建築業界は、我々の生活に欠かせない、建物を建てる仕事をしているやりがいの大きい仕事です。
しかし建設業界で働く人の約7割が、転職を検討したことがあるという調査結果があり、転職者が多いのも実状です。
そこでこの記事では、なぜ転職を考えるのかその理由を紹介し、転職を成功させるコツやおすすめの転職先を紹介します。
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目次
建設業界からの転職でよくある転職理由
建築業界は、キツイ・汚い・危険の3Kと言われるほど過酷な労働環境と言われています。
実際に建設業界で働く人に「働き方への満足度調査」を行った結果、7割の人が転職を検討した経験があることがわかりました。
このように、建設業界から転職を目指す人は多いのですが、その理由は以下のようなものがあるようです。
ここでは、建設業界からの転職でよくある理由を紹介します。
専門性が身についているか不安になる
建設業界で働いていると、専門性が身についているか不安になってしまい、もっと専門的なスキルが身につく職種へ転職しようと考える人います。
建設業で働いていると、長期的なキャリアを見て体力的な面でずっと続ける難しさを感じることもあります。
しかし技術以外の専門性がなく、キャリアがうまく積めないことに不安を感じてしまい、今のうちにキャリアアップできる仕事に転職したいと考えるのです。
肉体的にも精神的にも疲労が貯まる
建設業界は、3Kと言われるほど肉体的にも精神的にもきつい仕事です。
建設現場で働いていると、休憩以外はずっと立って作業して、重い機材や材料を持ち上げるなど体力はかなり消耗します。
さらに高い場所や危険な機材もあるため、気が休まる時が少ないなど精神的な疲労も溜まってしまう仕事です。
このように疲労は蓄積してしまう建設業界ではなく、負担の軽い仕事に転職したいと考えるのです。
プライベートとの両立が難しい
建設業界は、慢性的な人手不足の影響で残業が当たり前の労働環境となっています。
人手不足でありながら、工期が短く設定されているため、どうしても残業が必要になってしまうのです。
残業だけではなく現場が変わり遠方になると、早朝に家をでなきゃいけなくなってしまいます。
さらに休日も少なく、週1休みがあればよい方だという人もいました。
このような環境で働いていると、プライベートな時間が持てず、もっとワークライフバランスの取れる仕事へ転職しようとなるのです。
働くモチベーションを維持するためにも、プライベートな時間の充実に比重を置く人にとって、このような建設業界で働くのは難しいでしょう。
給与が上がらない
体力や精神の疲れが貯まりやすい建設業界ですが、頑張っても給料がなかなか上がらず転職を決意する人もいます。
残業や休日なしで働いても、月給が手取り20万円以下という声もありました。
もちろん現場監督などになればもう少し給料は上がりますが、作業員として働く人だと月給も少なく昇給も期待できません。
このような給与事情に不安を感じて、もっと評価してもらえる職種へ転職を目指すのです。
建設業界からの転職を成功させるポイント
建設業界からの転職理由について解説しました。
3Kと言われる建設業界は、体力・精神ともに負担が大きく、給料面やキャリアの面でアップしにくいというのが、転職でよくある理由です。
そんな環境を変えるために、転職という選択をするのは決して悪いことではありません。
ただせっかく転職をするなら、成功させて「転職してよかった！」と思いたいですよね。
そこでここでは、建設業界からの転職を成功させるためのコツを紹介します。
若いうちに転職活動を始める
建設業界から異業種へ転職するのであれば、若いうちに転職活動を始めるようにしてください。
一般的にも、転職活動は年齢が上がると難しくなるとされており、建設業界からの転職も例外ではありません。
年齢が上がると転職難易度は上がり、希望の職種はもちろん転職自体出来ない可能性もあります。
さらに若いうちに転職できれば、それだけ長くキャリアを積めるのもメリットです。
このような理由からも、転職は早いうちに行ってください。
未経験の業界に転職したいなら早く行動する
それまで建設業界での経験しかないところから異業種へ転職するとなると、柔軟性のある20代のうちのほうが採用率は高いと言われています。
