みなし残業(固定残業代)とは?仕組みと違法性の有無を解説

みなし残業(固定残業代)とは?仕組みと違法性の有無を解説

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日本は残業大国と言われることがあるほど残業が多い国で、残業に関するトラブルは多いです。

そのトラブルの1つとして「みなし残業」という言葉を聞く機会が多いと思うのですが、「みなし残業ってなに?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか?

この記事ではみなし残業の仕組みと違法性の有無について解説します。

違法性があった場合の対処法についてもご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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みなし残業とは?

そもそも「みなし残業」という言葉は法律上存在しません。

みなし労働時間制における残業時間を「みなし残業」と言います。

みなし労働時間制とは、外回りの仕事が多い営業職など企業が労働時間を把握しにくい職種に対して用いられる制度です。

「毎月〇〇時間働いている」ということをみなして、その時間分の給与が支払われる制度になります。

日本の法定労働時間は8時間と決められているため、8時間以上の労働が「みなし残業」に該当するということです。

そしてみなし残業の時間は、労働者と会社側の話し合いにより決められます。

少し複雑ですが、みなし残業とは「みなし労働時間制における残業時間」と覚えておくようにしてください。

みなし残業の仕組み

みなし残業の仕組みを簡単にご紹介します。みなし残業の概要だけではなく、仕組みを理解していなければ違法性の有無を理解することは難しいです。

まずみなし残業とは「固定残業代」と言われることもあり、残業代があらかじめ固定給に含まれている労働契約のことを指します。

例えば毎月20時間のみなし残業を定めている場合は、20時間以内の残業でも固定給は変わりません。

しかし30時間残業した場合は固定給にプラスして、10時間分の残業代を支払う必要があります。

これがみなし残業の簡単な仕組みです。

この仕組みを理解できていれば違法なのか違法じゃないのか、わかるようになると思います。

みなし残業のメリット

「みなし残業は企業側のメリットが大きい」というイメージを持たれる方が多いのですが、実は労働者の方がメリットは大きいです。

まず企業側のメリットとしては、残業代を計算しなくて良いということです。

固定給として支払われるため、労働者1人1人に対して計算をする手間がなくなります。

そして労働者側のメリットとしては、安定した給与が見込めるということです。

みなし残業を定めている場合は、決められた残業時間よりも少ない場合でも一定の給与が支払われます。

そのため効率よく仕事をすれば、労働以上の給与を受けられることになります。

もし決められた時間以上の労働があった場合は、その分も支払われるため労働者にとってはメリットが大きいです。

みなし残業のデメリット

みなし残業を定めることには、メリットだけではなくデメリットもあります。

まず企業側のデメリットは必要以上の給与を支払う可能性があるということです。

決めた時間以内の労働でも一定の給与を支払う義務があるため、労働者が得をすることはあっても企業側が得をすることがありません。

そして労働者のデメリットは「残業を強制させられる」ということです。

みなし残業はあくまで賃金計算にあたって一定の賃金を固定支給する制度なため、必ずしも残業する必要はないです。

しかし企業側は損をしてしまうことになるため、「みなし残業分の労働はしてもらう」というスタンスを取ってくることがあります。

また労働者が制度について理解していないと、法律上支払われるべき給与を受け取れていない可能性もあります。

仕組みをしっかりと理解していると、労働者に対するデメリットはなくなります。

みなし残業は違法になる?

