最近では転職エージェントを活用して、転職先を探すのが一般的です。
転職エージェントは皆さんの条件を元に、最適な転職先を提案してくれることでも知られていますが、中には転職後にイメージと違う職場であることに気づいてしまう方もいることでしょう。
すぐに退職したい!と思っても、「せっかくサポートしてくれた転職エージェントから違約金を請求されないか」不安になる方もいるのではないでしょうか。
結論から言って転職エージェントから転職者に対して、違約金を請求されることはありません。
今回は転職エージェント経由の転職で違約金が発生しない理由から、転職エージェント経由で入社した企業を早期退職するときの注意点について、徹底的に解説していきます。
目次
転職エージェント経由の転職先をすぐに辞めても違約金は発生しない
転職エージェントを利用すると多くの人が抱く疑問、それが「エージェント経由で転職した先をすぐに辞めると違約金が発生するのか?」という点です。
答えは「違約金は発生しない」です。
転職エージェントは転職者から料金を受け取ることはありません。
そのため、転職エージェントを利用して転職先を見つけた後、すぐに辞めたとしても違約金は発生しません。
エージェントが受けとった成功報酬が返還されるだけ
転職エージェントが受け取る成功報酬は、企業が転職者を採用したことによる報酬であり、転職者が早期に退職した場合、その報酬を企業へ返還することが一般的です。
しかし、これは転職エージェントと転職者との関係に影響を与えるものではありません。
あくまでみなさんを媒介として紹介料をやり取りしている、企業と転職エージェント間の取り決めです。
無料で利用出来るからと不安を抱える方も多いですが、安心して利用して問題ありません。
転職者に損害賠償請求されることもない
転職者が早期に退職した場合、転職者に対して損害賠償請求がなされることもありません。
ただし、転職者自身が退職に伴い会社に損害を与えた場合、会社から請求される可能性があります。
これは転職エージェントを介した場合だけでなく、直接転職した場合も同様です。
例えば企業の個人情報を持ったまま退職してしまったり、業務内での損害を発生させてしまった場合等が該当します。
退職するだけでは転職者に企業から返金を求めることはありませんが、在職期間中に起こした損害には注意が必要です。
転職エージェントが受け取る報酬体系の仕組み
転職エージェントの利益は主に企業から受け取る成功報酬によるものです。
具体的には、エージェント経由で転職者が企業に入社した場合、その転職者の年収の一部がエージェントに支払われる仕組みとなっています。
以下で具体的に解説していきます。
転職者の想定年収の3割を受け取る仕組み
一般的に、転職エージェントは転職者の年収の約20%~35%を成功報酬として企業から受け取ります。
具体的な報酬率は転職エージェントごとに異なり、また、業種や職種、求職者のスキルや経験値によっても変動します。
元々はリクルートが作った基準といわれており、企業は転職者を長期的に雇用できるように定着率をエージェント側に求めることが可能です。
そのため質の高い転職者で自社にマッチしている転職者を求めており、多くのコストを支払って採用活動を行っています。
退職した場合は在籍時間に応じて金額を返還
転職エージェントが企業から受け取った成功報酬は、転職者が一定期間在籍しなければ返還する場合が多いです。
この期間は通常6ヶ月から1年程度とされ、転職者がこの期間内に退職した場合、エージェントは成功報酬の一部を返還することになります。
着手金については返金されることはありませんが、転職エージェント側は本来得られる収益が少なくなってしまいます。
しかし転職エージェント側は、自社に登録している転職者の中から条件に合った人材を自信を持って紹介しています。
そのため早期退職につながった=転職エージェント側の落ち度であるとして、一部返金の対応がとられるのです。
転職者は無料でサポートを受けられるので安心
転職エージェントのサービスは、転職者から料金を受け取らず、企業からの報酬のみで運営されています。
そのため、転職者は無料でエージェントのサポートを受けられます。
専門のエージェントからのアドバイスや求人情報提供、面接対策など、充実したサポートを受けることが可能です。
早期退職したからといってサポート料が取られる心配はありませんので、安心してください。
転職エージェント経由で入った企業を早期退職するときの注意点
転職エージェント経由で転職し、早期に退職する場合でも違約金は発生しませんが、その際に注意すべき点があります。
- 競業避止義務があるかどうかを確認
- 短時間での転職の正当な理由を用意しておく
- 同じ転職エージェントの利用を避ける
