新卒採用のため就活する学生の多くは、自分の知っている企業や人気企業を選びがちですが、社会人になると「自分の会社が業界でどのくらいの順位なのか」「仕事をするうえで何が大切なのか」がだんだん分かってきて、企業の選び方も変わってくるでしょう。
ビジネスパーソンが自ら働いてきた経験を踏まえて選んだ企業や選んだポイントは、あなたが転職先を選ぶ上で非常に参考になるのではないでしょうか。
今回はDODAが実施した調査をもとに、転職したい企業ランキングと人気企業の特徴をご紹介していきます。
目次
転職したい企業ランキング2022 1位~20位
転職したい企業ランキング2022はDODAがに22歳~59歳の正社員約5000人を対象に調査を実施し、発表したランキングです。
この調査では調査対象者に希望する企業を3社あげてもらい、選んだ3社に持ち点の10ポイント振り分けた後総合点を集計し、ポイント数の高い順にランキングしています。
300位までランキングはあるのですが、今回は20位までの企業を抜粋しました。
- 1位 トヨタ自動車
- 2位 Google
- 3位 ソニー
- 4位 Amazonジャパン
- 5位 楽天
- 6位 パナソニック
- 7位 AppleJapan
- 8位 キーエンス
- 9位 リクルートホールディングス
- 10位 ソフトバンク
- 11位 全日本空輸(ANA)
- 12位 Yahoo!
- 13位 任天堂
- 14位 サントリーホールディングス
- 15位 日本Microsoft
- 16位 本田技研工業
- 17位 日本航空(JAL)
- 18位 三菱商事
- 19位 日立製作所
- 20位 東日本通信電話(NTT東日本)
トヨタ自動車・Google・ソニーは前年度2021年も、同様に1~3位を取得しています。
どの企業も全国のみならず世界的に活躍している企業です。
選んだ理由もコロナ禍でも安定して経営できている企業である点、また多様性やチャレンジのできる環境を求めているなど、安定性と多様性を意識した回答が多くみられました。
トヨタとGoogle以下の企業は、pt数で大きな差をつけられています。
上記2つの企業はpt数でもそれ以下の企業に大きな差をつけていますので、人気が二分しているといってもいいでしょう。
2022年で前回のランキングより10位以上アップした企業とその理由
前年よりも10位以上順位を上げた企業は、9位のリクルートホールディングスです。
前年度は19位でしたから、大幅な順位向上がみられています。
リクルートホールディングスといえば、転職サービスをメインに展開しているイメージがありますが、グルメ予約サイトや美容予約サイトの運営など様々な領域に事業を展開しています。
各領域でも専門性の高いサービスを展開しているほか、常に新しい事業を展開する姿勢を評価されています。
提供しているアイデアが非常に豊富です。
チャレンジできる環境が用意されているので、主体性を持って働きたい方にもおすすめです。
2022年で投票者の支持が集まった会社の特徴は?
2022年のランキングで投票者の支持が集まった会社の特徴としては、下記2つがあります。
- 会社自体の知名度
- 新しいことにチャレンジできる環境か
2022年に上位にランクインした企業は、どれも会社自体の知名度が高い企業ばかりです。
選んだ理由を見てみても、普段使っている企業、実際に使っている製品があるから身近に感じるなどのネームバリューの大きさが挙げられています。
コロナ禍により企業の不安定性が目立つこともあり、有名企業=安定しているという認識が強いことがうかがえます。
また、新しいことにチャレンジできる環境が用意されているかも、選出理由として多く挙げられています。
新しいアイデアを試せる環境か、新しいことにチャレンジできる環境が用意されているかが重要視されています。
先進的な企業が第一線で活躍している様子が見られていることから、活躍できる環境を求めている人が多いことがうかがえます。
2022年でIT系企業がランキング上位をして占めている理由
2022年のランキングを見てみると、IT系企業がランキング上位を占めていることがわかります。
ここ数年でスマートフォンが急速に普及して、インターネットに関連するサービスも発展しました。
インターネットのインフラ化が進んでいることもあり、IT企業の売り上げも向上しています。
比較的企業内の社員の年齢層も低いので、風通しの良い社風があることもメディアで取り上げられることも増えています。
働きやすくアイデアも斬新な企業で働きたいと考える人が多いこともあり、安定して上位を占めていることが推測できるでしょう。
