ボーナスを貰ってすぐに転職するのはありなのだろうか。
そもそもボーナスを貰って転職するのは会社側にどう思われるのだろうか。
それとも、辞めるというとボーナスは支給されないのだろうか。
ボーナスの金額を減らされちゃったりするのかな。
その不安な気持ち、とてもよく分かります。
今回は、ボーナスを貰ってすぐ転職しても大丈夫なのかについて、パターン別に完璧なスケジュールを伝授いたします。
少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね。
目次
ボーナスを貰ってすぐに転職しても大丈夫か
ボーナスを貰って転職するのは問題ありません。
そもそもボーナスとは、普段働いていた努力(評価)の後払いの側面が強いものです。
経営者によっては、これからも頑張ってもらうために支給すると言い張って、退職する人には支給したくないという経営者もいますが、社員側からすればボーナスは普段の給与に支給されるべき金額を後で上乗せ支給しているにすぎません。
営業職のインセンティブボーナスなどはその典型です。
労働基準法上、一回上げてしまった給料を下げることは出来ない。
だから普段の頑張りをボーナスに上乗せして支給しているのです。
ボーナスを受け取らないと、賞与算定期間中に得た仕事の努力(評価)が水の泡になってしまいます。
ボーナスを貰って辞めていくことは悪い事ではありません。
貰えるものは貰っておきましょう。
貰っておかないと後悔します。
どれくらいの人がボーナスを貰って転職しているか
「ボーナス貰って辞めてやる!」と退職する人がほぼ99%です。
ボーナス支給日に退職届を出して、すぐに有給消化を始める人もいます。
それくらい仕事が辛かったという事でもあると思います。
退職者はみんな、ボーナスをきっちり受け取って辞めていきます。
ごくまれにボーナスを貰う前に辞める社員がいますが、総務や人事、経理といった管理部門の社員だけです。
経営者と普段、一緒に仕事をしているだけに退職時にボーナスを受け取って何を経営者から言われるのか怖いので、管理部門の社員は退職時にボーナスを受け取ることは少ないです。
例外として、私は管理部門の社員ですが、これまでの退職時にボーナスをしっかり受け取っています。
それで文句を言われたことはありません。
転職するとしてもボーナスはこれまで頑張って出した成果の後払いなので、どの道、文句を付けられる言われはないと考えて受け取っています。
会社を退職するときには損だけはしてはいけません。
ボーナスだけはしっかりと受け取ってから退職するようにしましょう。
転職後は給与の締日などの関係で最初の給与を受け取るまでにタイムラグが発生する可能性もあるので、出来るだけ現金に余裕は持っておきたいところです。
ボーナスを貰うための転職スケジュール
賞与支給日は日本では民間企業でも、公務員の支給日に合わせているところが多いです。
たいていの場合は7月10日から7月の第三週あたりに支給され、12月10日から12月の第三週までに支給されます。
企業によっては、6月中か12月中かというようにアバウトです。
感覚としては、大企業は7月10日と12月10日前後で、中小企業は6月10日と12月10日前後というイメージです。
企業の採用活動の活発化とこの賞与支給の時期は、非常に近いです。
転職活動は2月がピーク
企業の中途採用者の採用活動の活発化は例年2月ピークです。
ボーナス支給日に合わせて退職者が増えるので、ボーナス支給日の退職者を狙って求人を仕掛けています。
12月10日にボーナス支給日が来るとして、その日に退職届を出す人も多いです。
辞めるというとボーナスを減額される可能性が高いので、そこを考慮すると12月10日に退職届提出を行い、1月に転職活動を始めて、2月に受けたい企業を確定し、4月までに入社をしてくる人が多いということです。
理想のパターンは、12月10日付近に賞与の振り込みを銀行口座でしっかりと確認してから退職届を提出し、即座に転職活動を開始します。
但し、年末年始なので企業の動きは活発化していません。
