転職先からすぐに来てほしいと言われてしまった。
いますぐに入社して欲しいと言われても、残っている業務の問題もあるし、そんなにすぐには行けない。
とはいっても、あんまり入社日を変えてしまうと印象が悪くなってしまう。
せっかく新しい職場で気持ちよく再スタートをしたいのに!
不安ですし、焦りますよね。
その不安な気持ち、よく分かります。
今回は、退職を伝えるのは何か月前がベストなのかについて、具体例を示しながら解決策を提案させて頂きます。
少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね。
目次
退職を1カ月前に伝えるのは非常識?
退職を1か月前に伝えるのはまだ常識的です。
非常識な人であれば、辞める前日に退職を伝えてきたり、音信不通になってしまう人もいます。
但し、一か月前に退職を伝えられると、周囲も準備が出来ていません。
1か月前に伝えるのであれば、引継ぎなどの負荷が高まることや後任者がまだ決まらないうちに退職という事態になりがちです。
1か月前に退職を伝えることは、決して非常識ではないですが、引継ぎなどで周囲に負担をかけるのがほぼ確定しているということです。
どれだけ理不尽な職場であったとしても、仕事を残して退職していくということは紛れもない事実なので、出来るだけ誠実な対応を心がけてください。
どれくらい前から伝えておくべき?
出来れば退職予定日の二か月前に退職を伝えて頂ければありがたいというのが人事の本音です。
2ヶ月あれば何とか人員補充の手が打てます。
人事は、退職願が提出されたらすぐに求人の手配にかかります。
転職サイトの担当者と転職エージェントとの求人内容の打ち合わせや予算取りや決済をして、大企業であれば1ヶ月程度の時間がかかります。
中小企業やベンチャー企業であれば意思決定が早いので、おおむね1週間ほどで求人が出ることになります。
後任者の採用がどうしても決まらなければ他部署で優秀な人材に声をかけるなどして、引継ぎを出来る人を探すことになります。
この時間を確保するためにおおよそ二ヶ月は欲しいというのが本音です。
退職者が出て、欠員になる場合にはそれだけ周囲への業務負担が大きくなりますし、異動発令などもいきなりは出せません。
特に退職者補充が採用で上手くできなかった場合には、大企業の場合は、誰を異動させるのかなどの決定を行うために、各部署の管理職との間で根回しが必要になってきます。
人員に余裕のない中小企業やベンチャー企業であれば、社員が一人退職するだけで即欠員となってしまうことが多いですから、採用出来なければ後任そのものがいないということになってしまいます。
法的にはいつからOK?
法律的には退職日の2週間前の意思表示をすれば問題ありません。
労働基準法ではなく、民法の定めに準拠しています。
民法第627条の第一項により、期間の定めのない雇用(日本では正社員雇用で働く従業員を指します)の場合には、2週間前に退職の意思表示をして2週間が経過すればそれで雇用契約は全て解除されます。
本来は退職届や退職願は必要ありません。
また就業規則にはかなり無茶なものが結構あります。
「自己都合退職は退職する半年前に直属の上司へ申し出て、直属の上司と人事部の承認を経た上で退職をすること」などという無茶なことを書いている会社も結構あります。
この場合は、就業規則と民法を比較した場合、民法が当然優先されますので、2週間で退職することが可能です。
就業規則よりも民法の方が上だと考えてください。
就業規則は会社の中だけで通用するもので、民法は日本社会全体で守らないといけない法律であると考えるとよく理解できると思います。
退職届や退職願を提出して貰わないと会社が不利になる!?
