映画やドラマのアクションシーンでは、俳優・女優の代わりに「スタントマン」がシーンの撮影をします。
階段から転げ落ちるシーンや、激しい格闘シーンなどは、スタントマンが担当するケースが多いのですが、「スタントマンになるには、どうすれば良い?」と悩まれることがあるのではないでしょうか?
この記事では、スタントマンのなり方について解説します。
スタントマンに求められる能力や、スタントマンとして年収を高くする方法などもご紹介しているので、最後までご覧ください。
目次
スタントマンとは?
スタントマンとは、映画やドラマ、イベントなどでさまざまなスタント(アクション・離れ業など)をおこなう職業です。アクションの場面が多い映画やドラマなどでは、高確率でスタントマンが起用されていて、俳優に代わってスタントシーンを撮影します。
具体的なスタントシーンは、「階段から転げ落ちる・ビルからビルに飛び移る・火だるまになる・車を使ってのカーアクション・格闘」などが挙げられます。
スタントマンは、「俳優の代わりに体を張る」という仕事が多いため、常にケガをしてしまう可能性のある仕事です。
また、命の危険もある職業になるので、安易に目指すことはおすすめしません。
スタントマンの平均年収
スタントマンの平均年収は、300万円〜400万円と言われています。
スタントマンは1つの仕事を受けることで給与が支払われるようになっているため、人気のあるスタントマンになれば、平均年収以上を得ることが可能です。
ただし、スタントマンとして経験が浅い方や、失敗することが多い方は、平均以下の年収になることがあります。
スタントマンのギャランティは下記の通りです。
- 格闘シーン:1万円〜3万円
- 車にはねられる:3万円〜5万円
- 階段から転げ落ちる:5万円〜7万円
- 火だるまになる:70万円〜100万円
スタントマンは固定給が支払われるわけではないので、平均年収の幅が広いです。
スタントマンになるには?
スタントマンになるには、専門の事務所に所属することが一般的とされています。
いきなりフリーのスタントマンとして働くことは難しいです。
スタントマンになるまでの流れを大きく3つに分けてご紹介します。
①スタントマンの養成所に入学する
スタントマンになるには、まず養成所に入学する必要があります。
独学でスタントマンに必要な能力を身に付けても良いのですが、「演技・マット運動・ジャズダンス・少林寺拳法・現代アクション・馬術」などさまざまな能力を身に付ける必要があるので、養成所に入学した方が効率的です。
養成所は全国各地に設けられているわけではないので、地方に住まれている方は、東京や大阪、名古屋といった地域に引っ越す必要があります。
また、常に募集されているわけではないので、すぐに入学することは難しいです。
1年に1回程度しか募集されず、不合格になる可能性も考えられます。
スタントマンになるには、まず養成所の合格を目指すようにしてください。
②事務所に所属する
基本的に養成所は、スタントマン専門の事務所が運営していることが多いです。
そのため、無事に養成所を卒業できれば、スタントマンとして事務所に所属できます。
養成所を運営している事務所に所属することが一般的ですが、他の事務所に所属しても問題ありません。
また、スタントマン専門の事務所以外でも、スタントマンとして活躍できます。
所属する事務所は肝心なので、養成所で稽古しながら「どの事務所に所属するのか」ということを考えるようにしてください。
③スタントマンとして仕事を受ける
スタントマンとして事務所に所属できれば、担当のマネージャーが付くので、自分で仕事を探す必要はないです。
担当のマネジャーがスタントマンの仕事を探してくれます。
また、有名なスタントマン専門の事務所に所属した場合は、提携している映画会社やイベント会社があるので、経験の浅い方でも仕事を受けることができます。
上記でお伝えした通り、スタントマンは仕事を受けることで給与が支払われるため、1つでも多くの仕事を受けることが大切です。
スタントマンに求められる能力
スタントマンは映画やイベントなどの内容を左右する大切な役割を担うため、さまざまな能力が求められます。
スタントマンに求められる能力をいくつかご紹介するので、下記から参考にしてみてください。
優れた運動神経
スタントマンに最も求められる能力は、優れた運動神経です。
運動神経がなければ、指示通りのスタントをおこなうことができず、映画やイベントの質を低下させてしまいます。
質を低下させてしまうことになれば、次なる仕事をもらうことは難しいです。
また、運動神経がないことから、自分自身がケガをしてしまうことも考えられます。
場合によっては命を落としてしまう可能性があるので、スタントマンは優れた運動神経が求められます。
体力・勇気
スタントマンは激しいスタントをおこなうケースが多いため、人並み以上の体力が求められます。
