。
転職エージェントは数多くありますので、2、3社くらい登録して紹介される求人案件を見比べながら、比較・検討するようにしましょう。
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経理の仕事が未経験者には難しい理由とは?
会社にある多くの職種の中でも、経理の仕事がむずかしいのには3つの理由があります。
専門知識が必要になる
知識や経験が乏しいと、仕事が思うように進まず苦戦することが多くなります。
会社独自のシステムやルールなどは入社してから学ぶので問題ありませんが、給与計算や社会保険、税金など最低限の知識が必要です。
基本的なことが分かっていないと理解を深めることが難しいため、「昔から数字が苦手」「計算が好きじゃない」という人にとっては、仕事が困難に感じてしまうでしょう。
ミスが許されない
経理をやる上で、これが一番大変なことかもしれません。
経理は会社のお金を扱う仕事ですので、1円のズレも許されない、正確さが求められる仕事です。
金額はもとより、書類の発行日や企業名なども間違いが許されないため、二重チェック、三重チェックをするなど慎重に業務をこなさなくてはなりません。
チェックを怠ってしまうと、顧客に実際より多い金額の請求書を出してしまったり、支払いが期日までに間に合わなかったりと、顧客や取引先にも迷惑をかけてしまいます。
入社して業務に慣れるまでは、先輩社員がチェックしてくれることが多いですが、状況に甘えず常に緊張感を持って仕事をするようにしましょう。
言いたくないことも言わないといけない立場である
他部署の社員が計上してきた経費精算を処理するのも、経理の仕事です。
中には何でも経費で落とそうとする人や、処理が遅く半年前の伝票を提出する社員もいます。
そんな社員に対して「これは経費では落ちません」「どうして処理が今になったのですか?」など、いやな役回りをしなくてはいけません。
そのため経理には高いコミュニケーション能力も求められています。
未経験でも経理になれる?転職を成功させるポイントと経理の魅力について
経理に転職するメリットってこんなに豊富!
転職しやすい
入社するときは狭き門である経理ですが、一度実務を経験するとその知識はどの会社でも通用するため、転職しやすいというメリットがあります。
予算管理や決算、さらに連結決算まで経験すると、どんな会社へ転職しても実力が高く評価されます。
キャリアアップできるポジションである
会社のお金の流れを数値化し、管理するのが経理の仕事ですので、業務をこなしていくうちに経営者の視点が身につきます。
経理は事務職に分類されることが多いのですが、実際は専門職ですので、キャリアを積んでいくうちにスペシャリストとして成長することが可能です。
会社の利益や資金調達など一通りのことが分かってくると、企業の経営層からも頼りにされる存在になります。
未経験からスタートしたとしても、経理畑でさまざまな知識を見つけることで、いずれは管理職候補や幹部候補として抜擢されるケースも少なくありません。
定年まで長く働ける
企業に勤めている人は、経理部の年齢層が高いと感じたことはありませんか?
それは、経理が何歳になっても続けられる仕事だからです。
営業職やIT業界のエンジニアなどは、バリバリ働けるのは20代〜30代がピークですが、経理にはそのような概念がありません。
さらに同じ人に働き続けてもらう方が、企業にとっては安心できる要素にもなりますので、長く働やすい環境が整っています。
仕事量が一定しているので給与も安定している
経理は大きなミスをしない限り、クビになる心配がほとんどなく、安定した収入が見込める職業です。
経営状況を把握していなければ務まらない仕事ですので、年収も少しずつですが確実に上がっていき、スキルに見合った収入が期待できます。
ワークライフバランスがとりやすい
経理の仕事は毎日の業務が決まっているということもあり、仕事に慣れてくると定時で帰れることもめずらしくない仕事です。
年末や会社の決算時期などは残業も多発しますが、締め切りがあるため何ヶ月も続くわけではありません。
年間を通してどの時期が忙しいのか、あらかじめ把握できているので、プライベートの予定が立てやすいのも経理の魅力のひとつです。
経理への転職は転職エージェントを利用すると上手くいく!
経理の魅力を伝えたところで、経理への転職を成功させるための転職エージェント活用のメリットをご紹介したいと思います。
多くの非公開求人から「受かりそうな会社」を選んでもらえる
転職エージェントでは、一般的に公開されている求人とは別に、企業が公にしたくない「非公開求人」を数多く抱えています。
非公開求人は大手企業やホワイトな中小企業であることが多いのも特徴です。
仕事探しというとハローワークをイメージする人も多いようですが、ハローワークは無料で求人が出せるため、ブラック企業が含まれていることも多々あります。
転職エージェントや求人サイトでは、募集をかけるのに企業がお金を払っているため、「採用したい」という意欲が違います。
なかでも非公開求人は、特定の転職エージェントだけが保有している案件ですのでライバルが少なく、採用される確率がグンと上がります。
転職のプロによるアドバイスや書類添削
転職が初めての人、転職回数が多い人、社会人経験がない人など、その人に合わせた直接的なアドバイスがもらえるのが転職エージェントを活用するメリットです。
履歴書や職務経歴書もプロの目線で添削を行ってくれるため、転職経験がない人も安心して活動に取り組めます。
職歴からアピールポイントや経理に活かせる経験を抜粋
これまでの職歴やヒアリングの中から、あなたのアピールポイントを見出し自己PRの材料にしてくれます。
実務の経験がなくても、経理へ活かせることは数多くありますので、これまでの経験を惜しみなく話しましょう。
事務職が長ければ、ExcelやAccessなど経理に必須なパソコンスキルを培っているはず。
また営業職や接客業の経験は、コミュニケーション能力をアピールするのに十分な要素です。
その他にも、自分が思っている以上に経理に役立つ経験がきっとあるますので、キャリアコンサルタントに相談して対策を取って欲しいと思います。
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経理への転職は求めている人材を把握することが重要
経理への転職は、企業が求める人物像にマッチしていれば、未経験でも十分可能ということが分かりました。
ただやる気だけをアピールするのでは経験者に負けてしまうため、転職エージェントを活用してあなただけの自己PRを探るのがオススメです。
簿記3級の資格を取得し、アピールポイントを存分に活かすことができれば、実務経験者と肩を並べることもできるかもしれません。
まずは経験を積むことを重視して、応募する条件はゆるめに設定し、たくさんの企業へ応募することから始めてみましょう。