会社を退職すると、失業保険を受け取ることができます。
転職が理由で退職した場合は「自己都合」として失業保険を受け取ることが可能なのですが、「受け取るための条件はあるのかな?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
この記事では自己都合退職で失業保険を受け取る条件を解説します。
失業保険を受け取るまで手順や注意点もご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
自己都合で失業保険を受け取る条件
自己都合で失業保険を受け取る条件は大きく2つあります。
「雇用保険に加入していた」と「失業している状態である」という2つの条件が定められていて、条件を満たしている人のみが受け取ることが可能です。
2つの条件について詳しくご紹介します。
雇用保険に加入していた
失業保険を受け取る条件として、退職する前に雇用保険に加入している必要があります。
また一定の条件を満たしている方のみが対象になります。
一定の条件とは、「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること」と定められています。
そして加入していた期間によって、受け取れる期間が決まります。
加入期間と受け取れる期間は下記の通りです。
加入期間 | 受け取れる期間 |
---|---|
〜10年 | 90日 |
10年〜20年 | 120日 |
20年〜 | 150日 |
失業保険は会社に勤めている年数が長ければ長いほど、長期間失業保険を受け取れる仕組みになっています。
「失業」している状態である
失業保険を受け取る条件として、ハローワークが定める「失業の状態」である必要があります。
失業の状態とは、「就職しようとする意思があり、いつでも就職できる能力があるにも関わらず、就職できない」という状態を指します。
そのためすぐに就職を成功させた方や就職する気のない方は、受け取れません。また病気や妊娠ですぐに就職できない方も、対象外になります。
失業保険を受けるためには、就職しようとする気持ちが必要です。
自己都合で失業保険を受け取る手順
自己都合で失業保険を受け取るためには、大きく4つの手順に分けられます。
最短期間で受け取れるように、下記の手順を参考にしてみてください。
①離職証明書の確認と離職票を受け取る
会社を退職することが決まると、離職証明書と離職票という2つの書類が発行されます。
まずは会社が離職証明書を発行して、記載内容について本人が確認します。
記載されている内容に問題がなければ、記名捺印またはサインをします。
そして離職した日から10日以内に、離職証明書を持ってハローワークに提出します。
提出した書類の確認が出来次第、会社に「離職票」が発行されて、それが離職者へ送られます。
離職票を受け取るまでが1つ目の手順になります。
②ハローワークへ申請に行く
離職票を受け取ると、住んでいる地域を管轄しているハローワークに行きます。
そこで上記でお伝えした条件を満たしているか、確認されます。
そして申請をするときには、下記の持ち物が必要になります。
- 離職票
- マイナンバーカード
- 身分証明書
- 写真2枚
- 印鑑
- 本人名義の普通預金口座
忘れ物をしてしまうと、その日に申請ができないため注意してください。
ハローワークに申請に行くまでが2つ目の手順です。
③求職活動を報告する
上記でもお伝えしたように受け取る条件として、「就職しようとする意思」が必要になります。
そのため4週間に1回、指定された日時にハローワークに行き、求職活動をしていることを報告します。
報告することで、失業状態にあることが認められます。
認められるためには、原則として2回以上の求職活動の実績が必要になるので注意してください。
④失業保険を受け取る
失業の認定を受けてから1週間後には失業保険を振り込まれるのですが、自己都合の場合は2カ月間の待機期間が設けられます。
そのため自己都合の場合は2回目の求職報告を行う必要があり、2回目の報告をした後に振り込まれます。
自己都合の場合は、2カ月間の待機期間が設けられることを覚えておく必要があります。
自己都合で失業保険を受け取る注意点
最短期間で失業保険を受け取るためには、いくつか注意しなければいけない点があります。
転職活動中の生活費に関係してくることもあるので、下記の注意点を参考にしてみてください。
受け取るには条件を満たす必要がある
失業保険は「退職することで受け取ることができる」と思われる方が多いのですが、上記でお伝えしたようにいくつかの条件があります。
また定められている条件によって、受け取ることができる金額や期間が決まります。
失業保険は国が定めている制度になるため、条件を満たしていない方は絶対に受け取ることができません。
確実に失業手当を受け取るためには、退職する前から条件は把握しておく必要があります。
2カ月間の待機期間があることを忘れない