転職したい企業ランキング2018 1位~20位
転職したい企業ランキングはDODAが今年2月に22歳~59歳の正社員約6000人を対象に調査を実施し、6月に発表したランキングです。
コロナ前の4年前と比較してみると、現在活躍している企業と大きな違いがあることがわかります。
この調査では調査対象者に希望する企業を3社あげてもらい、選んだ3社に持ち点の10ポイント振り分けた後総合点を集計し、ポイント数の高い順にランキングしています。
300位までランキングはあるのですが、今回は20位までの企業を抜粋しました。
- 1位 トヨタ自動車
- 2位 グーグル
- 3位 ソニー
- 4位 全日本航空(ANA)
- 5位 楽天
- 6位 パナソニック
- 7位 ソフトバンク
- 8位 Apple Japan
- 9位 日本航空(JAL)
- 10位 ヤフー
- 11位 本田技研工業(Honda)
- 12位 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 13位 リクルートホールディングス
- 14位 アマゾンジャパン
- 15位 任天堂
- 16位 サントリーホールディングス
- 17位 三菱商事
- 18位 オリエンタルランド
- 19位 東日本電信電話(NTT東日本)
- 20位 伊藤商事
1位のトヨタと2位のグーグルは前年度の順位と変わらず、3位以下の企業に2倍以上のポイント差をつけて圧倒的な人気を得ています。
1位のトヨタは「世界に誇れる企業」「技術力も品質も高い」と指示されており、高いブランド力と実力が評価されています。
2位のグーグルは「社員の個性を大切にする企業」「最先端」「楽しい」などが選ばれた理由です。
2018年で前回のランキングより10位以上アップした企業とその理由
前回のランキングより10位以上アップした企業は、7位のソフトバンク・13位のリクルートホールディングス・15位の任天堂・19位東日本電信電話(NTT東日本)です。
ソフトバンクは社員1万人規模でのスーパーフレックスタイムの導入や在宅勤務制度の拡大など、ワーク・ライフバランスの実現に向けた取り組みが注目され、リクルートホールディングスは「30歳まで応募可能な新卒採用」など形にとらわれない働き方を提案して評価が高まり順位を上げています。
任天堂は2017年に発売したゲーム機のSwitchが大ヒットした影響で大きく順位を伸ばしています。
任天堂に投票した方のコメントは「新しいことに挑戦できそう」「活気のある企業」「今波に持っている企業だから」など成長している企業だからという理由が見受けられます。
2018年で投票者の支持が厚い会社
投票者の支持が厚い会社とは投票者が持っているポイント10ポイントのうち、高いポイントが入った会社ということです。
ランキングには載せていませんが、投票者からの支持が厚かった会社をご紹介します。
76位のTOTO・53位のベネッセコーポレーション・89位の良品計画
以上の3つの会社は「女性目線の商品開発が進んでいる」「女性が活躍しているイメージ」「女性に働きやすい環境が整えられている」など女性が働きやすい環境の企業が支持されています。
2018年で転職した企業ランキングでメーカーや外資が人気な理由とは
新卒は金融業界に注目が行きがちですが、DODAの転職ランキングではメーカーや外資系の企業が人気な理由は、ブランド力に加えて「成果が評価される企業」「利益を社員に還元している企業」「働きやすい環境を整えている企業」であることがあげられます。
その証拠に未来工業がランクインしています。未来工業は大企業ではなく、岐阜県に本社がある電気設備メーカーですが、社員のやる気を出す企業風土や残業禁止・営業ノルマなしという経営の姿勢が評価されています。
学生の人気企業ランキングは人気投票ですが、転職ランキングはブ企業の実力だけでなく、働きやすさや年収・福利厚生も考慮したランキングになっています。
ランキングからみる転職したい企業や会社の特徴
DODAの転職したい企業ランキングをもとに、ビジネスパーソンに人気の企業は、
- 業績がよく、成長している企業である
- 自分が成長できる企業・活躍できる企業である
- 女性が働きやすい環境である
- 福利厚生などの独自の取り組みが話題になっている企業である
以上の特徴があることが分かりました。
業績がよく、成長している企業である
任天堂がヒット商品を作ってランキングの上位に浮上したように、成長している企業は人気が高いです。
また東京オリンピックなどの国を挙げた一大イベントに向けた、建設ラッシュや開発ラッシュで需要の高まりが過熱している企業も人気が上がっています。
