収入の目安としてよく挙げられるのは、『年収1000万円』。ビジネスパーソンとしてキャリアを描いていくなら、誰しもが高い収入を手にしたいと思うはずです。
漠然と年収1000万円を目標にしても、届くことはありません。どんな職種なら1000万円に到達するのか、どんな努力をすればいいのか、どんな企業を選べばいいのか。今回は、年収1000万円を目指すための具体的な方法について解説します。
ぜひ今後の転職活動の参考にしていただければ幸いです。
目次
転職で年収1000万円を狙うのは狭き門
まずはじめに、転職によって年収1000万円を狙うのは、決して簡単なことではありません。
そもそも年収1000万円を達成できる企業・職種自体がそこまで多いわけではないですし、かつ他の転職者と競合することになるので倍率も必然的に高くなります。
日本で年収の高い仕事は超大手企業に集中している
日本において、年収1000万円を超えるような高収入の仕事は、やはり誰もが名前を知っているような超大手企業に集中しています。
特に顕著なのは、マスコミや広告、銀行、証券会社、商社、外資系企業など。こうした企業は、若くして年収1000万円を超えるケースも多々あります。
高学歴が求められる
超大手企業に入社しようとすると、大前提として高学歴であることは必須です。旧帝大や早慶上智、最低でもMARCHレベルの学歴が求められるでしょう。
企業によっては学歴フィルター設けており、一定レベル以上の大学でなければ履歴書すら読んでもらえません。となると、超大手企業に入社することは、必然的に難易度が上がってしまいます。
英語技能のスコアが必要
また、超大手企業の場合は英語技能も求められます。実務で活用できるレベルを計る指標としてTOEICのスコアが求められるのですが、900点以上であれば文句なしに評価され、最低でも800点以上は必要と考えてください。
700点台であれば、むしろデメリットすらなりかねません。
中途採用の枠が少ない
そもそも超大手企業の採用活動は、新卒がメインです。潜在的に優秀な学生を採用して育成していく企業が多く、中途採用の枠は少なめ。特に一般の転職サイト・求人サイトには全く求人広告を出していないという企業も多いでしょう。
一部転職エージェントを使っているケースもありますが、高難易度の役職者などを募集していることが多いようです。
即戦力になることが求められる
中途採用で入社するということは、即戦力としての活躍が期待されるということ。超大手企業の優秀な社員たちの中で、即戦力として高い成果を残すのは並大抵のことではありません。
たとえ運よく転職できたとしても、思うように活躍できず退職してしまうというケースも往々にしてあり得ます。
超大手以外で年収1000万円稼ぐには「規制産業」
超大手企業に入社するのは、色々とハードルが高いことが分かったのではないでしょうか。では、超大手企業以外で年収1000万円を稼ぐにはどうすればいいのでしょうか。
その方法のひとつが、「規制産業」を選ぶということです。規制産業とは、事業をスタートするにあたって免許が必要だったり、行政などによる監督が厳しい業種を指します。たとえば電気やガス、水道などの社会インフラや、金融、通信、医療などの業界がこれに該当します。
ちなみに産業別の年収1000万円以上の割合を見てみると、
- 1位 19% インフラ(電気・ガス・水道など)
- 2位 14% 金融・保険
- 3位 10% 情報通信
このように、上位3位の全てが規制産業です。全業種の年収1000万円の割合がわずか4%程度なので、規制産業がいかに高い給与を狙える業界かが分かると思います。
国家資格などの専門資格が必要な仕事
「じゃあすぐにでも規制産業へ!」…というわけにも行きません。規制産業において高年収の職種は、国家資格を含めた専門資格や特殊技能が求められることが多いようです。
こうした資格・技能があれば転職には有利だと思いますが、まったくの未経験からとなれば難易度や倍率は必然的に高くなります。
中には「人柄採用」をする会社も
ただ、絶対に資格・技能が必要というワケでもありません。中には未経験でも挑戦できる職種もあり、その場合はコミュニケーション力や意欲など、『人柄』を重視して採用されます。
求人数自体は多いわけではないので、見つけたらチャンスかもしれません。
学歴不問・未経験可で1000万目指したいならコレ
さてここまでは、学歴や英語力、資格、技能などが求められるものが中心でした。しかし、できることなら学歴や資格が無くても年収1000万円を目指したいですよね。
そこでここからは、“誰でも”目指せる年収1000万円以上の職種をご紹介していきます。
注意!1000万円稼ぐための努力は必要
職種を紹介する前に理解していただきたいのは、学歴や資格、経験が無くても転職できるからといって、全員が年収1000万円を目指せるわけではないということ。
年収1000万円という高い壁を目指すには、並大抵ではない努力が必要です。学び続ける努力、目標を達成する努力、成果が出なくても継続する努力…。
仕事だけでなくプライベートも楽しみたい!という方には、正直なところおすすめはできません。自分の時間を投げ打ってでも仕事に打ち込んで努力できるような方でなければ、1000万円という年収には到底届きません。
…という点はある程度踏まえた上で、以下を読み進めていただければと思います!
