リファラル採用という雇用の方法は、新卒や中途の採用試験とは違ったいくつかの注意点があります。
リファラル採用での転職を考えている人にむけて、推薦された場合に重要なポイントや審査の通過率など覚えておきたいことを紹介します。
また、応募者がリファラル採用を通して入社する場合に気を付けたいことも、詳しくまとめました。
目次
リファラル採用は推薦による質の高い人材確保
リファラル採用とは、社内外の信頼がおける人脈を通した採用活動や採用の手法のことをいいます。
リファラル(referrral)は委託、または紹介や推薦と直訳します。
業務について深い理解がある社員を介し、人材のスキルマッチングや定着率をあげるために企業が行っている採用方法です。
アメリカでは主流の採用方法で、日本でも大手や中小・ベンチャーなど、広い範囲の企業で導入されています。
縁故採用との違い
リファラル採用は企業ですでに働いている社員の紹介や推薦によって、採用基準をもとに判断し合否を決定します。
社員から企業への人材紹介といっても、一定の基準を満たさなければ不採用となる方法です。
一方で、縁故採用いわゆるコネ入社は、社長や経営役員の血縁者や繋がりを採用するといったネガティブな雇用方法です。
2つの方法に企業に人材を紹介するという点以外に共通する部分は無く、人材が入社した後の企業への貢献度に差ができる可能性が高いので混同しないように注意しましょう。
リファラル採用の4つの注意点
転職者がリファラル採用で企業に紹介される場合、気を付けておきたいことがいくつかあります。
社員からの推薦で企業との面談や雇用の予定がある場合は、事前に確認しておきましょう。
転職のときに注意したい、リファラル採用ならではのポイントをまとめました。
1.採用制度やルールを確認する
紹介者にリファラル採用に関するルールや仕組みをきちんと尋ね、応募に臨みましょう。
採用制度や選考について事前に確認し、リファラル採用でも一般選考と変わりはないと考えることが大切です。
知人からの紹介といっても、企業からの内定が確約されたわけではありません。
リファラル採用は内定の約束ではなく推薦制度として認識してください。
2.社内告知や社員への周知はされているか
リファラル採用には、既存の社員の認知が重要です。
すでに社内で周知されているか、社員を巻きこんでリファラル採用を確立しているか、スタッフの理解は得られているかといった制度の浸透率にも気を付けましょう。
紹介者に「これまでリファラル採用で入社した人はどんな風に働いているか」といった具体例を聞いてみることをおすすめします。
3.不採用の場合は紹介者と気まずくなる可能性が
リファラル採用は、知り合いが勤めている企業へ推薦してもらうことで入社へつながります。
もし企業から不採用と判断された場合、紹介された人と推薦した人の関係性がこじれる、気まずくなるといった注意点があげられます。
企業は紹介を受けた後にすぐ面談を予定していないか、採用フローをチェックしてください。
企業と事業に関する理解を深めたうえで、選考に進むことを自分で決められるか確認しておきましょう。
4.人間関係と人材配置のチェック
リファラル採用での入社を考える前に、紹介した側とされた側の人間関係に配慮してもらえるか、人員配置の確認をしておきましょう。
紹介してもらった知人と同じ部門で働くことが気まずい、気恥ずかしいといった場合は仕事への姿勢に関わってしまいます。
会社へ推薦してもらう前に悩みや疑問をクリアにすることで、求職者と企業側のどちらにもメリットになるので些細な不安でも紹介者に尋ねましょう。
リファラル採用のメリット3つ
転職者から見たリファラル採用のメリットとして、友人や知人から会社の経営状態や仕事内容を聞いて応募を判断できるだけでなく、離職につながりにくいことがあります。
そのほかにも、リファラル採用は応募する側のメリットが多いことが特徴です。
転職するときにメリットとなるリファラル採用のポイントをまとめました。
1.スキルに適した企業に入社できる
リファラル採用の大きいメリットは、自分に適した企業に紹介してもらえることです。
紹介者である知人から、勤めている会社ではどんな人材を求めているか明確に企業のニーズがつかめます。
信頼性が高い情報をもとに、企業理念や求められるスキルとのすり合わせが事前に行えるため、自分の希望に適した会社に入社できる可能性が高まります。
2.効率よく企業にアプローチできる
企業が求める人材として上手にアプローチできることも、リファラル採用のメリットです。
