2020年4月7日、新型コロナウイルスの拡大に対応するため、緊急事態宣言が出されることになりました。
対象地域は東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の七都市ですが、影響は日本国内全域に広がるものと思われます。
これから転職活動をしようと考えていた人は、今後転職市場はどうなるのか気になると思います。
そこで今回は緊急事態宣言によって、今後事態が収まるまで転職活動はどうすべきか。
また記事の後半では、すでに転職活動中で無職となっている方は、緊急事態宣言中にどのような手当がもらえるのか、現時点で分かっている情報をお伝えします。
目次
緊急事態宣言中は基本的に求人は減る
まず結論からいって、緊急事態宣言が出されている期間、またその後数か月は例年と比べて求人は減ることが予想されます。
普段通り営業できる業界・職種が減る
すでに大型の商業施設やイベント会場では営業自粛が伝えられており、1カ月程度営業を停止する企業が増えてきています。
また営業を停止する企業だけでなく、関係するあらゆる企業にも影響は出てきます。
営業や案件が停止になれば、当然その分の仕事はなくなってしまうので、必要となるリソースも少なくなってしまいます。
営業できない企業が増えることで、仕事の量が減り、直接的に求人が減ることが予想されます。
企業の業績が落ちて人件費が削られる
また関連会社の営業がストップすることで、あらゆる企業の業績が落ちていくことも考えられます。
会社の固定費の中で、一番削りやすく効果が高いのは人件費です。
大幅に業績が落ちた企業では、人員削減などリストラを行う可能性もあります。
そうなると、新卒採用はもちろんのこと、中途採用の需要も落ち込んでしまいます。
緊急事態宣言の期間中は面接をストップする企業もある
継続的に中途採用の面接を行っている企業でも、緊急事態宣言の期間中はリモートワーク、テレワークを導入していることで、採用面接を中断している企業もあります。
一部ビデオ面談を実施している企業もありますが、実際の採用は来社できるようになってからというケースが多いです。
しかし一次面接をチャットツールで開催している企業もあるので、ビデオ面談に対応できる準備をしておきましょう。
影響は緊急事態宣言の対象外の地域にも及ぶ
緊急事態宣言の発動は、国民の消費意欲にも影響すると考えられており、対象外の地域の企業にも余波は広がっていきます。
そのため新型コロナの対応がひと段落するまで、全国的に求人は減っていくことを覚悟しておきましょう。
しかしあらゆる企業が採用を控えるわけではなく、市場価値のある人材であれば十分に転職は可能です。
また実績やスキルに自信のない方でも、業績の調子がいい企業を見つけることができれば、転職をすることは可能です。ただし選択肢が少なくなることは間違いありません。
緊急事態宣言期間中は転職活動は控えるべき
以上のことから、緊急事態宣言が出されている期間は、転職活動を控えることをおすすめします。
もちろんこの期間でも、自分に合った会社が見つかる可能性はありますが、選べる求人は少なくなってしまいます。
後悔のない転職を成功するには、将来のキャリアプランを見つめなおし、思い描くストーリーを実現できる会社を見つけなければいけません。
そのため市場が不利な状況で動くよりも、また転職市場が活性化しだしたときに、転職活動を再開したほうが賢明です。
しかしあまりにも酷い労働環境や、精神・体力的に続けるのが難しいと感じている場合は、いち早く転職活動を進めることをおすすめします。
緊急事態宣言中の転職活動はどうなる?
