一度入社するとなかなか短期間での転職はしづらいものです。
そこで今回は入社しない方が良い会社の12の特徴と、入社前に見分ける方法についてご紹介いたします。
転職活動中の方、今後転職をする予定である方はぜひ参考にしてみてください。
目次
1 労働基準法が守られていない
まずひとつめに見るべきは、「労働基準法」を守っている会社かどうかという点です。
「労働基準法」というのは、労働条件について国が定めている法律のことで、どのような会社であっても守る義務のあるものです。
「労働基準法」で定められて最低基準を無視している会社に入ってしまうと、高い確率で後悔することになるでしょう。
具体例でいうと、基本的に会社は「36(さぶろく)協定」というものを結んでいなければ社員に残業(1日8時間、週42時間以上の勤務)をさせてはいけないということになっています。
また「36(さぶろく)協定」を結んでいる場合でも、医師や新技術の開発に携わっている人などの一部の例を除き、残業は月45時間、年360時間が上限とされており、これには休日出勤などをも含まれます。
もし面接でこれらを無視するような働き方をしているという話を聞かされたり、求められたりした際には、その会社への入社はやめておいた方が良いでしょう。
また最近はサービス残業についても厳しく禁止されていますので、「うちの会社は基本的に残業代を支払っていません」というような説明を受けた場合にも入社は避けた方が吉です。
ほかにも試用期間の扱いや、産休育休取得などさまざまなことが労働基準法では定められているので、すべてを把握しておく必要はありませんが、基本的な項目や自分が気にしている点については、入社する前に確認しておくといいでしょう。
2 離職率が高すぎる
その会社が社員にとっていい会社か、そうではないのかを見きわめる基準の一つとして、「離職率」を見る方法があります。
当たり前のことですが、人間関係や給与が良く、ライフワークバランスが取れて、福利厚生の整った会社であれば「この会社を辞めて転職したい」と思う社員は少ないはずです。
離職率が平均より高すぎる場合、働いている社員にストレスがかかりやすい会社であるといえるでしょう。
離職率の確認の仕方としては、就活四季報もしくは上場企業であれば有価証券報告書を見ることで確認することができます。
就活四季報の場合は「3年離職率」というものが掲載されており、これは「新卒がその会社に入って3年以内にどのくらい離職しているか」を表す数字です。
新卒の場合、「3年で3割(離職)」が基準であるといわれていますので、その数値をもとに判断してみましょう。
有価証券報告書の場合は、企業のHPに掲載されているか、もしくは金融庁のサイトにて確認をすることができます。
報告書内の「従業員の状況」という欄に、平均勤続年数・平均年齢のデータが記載されていますので、ここからおおよその離職率を知ることができます。
労働厚生省によると平成30年の平均の離職率は15%となっていますので、この数字を基準にその会社の離職率が高すぎないかを見極めるといいでしょう。
また就活四季報に掲載されておらず上場企業ではない場合でも、常に大人数を募集しており、1年を通して常に求人広告が出ている会社は離職率が高い可能性があります。
事業所や社員数をどんどん拡大して成長している最中のような会社であれば問題はありませんが、入社前に気を付けた方が良いでしょう。
3 給与の基準があいまい
会社を選ぶにあたって、給与というのは大事な要素の一つだと思います。
入社してから想定していた給与と実際に貰うことのできる給与にかなりの乖離があったというのは、避けたいところです。
よく求人広告を見ていると「年収(月給)〇〇〇万~〇〇〇万」といった書かれ方をしていますが、この最低給与と最高給与の幅があまりに広く、また最低給与の額が低すぎるという場合は、少し警戒した方がいいかもしれません。
こういった求人広告の表記は、最低月給は正しい情報を載せる必要がありますが、最高給与に関しては適当に定めることができるため、会社側が求職者への見栄えを意識して設定しているだけのパターンが多く、実際にその会社にそれだけの給与を貰っている人はいないということがよくあります。