- 転職先の事前調査を徹底する
以下で詳しく解説していきます。
競業避止義務があるかどうかを確認
転職先の企業との契約に競業避止義務が含まれているかを確認することは重要です。
競業避止義務がある場合、退職後一定期間、同業他社への就職が制限される可能性があります。転
職を考えている場合は、この点を十分に理解し、次の転職先の選択に影響が出ないようにすることが大切です。
万が一競業避止義務に違反して同業他社に転職した場合、元の勤め先から損害賠償を請求される可能性もあるので注意が必要です。
短期間での転職の正当な理由を用意しておく
転職エージェント経由で入った企業を早期退職する場合、次の転職活動で「なぜ早期退職したのか?」と質問されることがあります。
この質問に対して、自分自身のキャリアや将来のビジョンと関連付けて説明できる理由を用意しておくと、次の転職活動がスムーズに進行します。
特に短期間での転職の場合、採用担当者によっては転職者側に原因があると判断されることもあります。
短期間での転職の正当性のある理由をよく確認しておきましょう。
同じ転職エージェントの利用を避ける
早期退職した場合、同じ転職エージェントを再利用することは避けるべきです。
一度転職先を紹介した転職エージェントが、早期退職によって成功報酬を返還しなければならない状況が生じると、その転職エージェントからのサポートを再度受けることは難しくなる可能性があります。
転職エージェント側に情報が保管されていることもあるので、再転職擦る場合は他の転職エージェントを利用しましょう。
転職先の事前調査を徹底する
早期退職を避けるためにも、転職エージェントから紹介された企業の事前調査を徹底することが大切です。
企業のビジョン、業績、労働環境、社員の口コミなどをチェックし、自分自身の価値観と合致する企業を選ぶことで、長期間働ける可能性が高まります。
特に転職サイト・エージェントに記載されている情報は、企業側が都合のいい情報のみを記載している場合もあり、信用できないこともあります。
事前に実際に働いている人の情報を集めておいて、本当二転職して良い企業なのかどうかを判断しましょう。
転職エージェント経由で入った企業を辞めた後の転職を成功させるには
一度転職エージェント経由で転職し、その後退職するという経験は、次の転職活動においても有利に働くことがあります。
退職の経験から得た教訓や、改めて自身のキャリアを見つめ直す機会を活かすことで、次の転職活動を成功させるためのポイントを以下に示します。
経験やスキルをアピールする
転職エージェント経由で入った企業で得た経験やスキルをアピールすることが大切です。
たとえ在籍期間が短くても、新しい環境で何を学び、どのような経験をしたのかを具体的に伝えることで、自身の成長や能力をアピールすることができます。
ただしただ経験やスキルをアピールするのではなく、実際にスキルを活用した経験をエピソードとともにアピールしましょう。
説得力のある内容であればあるほど、担当者からの心証が良くなる可能性があります。
未経験の業界に転職しない
一度早期退職を経験した後は、未経験の業界への転職は避けるべきです。
これまでの経験やスキルを活かせる職場を選ぶことで、安定した職場環境を手に入れやすくなります。
また未経験の業界の場合、慣れるまでに時間がかかってしまうこともあります。
精神的負担がかかる場合もありますので、再転職する羽目になる場合もあります。
社員の口コミを参考にする
転職先を選ぶ際には、企業の情報だけでなく、現在働いているまたは過去に働いていた社員の口コミ情報を参考にすることも有効です。
これらの情報を参考にすることで、企業の内部環境や働きやすさをより具体的に理解することが可能です。
特に給与面や職場での待遇面では、実際に働いている人の情報が頼りになることも多々あります。
在職期間中から転職活動を始める
在職期間中から転職活動を始めることで、次の転職先を見つけるまでのブランクをなくすことができます。
在職期間中に退職してしまうと、転職先が決まっていない状態であるにも関わらず収入減を失うことになります。
そのため精神的にも金銭面的にも不安定な状態になってしまいます。
在職期間中から仕事と並行して転職活動を始めることで、リスクヘッジをした状態で転職活動を進めることが可能です。
転職エージェント経由で入った企業を退職しても違約金の心配はなし
転職エージェントを通じて転職し、その後早期に退職するという経験は決して珍しくありません。
重要なのは、その経験を次の転職活動に活かすことです。
そして何より、転職エージェントを通じて転職したからといって、違約金が発生することはありません。
これは転職エージェントの報酬体系からも明らかですから、安心して転職活動を進めていきましょう。