求人ピークの2月を見据えて、しっかり意識して転職活動を開始してください。
求人最大ピークである毎年2月が転職の最大チャンスです。
ここを逃さないようにしっかりと計画を立ててください。
この2月の求人ピークを逃してしまえば後は8月の求人ピークまでしばらくは転職活動をしても無駄というくらいに転職市場が干上がります。
また8月のお盆明けは採用活動に失敗してしまった企業も多く、ブラック企業に引っかかる可能性が増大すると考えてください。
あくまで1年間のボーナス全てを受け取ったあとの、2月の求人ピークまで我慢が鉄則です。
ベストタイミングを逃さないようにして下さい。
ボーナスを貰わないとどれくらい損するのか
ボーナスを貰わずに転職すると少なくとも半年間以上は損をします。
転職先の会社で賞与が支給されるのは少なくとも試用期間が終わったあとになる可能性が高いです。
もし仮に、試用期間が無事に経過して終了するまでの間にボーナスが支給されたとしても10万円以下という企業が圧倒的に多いです。
仮に月給30万円で賞与年間4カ月の会社の場合、年間のボーナス総支給額は約120万円。
受け取らないと単純に120万円を損するということもありますが、問題はこれだけにとどまりません。
転職先での賞与の支給が1年間お預けといった会社もあるからです。
転職後すぐにボーナスは貰えるのか
転職後にすぐにボーナスを貰える可能性は低いです。
試用期間が仮に半年あるとして、その半年間は賞与の算定期間にならないといった会社も多いので、試用期間中はボーナスが出ません。
加えて賞与算定期間が試用期間終了後の場合には、さらにボーナス支給日が遠ざかります。
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賞与(ボーナス)の支給については就業規則で確認しよう!
ボーナスの支給・不支給については入社時に会社から配布される就業規則をよく確認する必要があります。
ボーナスは基本的に支給するのもしないのも、会社の自由となっています。
ボーナスが貰えるかどうかは、就業規則の定めによります。
ボーナスについては労働基準法上の定めがないので、就業規則に完全に支給の根拠があります。
就業規則のボーナスの支給についての文言を確認するようにしましょう。
就業規則で賞与(ボーナス)規定を必ず確認しよう!
就業規則通りにボーナスは支給する必要があります。
就業規則は会社の憲法なので、これを守らないと経営者が社員との約束を反故したことになります。
就業規則で確認すべき文言を紹介いたします。
在籍中でなければボーナスが支給されないかどうかの確認
ほとんどの会社で就業規則上にボーナスについて規定されています。
簡単な言葉で表現するとこうなります。
この文言が書かれている場合には、賞与支給日よりも先に退職した場合にはボーナスが支給されません。
有給休暇の使用中はまだ退職していないので支給される可能性が高いです。
必ず残っている有給休暇を活用するようにして下さい。
例えば12月10日ちょうどに、どうしても耐えきれずに退職したい場合には有給消化をするのが最も有効な手段です。
有休休暇が仮に40日残っているとして、土日休みの会社であれば一か月の出勤日数がおおよそ22日から20日になっています。
会社のカレンダーを確認して、11月あたりから有給消化の上、退職する旨を申し出ればギリギリ、有給消化中に賞与支給日を迎えることになりますので、ボーナスの支給を受けることが可能です。
どうしても精神的に辛い場合には、会社のカレンダーと有給休暇の残日数を確認してみて下さい。
ボーナス支給日に会社に籍が残っていればボーナスを手に入れてから辞めることが出来ます。
但し、賞与の支給にはこれからの活躍を期待して算定する経営者もいますので、その場合には支給日よりも先に退職届を出していることで退職金が少し減らされる可能性があります。
どうしても我慢できないかどうかを慎重に見極めましょう。
転職先に入社してからも絶対に確認しよう!試用期間中の扱いに気を付けよう!