MR(医療情報担当者
MRとは、医薬品や医療機器の案内を行う仕事です。医薬品・医療機器メーカーに属し、病院の医師や薬剤師などに提案を行います。
提案の相手が医師や薬剤師なので、医薬品・医療機器の商材知識はもちろん、医療業界の知識や高い教養なども必要となるでしょう。これらは勉強して身に付けていく他なく、日進月歩の医療の世界なので、日々学習を続けていかなければなりません。
大卒以上なら医療知識がなくともOK
高い知識レベルが必要な仕事ですが、入社時には知識・経験は求められないことがほとんどです。
面接で入社後に学ぶ意欲があることをきちんと伝えられれば、採用してもらえる可能性は充分にあるでしょう。
インセンティブがもらえる
ちなみにMRは、年俸や月給に加えて成果に応じたインセンティブが支給されることが多いようです。インセンティブの額は企業によりますが、外資系企業の場合は100万円単位で支払われることも珍しくありません。
また現金によるインセンティブ以外に、海外旅行などが支給されることもあります。
不動産営業
不動産営業は、月給額自体はそこまで高くはありませんが、成果に応じたインセンティブの割合が高いのが特徴。高い成果を残せば年収1000万円も充分に狙えます。
不動産を提案するためには、不動産や金融などの知識が求められます。しかしこれは入社後に学べば問題ありません。入社時には特別な知識や資格などは一切必要なく、誰でも挑戦できます。
女性も活躍している
不動産の営業は、女性が活躍しやすいのも特徴のひとつです。不動産といっても幅広いのですが、例えば土地活用の営業であれば、相手の地主と何度もコミュニケーションを取る中で信頼関係を築いていくことが大切。男性よりも女性のほうが、お客様に心を開いてもらいやすかったりします。
また住宅の提案などの場合は、間取りの決定権や購入権を持っているのが奥様であることが多く、女性の気持ちに寄り添って提案ができます。
こうした理由から女性が活躍しやすく、実際に年収1000万円以上を手にしている女性や、独立して起業する女性などもたくさんいます。
特に不動産売買は狙い目
不動産営業の中でも特に狙い目なのが、不動産売買の営業です。不動産売買とは、マンションや戸建てを購入し、販売する事業のこと。住居として購入を考えるお客様を相手にする以外に、投資用にマンションを購入するお客様などもいます。
不動産売買は、数ある不動産営業の中でもインセンティブの金額が高く、成果を残せば若くして年収1000万円以上を目指せます。年収に上限はなく、売れば売るだけ収入が上がっていくのが特徴です。
セールスコピーライター
セールスコピーライターとは、通販やダイレクトマーケティングの分野で求められる職種です。
商品やサービスを買ってもらうためには、その特徴を魅力的に伝える文章(=コピー)が不可欠です。この文章をセールスコピーと言います。
商品の広告やDM、メルマガ、通販サイトに載せる文章を作成し、広告効果、つまり販売数や契約数を最大化するのがセールスコピーライターの仕事です。セールスコピーライターは企業に属していることもありますが、フリーランスで活躍する人もたくさんいます。
セールスコピーライターの報酬は、スキル次第で上がっていきます。成果報酬の場合は販売個数などによって報酬が高くなりますし、スキルに応じて契約料なども高めていくことができるでしょう。
引く手あまたの優秀なライターになれば、年収1000万円どころか、さらに高い金額も手にできるでしょう。
在宅で仕事が可能
