文系の道を進んできたみなさんの中にはこれまで、以下のように言われた人もいるのではないでしょうか。
「理系なら将来良い収入で働ける」
「理系なら安泰だけど文系は苦労する」
確かに理系は医師や臨床検査技師、薬剤師など国家資格を取得する人が多いため、高収入で安定しているイメージが強いですよね。
でも文系だからといって、給料の高い仕事が全くないわけではありません。
業界や職業をしっかりと見極めることで、文系でも給料の高い仕事に就けるんですよ!
そこで今回は文系でもできる給料の高い仕事、そしてそれらの仕事に就くためにおさえておきたいポイントについて徹底解説していきますね。
目次
知ってる?実は文系は理系より職の選択肢が広い
冒頭でもお話したように、理系を選んできた人は高収入や職探しで有利なイメージをもたれがちです。
しかし文系の方が理系よりも職の選択肢が広いんです。
例えば理系では看護科を選べば看護の道に進まなければなりませんし、建築科を選べば建築関係の道に進まなければなりません。
一方文系は経済学、法学、社会学などどの企業でも生かせるような学問を学んでいるため、自分の興味関心に合わせて職業選択ができます。
もちろんどの分野にも高収入な仕事がありますから、可能性が広く開けているんです。
文系でもできる給料の高い仕事13選!
以下では文系でもできる給料の高い仕事です。
- 弁護士
- 総合商社
- 保険会社の営業
- エンジニア
- メガバンク
- テレビ局
- 大学教授国家公務員
- 通信事業者
- 不動産鑑定士
- 弁理士
- 公認会計士
- コンサルタント
弁護士
TVドラマや映画でもよく見かける弁護士は給料が高い仕事の代名詞ともいえるでしょう。
平成29年に行われた賃金構造基本統計調査では、平均年収は1026万円。
日本の中でも最難関であるといわれている司法試験を突破しなければならず、なんと合格率3%という狭き門なのです。
また司法試験の受験資格を得るには、以下3パターンのいずれかの条件を満たす必要がありますので、理系にはできない仕事の一つです。
- 大学の法学部へ入学から法科大学院へ2年間在籍
- 大学(法学部以外)から法科大学院で3年間在籍
- 高校卒業後予備試験を受験する
総合商社
総合商社はいわずと知れた文系がなれる高収入な仕事です。
特に五大商社といわれる日本国内の商社の中でも特に規模の大きい企業では年収1000万越えであることが一般的です。
以下は各企業の2018年有価証券報告書をもとに各5大商社の給与を表した表です。
伊藤忠商事 | 1520万円 |
---|---|
三菱商事 | 1607万円 |
住友商事 | 1389万円 |
三井物産 | 1430万円 |
丸紅 | 1389万円 |
(参考:伊藤忠商事2018年有価証券報告書、三菱商事2018年有価証券報告書、住友商事2018年有価証券報告書、三井物産2018年有価証券報告書、丸紅2018年有価証券報告書)
様々な取引を行うため、規模の大きい仕事を任せてもらうこともできます。
資格取得も特に必要ありませんので、文系でも就職できる道は大いにあるでしょう。
保険会社の営業
保険会社の営業も言わずと知れた高収入な仕事です。
文理問わず募集されていますが、法律関係やお客様との駆け引きもあるため文系に向いている仕事といえます。
能力によって差は出ますが、600万~1000万程度が相場。
大手保険会社になればなるほど講習になります。
契約獲得数を上げればあげるほど額面に直結するため、努力見えてくるやりがいのある仕事でしょう。
ITエンジニア
「え?ITエンジニアって理系じゃないの?」と思う方もいるでしょう。
実はITエンジニアは文系向きの職業なんです。
それぞれの言語の特性を活かして駆使していくため、論理的思考性や開発言語分野での語学力が必要になるためです。
また文系が入社するときも特に資格は必要なく、入社後に学んでいける企業もありますよ。
エンジニアの中でも特にITコンサルティングやPM(プロジェクトマネージャー)の給与が高く、800万~900万円が相場。
通常のエンジニアだと年収600万円以下であることがほとんどですが、スキルアップや経験を積むことで上記2つのような高収入の職種にシフトアップできます。
ここで紹介している他の職行よりも学歴を重視の業界・職種ではないため、一番就職・転職しやすいと言えます。
メガバンク
みずほ銀行や三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行などのメガバンクも文系が就職できる高収入な仕事です。
3社平均で年収は700万円~800万円が相場です。
