転職をする際、家族や知り合いなどのコネで入社するという選択肢があります。
通常の転職とは異なり、知人経由の採用であるため、ある程度採用率が高いのが特徴です。
採用する企業にとっては、ある程度信頼がある人物からの紹介という点で、採用しやすくなります。
しかし、コネ入社とはいえ、採用が100%保証されるものではありません。
また、筆記試験を受けてから面接となるケースもあります。したがって、コネを利用した転職活動でも、面接対策や筆記試験の準備は重要です。
目次
転職でもコネ入社は可能?
実際に会社で働いていると、様々な形でコネ入社が行われるケースがあります。
コネ入社というと、悪いイメージを持たれがちですが、企業側にもメリットのある採用方法です。
親のコネで大企業への転職を実現したケースもある
大企業でもコネを利用した採用をするケースがあります。
もし自分の親と大企業にコネがあり、転職を試みたとすると、採用される可能性は高いです。
ただの知人ではなく、親という点で企業からしてみればより一層信頼度が大きくなります。
また、入社後も通常の社員よりも期待されることが多く、出世しやすい事実もあります。
一方、コネ入社で期待されているということが、プレッシャーとして感じてしまう人もいます。
あらかじめ、コネ入社のデメリットも理解したうえでコネを利用した転職活動を行いましょう。
企業側の採用メリットも大きいため
コネ入社は採用される側だけでなく、企業側のメリットも大きいです。
企業の採用メリットについては、以下の2点が挙げられます。
- 企業との取引で今後活用できる
- 採用の期間やコストの削減につながる
上記2点について詳しくご説明していきます。
企業との取引で今後活用できる
採用した企業にとって、コネでの入社後はその人物のコネクションを活用できます。
もしコネ入社した人の親が大手取引先の企業なら、今後の取引がしやすくなります。
商談時にはその人物が話題に上がり、打ち合わせの雰囲気が良くなる可能性もあります。
また、コネ入社した人物が業績をあげていき、やがてそのコネクションのある企業の担当になることもあります。
その場合、通常の社員が営業担当として打ち合わせするよりも、円滑にコミュニケーションがとれたり、踏み入った商談がしやすくなったりします。
よって、企業はコネ入社した人物を取引で活用できるメリットがあります。
採用の期間やコストの削減につながる
企業にとってコネ入社は採用までの期間や、工数が少なくなるのでコストの削減につながります。
企業は一人の人物を採用するのに、2か月程度の期間を要します。
それに加えて、人件費や転職サイトへの掲載料などの費用がかかります。
企業は人材を採用しようとすればした分だけコストが膨らむのが事実です。
コネ入社によって、このコストを総じて削減できるのは、企業にとっても大きなメリットになります。
コネがあるのに転職で落ちる5つの理由
コネで面接を受けたとしても、落ちる場合もあります。コネがあっても転職で落ちる理由は以下の通りです。
- 面接のときの態度が異常に悪い
- 仕事のスキルが異常に低い
- 転職に対する準備不足
- コネを作った相手の会社内での地位が低い
上記それぞれの理由について、ご説明していきます。
面接のときの態度が異常に悪い
面接時のふるまいはコネでの採用面接でも重要です。
コネという点では、企業はその人がどのような人物なのか把握しています。
その想定よりも態度が悪かったり、面接での対応がふさわしくなかったりすると、コネによる面接でも採用されません。
コネでの面接なので、むしろ通常の面接よりも気を遣って、面接に臨むことが大切です。
仕事のスキルが異常に低い
面接を進んで行く上で、前職の内容については必ず質問されます。
そこで仕事のスキルについて、十分に語ることができなければ、スキルが低いと判断されてしまいます。
いくらコネでの採用面接でも、企業にとって有益であるスキルがない人物は採用されません。
前職や今までの活動から、次の職場でどのように仕事のスキルを活かしていけるかを示せるようにしましょう。
転職に対する準備不足
コネでの転職でも、面接の準備は重要です。転職する先の企業情報や、業界の特徴を把握することなど準備できることはたくさんあります。
面接で質問されたことに対してうまく回答ができないと、コネでの面接でも企業からの評価は落ちてしまいます。
また、コネでの転職でも筆記試験の受験を求められるところもあります。
そこである程度成績を残さなければ、コネで面接に進んだとしても採用される確率は低いです。
転職に対して準備はしっかり行いましょう。
コネを作った相手の会社内での地位が低い
コネがある相手自体の会社内での地位が低い場合、採用されづらくなる可能性があります。
一方、コネがある相手の会社内の地位が高ければ、採用される可能性は高いです。
会社内の地位が高ければ高いほど、企業から信頼されていることになります。
しかし、地位が低い場合、会社内での信頼や影響力としてはそこまで大きくありません。
よって、知り合いをコネで推薦したとしても、地位が高い人に比べると、採用される可能性は低いです。
コネ入社でも再転職する可能性があるので注意
コネ入社したとしても、必ず再転職しないということはありません。
コネで転職した場合でも、デメリットはあります。再転職する際の理由は以下の3点になります。
- 企業内でコネ入社のうわさが広まる可能性がある
- 職場の人間関係が円滑にいくとは限らない
- 転職後に業務内容についていけない
上記についてそれぞれご説明していきます。
企業内でコネ入社のうわさが広まる可能性がある
コネで入社した場合、そのうわさが広まる可能性は高いです。
コネ入社が知られたことによって、職場での居心地が悪くなったり、他の社員が悪い印象を持ったりすることもあります。
企業によって、コネ入社はなるべく明るみにしないところもありますが、それは企業の社風にもよります。
コネ入社を検討する上では、事前にコネでの入社が知られる可能性がゼロではないことを理解しておきましょう。
