「契約社員だったけど正社員だったと名乗りたい!」
「非正規だけの職歴をごまかしたい!」
このように、自分の学歴や経歴などを偽って転職しようとする人がいるようです。
職歴が非正規社員しかないとなめられたり、高卒だと書類選考が通らなかったり。
企業が「人格」よりも「学歴・職歴」を重視しているため仕方のないことかもしれませんが、果たしてウソはバレるのでしょうか?
「履歴書をちょっと盛っちゃおうかな」と考えている人は、ぜひ読んでみて下さい。
目次
契約社員の経歴詐称がバレる原因はココ!
早期退職は採用でマイナス要素になるため、書かずに応募するとします。
このようなケースはどこからバレてしまうのでしょうか?原因を探ってみましょう。
雇用保険被保険者証からバレる
転職先では社会保険の手続きのため「雇用保険被保険者証」の提出が必要になります。
雇用保険被保険者証には前職の内容が記載されているため、申告内容と異なれば矛盾していることが明白です。
「では書類を提出しなければバレない?」と思うかもしれませんが、書類がなければ入社手続きが進められないため、逃げ道はありません。
年金手帳からバレる
雇用保険被保険者証と同じように、入社するときに年金手帳の提出が求められます。
年金手帳には基礎年金番号が書かれていて、この番号で厚生年金の手続きなどをしていきます。
この年金手帳から、これまで働いた会社など過去の記録が読み取れるようになっています。
会社によっては年金の加入状況を確認するところもありますので、応募書類と照らし合わせることで矛盾が発覚してしまいます。
なかには履歴を消すために、新しい年金手帳を日付なしの状態で再発行するという強者もいるようです。
しかし雇用保険と照らし合わせると、そこから不審に思われる場合があります。
年末調整の源泉徴収票でバレる
一般的に会社員の年末調整は企業がやってくれます。
その際に必要となるのが前職での源泉徴収票です。
源泉徴収票には、会社が支払った金額や退職日が記載されています。
あなたが空白期間を穴埋めしようと退職日を伸ばしていたりすると、ここから発覚してしまいます。
契約社員を「正社員」と偽ってもバレない
雇用形態においては、書類からバレることはほぼありません。
なぜなら、多くの書類に雇用形態が書かれていないからです。
退職証明書や源泉徴収票にも「正社員」や「契約社員」など雇用形態を書く欄がなく、また社会保険は契約社員でも加入できるため保険からバレる心配もありません。
しかしあなたが正社員だったと偽った場合、面接で「なんで正社員だったのに辞めたの?」という質問を受けることになります。
それが大手ならなおさらです。大手の正社員を辞めること自体、面接官は不思議に思い、疑問を払拭する言い訳が必要になります。
一方で、正直に契約社員だったと名乗ると、「それじゃあ将来不安だからしょうがないよね」と面接官も納得します。
ですので、正社員とウソをつくことが必ずしもプラスにつながることはない、ということを認識しておく必要があります。
経歴詐称は法律に違反する?
経歴を偽って入社しバレてしまった場合、あなたが刑事罰に問われることはありません。
しかし労働契約法違反になり内定の取り消しや解雇などの処分が下されるでしょう。
あなたを採用することで他の人を不採用にしていたとしたら、また求人を出さなくてはいけませんので、損害賠償請求をされる危険性もあります。
履歴書を書きたくない人は、就職エージェントを活用しよう
就職エージェントのなかには、履歴書や職務経歴書などを提出せず、面接してくれる企業を紹介するエージェントがあります。
転職回数が多い、非正規社員としての経歴しかない、早期退職者などにとってはありがたいサービスではないでしょうか。
企業の中には職歴や学歴よりも、人柄を重視して採用したいという会社もたくさんあります。
そのような会社を見つければ、履歴書にウソを書いたり、入社してからもビクビクしたりする必要はありません。
職歴を詐称する5つの理由
職歴詐称をする人には、以下のような理由があります。
非正規社員の職歴を評価してくれない
これまで派遣社員や契約社員としての経歴しかない人は、正社員への転職がむずかしいようです。
理由は、人事や採用担当者が非正規の実績をキャリアとして認めてくれないから。
そのため新卒から派遣社員や契約社員として働いてきた人は、今後も正社員になれないまま働き続けることになってしまいます。
企業側が「非正規社員は責任ある業務を任されない」と思っていることが、評価されない理由のひとつです。
転職回数が多い