みなし残業についてお伝えしましたが、「結局違法になるの?」と気になっている方は多いと思います。

結論からお伝えすると、違法ではありません。

労働基準法に定められた内容を守っているのであれば、みなし残業を設けていても違反にはならないです。

そして営業職などの労働時間を把握しにくい職種以外でみなし残業を設けても、違法にはなりません。

ただし違法になる場合もあるので、違法になる場合をいくつかご紹介します。

固定残業代を上回る残業代が支払われていない場合は違法になる

みなし残業を定めている企業で違法になる場合は、固定残業時間を上回る残業代が支払われないときです。

定められている時間以上働いた場合はその分の残業代を支払う義務が企業にはあるため、支払っていない場合は違法になります。

「固定残業代を支払っているから、残業代は出ない」という姿勢の企業は完全に違法です。

最低賃金を下回っている場合は違法になる

日本には1時間当たりの最低賃金が決められています。

もし支払われる残業代が最低賃金を下回っている場合は、違法になります。

みなし残業を定めている企業でも最低賃金以上の残業代を支払う義務があります。

最低賃金は年々上がっているため、最低賃金に1.25を掛けて計算してみてください。

もし下回っている場合は、不足分を企業に請求することができます。

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未払いの残業代を請求する方法

上記でお伝えしたように違法をしている企業に対しては、未払い請求をすることが可能です。

未払い残業代は労働者から行動をしなければ返ってくることは考えられないため、下記の方法を参考にしてみてください。

会社に対して請求書を送る

未払い残業代を請求するためには、会社に対して請求書を送る必要があります。

就業規則と支払われている給与を確認して「〇〇の理由で〇〇円の残業代が未払いになっているので、これを請求します」という内容のものを会社に送ります。

「請求書を送るの?」と不安に感じる方は多いと思うので、弁護士名義で請求書を書いてもらうことをおすすめします。

また弁護士名義の請求書になることで、会社は無視することができなくなります。

労働基準監督署に報告する

労働基準監督署とは、残業代未払いやハラスメントなど企業と労働者との間で発生する問題に対応してくれる機関です。

厚生労働省の出先機関として対応してくれるため、報告することで企業側は行動しざるおえない状況になります。

さらに残業代未払いだけではなく、他に違法になっていることがあれば指摘してくれます。

労働者にとっては大きな味方になるため、労働基準監督署に報告するもの1つの方法です。

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最終手段は会社を辞めて転職する

違法になるみなし残業を定めている企業に勤めている場合は、上記でお伝えした対処法を取ることをおすすめします。

しかし「企業と気まずい関係になるのが嫌」「面倒だから請求したくない」という方は、最終手段として転職することをおすすめします。

転職することでみなし残業を定めている企業で働く必要もなくなりますし、心機一転して仕事に対するモチベーションも変わると思います。

ただし転職してしまうと未払いの残業代が返ってくることはないため、請求してから転職することが理想の形です。

「請求したものの転職先が決まらない…」ということは避けたいと思うので、転職を成功させるポイントをいくつかご紹介します。

時間をかけて転職する

1つ目のポイントが「時間をかけて転職する」ということです。

転職活動をスタートさせると、「1日でも早く採用してほしい」という気持ちが出てきます。

その気持ちは大切なのですが、焦る気持ちは良くありません。焦って転職してしまうと、「思っていた企業ではなかった」というミスマッチを起こしてしまいます。

そのため焦る気持ちを抑えて、転職活動を進めるようにしてください。

会社を辞めないで働きながら転職活動を進めることで焦る気持ちを抑制できます。

業界に特化した資格を取得する

2つ目のポイントが「業界に特化した資格を取得する」ということです。

転職を成功させるためには今までの経歴や実績をアピールすることが大切なのですが、過去のアピールになるため人事によって評価の高さが変わります。

しかし資格を取得していると、今の知識とスキルをアピールすることができて、どんな人事からでも平等な評価を受けられます。

そして業界に特化している資格の方が高い評価を受けられるため、転職したい業界を決めてから資格を取得しましょう。

キャリアアップを目指す

3つ目のポイントが「キャリアアップを目指す」ということです。

転職する目的は「みなし残業に対する違法がある企業を辞めたい」ということだと思うのですが、その目的だけでは給与や待遇が下がってしまう可能性があります。

それは本意ではないと思うので、キャリアアップすることも転職する目的と考えるようにしてください。

そしてキャリアアップすることを目的としていると、待遇や条件が下がることは考えにくいです。

転職エージェントを活用する

4つ目のポイントが「転職エージェントを活用する」ということです。

転職エージェントとは、転職に関することを幅広くサポートしてくれるサービスです。

転職サイトとは異なるサービスを提供していて、希望通りに転職できる可能性を高められます。

具体的には「求人紹介・書類添削・面接対策・条件交渉・日程調整」などです。

また転職エージェントを活用することで、働きながらでも転職活動を進められます。

しかし国内には数多くの転職エージェントがあり、「どのサービスが良いんだろう?」と悩まれると思います。

その場合は下記の転職エージェントを参考にしてみてください。

転職エージェントは併用しても問題ないため、気になるものがあれば登録してみてください。

みなし残業は違法になる場合もある

この記事ではみなし残業の仕組みと違法性の有無についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

みなし残業は残業代があらかじめ固定給に含まれている労働契約のことを指します。

そのためみなし残業自体は違法ではないのですが、場合によって違法になります。

違法の有無は上記でお伝えしているので、参考にしてみてください。

そして違法をしている企業に勤めている場合は、請求して転職するようにしましょう。

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