ただ20代など若手のうちは給与が低く、年齢が上がるごとに給与が上がっていく年功序列制度が残っていますので、若くして高収入を目指したい!という方には向かないでしょう。
テレビ局
日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日など全国ネットで放送されているテレビ局も文系が就職できる給料の高い仕事の一つです。
番組制作はもちろんのこと皆さんご存じアナウンサーや、記者、自社アピールのためのイベント製作など幅広い業務を行います。
エリアごとに分かれており、東京を中心としたキー局と大阪を中心とした準キー局では年収が1000~1500万円が相場です。
ただし激務であるほか、休みを取りづらいというデメリットもありますので注意が必要です。
大学教授
教育分野における最高位の職種である大学教授も、文系でも給料の高い仕事の一つです。
年収は1000万円以上になります。
専門分野の研究に加え、大学での授業、学会への出席など、非常に忙しいのが大学教授の特徴です。
しかし、好きな学問を仕事にすることができ、なおかつ社会的地位も非常に高いため、年収の高さにプラスアルファの付加価値があります。
国家公務員
国に勤務する公務員である国家公務員も、給料の高い文系の仕事の一つです。
平均年収は673万円とされています。
現在、日本全国で65万人程度が国家公務員として働いています。
スケールの大きい仕事に携わることになるため、年収も比例して高くなるのです。
正義感が強い人や、誰かのために働きたいという気持ちが強い人におすすめの仕事です。
参考:人事院公式サイト 令和4年国家公務員給与等実態調査の結果
通信事業者
携帯電話や固定電話などの通信サービスを提供する通信事業者も、文系でも給料の高い仕事です。
- ソフトバンクグループ
- KDDIグループ
- NTTグループ
などが通信事業者に分類されます。
通信事業者の平均年収は600万円程度ですが、大手通信事業者になると800万円を超える事業者もあります。
そのなかでも管理職になれば、さらなる年収アップを見込めます。
通信事業者の総合職であれば、文系でも十分高収入を狙うことが可能です。
不動産鑑定士
不動産鑑定士とは、不動産の鑑定評価のできる国家資格保有者のことを指します。
不動産の価格を適切に判断できる資格ですので、不動産や銀行などの金融系の業界から需要が非常に高いです。
資格の難易度は高いですが、その分希少性の高い職業ですので、一般的に約680万円程度の年収が見込まれています。
資格を取得して一定期間過ぎた後は、自分で不動産鑑定士の事務所を開業して、自営業として働くことも可能です。
自営業になり安定してお客さんがつけば、企業に勤めるよりも高い収入を得られる可能性もあります。
弁理士
弁理士は知的財産に関する特許出願や、出願の代理を行います。
特許権や実用新案案件、商標権、意匠権といった侵害に関する訴訟にも対応する能力が求められる仕事です。
弁理士の年収は約750万円前後が期待できるでしょう。
訴訟に関わる仕事では、補佐人や弁護士と共同で訴訟代理人として参加することもあります。
弁理士になるためには、試験に合格して弁理士登録をしなくてはいけません。
受験資格に制限はありませんが、年1回しか試験は行われません。
通年を通して合格率は低く、令和4年度は6.1%でした。
弁理士になるためには、並み以上の努力が必要です。
参考:参考:特許庁公式サイト 令和4年度弁理士試験統計
公認会計士
公認会計士は、監査や会計の専門家として以下の仕事に対応します。
- 監査証明
- 会計
- 税務
- コンサルティング
税理士登録をすれば税務の担当ができ、年収は750万円ほどです。
税務書類の作成や、企業再編の税務処理及び税務調査なども税理士の仕事です。
国家試験となり令和4年度の合格率は19.5%でした。
参考:国税庁公式サイト 令和4年度(第72回)税理士試験結果
コンサルタント
コンサルタントは、企業の課題を見つけその解決策を提案する仕事です。
主な顧客は企業となり、経営改善のために相談を受けることが多いでしょう。
年収は平均1,000万円前後で、高収入の仕事です。
適切なコンサルティングを行うためには、業界の専門知識やリサーチが必須です。
コンサルタントの種類は、以下の分野に大まかに分かれます。
- 人事コンサル
- 業務コンサルタント
- 官公庁のリサーチや政策提言を行うシンクタンク
- IT戦略、DX推進を行うITコンサルタント
- 企業の合併や買収に関わるFAS
文系と理系の年収の差ってどれくらい?