緊急事態宣言が7都道府県に発令されている状況ですが、対象地域にお住まいの方の中にはすでに転職エージェントや転職サイトを利用して採用選考の準備をしていた方もいるでしょう。
中にはキャリアコンサルタントとの面談や書類添削を控えていた方もいるかもしれません。
大手転職サイトでは緊急事態宣言に際して、転職サービス利用者への今後の対応について、以下のように公表していますので確認しておきましょう。
緊急事態宣言によるマイナビの今後の対応
7都道府県の緊急事態宣言によるマイナビの対応は以下の通り、原則転職活動に関するサポートは対面ではなくメール等の対応に切り替えると公表しています。
株式会社マイナビ(以下、当社)では、社会的情勢を鑑み、4月8日より東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県にある事業所において、在宅ワークを基本とした業務体制に移行することをお知らせいたします。
当社では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、社内に対策本部を設置するとともに、かねてより不要不急な外出や長時間会議の禁止、時差出勤の推奨、一部在宅ワークの実施など、従業員の安全、および当社サービスに関わるすべての皆さまへの安全に配慮した対策を講じてまいりました。
この度の当措置については、社員の安全を確保するとともに、当社サービスをご活用くださるすべての皆さまに安心してご利用いただくことを目的としており、事態が収束するまでの間、継続する予定としております。
そのため、特別な場合を除き、お取引先企業様とのお打ち合わせや商談等につきましては、WEB会議やお電話、チャットなどで行い、当社サービスをご利用くださるお客様のお問い合わせ等につきましては、メール等で対応させていただきます。
今後も事業を継続しながら、社会情勢に応じた迅速な対応を行うことで感染拡大の防止に努め、これまでと同様のサービスをご提供させていただくべく、社員一同尽力してまいります。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
緊急事態宣言発令によるリクルートの今後の対応
2020年4月9日現在、キャリアコンサルタントによるサポートを提供するサービス「リクルートエージェント」では、公式サイト上部にて、利用者との電話対応をすべて電話に切り替えると公表しています。
緊急事態宣言によるパソナキャリアの今後の対応
パソナキャリアは社員が出社不可能であっても、電話やWEB会議を利用して引き続きサポートを行う姿勢を公表しています。
また企業面接においては企業ごとの対応の違いに合わせて、利用者に面接方法や日程について調整し、WEB面接に移行する可能性も示唆しています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、皆さまのご安全とご健康を心よりお祈り申し上げます。
「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言」が発令された際には、政府および自治体の方針により企業および個人の活動が制限される事が想定されます。
当社では求職者・採用企業の皆様および社員の安全に配慮し、以下の方針でサービスの継続提供に努めて参ります。1)当社社員による転職サポートについて
当社社員が出社不可能となった場合でも、お電話やWEB会議システムを利用して、引き続き転職サポートをご提供いたします。
ただし、地域によっては諸般の制限により対応が通常より遅くなる可能性がございます。ご了承ください。2)企業面接について
企業によってはWEB面接に切り替え選考を進めるケースもあります。
選考企業によって対応が異なりますので、お客様ごとに個別に調整をさせていただきます。
今すぐ転職したい人は転職サイト・エージェントがおすすめ
緊急事態宣言が出ている中でも、今すぐ転職したいという方には、転職サイト・エージェントの利用をおすすめします。
この時期に人手が欲しい企業は、とにかくたくさんの人手が欲しいか、またある程度実績や経験の積んだ層が必要など、採用の熱量の高いことが予想されます。
多くの人に募集してほしい企業は転職サイトに求人を、優秀な人材が欲しい企業は転職エージェントに求人を出すケースが多いので、自分のキャリアを考えていずれかに登録することをおすすめします。
今求人が出ている企業は業績が好調の証
また転職サイトや転職エージェントは、転職者は費用がかかりませんが、企業側は求人を出したり、採用したりする際に費用が発生します。
それでもこのタイミングで求人を出すということは、業績も好調である可能性が高いです。
採用に経費を掛けられない企業は、有料求人サービスは利用しません。
そのため転職サイト・転職エージェントで紹介される企業は、一般的に業績が好調である見込みが高いのです。
大手~中小の優良求人を探すならマイナビエージェントがおすすめ
どの転職サイト・エージェントを選べばいいかわからないという方は、パーソルキャリアが運営するdodaがおすすめです。
dodaは転職サイトと転職エージェント、両方の機能を持っており、自分で公開求人を探せるのはもちろん、担当のコンサルタントから非公開求人を紹介してもらうこともできます。
また全国対応で中小から大手まで圧倒的な求人数を紹介できるので、迷ったらとりあえず登録しておいて、絶対に損はない転職サービスです。
転職活動中に緊急事態宣言が出されてしまったら?
