「退職代行で失敗したくない」
「代行業者を選ぶポイントを知りたい」そう考えているそこのあなた。
退職代行を使うときには、対応してもらえる範囲を確認しておくことが重要です。
会社をなるべく早く辞めるためには事前の準備も必要と考えましょう。
この記事では退職代行の失敗例と、業者選びのポイントをまとめました。
退職代行を使って会社を辞めたい人におすすめの内容です。
目次
退職代行で失敗する8つの例
退職代行で失敗は考えられるものには以下があります。
- 退職代行を使ったのに職場から連絡が来た
- 仕事をすぐに辞められなかった
- 離職票をすぐに受け取れない
- 未払い給料の受け取りや有給消化ができなかった
- 退職代行を使ったら職場でいじめにあった
- 退職代行に支払ったら音信不通になった
- 費用が思ったよりも高くついた
- 会社の制服や借りていたものは自分で返す必要があった
まずは、それぞれのポイントについて確認しましょう。
退職代行を使ったのに職場から連絡が来た
退職代行を使った場合でも、高い確率で職場から連絡が来ます。
本当に従業員本人の意思なのか、企業は確かめなくてはなりません。
代退職代行サービスでは「依頼主への電話は避けてください」と言った注意を伝えことが多いですが、法的な効力はありません。
ほかにも、退職意志の確認だけでなく、書類の提出や引き継ぎなどで連絡が来る場合もあります。
退職代行を使ったからと言って、会社からの連絡が100%避けられるわけではありません。
企業では本人確認のために、退職代行に依頼した従業員へ電話をかける場合がほとんどです。
仕事をすぐに辞められなかった
退職代行を利用しても、その日のうちにやめられるとは限りません。
即日退職ができる条件は以下に限られるので注意しましょう
- 正社員で2週間以前に退職の相談をしている
- 退職を申し入れた時点で2週間以上の有給休暇が残っている
即日退職を希望する場合、2週間の有給を使って出勤をストップする方法があります。
2週間以上の有給休暇を残している社員であれば、退職を申し入れた時点で出社する必要がなくなります。
代行業者の中には「即日退職」に似ている言葉の「即日対応」を使っている会社もあるので注意しましょう。
離職票をすぐに受け取れない
退職代行を使うと、会社から離職票をすぐに受け取れない危険性があります。
退職代行を使うと、直接本人とやり取りするよりも時間がかかるので受け取りに期間があると考えましょう。
離職票がないと失業給付金や保険証の変更、年金の手続きができません。
その後の生活に関わるので、離職票はなるべく早く受け取りたいですよね。
退職代行を利用するときは、離職票発行の希望を必ず伝えてください。
代行業者を使わない場合でも離職票を受け取るためには、退職から2週間以上の期間が必要です。
未払い給料の受け取りや有給消化ができなかった
代行業者によっては、未払い給料の受け取りや有給消化の対応がサービスに含まれていないことがあります。
基本的に法律が絡む企業とのやり取りは、弁護士が所属していない代行業者には依頼できないと考えましょう。
「せっかく代行業者に頼んだのに仕事を辞める連絡代行だけだった」という可能性もあるので注意してください。
思った通りの結果がでるかは、代行業者の対応範囲に左右されます。
退職代行を使ったら職場でいじめにあった
退職が決まってから職場でいじめに合う可能性はゼロではありません。
忙しすぎて人員不足が考えられる職場では、辞める人への風当たりが強くなることが考えられます。
代行サービスを使って退職を決めてから、実際に辞める日付までに出勤が求められることもあるでしょう。
有給休暇は2週間以上残っていない場合は、とくに注意してください。
職場にいづらくなることを覚悟して退職代行を使いましょう。
退職代行に支払ったら音信不通になった
退職代行を語る詐欺グループも珍しくありません。
詐欺は依頼後の打ち合わせが終わり、費用を支払ったタイミングで音信不通になる場合が多いです。
詐欺にあってしまうと、代金だけ持ち逃げされてしまうので気をつけてください。