職場の人間関係が円滑にいくとは限らない
親や知り合いを通してコネ入社したとしても、配属された部署で人間関係がうまくいかないこともあります。
コネでの転職先に知人がいるとしても、配属されてその知人と一緒に働けるわけではありません。
また、コネ入社ということ自体が原因で、人間関係が円滑にいかない可能性もあります。
コネ入社だからといって、配属後の人間関係が必ずうまくいくとは限りません。
転職後に業務内容についていけない
コネでの転職後に、自分のスキルが見合わず業務についていけないケースもあります。
コネ入社なので、実際の採用試験よりも採用される可能性は高いです。
よって、職場で本来要求されるスキルレベルに達していなくても、転職できることもあります。
しかし、スキルが見合わないことが原因で、入社後の業務についていけなくなり退職をする人も少なくありません。
コネ入社でも転職先の業務を円滑にこなせるよう、勉強して準備をすることは重要です。
コネを利用した転職で失敗しないための4つの対策
コネでの転職で落ちた場合、自分だけの問題ではなくなるため、失敗したくありませんよね。
そんな人に向けて、ここではコネを利用した転職で失敗しないための対策について、下記4点をご紹介します。
- コネがあることに慢心しすぎない
- 面接の対策を十分に行う
- コネ先の企業の職場事情について調査する
- 転職対策のために転職エージェントを活用する
それぞれの項目についてご説明していきます。
コネがあることに慢心しすぎない
コネがあっても慢心しすぎることは良くありません。
入社までの面接で気が抜けることによって、何らか失敗する可能性もあります。
コネを利用して採用試験を受けることは、転職が成功する確率が上がります。
しかし、100%受かる保障はなく、コネでの採用試験でも落ちるケースはあります。
コネがあることに慢心しすぎず、しっかり準備をして採用試験に臨みましょう。
面接の対策を十分に行う
面接の対策はコネを利用した転職の際も必要不可欠です。コネでの面接において、企業側はその人物が紹介された通りの人物かどうかを確認しています。
また、コネの面接でも通常の採用面接と同じように、評価するべき点や好ましくない点をチェックしています。
志望動機がしっかりと考えられていなかったり、面接の態度が悪かったりすると、コネでの採用面接でも落ちる可能性が高いです。
したがって、面接の対策は十分に行うようにしましょう。
コネ先の企業の職場事情について調査する
コネで転職を検討している企業の事情について、事前に知っておくことは大切です。
コネで入社したとしても、入社後のギャップを感じ早期で退職してしまうケースは少なくありません。
通常の転職活動と同じように、企業の職場事情や特徴についてはなるべく調査しましょう。
コネ入社という点で、紹介してくれる知人などに情報を求めることもおすすめです。
転職対策のために転職エージェントを活用する
コネでの採用試験でも、転職対策することは重要です。
転職対策として、転職エージェントに登録すると、本番を想定した面接対策や志望動機の添削などを行ってくれます。
転職エージェントを利用し、コネ入社を考える企業と同じ業界の企業への、志望動機を書いてみることもおすすめです。
また、コネ入社を考える企業の滑り止めとしても、転職エージェントで数社程度応募をしておくと、万が一不採用だったときの安心材料にもなります。
転職対策におすすめ転職エージェント2選
転職対策におすすめの転職エージェントは、以下の2社になります。
- マイナビエージェント
- リクナビエージェント
それぞれの特徴について、ご説明していきます。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、第二新卒や20代の若い層の転職に定評のある転職エージェントです。
特徴として、面接や書類添削から入社後のサポートまで、他社と比べて充実していることが挙げられます。
また、以下のように個々の転職に特化したエージェントサービスがあります。
- マイナビ女性の転職
- マイナビ会計士
- マイナビ税理士
- マイナビクリエイター
例えば「マイナビ女性の転職」では、アドバイザーが女性のみで運営されているので、より相談がしやすくなっています。
このように、通常のエージェントよりも、専門的なアドバイザーが担当してくれるのでぜひ利用しましょう。
マイナビエージェントは、転職が初めての人や、専門的なスキルが十分でない20代の求職者におすすめです。
また、一部の職種や資格に特化したエージェントサービスがあるので、当てはまる職種の人はぜひ登録してみてください。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界最大手の転職エージェントです。
よって、実績や募集も多く、充実しています。
特徴として、各業界のプロがアドバイザーとして選ばれるようになっているので、業界ならではの傾向や知識を転職活動に活かしてくれます。
リクルートエージェントは、アドバイザーとヒアリングを行う際、より専門的な内容まで相談が可能です。
よって、ある特定の業界で職種も定まっているという人におすすめです。
また、リクルートエージェントは20代~40代までと、比較的幅広い年代を転職対象としています。
年齢が不安材料である人でも、それぞれに合ったサポートをしてくれます。
コネ入社でも油断せずに転職対策をしっかりとろう
今回は転職でコネを利用して落ちることはある理由について、落ちないための対策を含めご紹介しました。
家族や知人からのコネで採用面接を受けるとしても、落ちる可能性もあります。
面接前には、転職エージェントを利用し、面接対策などの準備をしっかり行うことがおすすめです。
また、コネで入社したとしても、入社後早期で退職してしまうケースもあります。
コネ入社を検討する上で、その企業の特徴や業界の傾向などについて、しっかり調査を行いましょう。