フィット感が高い状態で面談が行われるので、選考フローがスムーズに進む可能性があります。
また、求められる人材の理想がはっきりしているため、業務スキルや経験だけでなく、向上心などのマインドを効率よく自己PRできます。
面談のときに企業で活躍するイメージをうまく伝えることで、内定に一歩近づけるでしょう。
3.紹介者の満足度につながる
リファラル採用に推薦した知人や友人が仕事で活躍していると、紹介者にとってもプラスの刺激になり満足度が高まります。
結果として仕事にいい影響が出て、パフォーマンスが高くなるといった好循環が生まれる可能性があります。
また、リファラル採用は紹介した人の雇用が決まると、多くの企業で推薦者にインセンティブが支払われるため、経済面での満足度にもつながる制度です。
リファラル採用が注目浴びる背景
リファラル採用が注目される背景として、採用する企業の視点から解説していきます。
制度として会社にはどんなメリットがあるか確認しておきましょう。
自社採用力の強化
優良な人材に既存社員からの「友人や知人からの転職先の紹介」というリファラル採用で、効率的な選考を始められることは企業にとっても大きいメリットです。
企業が優秀な人材獲得の競争に勝つためには、既存の採用方法だけでは難しい現状があります。
企業はこれまでの採用方法の見直しや、採用に対する考えを開拓するために、人事あの新しい選考手法としてリファラル採用するようになりました。
社員の離職を減らす
新型コロナウィルス流行の影響でリモートワークが広がり、社員同士のコミュニケーションが減り関係の希薄が進みました。
個人と企業や個人同士の関係が薄くなった状況から、各企業でエンゲージメント低下や帰属意識が減り、採用面でも企業の魅力を伝える難しさに直面しています。
リファラル採用のメリットは、入社した社員の仕事イメージと実際の業務のギャップが少なく抑えられ、離職率が低いことがあげられます。
転職者は知人からの紹介で職場の生の声を聴けるため、リアリティショックの危険性が低い傾向にあります。
リファラル採用で企業がチェックしておくこと3つ
リファラル採用で企業がチェックしておきたいことをまとめました。
転職者は制度として理解するためにも、リファラル採用のメリットやデメリットを確認しておきましょう。
1.企業がリファラル採用をするメリット
企業がリファラル採用を行うメリットには、おもに以下のものがあげられます。
- 適した人材を集められる
- 転職市場に出てこない人材を採用できる
- 紹介者のキャリア棚卸につながり、満足度を上げられる
- 面接にかかる人事工数が減らせる
- 転職メディアやエージェントにかかる採用コストの削減が見込める
現場社員の紹介による採用制度は、入社後の理想と現実のギャップが起きにくくマッチングの精度も高いことが望めます。
2.企業が感じるリファラル採用のデメリット
企業がリファラル採用を行うデメリットには、以下の項目があります。
- 採用の仕組みづくりに時間が必要
- 専用ツールを使う場合はコストが発生
- 紹介者へのインセンティブや会食費用が掛かる
リファラル採用の設計は紹介者へのインセンティブを決めることにとどまらず、紹介ルールの選定や業務との切り分け、社内告知や社員フォローの構築など多くの準備が必要です。
3.指標を決めて実施する
リファラル採用は指標を決めて実施することで、制度としての成功と社員への周知に結び付きます。
リファラル採用の指標について、企業が見ておきたいことをチェックしましょう。
- 応募数からどれくらいの割合で採用につながっているか
- 一人あたりの紹介人数の上限
- リファラル採用運用フローの設計
- リファラル採用の協力率と認知率の社員への確認
応募からの決定率を確認することで、従業員へ周知しておきたい企業がリファラル採用で求める人物像が明確にできます。
また、社員一人あたりの紹介人数に規定があると、社員が本業よりリファラル採用に力を入れてしまう危険性を防げます。
「社員紹介手当を支給するのは3人までの紹介に限る」というようにリファラル採用の自社規定を設定しましょう。
リファラル採用は推薦制度のひとつ
転職者と企業にとってメリットが大きいリファラル採用ですが、紹介してもらう前にはチェックしておきたいポイントがあります。
また、企業がリファラル採用をすることで、雇用する人材に最終的に何を求めているか知ることも重要です。
また、リファラル採用は転職者の入社を確約するものではありません。
あくまで推薦制度の一つと考えて、慎重に面談に臨んでくださいね。