仕事が辛いと感じた時に、「これくらいで辛いと感じるのは、甘えかな?」と迷うことはありませんか?
心身に影響が出るほど「仕事が辛い」と感じているならば、それは甘えではありません。
真面目に頑張る人ほど自分を追い込んでしまいがちですが、ストレスを感じて辛いのは心と体がSOSの悲鳴を上げているサインです。
仕事が辛いと感じたときのストレスとの向き合い方をご紹介します。
目次
まずはストレスを知ること
ストレスとは、外部からの刺激で心や体に負荷が掛かる状態を言います。
ストレスを感じて辛いときは、最初に、自分が何を辛いと感じているかを知ることが大切です。
ストレスの種類
ストレスには、身体に影響を与えるものと、心に影響を与えるものがあります。
それぞれ2種類ずつ、大きく4種類に分けられます。
身体的に影響を与えるストレス
1.肉体的ストレス
肉体的に負荷が掛かっている状態です。
この負荷の原因が楽しいことであっても(例:徹夜でカラオケをして寝不足になった)、身体にとっては負荷になります。
- 長時間労働
- 栄養の偏り
- 運動不足
- 睡眠不足
- 病気や怪我
2.環境的ストレス
自分がいる環境が、身体に適していない状態です。
- 暑さや寒さ
- 騒音
- 臭い
心に影響を与えるストレス
3.変化によるストレス
人は多かれ少なかれ安定した状態を求める傾向があるため、「変化」は精神に負荷を与えます。
- 降格、昇格、異動、転職などの大きな変化
- コロナによる外出自粛のように社会的な大きな変化
4.感情的ストレス
感情の揺らぎもストレスになります。
怒りといったマイナスの感情だけでなく、喜びのようなプラスの感情も精神的な負荷になります。
- 人間関係トラブル
- 怒り、悲しみ、不安、恐れ、喜び、焦りといった感情の揺らぎ
原因は複数あることも
ストレスの原因は、1つではなく、複数ある場合があります。
また、人間関係によるストレスが寝不足を引き起こすなど、ストレスが連鎖する場合もあります。
自分が何をストレスに感じているかを全て洗い出してみましょう。
ストレスに向き合うこと
自分が何をストレスに感じているかがわかったら、一つ一つに向き合います。
このときに向き合うポイントは、自分の力でストレスの原因となるものを取り去ることができるかどうかです。
自力で解消できるストレス
自分の力でストレスの原因となるものを取り去ることができる場合は、早急に対応します。
食事に気を配ったり、睡眠時間を確保したり、冷暖房の温度を調整したり、自分で対応できるものについては、対応しましょう。
既に心と体に負荷が掛かっているので、無理は禁物です。
自分を甘やかしても構わないので、解消しましょう。
自力では解消できないストレス
残念ながら、ストレスの原因の多くは、自分一人の力ではストレスの原因となるものを取り去ることができません。
その場合はどうすればいいのでしょうか。
ストレスが掛かっている自分を認める
もし、「これくらいで辛いと感じてはいけない」と思っている場合は、辛いと感じている自分を認めてあげましょう。
ストレスは、他の人と比べるものではありません。
他の人は大丈夫なのに、自分自身だけが辛いと感じているような気持ちになっても、それを悪いことと思ってはいけません。
自分が辛いと感じているのであれば、それは辛いのです。
上で4つのストレスの原因を挙げましたが、どの状況でストレスを強く感じるかは人によって違います。
例えば、室温や騒音といった環境的なストレスは気にならないけれど、変化によるストレスにダメージを受けてしまったり、また、変化は気にならないのだけれど、感情の起伏が激しく、感情的ストレスに振り回されてしまったりなど、人によって耐えられるストレスと耐えられないストレスは違います。
もし身近に同じ状況でも平気な顔をしている人がいるからといって、それは自分が弱いのではありません。
影響を受けるストレスが違うだけです。
自分の辛さを受け止め、頑張っている自分をまず認めましょう。
