警察官になるためには、「警察官採用試験」に合格する必要があります。
社会人からでも目指すことができるのですが、「警察官採用試験の倍率って高いのかな?」と気になっている方は多いのではないでしょうか?
この記事では警察官採用試験の倍率について詳しく解説します。
試験内容や社会人から合格するコツもご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
警察官採用試験の倍率
警察官採用試験の倍率は「5倍〜8倍」になっています。
受験者数と合格者数は年によって多少異なるのですが、基本的に受験者数は1万人〜1万2,000人で、合格者数は1,300人〜1,600人です。
そして、警察官採用試験の倍率は試験を受ける地域と性別によって異なります。
都道府県別の倍率
警察官採用試験は都道府県によって倍率が異なります。
倍率の高い都道府県と低い都道府県は下記の通りです。
(下記の倍率は2020年度の警察官採用試験を参考にしています。)
「倍率の高い都道府県」
1位:高知県「8.2倍」
2位:山梨県「7.9倍」
3位:滋賀県「7.2倍」
「倍率の低い都道府県」
1位:愛媛県「1.4倍」
2位:徳島県「2.0倍」
3位:宮崎県「2.2倍」
受験者数が最も多い都道府県は大阪府の「2,688人」です。
「絶対に警察官なりたい」という方は、倍率の低い都道府県で警察官採用試験を受けることをおすすめします。
男女別の倍率
警察官採用試験は性別によって倍率が異なります。
男女別の倍率は下記の通りです。
「男性」
2017年:5.7倍
2018年:5.9倍
2019年:4.9倍
「女性」
2017年:9.0倍
2018年:8.6倍
2019年:9.0倍
警察官採用試験は女性の方が倍率が高くなっています。
男性と女性では合格者数が異なるため、女性の方が倍率が高くなっていると考えられます。
警察官採用試験の受験資格
警察官採用試験は誰でも受けられるわけではありません。
警察官採用試験の受験資格は下記の通りです。
「男性」
- 身長:約160cm以上であること
- 体重:約48kg以上であること
「女性」
- 身長:約154cm以上であること
- 体重:約45kg以上であること
「男女共通」
- 視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、もしくは矯正視力が両眼とも1.0以上であること
- 色覚/聴力/疾患/その他身体の運動機能:警察官としての職務執行に支障がないこと
上記の条件をすべて満たしている方のみ、警察官採用試験を受けられます。
警察官としてのキャリアが浅いうちは強靭な体力が求められる業務が多いため、都道府県によって年齢制限が定められています。
都道府県によって多少の差はありますが、一般的には30歳〜35歳までの方は警察官採用試験を受けられます。
警察官採用試験の試験内容
警察官採用試験は「第1次試験」と「第2次試験」に分けられます。
第1次試験を通過できた方のみが、第2次試験に進むことができます。
警察官採用試験の内容について詳しくご紹介します。
第1次試験
第1次試験では、筆記試験と適性検査が行われます。
筆記試験で出題される内容は大きく、「教養試験・論文試験・国語試験」に分けられます。
教養試験では「知能分野」と「知識分野」に分けられて、一般科目とされている英語や数学から、文章理解や図形判断などが出題されます。
論文試験では、決められたテーマに沿って論文を作成します。
国語試験では、警察官の職務に必要な国語力について記述式で出題されます。
身体検査では、マークシート方式で警察官としての適性を確認されます。
第1次試験では、筆記試験の内容によって結果が決まると言われています。
第2次試験
第2次試験では、面接試験と体力検査が行われます。
面接試験は都道府県によって質問される内容などが異なりますが、受験者に関する質問が多いです。
警察官としての素質があるかも確認しているため、面接試験は合否に大きく関係しています。
体力検査では、職務を行う上で必要な体力の有無について確認されます。
検査される科目は「腕立て伏せ・バーピーテスト・上体起こし・反復横跳び」の4つになっています。
第2次試験を通過できれば、警察官になることができます。
社会人から警察官を目指すことはできる?