犯罪目的の代行業者は初めは丁寧な言葉遣いや対応をするので、見分けることは非常に難しいです。
加えて、退職代行の中にはレスポンスが遅かったり、態度が悪かったり、依頼者に配慮が足りない会社もあるので注意しましょう。
費用が思ったよりも高くついた
退職代行サービスを使うと費用が思うよりも高くつくことがあります。
サービスの金額は2万~7万円前後が相場です。
人によっては「仕事をやめるだけなのに高額だ」と思うこともあるでしょう。
基本的に弁護士による退職代行サービスは5万円以上の代金がかかることがほとんどです。
代行業者の場合のサービス料は2万円前後ですが対応できる範囲が限られているので注意してください。
会社の制服や借りていたものは自分で返す必要があった
転職代行を使っても、自分で会社の制服や貸出品の返却を対応しなくてはいけないことがあります。
代行業者によっては、依頼者と企業の荷物のやり取りを請け負ってもらえないことがあるので注意してください。
「会社とやり取りをしたくない」という意思で代行業者に依頼しても、対応してもらえないことに注気をつけましょう。
会社に荷物を送る場合、制服はクリーニングをしてから返却することが基本です。
カードキー会社が発行した身分証などは、なるべく早く返却を進めてください。
退職代行で後悔しないためのポイント
退職代行で後悔しないために、以下の点に注意しましょう。
- 自分の理想とする退職方法を見極める
- 非弁業者を選ばない
- 対応してもらえる範囲をきちんと確認する
- 退職代行のホームページや口コミを確認する
- 料金プランをチェックする
- 公務員は退職代行を使えないので注意
- はじめから弁護士に依頼する
自分の理想とする退職方法を見極める
退職代行のサービスを選ぶ前に自分でイメージを固めてください。
以下をリストアップすると、理想となる退職方法がスムーズに考えられます。
- 未払い給与や残業代の支払いなど企業へ求めることを考える
- 退職代行に対応してほしいこと
- 企業に発行を依頼する書類
理想的な退職方法のイメージを固めることで、自分にぴったりの退職代行サービスが選べるでしょう。
対応してもらいたい範囲を見極めるためにも、この作業は重要です。
非弁業者を選ばない
退職代行で失敗しないためには非弁業者を選ばないことが重要です。
弁護士が提供している退職代行や労働組合などが運営する代行サービスを利用しましょう。
弁護士資格を持たない代行業者が、企業と退職の交渉をすることは弁護士法違反の非弁行為にあたります。
退職に関わる法的な交渉は弁護士以外できないので、代行サービスを選ぶ場合は要注意です。
非弁行為が原因で、法的なトラブルに巻き込まれることもあるので注意してください。
対応してもらえる範囲をきちんと確認する
退職代行を使うときは、対応してもらえる範囲を事前に確認しましょう。
初回の電話連絡やカウンセリングで、代行のサービス内容を確認してください。
弁護士や労働組合が関わっていない代行業者は、以下の代行が対応できる限界です。
- 依頼者の退職意志を伝えること
- 会社に事務的な書類を代行で送る
退職日程の調整や有給の買取交渉などは対応してもらえないので注意しましょう。
業者の種類 | 業務範囲 |
---|---|
弁護士の退職代行 | ・退職意思の伝言 ・退職日の調整など退職に関する交渉 ・有給休暇の交渉 ・離職票・源泉徴収票などの発行請求 ・残業代・未払いの給与・退職金の請求 ・損害賠償請求、ハラスメント問題の対応 |
労働組合の退職代行 | ・退職意思の伝言 ・退職日の調整など退職に関する交渉 ・有給休暇の交渉 |
一般的な代行業者 | ・退職の意思や連絡の伝達 |
未払い賃金の請求やハラスメント問題が関わる退職の場合、弁護士が提供するサービスに申し込むことをおすすめします。
退職代行のホームページや口コミを確認する
退職代行選びに失敗しないために、ホームページや口コミを事前にチェックしてください。
公式サイトでどのような記載があるのか確認し、所属しているスタッフなどを検索してみましょう。