また歩合・インセンティブといった給与体系も、実際に貰えるのはごく一部の期間だけあったり売り上げをかなりあげているごく一部の社員だけであったり、ということがありますので、毎月確実にもらえるわけではない給与に関しては面接で詳しく確認しておいた方がよいでしょう。
4 職場の雰囲気が悪い・あっていない
面接で会社を訪れることも多いかと思いますが、このときに面接官と話すだけでなく実際に働いている社員の人たちの様子も可能なのであればチェックしておいた方が良いでしょう。
社員同士の仲が良く、居心地の良さそうな雰囲気であれば問題ありませんが、社員同士の会話がとげとげしい感じがする、みんなが疲れた表情を浮かべている、怒声が聞こえるなどであれば、入社してから働き続けるのは辛いかもしれません。
また雰囲気が悪い・良いだけでなく自分に合っているかどうかという観点で見るのも大切です。
たとえば協調性を大事にしてチームで仲良く働きたいタイプの人が、単独でバリバリ働く社員を良しとする会社に入社してしまうと、後々しんどい思いをすることになります。
会社を訪れたときには、職場の全体の雰囲気と職場と自分との相性などを見てみてください。
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5 根性論・精神論が多い
面接で上部の人に、根性論や精神論を語られるような会社もあまり就職すべきではありません。
もしその会社に他の会社よりも優れた技術や商品、ノウハウなどがあれば、根性論や精神論に頼る必要はありません。
また会社の今後を見れば根性ややる気といった漠然としたものに頼るより、技術やノウハウを高めていくことに注力すべきともいえます。
会社の上部がやたら根性論や精神論を持ち出す場合、その人が昔ながらの考えから抜け出すことができていない、もしくは会社のお金や人材が不足しているため社員のハードワークに頼らざるをえないといったことが考えられます。
このような会社は「死ぬ気で働け」などといったパワハラが起こりやすいのも特徴です。
6 抽象的なアピールが多い
説明会や面接などに行くと、やたらに「夢を実現する」「圧倒的な成長スピード」「やりがい」などの抽象的なワードが飛び出す会社があります。
経営目標や事業の説明に、このような抽象的なワードが多すぎる会社は警戒しておきましょう。
例えば、給与が平均より高い、休日が多い、会社の成長率・売り上げの伸びがいい、産休育休取得率が高い、など社員が働きやすく、福利厚生を整えている会社であれば、数字やデータで自社の魅力・安定性をはっきりとアピールすることができます。
しかしこれらが平均より下回っており、社員にアピールできる点がない会社は、「夢」「成長」「やりがい」「グローバル」など聞こえはいいものの、抽象的でぼんやりとしたワードに頼らざるをえないのです。
すごく規模が大きなことを熱く話しているけど実際の現状や仕事内容が見えない、どういう関連性があるのかわからない、と感じたらその会社への入社はやめておいたほうがいいでしょう。
7 面接官やメール・電話の対応が悪い
面接を行ったときの面接官の言動や態度もその会社を見きわめるうえでの大事なポイントです。
面接する相手に対して威圧的な態度や不愛想な態度を取る人が面接官であった場合、その会社ではそのようなことが普通とされている可能性が高いです。
また新人社員の扱いも雑であり、入社後の苦労することが考えられます。
ほかにもメールを送ったときの返事が遅すぎる、電話をかけてもなかなか繋がらない、対応が悪すぎるといった会社も、業務に対しての意識が低く会社自体の経営が思わしくない場合もありますので、気を付けましょう。
8 休日が少なすぎる
入社をしてから「思ったより休みが全然ない…」ということにならないように、休日の数をチェックすることも大事です。
まず求人広告に「週休二日制」「完全週休二日制」といったワードがよく記載されていますが、二つの違いは分かりますでしょうか?
