転職活動中に選考中の企業が行う在籍確認、虚偽がない人でもされると面倒だなと思いませんか?
今の職場に隠して転職活動をしている人は、いつバレはしないかと不安ですよね。
しかし個人情報保護法により、一般企業での在籍確認はほぼなくなりました。
ただし一部の業界では本人の同意をもとに、まだ行われているところもあるようです。
そこで今回は、「在籍確認はどのように行われるのか?」「在籍確認によるリスクとは?」「在籍確認をしたいと言われたときの対処法」について解説します。
目次
転職活動中には企業に在籍しているかの「在籍確認」がある
転職活動をする上で、応募先企業があなたの申告に嘘がないかの調査をすることがあります。
これを在籍調査といい、履歴書や職務経歴書の内容が正しいのかを判断するために行います。
そもそも在籍確認を行うのはなぜでしょうか?
「自分は疑われているのだろうか?」と感じる人もいると思いますので、その真意を解説したいと思います。
選考で提出された履歴書を確認するため
応募先の企業では、あなたが作成した履歴書と職務経歴書をみながら選考を進めていくわけですが、それが100%真実という保証はどこにもありません。
在籍している企業名を偽るケースは少ないですが、勤務期間を伸ばしたり、退職時期を偽ったりといったことは今でも行われています。
本人もそれほど悪いことと思わずにやっていることが多いのですが、立派な経歴詐称になり、最悪の場合は内定取り消しや懲戒解雇のリスクがあるので注意して下さい。
在籍確認を行うかどうかは企業の方針次第
個人情報保護法が施行されて以来、在籍確認を行う企業は少なくなりました。
また以前は本人に告知せずに行われていることが多かった在籍確認も、現在は本人の同意がないと違法になります。
企業側もリスクを伴いますので、現在でも在籍確認をしている企業は稀です。
しかし中には、本人と書面を交わし同意した上で在籍確認を実施している企業も存在します。
金融業界など信用をウリにしている業界で聞かれやすい
どんな企業が実施しているかというと、最も多いのがクリーンなイメージを大切にする金融業界です。
銀行や証券会社など、他人のお金を扱う仕事では犯罪歴や破産歴を嫌います。
そのため多少面倒でリスクがあったとしても、しっかりと在籍確認を行い本人の調査をして内定を判断します。
在籍確認を行う=採用の可能性が高い
「在籍確認をされるなんて、信用されていないのは気分が悪い」と感じる人もいるかもしれませんが、在籍確認を行うということは採用される可能性が限りなく高いということを覚えておきましょう。
企業側が在籍確認をするのは採用の最終段階です。
採用予定がない人にはわざわざ在籍確認をする必要もありませんから、その点では安心していいと思います。
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転職で在籍確認が行われる流れ
それでは、どのような手順で在籍確認を行うのかを順を追って説明します。
企業が現職先に電話をかける
在籍確認では、あなたが勤務している企業に出向くことはありません。
基本的には電話1本で済ませることが多いです。
あなたが在籍している部署に直接電話をするわけではなく、企業の代表電話へかけるケースが多いでしょう。
あなたが外出している時間帯を狙ってかけてくることもあります。
本人が在籍しているかの確認を取る
調査をする企業は、取引先や個人名を名乗り電話をかけます。
そこで「〇〇(あなたの名前)様はいらっしゃいますか?」と聞いて、「外出しています」「〇〇は別の部署になります」と回答し在籍している確認が取れれば終了です。
転職エージェントを介して行われることもある
転職エージェントを利用して転職活動をしていた場合、応募先の企業が直接行わず、転職エージェントを介して在籍確認をすることもあります。
もちろんその場合も、あなたへ事前に打診があるので心配する必要はありません。
きちっと同意書を取り交わした上で行います。
転職活動中に在籍確認を行うときの注意点
今は現職を続けながら転職活動をする人がほとんどのため、在籍確認をする際には調査する側も慎重に行ってくれます。
しかしあなたにとってリスクが全くないわけではありませんので、以下の点に注意して下さい。
内定が決まる前に在籍確認を行うこともある
在籍確認は最終段階で行われるため、在籍確認が取れれば内定をもらったも同然です。
しかし一部の企業は内定が決まる前に行うこともあります。
内定前に行うのは次のような業界・分野です。
- 金融業界
- ハイクラスポジション
- 外資系
- 警備会社
金融業会や警備会社は信用を第一とするため実施するケースが多いです。
また企業の役員などのハイクラスポジションへの転職でも、信頼関係が重要な場合に実施されます。
外資系企業では本国の採用手法を取り入れているため、日本でもやらざるを得ないというのが現状のようです。
在職中の企業に転職活動がばれる可能性
在職中であれば、勤務先に転職活動をしていることが漏れてしまうリスクが発生します。