失業保険を振り込まれるまでは、待機期間があります。
会社都合では7日間なのですが、自己都合では加えて2カ月間の待機期間が設けられています。
そのため失業してから最短でも2カ月と7日間待機する必要があります。
「転職活動中の生活費は失業保険で補う」と考えられている方が多いので、2カ月間の待機期間がることは忘れないように注意してください。
3年以内の退職では「退職金」を受け取れない
転職活動中の生活費を「退職金で補う」と考えられる方が多いです。
退職金は待機期間なく受け取ることができるのですが、入社してから3年以内で転職する場合は受け取れないように定めている企業がほとんどです。
退職金の減額率に関する法律は決められていないため、3年以内は「0円」だと考えておく必要があります。
退職金に関することは、規約などに記載されているので転職を考えている方は一度確認することをおすすめします。
自己都合退職は失業保険が少なくなる?働きながらの転職がおすすめ
1日でも早く希望通りの転職を成功させるコツ
自己都合の場合はすぐに失業保険を受け取ることができないため、1日でも早く転職を成功させる必要があります。
そこで1日でも早く希望通りの転職を成功させるコツをご紹介します。
無職の期間が続くことで焦る気持ちが出てくると思うので、下記のコツを参考にしてみてください。
ポジティブな転職理由をアピールする
希望通りの転職を成功させるためには、ポジティブな転職理由をアピールすることが大切です。
中途採用では即戦力で働ける人材が求められていて、仕事に対して前向きな人材が好まれます。
仕事に対して前向きなことをアピールするためには、ポジティブな転職理由を答える必要があります。
例えば、「将来のことを考えて、さまざまな経験をしたくて転職を希望しました」と答えることができれば、「この人は仕事に対して前向きだな」と思わせることができます。
反対にネガティブな転職理由は仕事に対して後ろ向きな印象を与えてしまうため、注意してください。
条件にこだわりすぎない
希望通りに転職を成功させるためには、年収や待遇などの条件にこだわりすぎないことが大切です。
条件にこだわり過ぎてしまうと、なかなか納得できる求人が見つかりません。
また不採用になることを考えると、転職先が決まるのが相当遅くなると思います。
そのため自分が譲れない条件をいくつか決めて、他の条件には目を瞑る必要があります。
譲れない条件を決めることで、転職後に後悔する可能性は低くなります。
転職エージェントを活用する
希望通りの転職を成功させるためには、転職エージェントを活用することが大切です。
転職エージェントとは、無料で転職に関することをサポートしてくれるサービスで、「転職支援サービス」とも言われています。
具体的に受けられるサポートは、求人紹介・面接対策・条件交渉・日程調整・書類添削などです。
転職先が決まっても料金が発生することはないため、転職エージェントを活用して損をすることがありません。
転職を成功させるためにも、転職エージェントを活用するようにしてください。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは国内に数多く存在するため、「どのサービスが良いんだろう?」と悩まれると思います。
そこでおすすめの転職エージェントを2社ご紹介します。
転職エージェントは併用しても問題ないため、気になるものがあれば登録してみてください。
doda
dodaは業界最大級の転職支援サイトで、転職サイトと転職エージェントが1つになっています。
両方のサービスを受けられることもあり、登録者数は600万人を超えています。
dodaで取り扱っている求人数は10万件を超えていて、大手企業から中小企業まで幅広く対応しています。
また全国でサービスを展開しているため、地方に住んでいる方でも活用できる転職エージェントです。
業界でトップクラスの求人数を誇るため、求人数を重視される方にはdodaがおすすめです。
ビズリーチ
ビズリーチは「株式会社ビズリーチ」が運営しているハイクラスの転職に特化した転職エージェントです。
年収1,000万円以上の求人が全体の3割を占めています。
そんなビズリーチでは、スカウトサービスで転職を成功させられます。
スカウトサービスとは、優良企業や一流ヘッドハンターからオファーが来るサービスで、直接コンタクトを取ることが可能です。
実際に7割以上の方がスカウトサービスで転職を成功させています。
積極的に転職活動を行いたくない方には、ビズリーチがおすすめです。
条件を満たして失業保険を受け取ろう
この記事では自己都合で失業保険を受け取る条件についてお伝えしましたが、いかがったでしょうか?
失業保険を受け取るためには、定められている条件を満たす必要があります。
条件を満たすことは難しくないので、退職する前に確認しておくことが大切です。
そして自己都合の場合は2カ月間の待機期間が設けられるため、1日でも早く転職を成功させましょう。