契約社員から正社員になる事は可能です。
ただ条件があり、必ずしもなれるという保証はないという事を忘れてはいけません。
又、考え方を変えれば、契約社員から正社員になる可能性はゼロではないというのも事実です。
法律上の契約社員から正社員登用をサポートする、5年働いたら正社員になれるとはどういうのは何を指しているのか。
そして、正社員登用を目指すのなら、どういった求人案件が最も近い道順であるのか。
まずは契約社員から5年で正社員になれるという、言葉の真理を理解することが必要です。
目次
契約社員は法律でルールが設定されている
契約社員とは正社員と違い、期間が契約で決められているのが契約社員です。
法律ではこういった観点から雇用としての公平性を保つ為、いくつかルールを定めています。
つまり、企業側にのみ有利な形態ではなく、雇用者にとっても同等の利益、もしくはそういった利益も見込める雇用形態でなくてはなりません。
よく言われている5年働けば正社員になれる、というこの言葉も法律から派生している概念です。
この概念を法律として正しく理解しないと最後にリスクを背負ってしまう可能性もありまするので、きちんと注意しておくことが重要です。
無期雇用転換ルールとは誰が決めたこと?
無期転換ルールとは、平成24年8月成立の「改正労働契約法」(平成25年4月1日施行)により定められた有期契約雇用者に対する新しいルールのことです。
契約社員が5年経ったら正社員になれる、というのは契約社員にとって長期キャリアを築く為にはとても魅力的なコンセプトです。
しかし、その言葉の派生元であるこの法律を調べていくと、いくつか細かい条件がでてくるので、どの項目が自分と一致し、適用できる法律であるのかを確認しなければなりません。
無期雇用転換ルールと呼ばれるのは、5年働いた後に雇用者が使用出来る権利です。
5年に到達していない段階では適応できませんので注意が必要です。
もし契約前に不安があるようでしたら、厚生省で無期雇用転換ルール相談窓口を設けているので、事前にどういった制度であるのか、相談してみるのもおすすめです。
有期雇用における雇い止めというトラブル
契約社員において、注意をしなければならない点があります。
それは、契約が5年超過後に発生する無期雇用転換ルールが法律的に発生する前に、企業が契約を打ち切ってしまう”雇い止め”と呼ばれる事象です。
当初の契約書面に最大5年までの契約である等の無期雇用転換を除外するような記載があった場合は、双方の合意の上契約がなされた、という結果になりますので問題にはなりません。
しかし、そういった記載や案内もなしに、5年超過の契約タイミングで契約を打ち切られた場合、納得のいく理由ではない場合には法的に訴える事も可能となります。
雇い止めというトラブルに合わないようにするためには
雇用者にとっては30日前の契約の打ち切りや無期雇用転換のタイミングでの契約打ち切りは企業側への有期雇用者の権利です。
しかし一方、契約満了で契約の打ち切りも企業側の雇用主としての権利です。
このように、法律は曖昧さを含んでいることが多々あります。
その為、法律も安心材料ではありますが、根本として双方にとって有益であり続け、契約解消の場合においても友好な関係であり続けようとする姿勢が重要です。
そういった信頼の構築が難しそうであれば、残念ながら契約を結ぶ際には双方ともにリスクを負う覚悟が必要になります。
無期雇用転換ルールを使用しての正社員を目指すのであれば、長期的な勤務を想定することになりますので、自分にとって安心できる企業を見つけることがとても重要な目線になります。
5年働いたら正社員になれるって本当?
ここで本題のテーマです。まず、5年働いたら正社員になれるという理解が不正解となります。
正しくは一定の条件を満たし、5年働いたら該当雇用者が無期雇用に転換したいという希望を企業側に出せる、という理解が正解です。
この条件をそもそも満たさないのであれば5年働いても無期雇用にはなれない、というより無期雇用転換ルールの適応者ではない、という事実に結び付けられます。
5年という期間は法律で定められた区切としての期間であることも重要です。
法律としては5年も働けば期間を限って雇わず、雇用者が期限なしで働きたいと言ってきたら考えてあげても良いのでは?という提案の年です。
必ずなれるという保証ではないので、まずは自分がこの無期雇用転換ルールの該当者であるのか確かめる必要があります。
無期雇用転換ルールの条件
無期雇用転換ルールに適応する為の諸条件の確認が必要です。
以下の項目が一致していたら、無期雇用契約ルールの該当者になります。
- 同一の契約企業である事
- 5年連続して勤務している事
- 一回以上の契約更新がある事
- 満60歳以上である事
もし不安がある場合には、厚生省で無期雇用転換ルール相談窓口を設けているので興味があれば問い合わせてみるのもおすすめです。
契約期間がリセットされる?クーリングとは
通年5年勤務したら無期雇用転換ルールを適用できます。
ただ、この5年という期間、連続して契約が交わされ勤務していれば問題ないのですが、契約と契約の間に一定の空白期間が合った場合は、注意が必要です。
空白期間が何かというとその企業で勤務していない期間のことを指します。
通年5年、同一の企業で勤務していれば問題ないのですが、空白期間が存在すると、場合によっては空白期間以前の契約期間が換算されずリセットされてしまう場合があります。
勤務期間と空白期間の割合によって換算の可否が決められているので事前に確認しておくことが大切です。
無期雇用は正社員?
