精神保健福祉士は、精神障害者の生活面、社会面でのサポートを行い、社会参加の手助けをする仕事です。
精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)とも呼ばれます。
精神保健福祉士になるには、福祉分野の国家資格の1つである精神保健福祉士試験に合格する必要があります。
ここでは、精神福祉士への転職を考えている人に向けて、おすすめの転職サイトや精神福祉士の仕事内容、年収等をご紹介します。
目次
精神保健福祉士への転職におすすめ転職サイト・エージェント12選
リクナビNEXT
リクナビNEXTは大手企業リクルートの運営する転職サイトです。
求人検索もしやすく、細かい条件で絞り込みながら転職先を検索することが可能です。
完全無料で利用でき、全国の求人もありますので精神保健福祉士の資格を活かせる求人に出会える可能性が高いでしょう。
カイゴジョブ
カイゴジョブは介護業界・福祉関連のあらゆる職種の求人を紹介する転職サービスです。
全国対応で掲載されている求人数がとにかく多いので、情報収集をしたい方にもおすすめです。
電話サポートでいつでも気軽に転職の相談もできるので、自分のペースで転職活動を進めたい方におすすめしています。
ジョブメドレー
取り扱っている求人数が24万件以上で、医療・介護系の求人サイトの中ではトップクラスの情報量があります。
復職者向けの時短勤務や、キャリアアップを考える人向けの求人もそろっています。医療系の仕事の経験者がスタッフとして在籍しているので、知識もあり、親身になって相談にのってくれます。
スカウトメールという仕組みがあり、事業所の担当者がユーザーのプロフィールを確認して、スカウトをくれることもあります。
医療業務の経験があり、復帰したいという人や、別の事業所に移りたいという人に向いているサイトです。就職に成功すると、数万円のお祝い金がもらえます。
はたらいく
地域密着型の求人サイトはたらいく。地元で就職したい人や、Uターン転職、Iターン転職を考えている人におすすめです。
経験やスキルだけでなく、趣味や休日の過ごし方についても登録できるようになっていて、自分がどんな人間か、採用側に伝えることができます。
未経験の人でもOKの求人案件も扱っているので、これまで別の分野で働いていた人もエントリーしやすくなっています。
応募する前に採用側とコンタクトがとれる「らいくサービス」があるので、質問なども比較的気軽に行えます。
カイゴWORKER
企業や病院、施設の採用担当者からの信頼があつく、20000件以上の非公開求人が載っているので、条件のいい求人を探すことができます。
求人の質がいいことで評判で、約8割の人が以前の仕事よりも条件のいい仕事につくことができているようです。
経験豊富な転職アドバイザーが応募書類のチェック、面接対策などを行ってくれます。面接に同行してくれるケースもあり、採用まで手あついフォローが受けられます。
給与アップの交渉もしてくれるので、キャリアアップにも最適です。内定辞退もかわりに行ってもらえます。
グッピー
グッピーは、医療介護福祉の求人に特化している求人サイト。
雇用形態は正社員をはじめ、契約社員や派遣、紹介予定派遣など様々。
精神保健福祉士求人も多く、3000件以上扱っています。
絞り込み検索ができるので、自分の希望の勤務地や雇用形態、給与にあった求人を見つけられますよ。
転職で使いたい求人サイトでNo.1に輝いたこともあるサイトです。
コメディカルドットコム
コメディカルドットコムは、介護福祉職や医療技術職などの医療福祉の求人を扱う転職サイト。
医療・介護関係の転職を考えている方におすすめのサイトです。
北海道から沖縄まで、全国各地の求人を取り扱っています。
精神保健福祉士の求人は、1700件程度。
病院・施設から面接依頼がくるスカウト制度も利用できます。
「ブランクがある方」や「日勤でのみ働きたい方」なども働きやすい求人を扱っていますよ。
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お仕事委員会は、医療職を中心に取り扱う求人・転職サイト。