自分にはどうにもできないことがあると認識する
責任感の強い人は、自分一人の力ではストレスの原因となるものを取り去ることができない場合でも、何とかしようと頑張りがちです。
しかし、自分の力で変えられることは多くありません。
特に、相手がいることに関しては、変えることは難しいでしょう。
それは力不足ではなく、人は自分が変わろうと思わないと変わることができないので、こちらから働きかけて人を変えようとはできないのです。
他にも、自然相手の場合や、国の政治に関することなどの話が大きすぎることも、自分ひとりの力ですぐにどうにかできるものではありません。
過去に起きた事実も、無かったことにはできません。
自分にはどうにもできないことに囚われていると、いくら頑張っても事態が変わらないので消耗していきます。
自分の力ではどうにもできないことがあると認識することが大切です。
自分が働きかけられることに注力する
ストレスとなる問題は、次の3つに分けられます。
- 直接的に働きかけられる部分
- 間接的に働きかけられる部分
- どうにもできない部分
例えば、今日の天気について、天気を変えることは「どうにもできない部分」ですが、天気に合わせて衣服を調整することは「直接的に働きかけられる部分」です。
もし、今の政治が気に入らないとして、総理大臣を変えようとすることは(あなたが政治の中枢にいる人物でないならば)「どうにもできない部分」ですが、自分の信条に沿った候補者に投票することは「間接的に働きかけられる部分」ですし、自分が総理大臣を目指して政治の世界に飛び込めば「直接的に働きかけられる部分」に近づきます。
ストレスの原因に対して、自分の力ではどうにもできない部分に関してはそれを受け入れ、一方で、自分が働きかけられる部分を探して、そこの改善に注力することが重要なのです。
ストレスに向き合うのも辛い場合
上記のストレスとの向き合い方は、比較的余裕がある場合に取ることができる方法です。
ストレスと向き合う元気がないほど辛い場合は、とにかく休みましょう。
心を休める
何もやる気が起きない、何もしていなくても涙が出てくる、楽しいと感じる瞬間が減ったという状態は、心が疲れ切っているサインです。
他のことはいったん横に置いて、まずは心を休めましょう。
心が疲れていると、悶々と考えすぎてしまい、負のループにはまってしまいます。
しかし、「何も考えるな」と言われても、簡単には止められません。
この場合は、頭の中に違う刺激を入れて、考えを逸らすことが必要です。
身体が動くならば、カラオケで熱唱したり、友達と話をしたり、運動をしたり、ジェンガのような単純だけど頭を使うゲームをしたりして、頭の中に居座るストレスの原因を違うものに置き換えることが効果的です。
人に会いたいと思えない状態のときは、散歩をしたり走ったりして身体を疲れさせることで、身体と心の疲労度を同程度にすることも効果があります。
動く元気がないならば、好きな音楽をひたすら聞いたり、写真集や本や雑誌を眺めたり、ペットをひたすら愛でたりなど、ぼんやりしながら五感を刺激することがおすすめです。
頭の中に違う刺激を入れることを意識しましょう。
身体を休める
体が疲れている場合は、とにかく身体を休めましょう。
消化の良いものを食べたり、リラックス効果が期待できる入浴剤を入れたお風呂にゆっくり浸かったり、早々にベッドに入るなどして身体を休めます。
ストレッチやマッサージで身体をほぐすことも効果的です。
お酒は寝付きを良くする場合がありますが、アルコールの分解のために身体に負担が掛かるので、過度な飲酒はおすすめできません。
仕事が辛いのは甘えではない
人が何をストレスに感じ、どこまで耐えられるかは個人差があるため、他人と比べることには意味がありません。
自分が辛いと感じているならば、それは心と身体から発せられたSOSです。
SOSを無視せずに、自分の状態と向き合い、休息を取りましょう。
自分を守ることができるのは、自分だけです。自分の状態をよく知り、いたわりましょう。