文字を単純に見てみると分かりやすいのですが、“無期雇用転換ルール”は“正社員雇用転換ルール”とは言っていません。
契約の限りが有期なのか無期になるのかという転換のルールであるといえます。
無期契約が正社員という位置づけに必ずしも一致しないので、注意しなければなりません。
シンプルに契約期限に限度がなくなる、というだけですので、その先に有るのは通常の正社員待遇ではないこともあり得ます。
リスクを避けるためにも、企業側からできるだけ多くの情報を教えてもらいましょう。
無期雇用転換後の待遇
無期雇用転換後の待遇として、その企業の正社員と全く同じ条件が適用されるとは限りません。
それぞれの企業によって待遇や提案は異なりますが、この無期雇用転換ルールは期限が有期から無期に切り替わるだけですことを指しています。
そのため場合によっては、有期雇用契約時代の待遇が引き継がれることもあります。
正社員として雇用されるのであれば、また新たに正社員雇用としての契約になりますので、諸事項の説明がなされます。
ここで覚えておくべきポイントとしては、正社員登用となった場合も、正社員として初めから雇用されていた雇用者と同待遇を保証しているルールではないという事です。
5年待たずに正社員になれる?
契約社員の5年無期雇用転換ルールは法律で定められています。
これは契約社員が5年目まで勤務していた場合に発動される企業側への雇用形態転換が希望できるという権利です。
ただ、この5年にこだわらずとも、企業がこの人がいたら仕事がスムーズだ、もっと広く任せたらもっと自分達もスムーズに仕事ができるのでは?と判断してもらえた場合、5年より早く正社員への転換を提案される可能性があります。
又、正社員を目指すなら、5年無期雇用転換ルールを待つより、時間的にも効率的な求人に採用される事が大切です。
正社員登用ありの求人
正社員登用を目指しているのであれば、求人票に“正社員登用あり”と記載されている求人への応募が近道となります。
企業側としても積極的に正社員登用に取り組んでいるのであれば契約社員からの転換は通常より比較的早く提案される可能性が高いです。
応募率を高めるためにそういったキーワードを記載している場合もありますので、過去の正社員登用率や前例を聞いておくことも重要なポイントとなります。
正社員採用の求人サイトでも、試用期間として3ヶ月、もしくは6ヶ月等は契約社員となる旨が記載された求人票があります。
正社員として応募する場合においても、通常の正社員求人より採用のハードルは低くなりがちです。
5年無期雇用転換ルールを待つより、正社員に最短でなりたいのであれば有益な選択肢の一つと言えます。
早く正社員になる為の心構え
正社員登用ではなく契約社員として採用された場合、大切なのは勤務態度とそのスキルです。
どういった形態や諸条件で有期契約を結んだのであっても、最終的に正社員登用を目指すのであれば、企業側に自分は企業にとって有益な人材であると認めてもらう必要があります。
勤務態度や業務内容、他社とのコミュニケーションにおいても、この人となら一緒に働きたい、そう思ってもらえないことにはチャンスはなかなか巡ってきません。
5年無期雇用転換ルールの期間、自分もしっかりその企業を知り、企業にも理解してもらえるのであれば、比較的スムーズに正社員登用への転換は提案されます。
ですが、働きたくない、業務が進まないと判断されれば、いつだって契約の打ち切りは身近にあります。
法律を安心材料にするだけではなく、きちんと勤務することが正社員登用への近道となります。
無期雇用転換ルールをきちんと理解し、正社員登用を望む期間で手に入れよう
結果として、5年勤務したら無期雇用転換ルールを使用し、契約社員から社員登用を目指すことは可能です。
ただ、条件があるので全員がそれに当てはまるわけではありません。
5年勤務の無期雇用転換ルールを目指すのなら、条件の確認は必須です。
又、正社員を最終目標として強く望む場合には無期雇用転換ルール適用をたどっての道のりが最適ではないかもしれません。
この5年という期間が自身の人生にとって有益なのか損失なのかも変わってきてしまいます。
法律は安心材料の一つでしかありません。
正社員を目指すのが最終目標であれば、始まりは契約社員であってもどの求人が自分にとって親切なのかを見極めることが重要です。
そして、採用されたのであればどう勤務することが企業へのアピールになるか考えておくと5年勤務の無期雇用転換ルールの前に正社員登用への道は案外早く開けてくる可能性があります。