医療職だけでなく、福祉職の求人も多く扱っています。
取り扱っている精神保健福祉士の求人は600件程度。
全国各地に対応しているので、地方にお住いの方でも利用可能。
非公開の求人も扱っているので、少しでも条件の良い求人を探しているという方におすすめ。
転職サポートも行っているので、転職について迷い・悩みのある方は利用してください。
マイナビ介護職
マイナビ介護職は、介護・福祉に特化した転職エージェント。
求人の更新頻度・求人数が共に多いのが魅力。
担当のエージェントが、面接練習から面接同行までサポートしてくれます。
完全無料で利用できる転職サポートサービスです。
精神保健福祉士の求人も多く扱っています。
とらばーゆ
とらばーゆは、女性向けの求人・転職の情報を取り扱う転職サイト。
女性専用なので、女性が重視する情報を見つけやすい仕様になっています。
全国対応なので、地方にお住いの方でも利用可能。
女性向けの総合転職サイトなので、福祉系の求人がそれほど多くはありません。
精神保健福祉士の求人もそれほど多くはありませんが、扱っています。
求人ボックス
求人ボックスは、全国の転職・仕事情報を扱う求人サイト。
バイトから派遣、パート、正社員まで幅広く扱っています。
求人の取扱数が圧倒的に多いのが特徴で、新着求人だけで50万件程度。
精神保健福祉士の正社員求人も9,000件程度扱っています。
求人掲載日での並び替えもできるので、新着求人も見つけやすいですよ。
地方にお住いの方で、なかなか近場の求人を見つけられないといった方におすすめ。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、幅広い職種の求人を扱う総合転職エージェント。
総合型の転職サービスですが、精神保健福祉士に精通した専任のキャリアアドバイザーからサポートを受けられます。
公開求人と非公開求人の両方を扱っています。
エージェントからの紹介でないと、出会えない求人も多いので登録することをおすすめします。
精神保健福祉士の求人は、公開・非公開含めて140件程度扱っていますよ。
サイトのデザインがきれいで、シンプルなのでとても使いやすいです。
大手エージェントからのサポートを受けながら、転職活動を進めたい方におすすめですよ。
転職に関する記事型コンテンツもあるので、転職活動の流れを把握しておきたい方は一読しておきましょう。
精神保健福祉士に必要な資格・条件
“精神保健福祉士になるためには、資格試験に合格し、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに登録される必要があります。
試験を受けるには、一定条件を満たす必要があり、受験資格を得るためのルートは次の4つがあります。
- 福祉系大学・短大で指定科目を履修する
- 福祉系大学・短大で基礎科目のみ履修し、さらに短期養成施設に6か月以上入る
- 社会福祉士の資格を取得した上で、短期養成施設に6か月以上入る
- 一般の大学・短大を卒業し、一般養成施設等に1年以上入る
短大などで4年間の履修ができていない場合は、相談援助の実務経験が同じ年数分必要になります。
精神福祉士の試験は、年に1回、1月下旬~2月上旬に実施され、精神保健・福祉・障害者関連の領域から16科目163問が出題されます。”
精神保健福祉士の仕事内容
精神に障害を負った人やその家族が、日常生活を問題なく送れるようサポートし、社会復帰のための手助けを行います。
精神保健福祉士は、精神障害がある人と、社会との橋渡し役を担っているといえるでしょう。精神保健福祉士が働く場所は、
- 医療機関(精神病院、総合病院の精神科、メンタルクリニック)
- 生活支援施設(地域活動支援センター、グループホーム、児童養護施設)
- 福祉行政機関(地域の自治体、保健所、精神保健福祉センター)
- 司法施設(保護観察所、矯正施設)
- その他、ハローワーク、一般企業、介護保険関連施設、教育機関