弁護士事務所なら、これまでどのような案件に関わってきたのか探ることも重要です。
対応数が少なかったり悪い口コミが多かったりする退職代行は、サービスの質が悪いと考えられます。
会社名でSNSも検索し、相談した人や依頼した人の感想を参考にしてください。
公務員は退職代行業者を使えないので注意
公務員は、弁護士が提供する以外の退職代行を利用できません。
労働組合も作れないため、労働組合を守るサービスも申し込みが不可能です。
公務員が退職代行を依頼する場合は弁護士を選ぶ必要があります。
地方公務員法や国家公務員法という法律が適用される公務員は、退職の許可を求める交渉が必要です。
「公務員も退職できます」というような広告を使っている業者には、気をつけてください。
はじめから弁護士に依頼する
退職代行で後悔したくない人は、弁護士に依頼しましょう。
金額はやや高い傾向ですが、サービスのレベルが高く手厚いサポートが受けられます。
会社と揉めそうだったり、すでにトラブルを抱えていたりすると、対応できる代行サービスが限られます。
給料の未払いがあったり、ハラスメント問題があったりする場合は、はじめから弁護士の退職代行をおすすめします。
退職代行は弁護士がおすすめ!その理由を4つ紹介
退職代行の依頼は、弁護士事務所が行っているサービスを選ぶことをおすすめします。
弁護士が行っている退職代行であれば、以下のメリットがあります。
- 損害賠償請求に備えられる
- 退職に関わる手続きを全て代行してもらえる
- 日払いの給料や残業代の請求もしてもらえる
- 弁護士なら不当解雇にも対応してもらえる
損害賠償請求に備えられる
弁護士に退職代行を依頼すれば、万が一、企業から損害賠償請求をされても対応をしてくれます。
トラブルが広がるような退職代行が避けられるので、新たなトラブル問題が起きる可能性も抑えられるでしょう。
基本的に会社から損害賠償請求をされることはほとんどありません。
しかし、法的な問題があった場合でも、弁護士の退職代行サービスは法律的な分野も対応してくれるので安心です。
退職に関わる手続きを全て代行してもらえる
弁護士が提供する退職代行は、企業を辞めるときの手続きをすべて請け負っています。
企業に退職の意志を伝えて、退職届を送付するだけで終わりではありません。
弁護士であれば退職金を規定通りに計算し、金額の交渉をすることも依頼として対応できます。
企業との法的な交渉が可能なため、依頼者が満足できる退職につながるでしょう。
未払い給料や残業代の請求もしてもらえる
未払いの給料があったり残業代を受け取っていなかったりする場合も、弁護士なら会社に請求できます。
賃金トラブルを抱えている人は、退職代行を担当している弁護士への相談がおすすめです。
個人だけで未払いの賃金や残業代を請求することは非常に難しいので、プロの力を借りることが重要です。
交渉が決裂した場合も、弁護士は法律的な観点で動けるので問題解決につなげられるでしょう。
【番外編】弁護士なら不当解雇にも対応してもらえる
会社から急にクビを切られたときも、弁護士はスムーズに対応してくれます。
退職の意思はなかったのに突然辞めさせられたら、不当解雇の事案を扱っている弁護士に相談しましょう。
給与未払いや、受け取っていない残業代などがある場合も、対処してもらえることがメリットです。
不当解雇を受けてから働いていない期間の賃金を請求することも可能なので、相談する価値があります。
退職代行を使う前に気をつけたいこと
退職代行を使う前に気をつけたいことをまとめました。
- 自分で会社に退職を伝えられないかよく考える
- 会社に部署異動などをお願いできないか考える
- 引き継ぎの資料やデータをまとめておく
代行サービスを使う前に、自分で退職の意思を伝えられないかよく考えましょう。
働きにくいと感じる人は環境を変える努力をすることも重要です。
自分で会社に退職を伝えられないかよく考える
退職代行を利用する前に、自分で辞めることを伝えられないかよく考えてください。