これはなるべく業界の染まっておらず、自社に慣れてくれる人材に長く働いてほしいと企業は考えるからです。
そのためなるべく早いうちに転職活動をはじめるのが、成功のコツなのです。
建設業界で働いた経験を活かせる職種を探す
建設業界で働いた経験を活かせる職種を選ぶのも、成功のコツの一つです。
たとえば建設業界で働いていると体力がついているので身体を使った仕事、さまざまな年齢の人とのコミュニケーションスキルを活かして営業なども良いでしょう。
このように建設業界で働いた経験を活かせる職種を選ぶと、働いてからも、そのスキルを活かしたキャリアアップも目指せます。
経験やスキルを言語化する
転職活動をするときには、それまでの経験や身に着けたスキルを言語化して、相手に伝えられるようにするのが、成功の秘訣です。
スキルや経験がぼんやりしたものだと、これまであなたがした経験や身についたスキルが身につかず、企業側も入社後のイメージが持てません。
逆にスキルや経験を言語化できれば、業務に就いたときのイメージがしてもらいやすく、採用に繋がりやすくなるのです。
言語化するのは難しいですが、一つひとつ洗い出し言葉にしておき転職活動に備えましょう。
働きながらの転職活動をする
建設業界のように激務な労働環境だと、転職活動に割く時間が少なく、なかなか思うように行動できないという悩みを抱えている人もいます。
そのような状況だと「退職して落ち着いた環境で転職活動したい」と思うかもしれません。
退職してもすぐに転職先が決まればよいですが、すぐに決まらないと収入が途絶えてしまい、生活にも影響が出てしまいます。
これでは収入面の不安から、どこでも良いから就職したいという気持ちになり、結果的にブラック企業を選んでしまうかもしれません。
より良い転職をするためにも、退職せず働きながら転職活動を進める方は、転職が成功しやすくなるのです。
建設業界からの転職におすすめな転職先
建設業界からの転職を成功させるコツを紹介しました。
上記のようなコツを押さえることで、転職を成功に導きやすくなります。
さらに成功率を上げるためにも、おすすめの転職先を押さえておくと、転職先選びにも役に立つでしょう。
そこでここからは、建設業界からの転職におすすめの転職先を紹介します。
IT系の営業
IT系の営業は顧客のニーズを把握し、システムやサービスの提案をして問題解決を図る仕事です。
今現在、顧客がどのような問題を抱えているのかヒアリングし、それを解決するためにどのようなシステムやサービスが必要なのかを提案して契約を結びます。
営業の仕事には、問題を見つけるための傾聴力や、好感を持ってもらうためのコミュニケーションスキル、システムやサービスを正しく理解し提案するためのプレゼン力など、さまざまなスキルが必要です。
しかし建設業界では、さまざまな年齢の人と円滑に仕事をするコミュニケーションスキル、精神的にも体力的にも過酷なためタフになり、営業としての基本的なスキルは身についています。
入社してシステムやITに関する知識を身につけるのは大変ですが、これからも需要が高まるIT業界で確たるスキルが身に着けられるため、おすすめです。
不動産営業
不動産営業は、物件や土地の売買を行う仕事です。
個人宅への営業が多く、体力的にも精神的にも負担が大きい仕事と言われています。
しかし扱う金額が大きく、インセンティブも大きいので、営業成績が良ければそのまま給料に反映され、大幅な収入アップも目指せる仕事です。
また、不動産営業は学歴や経歴が問われることが少なく、未経験採用も活発なため、建設業界の経験しかなくスキルに自信のない人も採用されやすいというメリットがあります。
建設業界で鍛えた身体とメンタルを十分に活かせる、おすすめの転職先と言えます。
保険営業
保険営業は、生命保険などを販売する仕事です。
こちらの仕事も、学歴や経歴を求められることが少なく、契約件数によってインセンティブが付くため、頑張りがきちんと給料に反映されモチベーション高く仕事ができます。
ただ飛び込み営業なども行っているため、体力やメンタルが強くないと続けるのが難しいといわれています。
しかし、建設業界で培ったコミュニケーション能力や基礎体力などが十分に活かせる仕事と言えるでしょう。
宅配ドライバ―