転職先に入社した際、就業規則を配布されると思います。
就業規則の賞与規定を必ず自分の目でしっかり確認するようにして下さい。
試用期間を賞与(ボーナス)の算定期間に算入するかどうかで扱いは大きく変わります。
企業によって試用期間中の扱いはバラバラですが、試用期間を賞与算定期間に算入する場合には賞与が転職してすぐに支給されます。
反対に算定期間に試用期間が算入しない場合には、賞与は支給されません。
中途採用者が採用されてすぐにボーナスが入る場合もありますが、よほどの大企業だけだと考えるのが無難です。
大半の中小企業では入社してすぐにはボーナスは1円も支給されない可能性が高いです。
これくらい試用期間中の扱いによって賞与支給金額には差が出てしまうものなのです。
試用期間の長さによっては転職後の初ボーナスが入社してから半年以上経過してからということもザラです。
賞与(ボーナス)支給日退職で特に気を付けた方が良い事!
いくら賞与(ボーナス)規定で決まっていると行っても、気を遣って退職するに越したことはありません。
賞与の仕組みを知っているのは経営者と管理部門の社員くらいなもので、実際には現場の部課長職が良い顔をしないという現実もあります。
管理職によっては賞与支給日退職を、「ボーナスを食い逃げされた」というような表現をして悪しざまに捉えている人も少なからずいます。
一般社員と違い管理職はどうしても会社側の人間として仕事を遂行することが多いため、避けられない衝突といったところです。
制度上ではなく感情面の問題が必ず起こるのが賞与支給日にいきなり退職届を叩きつけるという行為です。
出来る事であれば周囲の感情に配慮して、賞与支給日に退職届を叩きつけるのではなく、賞与支給日を少し過ぎてから退職届を提出するといったやり方の方がいらない摩擦を生みません。
周囲と不要な摩擦を生まない退職スケジュールをご紹介!
12月10日が1年間を通して最後のボーナス支給日だと仮定します。
12月28日から各企業が年末年始休暇に向けて慌ただしい動きを始めます。
12月25日あたりに退職を切り出すのが無難です。
賞与支給日から2週間ほど経過したタイミングで、しかも年末年始の仕事納めの近くなので慰留される可能性も低くなります。
ゆっくり話す時間もなく、かつ、賞与支給日からかなり時間がたってからのタイミングです。
退職日は管理職と話し合いで決定します。
そして、求人ピークである2月に向けて転職活動を開始し、内定を取れる可能性が最も高い時期に転職活動を行います。
できるのであれば退職日は3月あたりに設定しておき、2月中は転職活動を始めるために有給休暇を取得するようにしましょう。
そうすれば、転職活動成功率の一番高い2月中に転職活動を行うことが可能です。
年明け早々に転職が決まってしまっている場合には!?
年明け早々に転職先への入社日が設定されている場合には、12月10日前後のボーナス支給日よりも前に退職届を提出しておくのが無難です。
賞与が減額されたとしても次を確保しているので収入源が途絶えることはありませんので、余裕を持って退職についての話を管理職にするようにしておきましょう。
多少、賞与が減額されたとしても次がすでに確保されているのであれば、10万円以内程度の賞与減額であれば受け入れても問題ありません。
ボーナス支給日前後退職は賢く切り抜けよう!
先述した通り、ボーナスを受け取って退職することは決して悪い事ではありません。
どのような形であっても、賞与支給日に会社に在籍をしていればボーナスを受け取る権利が社員にはあります。
但し、タイミングによっては会社と喧嘩別れの形になってしまうことも多々あります。
次の転職先がもしも同業他社である場合には転職後に影響する可能性も高いですので、絶対に周囲と揉めての退職は避けるようにしましょう。
意外と世間は狭いもので、同業他社であれば転職後も仕事でお付き合いする可能性が高いです。
周囲の感情に配慮して、気持ちよく転職できるように賞与支給日前後の退職には気を配るようにしましょう。
新天地でのご活躍をお祈りしております!