第三者に依頼して退職の連絡をすると、企業からの印象が悪くなります。
退職代行サービスを使うことで、トラブルが起きてしまう可能性もあるでしょう。
自分で伝えれば円満退社できる可能性はないか、視野に入れて動いてください。
退職できないことが原因で心身に不調をきたしている場合は、弁護士や労働組合への相談をおすすめします。
会社に部署異動などをお願いできないか考える
働きにくさに悩んでいる場合は、すぐに退職代行を使って会社を辞めてしまうことはおすすめしません。
会社に部署の異動や配置換えなどの相談を試しましょう。
環境が変われば働きやすくなることが考えられます。
職場でトラブルに悩んでも、配置や部署が変われば解決する可能性があります。
退職代行サービスに依頼する前に、上司に相談しましょう。
引き継ぎの資料やデータをまとめておく
退職の意思が固まっている場合は、引き継ぎの使用やデータをまとめておきましょう。
取引先のリストや、担当中の仕事の進捗表なども分かりやすいところに置くと親切です。
代行サービスに依頼する前に、会社の仕事を精算しておくことが重要です。
備品や貸出品などをまとめておき、返却用の制服をロッカーに入れておくなど、前もって退職の準備をすることをおすすめします。
【退職代行で失敗しないために】よくある疑問を解消
退職代行サービスで失敗しないための疑問を解消します。
- 退職代行を使うと損害賠償請求される?
- そもそも退職代行を使えば必ず退職できる?
- 退職代行を使うと懲戒解雇される?
- 退職代行への依頼は違法?
以上の疑問について、それぞれ回答をまとめました。
退職代行を使うと損害賠償請求される?
退職代行を使っても損害賠償請求されることはほとんどないと考えられます。
退職の意思が大きい社員に対して、企業が時間とお金をかける可能性は低いです。
経営に大きな損害がない限りは、退職代行を使ったことを訴える企業はいないでしょう。
ただし、損害賠償されることは絶対にないとは言い切れません。
退職代行を使われた企業は、通常の退職とは異なる手続きが必要です。
「辞める社員に責任はまったくない」と判断されることは少ないでしょう。
そもそも退職代行を使えば必ず退職できる?
退職代行を使った場合、結果として退職が成功することが多いです。
連絡をもらった企業も、全体の傾向として退職に応じる可能性があります。
無期雇用の正社員は、いつでも退職する自由が法律で保護されています。
企業が退職を認めないことは不可能なので、応じる必要があるでしょう。
退職の意志が固い社員を引き止める労力を考えると、仕事を辞めることを受け入れる企業も多いのではないでしょうか。
退職代行を使うと懲戒解雇される?
退職代行を利用したことが原因で懲戒解雇される可能性はほとんどありません。
日本では労働者は法律によって保護されているので、企業は解雇するハードルが高いです。
犯罪を犯したり経営に大きな実害があったりする理由でなければ、社員が懲戒解雇されることはほとんどないでしょう。
退職代行への依頼は違法?
退職代行への依頼自体は違法ではありません。
ただし、弁護士以外の退職代行が企業と法的な交渉をすることは違法です。
- 未払い給与の請求
- 有給休暇の調整
- 退職日の決定
以上の交渉や連絡は、弁護士しか担当できません。
違法な退職代行を使ってしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性があるので注意してください。
退職代行で失敗しないためには、弁護士が提供するサービスの利用をおすすめします。
退職代行で失敗しないためには下調べが重要
退職代行サービスの失敗や後悔を避けるために、下調べを徹底しましょう。
どのようなサービス内容なのか、対応してもらえる範囲はどれくらいなのか、事前にチェックしてください。
自分に合った退職代行を使うために、口コミや評判を探すことも重要です。
サービスに申し込む前には、理想とする退職方法をリストアップしましょう。
会社へ発行を依頼したい書類や、返却物などもリストアップしておくと退職がスムーズに行えます。