警察官は社会人からでも目指すことが可能です。
実際に社会人になってから、警察官を目指される方は多いです。
ただし受験資格が定められているため、誰でも受けられるわけではありません。
そして社会人から目指す場合は働きながら勉強をしたり、体力を身に付ける必要があります。
そのため警察官を目指している学生に比べると、合格できる難易度は高いでしょう。
社会人から警察官採用試験を合格するコツ
社会人から警察官採用試験を合格するためには、いくつか抑えておきたいコツがあります。
働きながら合格を目指すため、下記のコツを参考にしてみてください。
筆記試験の対策に時間を費やす
警察官採用試験に合格するためには、第1次試験の筆記試験を通過する必要があります。
第1次試験は筆記試験で結果が決めるため、対策には時間を費やすことが大切です。
教養試験では50問出題されるのですが、「数的処理→社会学科→人文科学」の順に問題数が多い傾向があります。
反対に「一般科目」である英語や数学に関する問題は1問〜2問程度しか出題されません。
このように教養試験には出題される問題数に傾向があるため、最も多いとされている「数的処理」に時間を費やすことが大切です。
筆記試験につまずき何年も合格できない方もいるため、しっかりと時間をかけて対策するようにしてください。
受験者の中でトップクラスの体力を身に付ける
警察官採用試験は警察官になるための試験なので、体力検査は重要視されています。
そのため受験者の中でトップクラスの体力を身に付けることが大切です。
上記でもお伝えしたように、体力検査では「腕立て伏せ・バーピーテスト・上体起こし・反復横跳び」と科目が公表されているため、対策が行いやすいです。
腕立て伏せや上体起こしは「30回」できれば、結果には大きく影響しないです。
バーピーテストと反復横跳びはできた回数の分だけ評価が高まるので、1回でも多くできるようにしてください。
面接対策を怠らない
警察官採用試験の面接対策では、特別難しい質問はされません。
しかし、しっかりと対策をしておくことが大切です。
意識すべきことは、警察官として「ふさわしいのか」ということです。
面接試験では、筆記や体力検査などでは判断することができない「人間性」の部分を判断させます。
そのため面接の内容によっては、「警察官にふさわしくない」と判断される可能性があります。
そして面接の雰囲気や面接官の人数などは都道府県によって異なりますが、一般的には「警察官になろうと思った理由」「警察官になることに対して、両親はどう思っているのか」などを質問されます。
圧迫的な雰囲気なこともあるので、しっかりと対策をしておきましょう。
警察官採用試験に集中できる仕事に転職する
警察官採用試験に合格するためには、試験に集中できる仕事に転職することが大切です。
警察官採用試験は倍率が高いため、仕事に多くの時間を費やしていると合格率が低くなります。
1分でも多く警察官採用試験に向けて準備を行うことが大切です。
「警察官になるために転職?」と思われるかもしれませんが、時間を費やさなければ一向に合格できない可能性があります。
実際に何年間も合格できていない方は存在します。
そのため土日祝が休みで、ほとんど残業がない仕事に転職することをおすすめします。
警察官採用試験に集中できる仕事
警察官採用試験に集中できる仕事は「ゴミ収集員」「ジムのインストラクター」「警備員」の3つが挙げられます。
他にも集中できる仕事はあると思いますが、3つの仕事は転職難易度が低いです。
3つの仕事について詳しくご紹介します。
ゴミ収集員
ゴミ収集員は、ゴミ集積所を回って収集車に積み込んで、積んだゴミを清掃工場などの処分場に搬入する仕事です。
1日でゴミ集積所を200カ所以上回ることがあり、時間が決められているため急いでゴミを収集する必要があります。
そのため働きながら体力を付けることができます。
そして16:00〜17:00で仕事が終わるため、筆記試験の勉強にも時間を充てられます。
ジムのインストラクター
ジムのインストラクターは、「お客様のトレーニング指導」と「スタジオレッスン」が主な仕事内容です。
専門的な知識を多少必要としますが、特別な資格は必要ありません。
ジムのインストラクターは「体を動かすことが仕事」とも言われているため、働きながら体力を付けられます。
また正社員の場合は、自由にジムを使えることが多いです。
勤務時間は不規則ですが、警察官採用試験に向けて準備できる環境は整っているでしょう。
警備員
警備員はビルや施設で警備を行う仕事です。
建物内を循環しながら、トラブルなどに遭遇した場合は連絡・対応します。
基本的に1人で仕事を行い、トラブルがない限り自分で考えて行動する機会は少ないです。
警備員は肉体労働と言われる仕事になるため、上記の仕事同様に働きながら体力を付けられます。
そして警備員は残業することが滅多にないので、警察官採用試験の合格に向けたスケジュールを立てやすいです。
警察官採用試験の倍率は5倍〜8倍
この記事では警察官採用試験の倍率についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
警察官採用試験の倍率は「5倍〜8倍」になっていて、都道府県や性別によって変動します。
決して倍率の低い試験ではないので、しっかりと対策しなければ合格は難しいです。
ただし社会人からでも目指すことが可能なので、上記でお伝えした「コツ」を参考にして、警察官採用試験の合格を目指してみてください。