本来は意思表示だけで成立するはずの退職ですが、退職願または退職届が無いと会社が法的に不利になるので提出をさせています。
実は、本来は提出する必要すらないのが退職願と退職届です。
会社側としては、退職届か退職願さえ確保しておけば、退職した従業員と労働トラブルに発展してしまったときに、「一身上の都合で従業員は辞めていったので、我々に責任はない。勝手に従業員が辞めたいと言ったので退職したのだ。」と言えてしまいます。
本当は提出する必要はありません。
会社と退職で揉めそうになった時に、一番効く交渉術があります。
こう人事に告げてください。
「退職届及び、退職願を私は提出せずに退職いたします。退職の意思表示をいまこの場で行います。民法第627条に基づき、退職いたします。時間は○○年○月○日午前○○時です。いまこの時間から2週間の経過で退職いたします。」
この答え方をすると労働基準法がよく理解できている相手はひるみます。
私が抱えたトラブルの中で一番厄介だったのが、この退職届および退職願を出さないで退職するぞと人事部に脅してきた社員でした。
退職後に従業員とトラブルを起こしたときや、退職後の転職先でトラブルを起こされたとき、この退職届の紙切れ一枚がないだけであらゆる紛争の種になります。
それをよく分かっている相手となると、人事側も慎重にならざるを得ません。
円満退職するための上司への伝え方!退職理由はどう伝えるべき?
退職届と退職願の違いとは!?
退職届と退職願の違いはとても大きなものです。
どうしても早く退職しなければいけない事態に陥った場合には、退職願ではなく退職届を提出する必要があります。
退職願とは退職を願い出る書類です。
退職をしますが、退職をさせて頂けますか?ご返事くださいねというのが退職願です。
退職するのに会社側の許可が必要なのが退職願です。
反対に退職届は、退職を一方的に会社に労働者から通告するものです。
名前の通り、届です。
願い出るのではなく届け出るので、さっさと受理してくださいという意味が含まれています。
もしも会社と退職の時期で揉めるくらいであれば、一方的に「退職届」を提出して意思表示すればそれでおしまいです。
会社も退職願ではなく退職届を提出されてしまえばそこで2週間以上は拘束できない状態に陥ります。
それほど「退職願」と「退職届」の扱いは違います。
円満退職したいのであれば、上司や人事部と相談して退職願の日付については相談するのがベターです。
もしもこれ以上耐えきれそうにない、この職場と会社にこれ以上関わるのはもうゴメンだというくらいに追いつめられている状態であれば、退職届を作成して、退職日をその日付から2週間後に書いておいて、有給消化などをするようにしましょう。
あまりおススメではありませんが、精神または肉体的な健康が損なわれそうな場合であればやむを得ません。
退職届を出したら、後戻りはもう出来ません。
覚悟を決めて提出するようにしましょう。
転職先からすぐに来て欲しいと言われているときは?
転職先にすぐに入社して欲しいと言われたら、転職先の要請に答えてあげるのが筋です。
いま在籍している会社を辞めた後、生活の基盤を作るのは転職先の会社から発生する賃金です。
流石に明日から来てくれなどという無茶なことを言われた場合には入社日を調整すれば良いですが、3週間以内に来てくれと言われた場合には要請に答えるようにしましょう。
現場は1日でも早く人手が欲しいと思っています。
どうしても行きたくて仕方がなかったから入社を決めたのでしょうから、判断をするのは容易です。
これまでの説明と矛盾するようですが、転職先が待ってくれないので、1日でも早く辞めさせてほしいといま在籍している会社の上司や人事に掛け合うようにしましょう。
次が決まっている以上、会社側も無理な引き留めは出来ません。
もうその会社で仕事をするモチベーションが残っていない社員を引き留めても仕方ないということは会社側も理解しています。
まして引き留めの結果で転職先から内定取り消しなどをされてしまえば、その後の人生に大きな影響を与えてしまいます。
素直に転職先から一刻も早く入社してくれと言われていると現職に伝えるようにしましょう。
「もう話が決まってしまっているなら仕方ないなぁ」と引き留める側もあきらめがつきます。
何も言わずにある日、忽然と姿を消すのは辞めておこう!
