「今の仕事の給料が安定しないし、残業ばかりで福利厚生が充実している公務員に転職しようかな」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし公務員=楽な仕事ではありませんし、勉強して試験に通らなければ公務員になれません。
ここでは公務員への転職を目指している方へ公務員になるために具体的にどのような試験を突破しなければならないのか、難易度についてご紹介していきます。
公務員=楽な仕事だと思っているときっと転職後に後悔しますよ。
目次
公務員になるには公務員試験に突破する必要がある
公務員になるためには、公務員試験に合格する必要があります。
公務員試験の内容は、
- 教養試験
- 専門試験
- 論文試験
- 面接試験
経験者枠は面接と論文重視され教養試験は実施されないこともあります。
また、市役所は応募と同時に一次試験として論文の提出が求められる場合もありますので自分の受験したい自治体の求人を確信しましょう。
ここでは民間企業から転職を希望する方が多い行政系の事務職の試験科目についてご紹介します。
行政系の(事務職)の科目
一般知能
- 文書理解・・現代文・古文・漢文・英文
- 数的処理・・数的推理、判断推理・資料解釈
一般知識
- 人文科学・・日本史・世界史・物理・思想・文学・芸術
- 自然科学・・数学・物理・科学・生物・地学
- 社会科学・・政治・法律・社会・経済
専門科目
- 法律系・・憲法・民法・行政法・刑法・商法・労働法
- 経済系・・・経済原論・財政学・経済史・経済事業。経済政策。経済学
- 行政系・・政治・行政・社会学。国際関係。社会政策
一般枠の試験は教養科目と専門試験を合わせて20科目以上勉強する必要があります。
受験する自治体によって科目や出題数は異なりますので、詳しくは受験したい自治体のホームページを参考にしてください。
数的処理ってなんだ・・?と思う方も多いと思います。
最寄りの本屋さんに公務員の参考書が置いてありますので、どんな問題が出せれているのか確認するとイメージしやすいです。
どのくらいの勉強が必要?
一般的に公務員に合格するために必要な勉強時間は1000~1500時間程度と言われています。
あくまでこれは目安の時間です。大学受験の時にあまり勉強しなかった、大学在学中にあまり勉強していなかった場合はもっと時間が必要になるでしょう。
また民間企業からの転職を考えている方は働きながら勉強をしなければいけません。
働きながらだとなかなか時間が取れない方も多いと思います。
まとまった時間が休日しかとれない方もいるかと思いますが、公務員を目指して勉強するならば時間は作らなくてはいけません。
家に帰ってからスマホをダラダラ見ている時間、通勤時にSNSをチェックしている時間などのスキマ時間を活用して、普段から勉強することが大切です。
大学中退後でも公務員になれる?公務員試験の難易度や注意点を徹底解説!
公務員に応募するときにチェックすること
年齢制限に引っかかっていないかをチェックしよう
公務員の応募には年齢制限があります。
経験者採用では59歳まで受験可能なこともありますが、経験者採用は倍率が高く難易度が高いため年齢制限に引っかからないうちは一般枠で受験するとよいでしょう。
国家公務員も地方公務員も上限ギリギリの年齢で採用された例もあるため、年齢制限がぎりぎりでも採用される可能性はあります。
公務員の年齢制限は30歳までのところが多いです。
自分の受けたい職種や自治体の年齢制限を確認しましょう。
どの公務員を目指すかを決めよう
年齢制限に引っかかっていなかったら、受験する試験を選びましょう
一口に公務員と言っても種類はたくさんありますが大きく国家公務員と地方公務員に分けることができます。
国家公務員は中央省庁や国会・裁判所などの国の機関で働く公務員で、地方公務員は県庁や市役所など地方自治体で働く公務員です。
同じ職種でも国家公務員と地方公務員と区別されることもあるので注意が必要です。
例えば警察官では国家公務員採用試験を受けて警察官になった場合は国家公務員、都道府県の採用試験をうけて公務員になった場合は地方公務員となります。
主な公務員の職種は以下の通りです。
国家公務員
国家公務員総合職、国家公務員一般職、法務省専門職員、財務省専門官、国税専門官、労働基準監査官、航空管制官、刑務官、自衛官、国会議員 など
地方公務員
都道府県の市役所の職員、消防士、公立機関で働く看護師、薬剤師、獣医師、保健師、栄養士、司書 など
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一般枠と経験者枠どちらで受験すべき?