映画やイベントなどにおいてスタントマンが主役になることはないので、スタントマンの体力に合わせられることはないです。
そのような環境でも、100%のスタントを披露することが大切になるので、スタントマンには人並み以上の体力が求められます。
また、スタントマンには「勇気」が必要です。
ビルからビルに飛び移るスタントなどは、基本的に命綱は設けられません。
その他にも、命の危険が伴うスタントは数多くあるので、勇気がなければ、スタントマンとして活躍することは難しいです。
コミュニケーション能力
スタントマンの仕事はチームでおこなうことが多いため、最低限のコミュニケーション能力が求められます。
チームの方々とコミュニケーションを図ることで、うまく連携をとることができ、指示通りのスタントをおこないやすくなります。
また、コミュニケーション能力が高ければ、周りの方と信頼関係を築くことができ、次なる仕事をもらえる可能性が高くなります。
ただし、スタントマンがセリフを担当することはないので、日常会話程度のコミュニケーション能力があれば、問題ありません。
スタントマンになる前に知っておきたい注意点
スタントマンになる前には、いくつか知っておきたい注意点があります。
スタントマンになったことを後悔しないためにも、下記から注意点を参考にしてみてください。
命を落とす危険性がある
上記でもお伝えした通り、スタントマンは激しいスタントをおこなうため、ケガする可能性があり、場合によっては命を落とす危険性があります。
実際にスタントマンとして命を落としている方は存在するため、「常に命を落とす危険がある」ということは把握しておくべきです。
しっかりと稽古をして、優れた運動神経があれば、命を落とす可能性は低いですが、「スタントマン=安全な職業」という考え方には注意してください。
年齢とともに活躍する機会は減る
スタントマンは優れた運動神経を必要とする職業ということがあり、年齢とともに活躍する機会が減ります。
第一線のスタントマンとして活躍できるのは、40歳までと言われています。
40歳以上になるとどんどん仕事が減ってしまい、自ずと年収が低下します。
スタントマンとして活躍した方は、養成所の講師や、事務所の裏方として働ける可能性がありますが、場合によっては40代を過ぎてから無職になる可能性があるので、注意してください。
スタントマンになることを考えている方は、年齢の増加とともに「何をして収入を得るのか」ということを考えておくことをおすすめします。
年収が高くない
スタントマンはケガをする可能性があり、命を落とす危険性もある職業なのですが、年収がそれほど高くありません。
上記でお伝えした通り、スタントマンの平均年収は300万円〜400万円です。
日本の平均年収は、約430万円なので、スタントマンは平均を下回っています。
スタントマンは命を落とす危険性のある職業ということから、「高収入」とイメージしている方が多いので、それほど年収が高くないことには注意してください。
【2021年最新版】日本の年収の中央値は437万円!中央値と平均は何が違う?
スタントマンとして年収を高くするには?
スタントマンの平均年収は300万円〜400万円で、日本の平均を下回っています。
しかし、スタントマンとして年収1,000万円以上を稼いでいる方は存在します。
スタントマンとして年収を高くするには、ハリウッドのスタントマンになる方法がおすすめです。
ハリウッドのスタントマンの平均年収は、1,000万円〜1,500万円と言われています。
日本のスタントマンと比較すると、約3倍以上の年収を得ることが可能です。
日本同様に固定給ではなく、1つのスタントに対して給与が支払われます。
ハリウッドのスタントマンの年収が高い理由は、日本よりもアクションのレベルが高いからです。
アクションのレベルが高くなればなるほど、命を落とす可能性が高くなるため、ハリウッドのスタントマンは高収入を得ていると考えられます。基
本的にスタントマンは顔が映されることがないので、日本人でもハリウッドで活躍することは可能です。
スタントマンになるには養成所に入学すべき
この記事では、スタントマンのなり方についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
スタントマンになるには、まず養成所に入学して、必要な能力を身に付けることが大切です。
独学でもスタントマンを目指すことはできますが、養成所では馬術や少林寺拳法といった独学では身に付けられない能力を身に付けられるため、養成所に入学することをおすすめします。
基本的に養成所はスタントマン専門の事務所が運営しているため、養成所を卒業できれば、スタントマンとして事務所に所属できます。
スタントマンはやりがいを感じやすい職業ではありますが、命を落とす危険性のあるので、安易に目指すことはおすすめしません。
この記事でお伝えした内容を参考にして、スタントマンになるか判断してみてください。