など、多岐にわたります。メンタルヘルスの重要性が認識されるようになり、精神保健福祉士の需要は年々増しています。
精神障害者やその家族への支援
“精神保健福祉士は、精神障害者に直接面談し、あらゆる面で手助けを行います。
医療機関においては、おもに入院サポートを行っています。
精神科の病院は、本人や保護者の同意なしに強制的に入院させられることもあります。
けれども、患者さん本人の自由を制限する行為でもあるため、入院させることに問題がないか、人権擁護の観点で精神保健福祉士がチェックを行う必要があるのです。
主治医、看護師、作業療法士、臨床心理士と連携をとりながら、精神保健の専門家として支援を行っていきます。
生活支援施設に配置されている場合は、施設によってサポート内容が異なってきます。
日常生活を滞りなく行えるよう、一緒に家事をしてアドバイスを与えることもあります。
また、就労前訓練を行う場所では、就職活動に向けてのアドバイスや作業に関する相談などを行います。”
関連部署との情報共有や連携
行政機関で働く場合は、法律に基づいて支援事業や手続きを行います。
地域の福祉事業の発展のため、現状の問題点を洗い出したり、分析したり、将来に向けての計画をたてることもあります。
地域への啓発活動や、精神障害者に居場所を与え落ち着いて暮らせるような環境を整えること、また自立して生きていけるよう就労支援などを行っていきます。
介護施設や教育現場、一般企業でも精神保健福祉士を配置する施設が増えてきています。
ハローワークでも精神障害者の雇用を支援するようになりました。罪を犯した精神障害者が社会復帰できるよう支援するため、専門知識のある精神保健福祉士に応援を頼むケースも増えてきました。
最近では、保護観察所で社会復帰調査官として精神保健福祉士が働く機会も増えています。
精神保健福祉士の仕事はきつい?
精神福祉士の仕事は、とてもやりがいのある仕事ですが、専門性が求められることもあり、きついと感じる人も多いようです。
20代で仕事を始める場合、人生経験が浅い状態で、色々な精神障害のある人を理解する必要があり、戸惑うこともあるでしょう。
障害の度合いや家庭環境はまちまちで、1つとして同じケースはありません。
そのため、ひとくくりにパターン化することができず、それぞれのケースで難しい判断を強いられることもあります。
苦しんでいた人が自分の支援によって回復し、社会復帰ができると嬉しくなる一方で、人間の暗い部分に触れて精神的な疲労が起こりやすくなります。
再入院を繰り返し、いい結果が得られず心が折れそうになることもあるでしょう。
仕事にあたっては、共感しすぎて自分まで疲れてしまわないよう、冷静に状況を観察する目を持つ必要があります。
個人の裁量にゆだねられる仕事なので、手ごたえはあるものの、色々な部署と連携をとっていく必要があります。
精神障害者、家族、医療機関などの板挟みで苦労をすることもあるようです。
精神保健福祉士の年収事情
基本給は約16万円~20万円(年収は350万円~400万円)程度で、国家公務員に準じた額ではあるものの、国家資格を持つ職種としては低い方です。
日本ではまだ、福祉系の職種はあまり高収入が得られないケースが多く、精神保健福祉士も例外ではありません。
各施設における平均年収は、以下の通りとなっています。
精神病院 | 420万円~450万円 |
---|---|
心療内科 | 380万円~400万円 |
保健福祉センター | 400万円~420万円 |
障がい福祉センター | 380万円~400万円 |
一般企業 | 350万円~440万円 |
まれに、独立し直接企業や病院、行政機関と契約を結んでいる人もいて、年収約600万~900万を実現しているケースもあります。また、年代ごとの平均年収は以下の通りです。
20代 | 約250万円 |
---|---|
30代 | 約320万円 |
40代 | 約410万円 |
50代 | 約460万円 |
60代 | 約310万円 |