冒頭で文系の方が理系よりも職業の幅が広いというお話はしましたよね。
しかし、やはり理系のほうが給料が高い仕事があります。
なぜかというと、理系出身者は技術や専門知識を要するメーカーに就職できたり、医師になったりするからです。
給料が高い仕事ランキング
厚生労働省の「平成29年 賃金構造基本統計調査」によると、給料が高い仕事ランキングの1位は医師、2位は航空機操縦士とリスクを伴う技術職が上位にランクインしています。
1位 | 医師 | 1,197万円 |
---|---|---|
2位 | 航空機操縦士 | 1,191万円 |
3位 | 大学教授 | 1,050万円 |
4位 | 公認会計士・税理士 | 1,042万円 |
5位 | 弁護士 | 1,028万円 |
文系と理系の年収を比較
独立行政法人経済産業研究所の「理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-」(2011年)によると、やはり理系出身者のほうが年収が高いことがわかります。
文系
男性 | 女性 |
---|---|
559万200円 | 203万200円 |
理系
男性 | 女性 |
---|---|
600万9900円 | 260万3600円 |
男性の年収は、文系が559万200円に対して理系が600万9900円。
女性の年収は、文系が203万200円に対して理系が260万3600円とかなり大きな差があることがわかります。
これは1年間の差ですから、生涯単位で考えるとかなり違いがありますよね…
ただし、40代になると文系も理系も昇進や昇給が落ちつき、場合によっては年収が逆転することもあるようです。
文系でも給料の高い仕事に就くことで、最終的には理系と変わらない給料をもらえる可能性があります。
文系でも給料の高い仕事に就くためのポイント
ここまで紹介してきたように、文系でも給料の高い仕事はたくさんあります。
しかしこれらに就職又は転職するには、ポイントを抑えて採用活動に挑まなければ不採用になってしまうところもあるほど、厳しい道のりを歩むことになります。
そこで以下では文系でも給料の高い仕事に就くためのポイントを3つ紹介していきます。
①資格とスキルを磨いてアピールできるようにする
保険会社や総合商社など高収入な大手企業は、語学力を証明する資格やコミュニケーション力などにおいて突出した実力を求めています。
特に上で紹介したような大手企業を目指す場合には、TOEICでハイスコアを取得することをおすすめします。
また「私はコミュニケーション力があります」とただ言うのではなく、そのスキルを補強できるようなエピソードをまじえて話さなければなりません。
他の応募者よりも自分をアピールできるような資格とスキルを用意し、それらを磨いていきましょう。
②稼げる業界に絞って研究する
「文系で高収入稼げる業界とりあえず全部応募しちゃおう」なんて考えている人はいませんか?
