就職や転職を考える際、その仕事の年収や給料相場は重要なポイントです。
長く安定して続けていけるかどうかは、これからのライフプランを考えるうえでも重要なことですからね。
この記事では機能訓練指導員の収入について条件別に詳しく比較して紹介していきます。
機能訓練指導員が収入をアップするための方法についてもまとめていますので、ぜひ目を通してみてください。
目次
機能訓練指導員とは
機能訓練指導員は、資格の名前ではなく介護保険法によって定められている職種の一つです。
介護施設において利用者さんひとりひとりに個別のリハビリ計画を作成するのが主な業務となります。
また機能訓練とは、ケアプランに沿って作成された機能訓練計画書に基づいて、身体機能の低下防止のために行う訓練のことを指します。
機能訓練指導員の平均年収・平均時給(雇用形態別)
下記は機能訓練指導員の収入を雇用形態別に表示したものです。
正社員 | 平均年収 342万円 |
---|---|
派遣社員 | 平均時給 1,798円 |
パート・アルバイト | 平均時給 1,170円 |
国税庁より発表された「令和2年分 民間給与実態調査統計」によれば、日本の平均給与は430万円です。
一方機能訓練指導員の正社員の平均給与が342万円ですから、機能訓練指導員の収入は日本の平均より低いということが分かります。
機能訓練指導員の平均年収・平均時給(地域別)
下記は機能訓練指導員の収入を地域別に表示したものです。
機能訓練指導員の収入が最も高いのは関東で、次いで関西、最下位が九州・沖縄となっています。
正社員(年収) | 派遣社員(時給) | パート・アルバイト(時給) | |
---|---|---|---|
関東(1位) | 353万円 | 1,574円 | 1,250円 |
関西(2位) | 338万円 | -円 | 1,150円 |
九州・沖縄(最下位) | 301万円 | -円 | 1034円 |
ちなみに機能訓練指導員の給与水準が高い都道府県は東京都で、平均年収は379万円。
次いで神奈川県が378万円、千葉県が357万円となります。
やはり関東圏の方が、給与水準が高い傾向にあるようですね。
機能訓練指導員の平均年収・平均時給(条件別)
下記は機能訓練指導員の収入を条件別に表示したものです。
「20代スタッフ」「デイサービス勤務」という条件を加えた際の年収についてまとめています。
正社員(年収) | 派遣社員(時給) | パート・アルバイト(時給) | |
---|---|---|---|
機能訓練指導員の平均 | 342万 | 1,798円 | 1,170円 |
20代スタッフの場合 | 349万円 | 1,798円 | 1,239円 |
デイサービスの場合 | 342万円 | 1,800円 | 1,198円 |
デイサービスとは、外出が少ない高齢者の孤立感の解消や、家族の介護負担軽減を目的として提供される通所介護サービスの事です。
施設にて食事や入浴などの支援、生活の能力の維持・向上のための機能訓練等を日帰りで提供しますよ。
そのデイサービス勤務の場合、給与の水準は機能訓練指導員の平均とほぼ変わりません。
20代スタッフの場合も、アルバイトの時給が少し高いほどで、あとはおおむね平均と同じです。
福祉業界の職業別年収
下記は厚生労働省の「令和2年度障害福祉サービス従事者処遇状況等調査(臨時調査)結果の概要」に見る、介護施設で働く職員の仕事別の平均給与です。
職種 | 平均月給(令和2年2月) |
---|---|
福祉・介護職員(生活支援員を含む) | 29万7,910円 |
サービス管理責任者 | 37万3,440円 |
看護職員 | 40万4,370円 |
理学療法士・作業療法士 | 39万円 |
技能訓練担当職員 | 36万8,570円 |
心理指導担当職員 | 39万7,960円 |
管理栄養士・栄養士 | 34万5,840円 |
調理員 | 27万9,620円 |
事務員 | 34万3,380円 |
「技能訓練担当員」の項目を見ると、他の職種と比べて機能訓練指導員の給与は医療・福祉業界の中では真ん中、もしくはそれより少し上であるということを読み取ることができます。
一般的な介護職員と比べると、機能訓練指導員の方がかなり給与水準は高いですね。
機能訓練指導員の給与事情
機能訓練指導員の初任給・手取り・ボーナスについても紹介していきます。
初任給
機能訓練指導員の初任給の相場はおよそ22万円です。
その後資格を取ったり役職者になるなどして徐々に収入を上げていくのが、一般的な給料アップのルートですね。
機能訓練指導員が年収を上げる方法についてはまたこの後詳しく解説しています。