どの年代においても、年収は低めとなっています。ただし、行政が委託しているところは、住居手当や、通勤手当など福利厚生が充実していることも多いようです。ボーナスは80万円~100万円程度で、平均よりもやや高めになっています。
行政機関の方が年収は高め
精神保健福祉士の年収は、役職がついたとしても500万円以下で、医療従事者にくらべてもかなり低めです。
精神保健福祉士として年収をアップさせるには、公務員として行政機関で働くのがよいでしょう。
病院や民間企業では昇給を望むことは難しいですが、公務員なら勤続年数とともに昇給することも可能です。(公務員なみの年収を得ることができれば、40代で600万円程度の収入が見込めます)
公務員として勤めることができれば、福利厚生も充実しており、安定した生活がのぞめます。
ただし、行政機関では実務経験者を優遇しているケースが多いようです。民間施設で精神保健福祉士の経験を積みながら、行政機関で募集が出るのを待つのもよいでしょう。
規模の大きい病院では給与も高く、福利厚生が充実しているケースもあるので、求人情報をしっかり確認することが大切です。
年収をアップする方法
精神保健福祉士と同じ福祉関連の資格に、「社会福祉士」があります。
社会福祉士は、サポート対象が「精神的・肉体的・経済的に問題を抱えた人」と規定されていて、高齢者や子供、障害者、低所得者と多くの人の支援を行っています。
社会福祉士の年収は400万円~550万円程度となっており、精神保健福祉士よりも高めです。
年収を上げるには、社会福祉士の資格もとって、キャリアアップを目指すのもいい方法です。
両方の資格をとっておくと、精神保健への知識も深まり、より多くのケースに対応できるようになるため、業務の幅が広がります。
さらに、介護福祉士の資格もとって、ケアマネージャーとして活動できるようになれば、介護サービス計画も自分でたてられます。精神疾患を抱えた人のサポートをより効率的に行えるようになります。
精神保健福祉士はどんな人に向いている?
精神保健福祉士は、人の心理や精神疾患について興味を持ち、向上心をもって勉強できる人に向いています。
また、人と接することが好きな人にも合っている職業といえます。(当事者だけでなく、家族や、連携をとる関係各所の人など、多くの人とコミュニケーションをとる必要があるため)
また、相手の話をしっかり耳を傾けて聞くことができる人も精神福祉士に向いています。
精神疾患を抱えている人は、時に支離滅裂な話になったり、極端な結論を出すこともあるので、こちらの意見を押しつけず傾聴することが大切です。
また、精神が弱っていることもあるので、上から目線ではなく、相手と同じ視点に立って考えることが必要になります。
計画をたて、不測の事態が起きたら冷静に計画の立て直しができる能力も必要です。人間相手の仕事なので、予定通りに進まないことも多いからです。
一方、人の役に立ちたいという気持ちは仕事への強いモチベーションになるものの、その気持ちがあまりに強すぎるのは危険です。自己肯定感や承認欲求を満たすために、ひとりよがりの行動になりがちなので、注意が必要です。
精神保健福祉士への転職は難しい?
精神保健福祉士への転職は、ほかの業種と比べてやや難しいといえるでしょう。
精神保健福祉士試験の合格率は60%程度となっており、社会福祉士の25%、ケアマネージャー15%とくらべると、難易度は高くありません。
年齢別合格者をみても、40代が24%程度、50代が23%程度を占めていて、40代以降から精神福祉士を目指す人が多いことが分かります。
しかし、1つの職場に複数の精神福祉士が在籍していることはまれなので、退職者が出たときに採用、となるケースが多いようです。採用人数が少ない分、転職は難しくなります。
精神福祉士として採用されるには、ほかの資格もあわせ持ち、自分のスキルを高めておくことが大切です。
未経験だったり、経験が浅いうちは、アルバイトやパートでの採用を視野に入れてもいいでしょう。精神保健福祉士の世界では、経験が重んじられるため、勤務年数を重ねることで、正社員の道も開けます。
精神保健福祉士の需要は年々高まっているので、今後働ける場所は増えていくと考えられます。