より身近に成長を感じられる企業が順位を上げている傾向にあります。
今停滞している業界よりも、成長している業界の方がつぶれる心配もなく安心できますよね。
自分が成長できる企業・活躍できる企業である
能力をもった人ならば、自由に仕事ができる環境や裁量権を持った会社に転職したいと考えます。
自分の意見も積極的に聞いてくれ、新しいアイディアや企画を受け入れてくれる企業なら、自分自身も成長できそうですよね。
ルールでがちがちに縛られた企業では実力があっても十分に力を発揮できないため、自分が成長できる企業や活躍できる企業に転職したいと考えるようです。
また会社のトップの行動力が、企業の環境を判断する材料になっている企業があります。
女性が働きやすい環境である
女性が出産・育児にともなう環境を整えている企業は人気が高いです。
新卒の時は出産や育児休暇について考えたこともなかったという方も、次に転職するなら女性に対する待遇が安心できる企業につきたいと考えている方は多いようです。
制度が充実していない企業に転職して、出産を機にまた転職・・となるとかなり負担がかかりますよね。
また、最近では男性が育休を取れる環境であるかも判断材料の1つとして登場しています。
福利厚生などの独自の取り組みが話題になっている企業である
どんなに給料が高くても社員のことを大切にしない会社は働きたいと思えないというのが社員の本音です。
ランキングを見ると、スーパーフレックスタイムを実施したソフトバンクや、中堅企業でも未来工業などは福利厚生の充実により、前回から順位を伸ばしていることが分かります。
またZOZOは独自の住宅手当や社内交流イベントがメディアで取り上げられて以来、その福利厚生を期待して転職を検討したいと考える方が増えています。
休日があまりなく、過度の残業がある会社で働いて、プライベートの時間が取れなくなってしまってはストレスが溜まってしまい心身を壊してしまいますよね。
残業が月に何時間ぐらい発生するのか、年間休日はどれくらいなのかなどの労働条件については確認しておきましょう。
転職したい企業ランキングの企業に転職するには?
毎年発表される転職したい企業ランキングの選出企業に転職するためには、下記の方法をとってみることをおすすめします。
- 大手企業の子会社に転職してみる
- スキルや経験を生かせる企業はないか探してみる
- 転職エージェントを活用して非公開求人を紹介してもらう
以下で詳しく解説していきます。
大手企業の子会社に転職してみる
ランキングに掲載されている企業に転職したいのであれば、掲載企業の子会社に転職してみることをおすすめします。
ランキングに掲載されている企業は、基本的にグループ展開している企業が多いです。
大手企業は非常に人気が高いため、求人が市場に出回らないだけではなく、市場に出回ったとしても人気が高く応募できないこともあります。
大手企業の子会社は比較的転職しやすいこともありますし、社内での成績によってはグループ会社へ異動できる可能性もあります。
どうしても転職したい企業があれば、グループ会社への転職を検討してみてください。
スキルや経験を活かせる企業はないか探してみる
ランキングに掲載されている企業に転職したいのであれば、スキルや経験を活かせる企業はないか、探してみることをおすすめします。
スキルや経験を活かせる職種がないかをチェックしておくことで、自分のアピールポイントを活かして転職活動をすすめられるでしょう。
大手企業は専門的な知識のある人を求めて、中途採用の求人を出しますから、優先して採用してもらえる可能性があります。
転職エージェントを活用して非公開求人を紹介してもらう
どうしても大手企業に転職したい場合には、転職エージェントを活用して、非公開求人を紹介してもらうこともおすすめです。
転職エージェントでは、非公開求人として大手企業の求人や条件の良い企業の求人を紹介してもらえる可能性が高いです。
条件に合う企業の求人だけではなく、行きたい企業の求人を紹介してほしいことを伝えておくと、より進めやすくなるでしょう。
転職したい企業は自分が転職するときの参考になる
いかがでしたか?
実際に働いている人に調査したランキングは、今転職を考えている人にとって大変参考になるのではないかと思います。
転職するときにみんながどんな観点で転職先を決めているのかを知ることで、今後時運がどんな企業へ転職するかの方針を固めることもできます。
自分がランキングに載っている企業に転職しないにしても、人気企業の選ばれ方の基準を参考にしてみてくださいね!