ここからはすでに転職活動を始めており、無職の状態で緊急事態宣言が出されてしまった人のために、緊急事態宣言中の転職活動の進め方を紹介していきます。
基本的には上記で説明した内容の通り、緊急事態宣言が発動されている期間、およびその後の経済状況が好転するまでの間、中途採用の求人数は少なくなることが予想されます。
しかし現時点で前職を退職してしまったのであれば、いち早く次の仕事を見つけたいと焦りを感じてしまいます。
そこで焦らずに転職活動を進めるのではなく、当面の生活費を確保したうえで、あらかじめ条件に合った求人を探すことをおすすめします。
収入がなくなった人は緊急小口貸付を利用する
もし直近で生活費に困っているのであれば、各自治体の緊急小口貸付制度を利用してください。
この制度は元々、急な病気やケガなどで収入がなくなった場合に、ほぼ利息なしで自治体からお金を借入できる制度です。
現在、新型コロナウイルス感染症の対策として、特例貸付が認められています。
新型コロナウイルスの影響によって、失業した人や収入が減ってしまった人は、簡単な手続きで20万円程度の融資を受けられるようになっています。
もちろん将来的に返済しなければなりませんが、金融機関から借りるよりもかなり低い金利で融資を受けられるので、生活に困ったときにはぜひ各自治体窓口へ相談してください。
https://www.shakyo.or.jp/coronavirus/shikinQA.pdf
前年度の年収次第では30万円の給付金は貰えない可能性がある
新型コロナウイルスの支援として、国から30万円の給付金が支給される方針と報道されていますが、こちらは直近まで働いていた方は貰えない可能性があります。
まだ確定情報は出てきていませんが、ある程度前年度の年収等を制限して、貧困層から支給していく方針だと考えられています。
そのため転職活動中で収入がない方でも、ある程度前年まで給与をもらっていた場合、給付金がもらえない可能性があるのでご注意ください。
ハローワークや転職サービス自体は緊急事態宣言中も営業している
緊急事態宣言が出された中でも、現時点ではハローワークや転職サービスは通常通り営業しているので、求人紹介が受けられなくなることはありません。
また現状のところ、民間企業の営業が停止となる状況ではないので、焦って何でもいいから応募する…といったことはやめましょう。
緊急事態宣言が出されたからといって、過度に行動を変えるのではなく、感染リスクには気を付けながら、通常通りの転職活動を心がけてください。
ただしビデオ面接などオンラインでのやり取りが増えてくるので、転職活動をする際にはオンライン設備を整えておきましょう。
ハローワークで失業給付金の申請をしてみる
これからの転職活動に不安がある人は、ハローワークから申請できる失業給付金を申請してみましょう。
申請条件は以下の2つです。
- 雇用保険に加入し、離職日からさかのぼって2年間の間に12か月以上働いた経験がある
- ハローワークで求人を探しているのにも関わらず就職できない状態
ハローワークで給食の申し込みをする際に同時に手続きするほうがスムーズです。
必要な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票
- 公的な本人確認書類(写真付き)
- 縦3㎝横2.5㎝の上半身が写った3か月以内に撮影した写真2枚
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳
- マイナンバーの記載がある書類(住民票でも可)
申請したからといってすぐに受け取れるわけではなく、7日間待機期間が設けられ、なおかつハローワークを利用して3か月間転職活動を行う必要があります。
つまり、3か月と7日以上たたないと給付されません。
しかし今後コロナの影響で転職が確実にできるとは限りませんから、予防線として申請しておくことをおすすめします。
クラウドソーシング等でとりあえず稼ぐのもおすすめ
当面の間、この状況は続くことが予想されているので、一時的にフリーランスとして活動するのも一つの選択肢です。
近年ではクラウドソーシングサービスも主流になってきており、だれでも簡単にフリーでできる仕事を探せるようになっています。
フリーランスとして自分ひとりでお金を稼ぐ経験を積んでおくと、今後の転職活動にも活かせる経験になります。
緊急事態宣言が出たからと慌てて転職はNG
新型コロナウイルスの影響は日に日に広がっており、緊急事態宣言が出される事態になりました。
その影響から、様々な業種・職種の求人が減少することが予想されます。
しかし当然のことですが、この期間にも求人を出している企業はたくさんあり、また今後も求人数は回復していくことが予想されます。
そのため一カ月、二カ月先のことだけを見て転職先を決めるのではなく、今後の長い将来のキャリアを考えて転職活動を進めるようにしましょう。
くれぐれも慌てて適当な求人に応募し、焦って転職先を決めてしまうことはやめておきましょう。