手取り
機能訓練指導員の基本給は、正社員の場合約28.5万円です。
ただしこれはあくまで総支給額であって、実際には全額が手元に入ってくるわけではありません。
社会保険や税金を天引きした後の金額が、実際の手取りとなります。
手取りは給料の7~8割になるのが一般的ですから、転職や就職を考える際には給与だけでなく手取り額を考慮するようにしましょう。
ボーナス
機能訓練指導員のボーナスは、勤務する施設によっても異なりますが、大体基本給の4カ月分くらいであることが多いです。
ボーナスがあるかどうかで年収の総額は大きく変わってきますから、就職や転職を考えている場合は、必ずボーナスの有無と額を確認しておきましょう。
機能訓練指導員が年収を上げる方法
ここまで、機能訓練指導員の条件ごとの年収や時給の詳細について解説してきました。
機能訓練指導員の給与は決して高いとは言えず、実際日本の平均給与を下回っています。
では機能訓練指導員が収入をアップするためにはどんな方法があるのかを、5つのポイントに分けて紹介したいと思います。
資格手当をもらう
機能訓練指導員が給料をアップするための1つ目の方法は資格手当をもらうことです。
職場によっては、特定の資格の取得によって数千~数万の手当てを支給してくれることがあります。
施設内の別の職種やポジションと兼務できる場合もありますので、関連資格を取って兼務できるようになり、追加手当をもらうという方法もあります。
ただしどんな資格に手当がつくかは職場によって違いますので、事前に資格手当についてよく確認してから、目指す資格を決めるようにしましょう。
役職手当をもらう
経験を積んでリーダーや管理職になれば、役職手当がつき収入をアップにつながります。
そのためには他職種との連携や施設全体の運営等、自分一人の業務だけでなく、広い視野を持って全体を見渡す力が必要となります。
実務経験の浅いうちは難しいですが、職場のリーダーや役職者の動きをよく見て、必要な技術やスキルを学んでいきましょう。
夜勤手当をもらう
例えば有料老人ホーム等の利用者さんが入居しているタイプの施設では、夜でも職員が常駐していなくてはいけないため夜勤が発生します。
夜勤には夜勤手当てが発生しますので、夜勤の割合を増やすことで収入をアップさせることができますよ。
ただし夜勤は勤務時間が長いので、体力に自信のない方にはつらく感じるかもしれません。
また生活リズムも不規則になるので、そういった条件が気になってしまう方には難しいでしょう。
勤続年数を増やす
施設によっては、勤続年数によって給与がアップする制度を取り入れていることがあります。
その場合、同じ施設に長く勤めることで少しずつ給料が上がっていきますよ。
ただ勤続年数による昇給には、特定の技能の取得や一定のスキルレベルに達していることが条件に設定されていることも。
ただ長く勤めるだけでは手当をもらえない可能性もあるということですね。
給料が良い職場へ転職する
各種手当を受けることが難しい、役職のポストがなかなか空きそうにない等、同一の職場で給料アップが難しい場合は、思い切って転職も視野に入れましょう。
施設の種類や規模等も考慮して、より良い条件で雇用してくれる職場を探してみてください。
その際に福祉関連の資格を持っていれば、採用時に給与の交渉もしやすくなるでしょう。
仮に元の職場では手当がつかない資格でも、職場が変わることで手当の対象になることもありますからね。
機能訓練指導員が年収を上げるための注意点
紹介したように、機能訓練指導員が年収を上げる主な方法は手当てをもらうことと転職をすることです。
ただ、焦って転職先を決めたり今の仕事をすぐに辞めてしまうと、気づかないうちの給料アップのチャンスを逃してしまうこともあります。
本当に今の職場で収入をアップさせる方法がないのかを、まずはしっかりと確認しましょう。
手当の種類と条件をよく確認し、自分が達成できそうなものはないかをチェックしてくださいね。
また現職の昇給制度を把握しておくことで、求人企業と条件を比較する際に役に立ちますよ。
転職活動をはじめてみたら、意外と現職の昇給制度が充実していたと気づいた、なんてこともありますからね。
焦って退職を早まってしまうことなく、まずは情報を集めるところから始めましょう。
自分に合う給料アップの方法を見つけよう
機能訓練指導員の条件別の収入や、給料をアップするための方法について紹介しました。
機能訓練指導員の収入は決して高くありませんが、給与を上げるための方法はあります。
資格の取得やキャリアアップ、転職等、自分の状況に合った方法で給料アップを目指していきましょう。