公務員試験の採用枠は一般枠と経験者枠の2つがあります。
自分の年齢やスキルをみて、どちらの枠のほうが合格しやすいか考えて受験しましょう。
一般枠と経験者枠の違いとは
一般枠・・・
各省庁や自治体が決めた年齢条件(30歳前後が多いです)を満たしている人であれば、基本的に誰でも受験することができます。
職歴や学歴、社会人経験は採用とは無関係のため、新卒で受験する人、既卒で受験する人も多いです。競争率は低く採用人数は多ですが、新卒の学生や公務員専門学校に通っている方とも直接競うことになります。
経験者枠・・・
経験者枠は民間企業で職務経験がある人が対象です。一般枠より年齢上限が高く、59歳まで受験可能な自治体もあります。
民間企業で1年~10年の職務経験が必要な場合が多く、一般枠と違い、即戦力を求められます。面接では民間企業で培った経験を公務でどう生かすのかが重視されます。
経験者採用は勤続年数が決まっていたり、自治体によっては仕事内容が条件になっていたりすることもあります。
筆記試験は一般枠より楽ですが競争率が20~30倍と大変高いため相当の覚悟が必要です。
一般枠と経験者枠、どちらがおすすめか
現役社会人の方でも年齢が若い人や社会人経験が短い人は一般枠をおすすめします。
経験者採用は一般枠に比べて倍率が高く、さらにこれまでのキャリアや人物が重視されるので難しいでしょう。
民間の企業での経験が豊富であり、面接でしっかりアピールできる自信がある人には経験者採用がいいでしょう。
試験のレベルと内容の確認をしよう
自分が受験したい職種が決まったら、どんな試験科目なのかを確認しましょう。
一般教養が出される場合もあれば専門知識が求められることもあります。
公務員の試験を受ける際によくある質問例
公務員になるために専門学校にいくべき?
難易度の非常に高い公務員試験(難易度の高い国家公務員の試験、院卒対象者の試験)でなければ、基本的にはどちらでも合格は可能です。
専門学校は教材を選ぶ手間が省けますし、講義などで理解を深められるため効率の良い勉強ができ、採用される可能性は高いでしょう。
「独学に自信がない」「参考書みたけど内容が理解できない」という方は専門学校に通ったほうが採用率は上がるでしょう。
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公務員を目指すなら会社は辞めるべき?
本気で公務員になりたいなら、会社を辞めて試験勉強をすることをおすすめします。
やはり働きながら勉強するのは、時間もかかりますし同時に2つのことをこなすのは大変だからです。
会社を辞めてしまうと後がないので勉強も必死で取り組むでしょう。
しかし、会社を辞めてしまうと金銭的に厳しいと感じるならば、会社で働きながら公務員試験を受けるのも手です。
きながら公務員を目指す場合は回数を決めて試験に臨みましょう。
期間が決まらないまま公務員試験を受けても、どっちつかずの状態が長く続き精神的にも辛くなってしまいます。
公務員試験は1つに絞るべき?
公務員試験は1つに絞って応募するべきなのでしょうか。複数の試験を受けるべきなのでしょうか。
仕事を辞めて公務員を目指すなら、試験を絞らないで受けられる試験はすべて受けましょう。
基本的には複数の試験を受けた方がよいと思います。
私の友人も自治体2つと裁判員の試験を受けてそのうち1の自治体に通り働いています。
公務員試験のチャンスは1年に何回もありませんので、日程が被っていなければ複数受験しましょう。
仕事を続けながらならじゅけんする場合は勉強時間も限られているので、可能の試験はすべて受験するというのは難しいでしょう。
仕事を続けながら試験を受ける場合は、試験科目が少ない市役所試験に絞って受験するといいかもしれません。
大切なのは、試験日程をきちんと確認しておくことです。
「受けたい自治体を見つけたときには試験がすでに終わっていた・・」ということがないように気を付けましょう。
また筆記試験は日曜にあることが多いですが、面接は平日にある可能性があります。
仕事の有給とれるかも考慮して日程も考えるとよいでしょう。
転職して公務員になるなら面接が意外に大変
筆記試験はゆっくりでもこつこつ勉強していけば2、3年で突破できるはずです。
しかし公務員試験の種類によっては面接で学生や既卒者以上に一度就職した人を厳しくみるようです。
今の仕事を辞めてまで公務員になりたい理由を厳しくみられると思います。
なぜ公務員になりたいと思ったのかをしっかり考えておきましょう。
中途で公務員になる人は増えている
