食生活アドバイザーの仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
飲食全般の仕事に有利な食生活アドバイザーの資格ですが、転職や就職のためには取得前にチェックしたいことがあります。
自分に合った仕事を見つけるためにも、資格取得の後まで考えてキャリアを決めましょう。
目次
食生活アドバイザーとは
食生活アドバイザーとは食生活を総合的に捉えて、全般のアドバイスができるスペシャリストです。
広い視野から考え、健康な生活を送るためにベストな指導をします。
食品関係の知識は、栄養素といった基本的なものから流通システムまで社会で役立つものが学べます。
食生活アドバイザーの資格は、衛生管理やメニュー考案の仕事で発揮できるでしょう。
利用者に適した食事を提供する介護施設でもスキルが活かせます。
そのほかに、食生活の知識をもとに疑問を解消するアドバイザーとしても業務に携われます。
心と体の健康管理や生活の見直しと充実した食生活のために、バックアップする仕事といえるでしょう。
食生活アドバイザーの資格が活かせる仕事6選
食生活アドバイザーの資格が活かせる仕事には、以下があります。
- 飲食業界
- 医療・介護・福祉施設
- 食品メーカー
- 食品物の販売
- 保育園・幼稚園・学校の食育講師
- 学校給食の調理員
それぞれの職種について、ポイントを確認しましょう。
飲食業界
食生活アドバイザーは、飲食業界で活躍できる職種が多数あります。
飲食店でメニューを考案したり衛生管理を担当したり、やりがいのある仕事が経験できるでしょう。
正社員として雇用される場合も、食生活アドバイザーの資格が有利になる可能性もあります。
ダイエットメニューやヘルスケア特化のメニューなどを考えるときも、食生活アドバイザー知識が役に立つことが考えられます。
食材の調達や店舗運営に関してもアドバイスできる知識が揃っているので、飲食業界で活躍できる人材が目指せます。
医療・介護・福祉の施設
食生活アドバイザーは医療・介護・福祉の施設で、健康管理をベースにした食の提供が可能です。
利用者ひとり一人の症状や年齢にあった食べ方のアドバイスも可能で、生活指導に関わる力も発揮できます。
より食事を美味しく食べてもらうための雰囲気づくりや工夫など、資格取得のために学んだ知識が役に立つでしょう。
介護施設では、調理補助として活躍できる可能性が高いです。
食品メーカー
食生活アドバイザーは、食品メーカーで活躍できる人材になるためにおすすめの資格です。
実際に資格取得を勧めている大企業も多くあります。
資格手当や昇格に影響することがあるので、食生活アドバイザーの資格を取っておいて損はありません。
ウェルネス管理や衛生管理、食品学などがまんべんなく学べる資格は、暮らしに直結する知識が得られるでしょう。
食品物の販売
スーパーマーケットや小売店など販売の分野でも、食生活アドバイザーの資格が活かせます。
資格の勉強の中で生鮮や加工食品の知識が身に付けられるので、販売の仕事に有利です。
食品関係の知識が身につくだけでなく、ミールソリューションや物流システムの変化についても勉強できます。
食材の旬の時期や食事に関するイベントを学べるので、食品販売のさまざまな場面で役に立ちます。
保育園・幼稚園・学校の食育講師
保育園・幼稚園・学校などで、食生活の指導をしたり講習会を行うときに、食生活アドバイザーの資格が役に立ちます。
ただし、食事マナーや栄養素の種類など、食に関する知識を教えるためには指導力が必要です
アドバイスできるほどの食生活に関わる知識やスキルがあれば、教えることも難しくはないでしょう。
学校給食の調理員
学校給食の調理員は、食生活アドバイザーの資格が役に立ちます。
資格が給料や昇給に影響しやすい職種のため、積極的な取得を考えましょう。
食に関する栄養と健康の基礎知識があれば、調理員として活躍できる人材が目指せます。
調理員への転職や就職にも有利なので、食生活アドバイザーの資格はおすすめです。
食生活アドバイザーを仕事で活かすポイント
食生活アドバイザーの資格を仕事で活かすためには、以下の2点に注意してください。
- 2級を取得する
- 関連する資格を取得する
それぞれのポイントをまとめました。
2級を取得する
食生活アドバイザーの資格を仕事で活かしたい人は、2級の取得を目指しましょう。
資格は3級と2級に分かれていますが、より高いレベルの取得を考えてください。
取得が難しい資格は、採用担当者が働くイメージをしやすいので積極的に書きましょう。
