物事に対する探究心がある人にとって研究者になるのは魅力的な選択肢です。
研究者に転職したいと考えたらどのような資格を取得する必要があるのでしょうか。
研究者になるとどのような仕事をするようになるのかも踏まえた上で、転職活動を円滑に進められるようにしましょう。
研究者になるときには職場による年収の違いが大きいのでどのような事情があるかも理解しておくことが大切です。
状況に納得できたら転職サイトを使って良い職場を探し出しましょう。
目次
研究者に必要な資格
研究者になるためには資格は基本的に必要がありません。
職場によって学位を要求される場合があり、学士、修士、博士のいずれかが求められることはよくあります。
また、専門とする研究分野に従って関連する学位を持っていることが必要になるのが一般的です。
職場によって必要とされる専門性が異なるため、どのような専門分野で研究を行っていきたいかに応じて適切な学位を取得する必要があります。
これも必須とは限らず、関連する分野の知識を持っているだけで研究者になれることもあります。
必要な資格を取得する方法
学士、修士、博士の学位は大学に通って大学院に進学することによって取得することが可能です。
通常は大学に入学する時点で学部を選びますが、理学部を選べば理学の学士、工学部を選べば工学の学士といった形で対応する学位が与えられます。
その後に大学院に入学して二年間のカリキュラムをこなし、修士論文を執筆して卒業できると修士の学位を手に入れることが可能です。
この場合にも入学時点で決めた専門分野の学位を授与されることになります。
そして、修士の学位を手に入れてから博士課程に進学してさらに三年間にわたって専門的な研究を行い、博士論文を執筆して学位審査を通過すると博士の学位を授かるというのが基本です。
極めて優秀な人の場合には短期間で学位を取得できる場合もあります。
研究者の仕事内容
研究者の仕事内容は専門としている分野の研究を遂行することです。
何を研究対象とするかを探し出し、プロジェクトを立案することから始まる場合もあります。
数学、物理学、化学、生物学などの理学系の研究もあれば、機械工学や電気電子工学などの工学系の研究もあり、さらには医学や薬学などの医療系のものもあるので専門分野は多種多様です。
研究の方法も多岐にわたっていてデスクワークでできるものもあれば、フィールドワークをするものも、実験を繰り返していくものもあります。
基本的には仮説検証を繰り返すことにより、真理を追求するか、未知の現象を解明するのが仕事です。
その研究成果をメーカー系の企業では製品開発につなげていき、大学では学会などで発表したり論文を執筆したりします。
企業の研究者でも学会で発表することは多く、情報を共有することでさらなる研究の進展を目指すのが一般的です。
また、研究者は専門分野の雑誌などから投稿を求められることもあり、レビュー記事などを書く仕事もあります。
一方、大学で働いている場合には学生の教育も仕事になり、学生にも研究を行わせることによって自分自身の研究を進展させるというケースも多くなっています。
研究者の仕事はきつい?
研究者の仕事は成果が上がると大きな喜びがあり、新しい製品や技術が開発されるのにつながってやりがいもあります。
しかし、何度も挫折を繰り返しながらようやく成功につながるということが多いため、辛抱強さが必要になるのがきつい部分です。
実績が重視される職種なので、成果がなくて研究者を続けられなくなってしまうという人もいます。
一方、研究者には楽な面もあって、基本的な技術と知識を身につけてしまえばその範囲内で仕事をすることも可能です。
また、分野によっては身体をほとんど動かす必要がなくて体力的にも余裕があって楽でしょう。
しかし、中には体力も頭脳も要求されるような専門分野もあるので気をつけなければなりません。
研究をどのようにして行う専門分野かを考えて、自分にとってきつくないものを選ぶと楽に働けるようになります。
分野によって研究スタイルが大きく異なるのは研究者を目指す上では押さえておかなければならない点です。
研究者の年収事情
“研究者は働く現場によって平均年収にも違いがあります。
主な職場は大学か民間企業になるのでそれぞれについてよく実情を理解しておくことが大切です。
大学勤務の場合
大学の場合にはポストによって年収に差が生じます。
大学教授になった場合には平均年収は1000万円程度で、月収にすると66万円前後です。
4.5ヶ月分の賞与が出る大学が多くなっているので280万円程度が平均的な賞与になります。
大学の准教授の場合には平均年収は850万円程度です。月収にすると53万円、賞与が220万円ほどになります。
講師になると年収は650万円、助教では550万円というのが平均的ですが、博士研究員になるとどのような予算を手に入れて働いているかによって200万円から600万円という幅があります。
全体的な傾向としては国公立大学よりも私立大学の方が年収の水準は高めです。
手当については住居手当や通勤手当などの一般的な手当は一通り支給されます。
また、みなし公務員として知られる国公立大学の教員となっている場合には地域手当が支給され、物価の高い地域やへき地では月給が数%分上乗せされます。
しかし、裁量労働制になっているのが通例であり、残業手当については支給されません。
休日出勤も必要になることがよくありますが、代休を取ることで支給しないというのが一般的です。
民間企業勤務の場合
民間企業の研究者の場合には平均年収は600万円程度です。
月収にすると41万円程度で、賞与は企業によってかなりの違いがありますが、およそ110万円程度が支払われています。
年収は業界と企業規模の差による違いが大きく、学歴による違いもあるのが通例です。
医薬品のように高単価の製品を開発する現場や大企業で働いていたり、高学歴だと年収が高めになります。
手当の内容は企業によって異なりますが、住居手当や通勤手当などに加え、残業手当や休日出勤手当も支給されます。
研究者の主な勤務先
研究者の主な勤務先は大学などの教育機関か公立の研究機関、あるいは民間の企業です。
大学の場合には国公立大学でも私立大学でも教授、准教授、講師、助教というポストがあります。
基本的には助教として仕事を始めて教授を目指すというキャリアパスを考えることになるのが特徴です。
実績を上げていくことにより評価を受けられる機会が与えられ、さらに上のポストを目指せるようになっていきます。
一方、企業の場合にはかなり広い分野があり、食品や化粧品、化学や医薬品などのメーカーでは大勢の研究者を募集しています。
また、機械工業や電気電子工業などを行っている現場でも研究者を集めていて、新しい技術を生み出して製品開発につなげていくための研究開発を行っているのが一般的です。
この場合には一通りの研究技術を学んだ上で、プロジェクトリーダーとなって現場のマネジメントをする立場に昇進するというキャリアパスを取るパターンが多くなっています。
研究者への転職は難しい?
研究者への転職はかなり難しいのは事実です。
専門分野における知識と技術があってこそ働ける職種なので、まずは勉強しつつ教育を受けて有能な人材に育たなければなりません。
企業としても必要な知識と技術を兼ね備えている人材を募集するのが基本で、実務経験がある人を採用する傾向が強くなっています。
しかし、未経験でも受け入れるという形で募集している求人もないわけではありません。
これからキャリアがない人が研究者になろうというときには、すぐにやりたい研究に従事しようと考えるよりも、未経験でも募集している現場で少し経験を積み、さらに転職するというキャリアパスを考えた方が賢明でしょう。
この観点からもやりたい仕事をできるようにするまでには長い道のりになる可能性が高いため、研究者になるのは簡単ではないと言うことができます。
しかし、ただ研究をしたいというだけであれば学位を取得しさえすれば職場を見つけることはできるでしょう。
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