上に紹介したように高収入を稼げる業界はそれぞれ業種も営業形態も異なりますので、就職や転職でアピールするポイントも変わります。
よく言われるように、就職や転職では業界研究をしっかり行うことが内定への第一歩ですから、欲張りすぎて複数の業界に手を出しすぎると中途半端になってしまう可能性があります。
そのため文系でも稼げる仕事に就くのであれば、ある程度業界を絞って研究・応募することをおすすめします。
③転職ならエージェントを頼る
就職であればそれぞれ大学や就職セミナー等で対応できますが、現在社会人の方でこれまで紹介してきたような企業に転職したいと考えている人は、エージェントを頼ることをおすすめします。
転職では一般的に働きながら仕事探しをしますが、仕事と転職活動を両立させるのは至難の業。
特に文系でも稼げる業界は競争率も高いですから、他の転職者も狙わないわけがありません。
転職エージェントでは転職対策はもちろんのこと、転職先との連絡や求人紹介など全面的にサポートしてくれます。
少しでも負担を減らしながらも高収入な企業に転職するために、是非利用してみてくださいね。
文系でも高収入を獲得できる3つの業界
高校や大学で「文系は理系よりも専門性が低いから…」とマイナスイメージを植え付けられている皆さん、実は意外にも文系でも高収入を獲得できる業界もあるんですよ。
中には理系のイメージが強い業界でも、文系の能力が最大限に生きることもあります。
職種を選べば皆さんでも活躍できる業界が見つかることもありますので、是非チェックしてみてください。
IT業界
IT業界は理系のイメージが強いという方も居るでしょうが、実はかなり文系向きの業界であることをご存じでしょうか。
エンジニアは各システムに関連した言語を活用してシステムを組んでいくことになります。
きまった文法に沿って文章を構成していくため、文系ならではの言語処理能力を活かすことが可能なのです。
言語も決まっているので、法則を叩き込んで置けば自由に活用できるようになるので、国語や英語が得意!という人が意外と活躍できる業界なのです。
またIT業界では営業職も重要な仕事。
システムの導入費用は非常に高額なので案件の制約が完了すれば、契約件数によっては高額なインセンティブを受け取れる可能性もあります。
自社のシステムの理解や顧客のニーズ理解など、難しい点はあるものの論理的思考力をフル活用して働くことができるので、営業職とsいても文系の能力が生きることになります。
不動産業界
不動産業界は言わずと知れた文系の活躍できる業界です。
基本的には営業を担当することになり、様々な物件を販売していきます。
取り扱う商材の規模は様々で、マンションやアパートなどの賃貸契約から、一戸建ての販売、不動産投資用のマンションの販売など、数万円から数億円のお金が動く取引を行うことになります。
人対人のコミュニケーションになるので、相手のニーズを読み取ったり気分よく選んでもらえるように、思考錯誤することが求められます。
繁忙期がありますので波があるものの、努力次第では稼げる業界です。
金融業界
銀行や証券会社などの金融業界も文系の活躍できる業界として知られています。
金融業界は一度に多額のお金が動くことになりますので、営業として経験を積むことで歩合をもらうことも可能です。
資格を取得して営業の経験を重ねていくことで、件数獲得ができるようになっていきますので、努力次第では稼げる業界であるといえます。
文系の高収入案件を扱う転職エージェント
転職エージェントの中には、高収入の案件のみを取り扱っているサービスもあります。
文系の高収入案件を狙いたいのであれば、積極的に活用することをおすすめします。
ビズリーチ
ビズリーチはハイクラス求人のみを取り扱う転職サイト・エージェントです。
専門のヘッドハンターが皆さんの条件をチェックして取り扱っている大手企業の求人を紹介してくれます。
また、皆さんの経歴を確認した大手企業の人事担当者から直接スカウトを受けられるので、文系でも関係なく現在の職場での成績を活かして転職活動を進められるのです。
また自分で求人を検索することもできるので、気に入った求人を探すこともできるでしょう。
高収入を目指しているのであれば、是非一度利用を検討してみてください。
エンワールド
エンワールドもハイクラス専門の転職エージェントです。
国内の企業だけではなくアジア圏の多国籍記魚の求人を多数保有していますので、外資系の給与で働くこともできるでしょう。
また日系のグローバル企業の求人も多数とり扱っているので、国内で働きながら語学力を生かしたい!と考えている方にもおすすめです。
収入UPもキャリアアップにも直結しますので、外国語のスキルを活かしたい方は、是非利用を検討してみてください。
文系でも高収入をあきらめずに仕事をみつけよう
いかがでしたか?
高収入=理系のイメージがありますが、文系の方が仕事の選択肢も豊富で自分の興味関心に基づいた職業を選べます。
ここで紹介した職業は日本の平均よりも高収入ですから、収入重視で仕事探しをしている人はぜひ参考にしてください。
ただし収入が高い職業はそれ相応に応募者数も多いですから、他の応募者との差をアピールできるように努めましょう。
働きながら高収入な仕事を目指したい…!という方は、転職エージェントにサポートを依頼してみるのも一つの手です。
文系だからといってあきらめずに、選択肢の広さを活かした仕事選びをしましょうね!