ただし「食生活アドバイザー3級」の場合でも、飲食に関する仕事には有利なので記載をおススメします。
関連するほかの資格を取得する
食生活アドバイザーに関連する資格を取得しておくと、即戦力として働ける可能性が高いです。
希望する仕事にあった資格をチェックしてください。
保育園で働く場合は保育に関わる資格がおすすめです。
介護の現場で食生活の指導をしたい人は、介護福祉士といった資格の取得も目指しましょう。
ダブルライセンスは他の求人応募者と比べても印象が強いので、資格は積極的に取ることがおすすめです。
食生活アドバイザーの年収は勤務先によって異なる
食生活アドバイザーの年収は勤務先によって異なります。
資格を活かして飲食店で働いた場合、手当を含めて年収300万円前後と考えましょう。
働く店の大きさや雇用形態によっても、もらえる給料は異なるので注意してください。
食生活アドバイザーが活躍できる職場は、食品メーカーや介護施設など幅広くあります。
そのため、年収は一概にいくら程度とは判断できません。
食生活アドバイザーの資格試験と難易度
食生活アドバイザーの概要は以下の通りです。
実施団体 | 一般社団法人FLAネットワーク協会 |
---|---|
資格区分 | 民間資格 |
受験資格 | 特になし食生活に興味のある人 |
受験料(税込み) | 3級 5,500円 2級 8,000円 3級・2級併願 13,500円 |
日程 | 年2回実施(6月と11月) |
会場 | 札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、横浜、新潟、金沢 静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡 |
出題内容 | 3級・2級共通 栄養と健康/食文化と食習慣/食品学 衛生管理/食マーケット/社会生活 |
出題形式 | 3級理論問題:選択問題(マークシート形式) 2級理論問題:選択問題(マークシート形式)/記述式問題 |
合否基準 | 3級:1問2点 合格点60点以上(100点満点) 2級:選択問題1問2点・記述問題1問3点合格点74点以上(123点満点) |
合格率 | 3級:約65% 2級:約35% |
参考:FLAネットワーク協会
食生活アドバイザーには2級と3級がある
食生活アドバイザーは2級と3級に分かれています。
合格率は3級が約65%、2級が約35%のため、十分な勉強をして挑みましょう。
出題分野は2級・3級ともに同じですが、出題形式と出題数、合格基準が違います。
食生活アドバイザー2級を取りたい人は、3級の資格取得に関わらず受験に申し込みできます。
初めから2級取得を目指すことも可能なので、自分が希望する資格の合格を目指して受験しましょう。
受験資格は特になし
食生活アドバイザーの受験資格はありません。
職歴や学歴のほか、持っている資格にかかわらず誰でも受験できます。
これから飲食業を目指す学生だけでなく、キャリアチェンジを目指したい人など受験に年齢は関係ありません。
年2回の試験があるので、合格のために自分が勉強しやすいタイミングを見計らうことも重要です。
食生活アドバイザー試験範囲は6分野
食生活アドバイザーの試験範囲は以下の6分野です。
栄養と健康 | 栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養など |
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食文化と食習慣 | 行事食・食材の旬・食事マナー・配膳・調理・献立など |
食品学 | 生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物など |
衛生管理 | 食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性など |
食マーケット | 流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売など |
社会生活 | 消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規など |
参考:FLAネットワーク協会
食に関する知識のほかに、消費者問題や関連法規などの知識が学べます。
幅広く勉強できることで、自分が活躍できる分野の職種が分かりやすくなるでしょう。
食生活アドバイザーの勉強方法
食生活アドバイザーの試験勉強は、独学でも可能です。
社会人が食生活アドバイザーの受験勉強ができるスクールはほとんどないので、独学が基本と考えましょう。