会社側にも問題もありましたが、こんな事例がありました。
ある日、会社に突然来なくなり、連絡先も変えて、引っ越しもしてしまい、連絡が途絶えてしまった社員がいました。
大企業で凄い数の社員がいましたので、何日か欠勤した後になって初めて人事部に管理職が連絡してきたのです。
「何日か前から欠勤している社員がいるのだが、全く連絡が取れない。緊急連絡先に人事から連絡してほしい!」
このような要請が現場から上がってきました。
入社時に緊急連絡先をいくつか書いてもらっていましたので、緊急連絡先に連絡したところ、音信不通になった社員の実家に連絡がつき、社員のお母様にやっと連絡をつけることができました。
衝撃が走ったのはその後です。
「息子はすでに新しい職場でもう働いています」とお母様に言われました。
その後に、ハローワークからクレームの電話が人事部あてに掛かってきました。
「○○さんの雇用保険の資格喪失が出来ていないと、○○さんの転職先の人事の方からクレームが入っています。早く資格喪失の手続きに来てください。よろしくお願いいたします。法律を守って期限内に手続きをしてもらわないと困ります!」という内容でした。
お粗末な話ですが、全く部下の管理の出来ていない管理職だったのです。
なんとその社員の方は1ヶ月以上前からすでにアルバイトとして転職先の会社で働いていたのです。
それで欠勤していたのです。
完全に信頼関係が崩壊していたのか、管理職にも人事部にも、一切連絡なく退職していったということです。
大問題です。
急いで社会保険の喪失手続きを取り、雇用保険の資格喪失には退職願または退職届のように退職の事実確認のために書類が必要なので、お母様に連絡を取り、必要な書類を取り寄せました。
最悪です。
特に転職先の人事部の方には連絡しませんでしたが、これは無断欠勤なので下手をすれば懲戒解雇扱いになってしまいます。
このような辞め方をしたという事実を転職先が知ればどのような扱いを受けるのかは火を見るよりも明らかなので、最後まで転職先には知らせませんでした。
ひとつ間違えれば履歴書の賞罰欄に、「懲戒解雇された過去がある」と書かなければならない状態になっているところでした。
無断欠勤は絶対に避けるようにして下さい。
辞めると言ってきた人に対して罵声を浴びせるような会社は殆どありません。
無断欠勤のように音信不通での退社には大きなリスクがあることを知っておいてください。
仮に辞めた会社に何も告げずに次の会社で働き始めたとしても雇用保険と社会保険は二重加入できないので、絶対にハローワークと年金機構からクレームの電話が辞めた会社に入ってきます。
そこで転職先の名前ごと人事には分かってしまいます。
何も言わずに会社を去ることは絶対に避けるようにして下さい!
自分が後々に不利な立場に追いやられるだけです。
誠意をもって退職手続きは行うようにして下さい。
試用期間中は即日退職できる?どうしても今日中に退職したいときの対処法
退職の挨拶はどんな内容がいい?最後の出社日にやっておくべきこと
退職の時期については、誠意をもって伝えるようにしよう!
無断欠勤などはもってのほかですが、事前に知らせていれば退職の時期に関するトラブルは防げるものばかりです。
転職先から内定を貰い、入社の意思が完全に固まっているのであれば一秒でも早く直属の上司に連絡を入れるようにしましょう。
上司とは必ず話し合いをするようにしましょう。
引き留めてくる可能性もありますが、何も言わずに会社を辞めることは出来ません。
上司を説得し終われば、あとは人事部の社員に連絡が行き、そこで退職金や有給消化の話が始まります。
そうなればあとは退職日まで耐えるだけの状態になります。
面倒ですが、退職金や有給休暇、ボーナスなどは退職日次第で大きく変わります。
貰えるものを全て貰って退職するためには、結局のところ、正面を切って話し合いをするしかありません。
退職面談を乗り切ることが出来れば、あとはあなたの勝ちです。
新たな職場でのご活躍をお祈りしております!
上司からの退職の引き止めで困らないために事前にやっておくべきこと
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