「週休二日制」は“1ヶ月のうち週2日お休みのある週が一回以上ある”という意味です。
つまり月のうち1週だけ2日休みで、そのほかの週は1日休みということもありえます。
「完全週休二日制」というのは“すべての週で2日休みがある”という意味です。
「週休二日制」か「完全週休二日制」なのかで、年単位の休日数は大きく変わってきますのでしっかりと見きわめたいところです。
また一番確実なのはその会社の「年間休日数」を見ることです。
「年間休日数」を見れば通常の休み以外の、お盆休み・年末年始などすべてを含めた休日数を知ることができます。
会社の平均の年間休日数は120日といわれていますので、この数字と比較してみましょう。
もし会社の年間休日数が105日を切っているようであればかなり少ない部類にはいりますので、入社前に考えた方が良いでしょう。
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9 口コミの評判が悪い
会社は求人広告や面接などでは自社の良い面しかアピールしませんが、口コミサイトでは良い面・悪い面すべてを確認することができ、会社の実際の姿を確認するためには一番適していると言えます。
ネットで調べると社員や元社員による口コミ投稿を見ることができる就活生・転職者向けの会社口コミサイトがいくつもありますので、入社前に確認しておくといいでしょう。
1人に悪く書かれているからと言って気にしすぎる必要はありませんが、多数の口コミで同じ点が悪く言われているといった場合は、その悪い口コミの内容が実際の会社の姿であることが多いです。
過去の口コミの場合は会社が成長するにつれて変わっていっている場合もあるので、比較的最近投稿されている口コミを参考にした方が良いでしょう。
10 すぐの入社をすすめられる
簡単な短い面接を1度受けただけで「すぐに入社してほしい」「明日からくることできますか?」などとあまりに早すぎる入社を勧められたり、中にはその場で入社承諾書にサインをしてほしいと言ってきたりする会社があります。
ほかに内定がない場合、その場で内定承諾を断るのは勇気がいるかもしれませんが、一旦その場では保留にしてもらった方が良いでしょう。
日本の場合、法律上正社員として一度採用すると、履歴書・経歴書に大きな嘘があったという場合や、無断欠勤が多すぎる、上司から言われたことに反抗的な態度を見せる、会社の経営が厳しくなってしまった、などよっぽど大きな問題がない限り、正当に解雇をすることは難しいです。
そのため通常の会社であれば、内定を出す前にしっかりと採用をする人のスキルや人柄を見定めて検討をしたいというのが普通です。
たいして前職の仕事内容やスキルに関して質問をされることもないまま入社をすすめてくる会社は、条件が悪いもしくは仕事内容があまりにハードで勤め続けてくれる人ならだれでもいい、といった考えの場合が多いです。
とても高いスキルや特殊な職歴・経験をもった人材であれば、その場で即内定ということもあり得ますが、そうでない場合にはこういった会社は避けましょう。
11 業界の安定性・伸びしろがない
会社の働きやすさや社員が貰える給与などは、その会社の業界全体の安定性が大きく関係しています。
どれだけ大きく業界トップに位置するような会社であっても、業界自体が廃れていってしまっている、経済状況の逆風を受けているとなると売り上げをあげることは難しく、社員をリストラする・年収の削減を行うといったことをせざるをえません。
入社をする際にはその会社の業界そのものが安定しているのか、今後伸びしろはあるのかといった点を考えるべきでしょう。
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12 会社の実態が良く見えない
稀に条件がとても良く、面接官や社員の人もいい人そうではあるものの、いまいち何の事業しているのかわからない、どういったところから売り上げを立てているのか不透明といった会社があります。
このような会社はあまり表向きにできない事業をしているため入社するまでは詳しい内容を話したがらない、という可能性があります。
特徴としては会社のHPがない、もしくはHPがあっても漠然としたことしか書いておらず具体的なことがまったくわからない点です。
入社してから求人広告に書いてあってことや面接で受けた説明と全く違う内容の仕事を任せられたり、また法に触れてしまっていた場合に責任が降りかかってきたりということもありますので、信頼性の高い会社を選ぶようにしましょう。
13 ノルマ無しと大々的に書かれている
転職するときに特に怖いのが、業務に対して課せられるノルマですよね。
求人のノルマ無しと書かれていると、楽そうだなとついついひかれてしまいますが、そこが大きな落とし穴なのです。
ノルマという名目でないにしろ、企業内で何らかの名前をつけてノルマに似たようなものを課せられることがあります。
ノルマが完全にないと思い込んでしまうことで、入社後にギャップに苦しんでしまうこともあります。
またごまかして記載している会社は、社内でも似たように上手いこと言葉を言い換えて言葉巧みに誘導してくる可能性もあります。
社員や転職者に対して誠実でない企業は、入社後も苦労する可能性がありますので、注意が必要です。
14 業界の競争が激しい
企業が所属している業界の競争度合にも着目しておきましょう。