20代で5回、6回と転職していると、「人間性に問題がある?」「採用してもまた続かないだろう」と思われ書類選考で落ちてしまいます。
そこで1年未満で退職した職歴はなかったことにしてしまおうと、前々職の在籍期間を伸ばす人もいるようです。
また1、2ヶ月などの短期間で仕事をやめた人は、その会社を履歴書に書かない人もいます。
本人は「書かないだけでウソをついているわけではない」と思っているため、罪悪感なくやっている人が多いようですが、これも経歴詐称になります。
年収を偽る
中途採用では転職先の年収を決める際、前職の年収を参考にするケースがあります。
少しでも多く給料をもらおうと、年収を偽って申告する人がいるようです。
またボーナスがない非正規社員は、本当の年収を書くと嘘がバレるため、実際の年収よりもボーナス分を上乗せするパターンもあります。
学歴がない
高卒を大卒にしたり、大学名を偽ったりして学歴に箔をつけようとする人がいます。
また浪人や留年はイメージが悪いと考え、入学や卒業時期を調整するケースもあるようです。
ただリスクが大きく、面接官が同じ大学出身だったりすると会話の中で嘘がバレてしまいます。
また中途採用の場合、学歴はあまり重視されないので、ウソをついても意味がないかもしれません。
仕事内容を盛る
実務経験を求める求人では、2年しか経験がないのに「5年の経験あり」などと書く人がいます。
実際に仕事を経験しているので、バレにくいと思い経験年数を盛ってしまうようです。
さらに未経験なのに経験ありと偽って入社する人もいますが、これは実際に仕事をしていくうちにバレてしまう可能性が高いでしょう。
ただしスキルの習熟度は人それぞれのため、「本当に経験者?」など質問することはためらわれるので、バレづらいかもしれません。
またクライアントに有名企業の名前を出したり、リーダー職のチーム人数を多く見積ったりして、自分の経験値を大きく見せようとするケースもあります。
正社員として転職すると前職調査があるって本当?
契約社員を正社員だったと嘘をついていた場合、前職の人事などに問い合わせると一発でバレます。
しかし今の時代、個人情報の観点からそのような問い合わせに会社は答えません。
本人の同意なしで前職調査をすることは違法になったため、バレる心配はほぼゼロです。
ただし同じ業界で転職すると、共通の取引先や知り合いがいてもおかしくないですよね。
前職の仕入れ先だった業者を、転職先でも使っていた場合、そこからバレる恐れがあります。
もっと怖いのは前職の社員が転職先で働いていたとき、転職先にも前の会社にも、瞬く間にウソをついていたことが広まってしまうでしょう。
業種によっては前職調査を行う場合がある
以前は人事が前職の会社に問い合わせたりして、「これまで問題を起こさなかったか」「何年間働いていたか」などの聞き取り調査をしていました。
しかし今はほとんどの企業がやっていません。
あるとするならば、警備業界や金融業界など信用に関わる業界です。
大金を扱う仕事ですので、「借金がないか」「金銭トラブルを起こしていないか」など、同意書を書かせて調査することがあります。
リスク回避のため前職調査をする企業はほとんどない
厚生労働省は、採用にあたり「個人情報を調査する場合は適法かつ公正な手段に依らなければならない」としています。
そのため前職調査は不適切な行為として、特殊な業界を除いては行っていません。
だからといってウソをついてもいいという訳ではありませんのでご注意下さい。
実際に業務を行っていく上で、ボロがでるかもしれませんし、ずっと怯えながら働き続けることになります。
嘘が発覚すると、働く上で一番大切な人間関係や社会的信頼などを一気に失ってしまいます。
参考:厚生労働省(職業紹介事業に係る法令・指針)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shoukaihourei.html
経歴詐称はダメ!何のための転職かもう一度考え直しましょう
ウソをついて採用されても、いつバレるかと不安を背負ったまま働き続けるのは辛いことです。
それに今まで積み上げてきたものを正直に話せないのは、自分にもウソをついていることになります。
「ちょっとくらい盛っても問題ないよね」などと軽い気持ちで書こうとせず、まずは何のために転職しようと思ったのかを考えてみて下さい。
「正社員として頑張りたい」「スキルを身につけてキャリアアップしたい」、そんな人がウソをついてはいけません。
会社のためにも自分のためにもウソは止め、正々堂々と勝負していきましょう。