ここからは、食生活アドバイザーの試験合格に向けて勉強のポイントをまとめました。
独学で勉強できる
独学で勉強するときは、わからない部分の洗い出しと反復学習が必要です。
テキストを一通り確認し、間違ったところの正解を覚えるまで勉強しましょう。
食生活アドバイザーの勉強は、資格の運営が出しているテキストがおすすめです。
FLAネットワーク協会の公式テキストなら、要点がまとめてあるので初心者も勉強しやすい傾向にあります。
実施団体が発行しているテキストは、出題範囲に沿った勉強ができるので有効活用しましょう。
通信教育
食生活アドバイザーの資格取得のために、通信教育を受ける方法があります。
各企業から通信教育のセットが販売されているので、購入を検討しても良いですね。
合格指導の講座を受ければ、期間を決めて効率的に勉強できます。
通信教育によってはサポート体制が整っていたり、スマートフォンで学習できたり、さまざまなメリットがあります。
自分に合った方法で食生活アドバイザー合格のために勉強を進めましょう。
食生活アドバイザーは無駄な資格ではない
食生活アドバイザーは無駄な資格ではありません。
食生活アドバイザーを取得しておくと、食のスペシャリストとしての能力の裏付けが可能です。
ほかの資格に加えてダブルライセンスを取得すれば、転職で有利になる可能性もあるでしょう。
転職活動やキャリアを有利に進めたい場合は、仕事で優遇される資格を確認してください。
食生活アドバイザー以外の資格も、できるかぎりの取得をおすすめします。
食生活アドバイザーの資格を取るメリット
食生活アドバイザーの資格を取るメリットを紹介します。
食品や食事に詳しくなれる食生活アドバイザーは、普段の生活でも役に立つ知識が学べます。
食生活アドバイザーのメリットを確認しましょう。
安全な食材の判断ができる
食品表示や栄養素の知識がつき、安全な食材の判断ができることは食生活アドバイザーのメリットです。
高齢者や子ども、持病を持っている人などにあった食事が用意できる能力が身につくでしょう。
食材の選別や食習慣にもスキルが発揮できるため、健康管理のアドバイスを行うことが可能です。
提供する側だけでなく消費者の観点からも、食に関する知識が活かせます。
家庭の料理にも役立つ
食生活アドバイザーは仕事だけでなく、家庭の食生活でも役に立つでしょう。
日常的に料理をするときも、健康管理を考えたメニューが作れます。
家族の健康に貢献できることも、食生活アドバイザーの資格取得のメリットです。
子どもの成長や家族の健康状態に合ったメニューを考えられることで、適切なヘルスケアも行えます。
食生活アドバイザーの仕事に多い疑問を解消
食生活アドバイザーの資格と仕事に関わる疑問を解決します。
今回は以下の質問について回答を詳しくまとめました。
- 食生活アドバイザーの将来性は?
- 食生活アドバイザーの資格は副業に生かせる?
- 食生活アドバイザーはフリーランスになれる?
食生活アドバイザーの将来性はある?
食生活アドバイザーの将来性は、食の大切さを伝える仕事として需要が期待できます。
年代やライフスタイルに対応した食生活のアドバイスができれば、食に関わる仕事で活躍できる人材になれるでしょう。
資格は栄養の摂取についても学べるので、ヘルスケアやダイエットにも役立ちます。
食生活アドバイザーの資格は副業に生かせる?
食生活アドバイザーの資格は副業に活かせる可能性があります。
- 赤ちゃん向けの献立や離乳食レシピの作成
- 健康的なメニューの考案
- 日頃の献立を紹介するSNS運用
- 食生活アドバイザーの資格を活かした記事のライティング
食生活アドバイザーを活用した情報系の商品を販売することで、本業のほかに副収入が見込めるでしょう。
食生活アドバイザーはフリーランスになれる?
食生活アドバイザーの資格だけを武器に、フリーランスへの転身を目指すことはおすすめしません。
担当できる仕事の範囲が広くはないので、独立後に収入が安定する可能性も低いでしょう。
フリーランスとしての独立を目指す場合は、食生活アドバイザーのほかに栄養士や調理師などの免許取得を考えてください。
食生活アドバイザーの資格だけで独立を目指すと、思うように仕事が受けられないおそれが大きいです。
食生活アドバイザーは食にかかわる仕事に有利
食生活アドバイザーは、飲食や食生活に関わる仕事に有利な資格です。
資格取得のためには効率のいい勉強と、スケジュール設定が重要です。
試験は年に2回受験できるので、転職のタイミングや進捗に合わせて勉強を進めましょう。