常に新しいものを創出する企業が多い場合には、毎日アイデアをひねり出したり、競合企業の調査を行ったりと競争が激しいこともあります。
企業の一員として他の企業に負けないように、業務ノルマを課せられることになります。
毎日激務に追われてしまうほか、作業量に加えて結果を求められるようになります。
結果を追求するためにさらに作業量をこなさなくてはなりません。
日々の労働に心身ともに疲れてしまい、定職をせざるを得ないこともありますので、注意が必要です。
同じ業界の転職の求人や口コミを確認してみて、業界の競争度合を確かめてみましょう。
入社しない方がいい会社を転職前に見極めるポイント
入社しない方がいい会社を転職前に見極めるためのポイントは、以下の5つです。
- 転職サイトの求人が頻繁に出されていないかを確認する
- 体色者の口コミを確認する
- ここ数年の業績を確認する
- 経営者の経歴を確認する
- 転職エージェントに聞いてみる
以下で詳しく解説していきます。
転職サイトの求人が頻繁に出されていないかを確認する
入社しない方がいい会社に共通するのが、せっかく入職した人でもすぐにやめてしまうため、常に人手不足である点です。
人手不足を補うために常に求人を募集していることが多いため、常に求人を出している可能性が高いのです。
転職サイトで同じ条件で検索して、求人が頻繁に出されていないかを定期的に確認してみましょう。
日を開けて検索しているのに、常に掲載されている企業は、転職後の労働環境に問題がある可能性が高いです。
求人を時間間隔をあけて検索しているのに、常に表示される企業は転職しないほうがいいでしょう。
退職者の口コミを確認する
入社しない方がいい会社を見極めるためには、実際にそこで働いていた社員の口コミを確認することが大切です。
エンライトハウスのような、退職した社員の口コミサイトを確認しておくことで、転職先の実際の職場環境を知ることができます。
たとえば皆さんが転職先での福利厚生について知りたい場合は、福利厚生について詳しく書いている口コミを参考にしてみましょう。
ネット上で匿名で投稿できるので、転職する理由が悪いものであるほど、批判的な口コミが掲載される傾向にあります。
批判的な口コミをすべて鵜呑みにするのはNGですが、実情を知るための方法として活用していきましょう。
ここ数年の業績を確認する
転職を検討している企業のここ数年の業績を確認氏してみましょう。
企業の公式サイトには、基本的にはここ数年の業績を掲載しているため、よくチェックしておきましょう。
業績が前年度やここ数年の間に比べて低下している場合は、経営状態が悪化している可能性があります。
また業績が掲載されていない場合は、主要な取引や軸としている商品をチェックしてみましょう。
複数の商品がない場合には、一つの顧客にだけ依存している可能性がありますので、顧客がつぶれてしまうとドミノ倒しのように潰れてしまう可能性があります。
経営状態の悪いところに転職しても、再度転職せざるを得ない状況になってしまう可能性もあります。
事前のチェックを怠らないようにしましょう。
経営者の経歴を確認する
経営者の経歴も確認しておきましょう。
企業の経営者が同族経営を行っていると、独自のルールを設けていることもあり、働きにくい環境である可能性が高いです。
経営陣の経歴を事前にチェックしておいて、家族経営が行われていないかを確認しておきましょう。
転職エージェントに聞いてみる
転職エージェントを利用しているのであれば、転職エージェントに問い合わせてみる事をおすすめします。
サービスにもよりますが、コンサルタントが独自に企業に対して調査を行い、内部事情について調査していることもあります。
また実際に転職した人からの声を集めて、口コミとして保有していることもあります。
コンサルタントに求人を紹介されたときに、どんな職場なのかを詳しく知りたい旨を伝えてみましょう。
親身に対応してくれるはずなので、より詳しく知りたい場合は、コンサルタントに問合せてみる事をおすすめします。
自分に合った企業をみつけるなら転職エージェントを活用しよう
入社してはいけない会社の特徴がわかっても、実際に引っかかってしまうリスクを完全に0にすることはできません。
またせっかくの転職活動なのに、入社してはいけない企業に気を取られて自分に合った転職先の条件を妥協するのは本末転倒でしょう。
自分に合った転職先を見つけたいのであれば、転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントは完全無料で利用できる、転職支援サービスです。
コンサルタントが皆さんの希望をヒアリングしたうえで、紹介できる求人の中から最適なものをピックアップして紹介してくれます。
転職エージェントは掲載料もかかりますから、ある程度のしっかりした企業でなければ掲載されることはありません。
また上述した通り、転職に必要な情報を教えてもらうこともできます。
職種や業種に特化したサービスもありますので、是非利用を検討してみてください。
入社してはいけない会社を事前に判断していい企業とマッチングしよう
いかがでしたでしょうか。
どんな会社に勤めるかは人生の上でも大きな要素の一つとなります。入社してからこんなはずじゃなかったと後悔することのないようにしっかりと見きわめるようしてくださいね。