応募先企業や転職エージェントに在籍確認の打診をされたら、「内定をお約束いただけるなら構いません」と回答するのがベターです。
しかし先述した金融業界や外資系では、「在籍確認が内定をするための必須条件」と言われることも多く、承諾しなければ選考の対象にならないということもあります。
在籍確認をしても確実に内定をもらえるとは限らない
特殊な業界への転職における在籍確認では、転職活動がバレてさらに不採用というダブルの痛手を負ってしまう可能性も考えておかなくてはなりません。
しかし退職してからの転職活動となると、それもリスクが高いため要注意です。
リスクを回避する方法としては、転職に否定的でない上司や同僚に相談をして、事前に話を通しておくといいでしょう。
応募先企業や転職エージェントには、誰々に相談をして了承を得ていることを伝え、在籍確認をしてもらって下さい。
申告している経歴にうそをついているとバレる
あなたが自分の経歴に嘘をついているとしたら、在籍確認によってバレてしまう可能性があります。
すでに退職しているのにも関わらず現職中であると言ったり、営業部所属なのに人事部所属などと嘘を言ったりしている場合です。
拒否すると虚偽を疑われる可能性もある
転職活動をしていることがバレてしまうリスク、嘘がバレるかもしれないというリスクを避けるため、在籍確認を拒否するという選択肢もあります。
個人情報保護法により、あなたが拒否することで在籍確認を行うことができません。
しかしそうなると、応募先の企業も「嘘をついているから在籍確認を拒否するのでは?」という疑いが強くなり、採用に至らないケースもあるでしょう。
事前に在籍確認が行われるかを選考先に確認しておく
在籍確認によって勤務中の会社に転職活動が知られてしまうことを避けるため、転職エージェントや応募先企業に「在籍確認の有無」について事前確認しておくことがオススメです。
「在籍確認を行なっている」ということであれば、内定をもらえるという条件付きで承諾するようにしましょう。
そうすることで、勤務中の会社にもいづらくなり内定ももらえなかったという最悪の事態を避けられます。
在籍確認がなくても履歴書の虚偽内容がばれることもある
在籍確認をせずとも、履歴書に嘘の記載をしていた場合バレてしまうケースがあります。
心当たりがある方は気をつけて下さい。内定取り消しや入社した後の懲戒解雇が待ち受けているかもしれません。
企業内での業務成績
近年で多くの企業に取り入れられている「リファレンスチェック」をご存知ですか?
あなたの業務成績や勤務態度などを、上司や同僚に聞く行為を指します。
本人の申告ではなく第三者の意見を聞き、ひとつの情報として参考にしているようです。
もちろんリファレンスチェックを行う際には、本人の同意が必須になります。
また第三者をあなた自身が指名することになるので、ネガティブなことを伝えられるリスクは低いでしょう。
しかし話をする中で、あなたの申告内容との差異に気付かれてしまうケースもあります。
リファレンスチェックをするということは、ほぼ採用間違いなしの段階まで来ていることは確かですが、業務成績やヒアリングから嘘が発覚すると、内定には至らないでしょう。
入社後の社会保険手続き
あなたが経歴に嘘をついているとしたら、無事に内定をもらっても油断禁物です。
その後の保険手続きなどで、人事部にバレてしまう可能性も否定できません。
入社すると以下のような書類の提出を求められることがあります。
- 社会保険
- 源泉徴収票
- 離職票
社会保険
企業に勤めていれば、企業の社会保険に加入します。
しかし退職していたり加入時期にズレがあったりすると、そこから履歴書に嘘の記載をしていたとバレてしまうリスクがあります。
源泉徴収票
源泉徴収票には、過去1年間の給与所得が記載されています。
仕事をしていないブランク期間を少なくして履歴書に記載していた場合、年間の取得額が少ないと不審に思われるでしょう。
そこから人事部に呼び出されて事情聴取されてバレる、というケースも予測できます。
離職票
離職票には、過去1年間分の毎月の給与が記載されています。
退職や入社月を偽って入社した場合、嘘をついていることは誰の目にも一目瞭然です。
せっかく転職できたのに嘘をついていたとなると、あなたの評判はガタ落ち。
転職エージェントでもブラックリストに載ってしまうでしょう。
虚偽の申告や経歴詐称は、今後の転職活動に大きな影響を与え、あなたの人生も左右しかねません。
履歴書の見栄えをよくしたい気持ちは分かりますが、バレたときのリスクや内定取り消しを考えると、正直に書いたほうが身のためです。
履歴書は正確に書いて在籍確認されてもいい状態にしておこう
在籍確認を行なっている企業は稀ですが、一部の業界ではあなたの同意の元で在籍確認や調査を行っています。
在籍確認を打診され同意書へのサインを求められたら、内定を条件に承諾しましょう。
在籍確認をするということは、ほぼ採用は間違いありませんが、嘘がバレると最悪の結果が待っています。
勤務歴や卒業時期については正直に書き、在籍確認をされても堂々と振る舞える状態にしておいて下さい。