宅配ドライバーは、個人が注文した商品を届ける仕事で、近年のネットショッピングなどの普及により、需要が高まっている仕事の一つです。
基本的に一人でトラックや車に乗って配送業務につくため、マイペースに一人で仕事をしたいという人におすすめです。
もちろん配送状況によっては残業もありますが、建設業のように一人の時間が持てないということがない分、気持ちに余裕を持って働ける環境と言えます。
建設関連のIT企業
建設業界での経験を活かして、建設関連のIT企業へ転職するのもおすすめです。
最近では、建設業界でのIT化が進んでおり、管理システムを使って仕事を管理している会社も増えています。
そんな建設業界のIT化を支えているのが、建設関連のIT企業です。
ここへ転職すれば、ITに関することは未経験でも、建設業界に関する知識があるので、全く知らない環境というわけではなく仕事に馴染みやすくなります。
建設業界にいたからこそわかる不便さなどを武器に、転職活動を進めると良いでしょう。
ビルメンテナンス会社
ビルメンテナンス会社は、ビルの保守やメンテナンスを行う仕事です。
建設業界で身に着けた建築物に関する知識が活かせます。
またこの仕事は、学歴や経歴を不問としている求人も多く、スキルに自信がなくても転職しやすいのも、おすすめの理由の一つです。
また関連資格を取得することで、より良い条件のビルメンテナンス会社への転職ができるなど、キャリアアップも可能となっています。
施工管理系
建設業界で作業員としてではなく、施工管理係として働くのも良いでしょう。
作業員として働いたのち、キャリアアップして施工管理係に転職し、技術者たちの作業工程やスケジュール、安全、品質管理を行います。
これまでの経験は、紹介したどの仕事よりも活かせるでしょう。
また大手ゼネコンを転職先として選べば、給料が上がらないという不満を解決できます。
このような転職先があることも、知っておいてください。
建設業界から転職するときの注意点
建設業界から転職するときには、いくつかの注意点に気を付けなければいけません。
この注意点を知らないと、転職がなかなかうまく進まない、転職が失敗に感じてしまう可能性があります。
そこでここでは、建設業界から転職するときに知っておくべき注意点を紹介します。
完全未経験からの転職だと転職先で苦労することが多い
建設業界から異業種へ転職するのであれば、苦労が多いということを理解しておきましょう。
建設業界は、毎日同じ会社へ向かいPCで仕事をする、サラリーマンとは全く違う業界です。
そのため最初は覚えることも多く、風土や文化の違いに戸惑うこともあるでしょう。
しかし苦労が多いと知っておくだけでも、仕事に向き合う気持ちが変わります。
苦労は多いことにネガティブな印象を抱かず、楽しめるようにできる準備をしておくことが大切です。
転職理由をポジティブなものに言い換える
転職理由が、給料が低い・休みがない・体力がキツイなどネガティブなものであっても、そのまま伝えるのは辞めて、ポジティブなものにしてください。
転職理由がネガティブなものだと、「この人は不満があればまた辞めてしまうのでは？」と悪い印象を与えてしまいます。
本当はネガティブな理由でも、キャリアアップをしたい、以前から興味があったなどポジティブなものに言い換えて、転職が前向きな気持ちからという印象を持ってもらうようにしましょう。
仕事をしながら転職活動をすすめる
先ほども言いましたが、転職活動をするときは、無駄な焦りから合わない転職先を選ばないように、仕事をしながらにしてください。
仕事をしながら時間を捻出するのは難しく感じるかもしれませんが、最近はオンライン面接を行う企業も増えています。
そのような方法を選択しながら、仕事を辞めずに転職できるようにしましょう。
どうしても退職しなければできないのであれば、3か月は暮らせるように貯蓄をしてからにすると、安心です。
建設業からの転職なら得たスキルを活かせるところを探そう
建設業界からの転職について解説しました。
建設業で長く働いていると、スキルや経験に自信がなく、アピールできるものがないと転職に不安を抱えている人もいます。
しかし3Kと言われるきつい業界で働いてきたため、さまざまなスキルが必ず身についているでしょう。
まずは自分がどのようなスキルがあるのかをじっくり整理し、それを活かせる転職先へ転職できるように探してみてください。