フリーランスのセールスコピーライターなら、仕事の時間や場所は選びません。自宅やカフェなど、好きな場所、仕事がはかどる場所で、自由に仕事をすることができます。
たとえば子育てをしながら仕事をしたり、他の仕事との兼業だったりということも可能です。
客と直接契約する必要がある
フリーランスとして仕事をするのであれば、顧客と直接契約を結んで業務を進めていく必要があります。
契約の取り交わしなどはそこまで手間でなくとも、自分で営業を掛け、プレゼンをし、価格交渉をし…とクリエイティブ以外の仕事も多々発生します。
企業に属していれば営業や事務が担当してくれることも、全て自分ひとりでこなさなければなりません。そういった意味で、色々と手間は増えるでしょう。
独学で習得可能
セールスコピーライティングのスキル自体は、独学で習得することができます。習得の方法はいくつかありますが、まずはセールスライティングのノウハウが掛かれた書籍を読み込んだり、簡単なライティング業務を請け負ってみたりというところから始めましょう。
その後は難易度の高い案件で経験を積んだり、ライターの養成講座などで腕を磨いたりという方法もあります。いずれにしても独学でスキルを身に付けて高年収を目指せる、珍しい仕事だと思います。
成長意欲があるならベンチャー企業へ!
厳しい環境に身を置いて成長したいなら、ベンチャー企業を選ぶのもアリです。ベンチャー企業は年齢や社歴に関係なく責任ある職責を任されたり、実力以上のミッションを担えたりと成長機会に恵まれています。
もちろんその分仕事の難易度は高いですし、追うべき目標などもハイレベルです。相当の成長意欲がある方にこそ、ベンチャー企業はおすすめです。
個人業績次第で1000万円も夢じゃない
ベンチャー企業の一番の魅力は、給与。基本的に完全実力主義の会社が多いので、年齢や社歴に関係なく、成果を残した社員が評価され、高い報酬を手に出来ます。
個人業績によっては年収1000万円も夢ではありませんし、若くして役職者への昇格や社内ベンチャーで役員に挑戦する機会もあるかもしれません。経験を積めば同じ分野で独立することも可能です。
自分の成長を肌で感じることができる
ベンチャー企業は、大手のように分業されておらず、仕事の幅が広いことが特徴です。教えられていないことでも、自分自身で考えてこなしていかなければなりません。だからこそ成長スピードも速く、自分が成長していることを肌で実感できるでしょう。
残業が少なく休日も取りやすい
ちなみにベンチャー企業というと、深夜まで残業をして休みなく働くようなイメージがあるかもしれませんが、実はそんなこともないんです。
もちろん会社にもよりますが、意外とベンチャー企業のほうがオンとオフの切り替えがハッキリできていて、プライベートも充実させられることがあります。
例えば、『週休3日』や『1日6時間労働』、『夏休み1ヶ月』など、私生活を大切に出来る制度もベンチャーならではです。
1000万円稼ぎたいなら努力あるのみ!
さて今回は、年収1000万円を稼ぐためには、どんな仕事に就けばよいのかを解説してきました。
単純に1000万円という年収を手にできる職種なら、たくさんあります。しかし、その職種に就いたからと全員が高い給与を手にするわけではありません。
必ず必要なのは、『努力』です。もちろん努力しても必ず成果が出るわけではありません。しかし成果を残し、年収1000万円を手にしている人たちは、必ず努力をしています。
今回ご紹介した職種を参考にしながら転職先を探し、そして入社後は「年収1000万円を実現する!」という目標に向かって努力を続けていきましょう。