「リファラル採用だけど辞めたい」「知人の紹介だから辞めにくい」といった悩みには、いくつかの対処法を試してみましょう。
悩みと向き合うことは、退職を考え直すいい機会になるかもしれません。
知人からの紹介制度で入社した場合は、辞めるときに一般入社と異なる独特の問題が発生します。
リファラル採用後に辞めたい場合の対処法、実際に退職するときの注意点をまとめました。
目次
リファラル採用とは紹介制度のひとつ
リファラル採用とは、企業が行っている紹介採用制度のひとつです。
知人の勤めている会社に紹介してもらい、面談といった審査フローに通過した後、入社が決まります。
知人の紹介で採用されるため、入社前に社内の実情や、くわしい仕事内容が分かることがメリットの一つです。
ただし、シンプルに退職を考えにくい採用方法のうえ、退職するときも一般採用の人材と比べると気を付けたいことが多くあります。
リファラル採用だけど辞めたい場合の対処法4つ
「リファラル採用だけど辞めたい」そんな悩みがある場合は、まずは原因と向き合って上手な解決法を試してみましょう。
自分自身で解決できる場合もあるので、まずは辞めたい具体的な理由を考えてください。
また、退職についても、リファラル採用だから特別な理由が必要ということはありません。
1.紹介されたからといって深く受け止めない
知人の紹介で採用が決まっても、退職するときは深く考えすぎないことをおすすめします。
リファラル採用だからといって、仕事内容や人間関係が原因で退職してはいけないといったルールはありません。
「紹介してくれた知人に迷惑がかかるのでは」といって決断を先延ばしにすると、精神や体調面で不調が表れてしまいます。
仕事のモチベーション低下につながるため、リファラル採用後の退職については決断に時間をかけすぎないことが大切です。
2.時間の解決を待つ
入社して間もない時期や、新しい仕事を始めたばかりのときは、ストレスを感じやすい傾向にあります。
仕事の内容だけでなく、職場の人間関係にも気を遣う時期なので「辞めたい」と判断する人も多いようですね。
ただし、仕事や職場へ慣れないことは、時間が解決してくれる可能性が高いでしょう。
リファラル採用でも転職者がすぐに必要な仕事を担当するケースはまれですし、初日から職場で仲間意識が芽生えることも難しいです。
時間の経過とともに解決する問題はすぐに退職を考えず、長いスパンで様子を見てください。
3.本当に辞めたいのか自己分析する
退職を決める前に、本当に辞めたいのか自己分析しましょう。
自分はなぜ辞めたいのか、きっかけとなった原因、やめた後に何をしたいのか、詳しく書き出してみましょう。
自己分析をすることで、リファラル採用で入った会社を退職するか、退職をいったん止めるか判断できます。
辞める場合は、退職後にどんな仕事をしたいかといった計画が必要になるため、新しい目標に向けて動かなくてはなりません。
転職をする人は、それなりの期間やお金がかかることも覚えておきましょう。
4.状況の整理とメリット・デメリットの比較をする
リファラル採用で入った会社は、あなたのスキルを認めて雇用しています。
辞めたいと感じても、状況の整理とメリット・デメリットの比較をすることで、自分と会社を冷静に見つめなおせます。
まずは、状況の整理と今感じる仕事でのメリット、デメリットを書き出しましょう。
今の年収や仕事のやりがいなどを書いたうえで、メリット・デメリットそれぞれの欄を作り箇条書きで洗い出してください。
デメリットが多い場合は、それに対して解決策はないかひとつずつチェックしましょう。
解決できないデメリットがメリットよりも多い場合は、自分はどうしたいのか退職について一歩踏み込んで考えてください。
リファラル採用で入った会社を辞めるときのポイント4つ
リファラル採用で入った会社を辞めたいときは、気を付けておきたいポイントがあります。
退職理由についても注意が必要なので、チェックしましょう。
1.紹介してくれた知人に連絡する
転職活動後に内定をもらったら、早めに紹介者である知人に声をかけましょう。
込み入った話は避け、退職日の3カ月前までを目安として報告してください。
転職中やその前段階で退職について話すと、引き留められたり職場に広まったりするリスクがあります。
リファラル採用で紹介してくれた知人に連絡するのは、転職先から内定をもらった後にしましょう。
2.退職準備や引継ぎに真摯に取り組む
転職が決まった場合、退職準備や引継ぎに取り組む姿勢は崩さないようにしてください。