現在、中途での公務員の求人が増加傾向にあるようです。
マイナビ転職の公務員の求人数を見ると2016年の求人は2012年の求人の役2倍になっています。
公務員の年末年始の求人は少ないですが、7月と8月に求人数が増加します。夏の求人数は年末年始の4倍以上の数です。
公務員を目指す人は夏が狙い目と言えるでしょう。
公務員の働き方について詳しく知っておこう
公務員=楽な仕事ではない
「公務員の仕事は民間企業の仕事と比べて楽そう」「事務的なことしかしないから暇そう」と思っているかたもいるかもしれませんが、決して公務員=楽ではありません。
公務員でも部署によって仕事内容も業務量も全くことなります。役所の窓口業務だけがすべてではありません。
公民館や保育士、学校などの公共施設の管理、町づくりの企画、観光対策、広報、人事、保険や福祉サービスの充実など業務は多岐に渡ります。
普段私たちから見えない仕事もたくさん行っているんですね。
公務員に採用されてもどの部署に配属されるかは分かりません。
窓口業務以外は何時まで受付と言うものがないため、いくらでも忙しくなります。
企画や広報などの花形の部署であれば残業や休日出勤もありえるのです。
公務員=定時上がりではない
公務員は定時で上がれるイメージがある方も多いと思いますが、部署によっては民間企業より残業が多いこともあります。
私の友人が市役所の忙しい部署で働いていた時は繁忙期は夜中の1時2時に帰宅する生活が1か月続くこともあったそうです。
さらに公務員の残業代は予算が決まっているため、予算を超えた分はサービス残業になってしまいます。
成果を出せば給料が上がるわけではない
民間企業のように若くても数字を出せば評価され給与が上がるわけではありません。
公務員は基本的に年功序列の世界です。評価される人はもちろん出世いますが、給与に差がでてくるのは40歳半ばを過ぎてからです。
さらに地方公務員の事務職の平均年収は42~43歳で650万程度です。(国家公務員は700万円強)
25歳では平均年収は350万円程度です。公務員になれば給料があがると思って大企業から転職して人の中には年収が100万以上下がったケースもあるようです。
公務員に転職するメリットとは
ノルマはないので精神的には楽になるかも
銀行から公務員に転職する方の中には「毎日の厳しいノルマから解放されて精神的に楽になった」と感じる方もいるようです。
毎日厳しいノルマと戦ってきた方にとっては、公務員は数字上のノルマがないので精神的に楽かもしれません。
忙しい部署になっても3、4年で移動できる
忙しい部署に配属されると繁忙期は民間企業を上回る残業時間が例え忙しい部署になってしまっても3、4年で異動することができます。
民間の企業だと、忙しい会社に入ってしまったら逃げ場がないですが、公務員は異動というものが定期てきにあるのです。
私友人も、忙しい部署になったときはずっと「仕事辞めたい」と言っていましたが、あと1年で異動できるから耐えられると言っていました。
雇用と福利厚生が充実している
給与は年功序列ですが、仕事が遅かったからと言って給料が上がるわけではありません。
法を犯さない限り首になることもないでしょう。そういった意味で公務員は安定しているといえます。
また公務員は土日祝日は基本お休みです。
女性なら育休産休も1年以上とることができますし、出産してからの時短勤務も可能です。
仕事と家庭をバランスを重視し、給料の安定を大切にしている方にとっては魅力的な条件ではないかと思います。
公務員のやりがいはあるの?
公務員はみんなの利益のために行動しているので、あくまで「みんな平等」が原則です。
困っている人を助けてあげたいと思っても、「決まり事だから」「みんな平等に扱わないといけないから」という理由で助けてあげられない場合もあります。
サービス業から転職してきた方はこのギャップに苦しむ方もいるようです。
しかし仕事が多少つまらなくても給料も安定していてノルマもない、福利厚生も充実しているという点をメリットに感じて公務員を続けていく方もいらっしゃれば、公務員の仕事をゲーム感覚で楽しんでいる方もいらっしゃいます。
自分が転職に何を望むのかをよく考えて公務員への転職を考えてみることをおすすめします。
まとめ
「楽そうだから」「何となく給料がよさそうだから」という安易な考えで転職するのは非常に危険です。
公務員には公務員の辛いことや悩みもたくさんあります。
公務員の仕事のことや働き方をよく知った上で本当に転職するのかを考えるようにしましょう。