紹介者や会社に迷惑をかけないために、悪い印象を残さずスマートに退職しましょう。
転職先が決まったら早めに今の会社を退職したいと考える気持ちもわかりますが、引継ぎができないと紹介者の評価が悪くなってしまいます。
リファラル採用の場合は、会社に残る知人のこともよく考えて退職準備を行ってくださいね。
3.退職理由は個人の事情とする
リファラル採用後の退職理由は、個人の事情と伝えることがベターです。
建前でもポジティブな理由であれば前向きな退職としてとらえられ、紹介者にも悪影響が出にくいでしょう。
ポジティブな退職理由には以下のものがあります。
- キャリアアップしたい
- 新しい分野に挑戦したい
- 自分の目標ができた
4.不安なら転職エージェントに相談する
リファラル採用後の退職について、不安なら転職エージェントに相談することをおすすめします。
面談のときに今勤めている会社はリファラル採用であると伝え、転職活動のサポートを受けましょう。
入社の経緯と今担当している仕事とともに、転職の目標について相談してください。
何が原因で転職を考え、次はどんな仕事に就きたいか、事前にまとめることをおすすめします。
リファラル採用で起きやすいトラブル
リファラル採用で起きやすいトラブルについてまとめました。
リファラル採用後に辞める原因には紹介制度ならではの問題もあり、一筋縄では解決しない理由もあります。
入社後ミスマッチの可能性がある
安易なリファラル採用は、入社後のトラブルに発展する危険性があります。
まだ新しい採用方法のため、企業が制度に対して準備不足だった、聞いていた職場環境と違ったというトラブルが起きる可能性はあります。
リファラル採用は面談の時点で仕事について積極的に質問し、不明点をなくしましょう。
また、リファラル採用で報酬目当ての紹介をされてしまうと、知人との関係性にもヒビが入ってしまうでしょう。
リファラル採用は人材を紹介し入社した場合、紹介者は会社から報酬が受け取れるシステムです。
報酬目当てで仕事先を無理に紹介されないためにも、不安を感じる場合は辞退する勇気を持ってください。
ビジネスに友情を持ち込まれる
自分と同じ会社に知人がいることで、仕事に友情を持ち込まれる危険性があります。
リファラル採用は職場での周囲との人間関係だけでなく、お互いの仕事内容にも影響することも想定しておきましょう。
ビジネスとプライベートの線引きをきちんと行い、仕事中は紹介者への態度はほかの社員と同じように保つことをおすすめします。
また、リファラル採用では紹介者が辞めても続ける自信はあるか、企業との面談前によく考えてください。
紹介者である友達が辞めたからと言って自分も退職すると、企業にも迷惑がかかります。
リファラル採用の場合、ビジネスと友情は切り離して考えましょう。
コネ入社だと思われてしまう
リファラル採用はコネ入社とは異なり、ビジネスマッチする企業へ知人経由で紹介してもらう紹介システムです。
ただし、企業で社員への周知や準備が徹底されていないと、コネ入社と混同されてしまう危険性があります。
ネガティブなイメージのコネ入社と優秀人材確保のためのリファラル採用は根本的に違うため、気にせずに仕事に取り組みましょう。
真摯な姿勢でスキルを発揮すれば、ほかの社員も認めてくれるはずです。
友人との待遇の違いを感じやすい
紹介者である知人や友人と待遇面で差を感じてしまうことは、リファラル採用の場合に想定しておきましょう。
勤務年数も仕事への貢献度も異なるため、同じポジションでも紹介者と待遇面で差が出てしまうことを覚悟してください。
採用されるポジションの待遇や、人事に関することについては、リファラル採用の面談前に尋ねましょう。
仕事への期待値が高すぎる
リファラル採用は、優秀な人材を雇用するために企業が行う既存社員からの紹介制度です。
入社後は、短いスパンで高いパフォーマンスを求められ、仕事内容への期待値が高すぎることでプレッシャーに感じる人もいるでしょう。
リファラル採用は面談で採用担当者に相談し、どれくらいのスキルや工数がノルマなのか詳しい確認が必要です。
リファラル採用だけど辞めたい人は転職も視野に入れよう
リファラル採用だけど辞めたい人は、自己分析と退職を考える原因の洗い出しを徹底してください。
辞めた後の計画もきちんと考え、転職の準備を進めましょう。
知人からの紹介だからと言って辞められないわけではありませんが、退職はそれなりに注意が必要です。