薬剤師として日々忙しい毎日を送っている人も多いことでしょう。
また、薬剤師に限った話では無いものの、働くうえで職場の人間関係はとても大事なポイントです。
「同僚が女性ばかりだから話し相手が少ない」など、様々な悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
薬キャリエージェントに登録している人は多く、その中でも職場の人間関係に対して悩みを持っている人は非常に多いのです。
そこで、男性薬剤師が働く環境でどのような人間関係が広がっているのかを見ていきましょう。
目次
薬剤師は女性が多い!男性の割合は約3割
厚生労働省が発表している結果から見ると、約65%の薬剤師が女性だといわれています。
産休や育休などで休む女性が多いため、部長やエリアマネージャーなど役職についているのは男性が多いようです。
全体としての割合では、男性が3割、女性が7割程度だといえるでしょう。
男性は気まずい職場が多い?
薬剤師は女性の割合が多いことから、男性が気まずいと感じるケースも多いといえるでしょう。
また、他の職種に比べると女性が管理職につく割合も非常に多く、さらには独立して社長として幅広く活躍している女性もいます。
薬剤師という職業は他の業界に比べて、男性女性関係なく活躍できる職業です。
そのため、年齢も変わらない女性が上司であることも珍しくはなく、気まずいと感じながら働く男性薬剤師も少なくありません。
職場結婚は多い?
女性が多い職場のため、男性にとって職場恋愛や職場結婚をしやすいともいえるでしょう。
しかし、小規模な職場では恋愛のトラブルを起こせば気まずくなるというリスクから、恋愛を避ける人も多いです。
少人数で調剤などの業務をこなさなければならないため、人間関係は非常に重要視されます。
大人数で職場の中の男女比に差がない場所であれば、恋愛や結婚に至るケースもあるでしょう。
特に病院薬剤師に関しては職場で恋愛に発展することも多く、病院の規模が大きくなれば働く薬剤師の人数も増えるため出会いもあります。
さらに、病院の場合はナースや医師もおり、会話をするきっかけも多々あるため、同じ薬剤師ではないものの職場内で恋愛、結婚に至ることもあるのです。
病院で働く薬剤師は、薬剤師以外のチームとも相談や申し送りをするため、職場結婚も多くなるのだといえるでしょう。
男性が重宝される職場は多い!
薬剤師の中には、販売薬剤師ではなく裏方の研究職を選ぶ男性も多いです。
薬剤師とは、販売職としての調剤薬局や、ドラックストアなどの処方箋を元に薬を出す仕事だけではありません。
製薬会社などでの研究職という道もあり、薬を原料から調合し薬として世に出すために研究する仕事もあるのです。
開発したものを発表するためには、どこの会社よりも早くしなければならず、研究職は時間と体力が必要になります。
スピード勝負の世界において、女性は産休に育休などがあり若干不利になることは事実です。
しかし、男性には少なくとも産休はないのため、地道かついち早く発表に向けて研究でき、男性が重宝されやすいといえます。
一方、調剤薬局やドラッグストアなど店舗にいる男性薬剤師は、重いものを動かしたり、力仕事をしたりと、体力や力の面では重宝されるでしょう。
男性が働きづらい職場は?
実際には、安定して働けるのは男性であり、人事としては男性に負担をかけてしまいがちになります。
女性は出産と育児で仕事を休むこともありますが、男性にはライフイベントがないため、期待値も大きくなるのです。
そのため、もともと少ない男性薬剤師に対する要求が多くなり、負担が大きくなり働きにくいと感じるケースがあります。
男性薬剤師の割合が多く、ライフイベントによって仕事を休む女性薬剤師の負担を1人で背負わずに済む職場を選びましょう。
男性でも働きやすい職場は?
ドラッグストアであれば、飲料品や洗剤、お米などの重い商品の品出しや補充などで力仕事も多くあるため、男性が重宝され活躍しやすいです。
また、より男性でも働きやすい職場になるようにと、ユニークな制度を導入しているドラッグストアを見ていきましょう。
サンキュードラッグストア
まずは、北九州をメインに数多くのお店を展開するドラッグチェーン、「サンキュードラッグストア」です。
北九州一の店舗数、売上数、顧客数を誇り、「限定社員制度」という制度を導入しています。
限定正社員制度とは、職場や業務時間、業務内容には制約はあれども、正社員と同じ扱いを受けられる社員のことです。
正社員の場合、雇用の安定は得られる一方で、異動を余儀なくされるケースもあります。
異動により職場が変わることで、小さな子どもを持つ社員は、子どもを預ける時間を変えなければならなくなるのです。
しかし、限定社員制度を活用すれば、店舗への異動はなく、配属先も自宅から最も近い店舗にしてくれます。
限定社員制度を導入するサンキュードラッグであれば、子育てと仕事を両立できるため、共働きの夫婦にとって非常に働きやすいといえるでしょう。
マツモトキヨシ
次に、マツモトキヨシの「チャレンジ店長制度」です。
一般的には店長になるまでには5年以上かかるとされており、難しいテストもパスしなければなりません。
チャレンジ店長制度を利用して店長見習い期間で良い成績を積むと、早ければ4年で店長になることが可能です。
店長昇格も実にスピーディーになるため、キャリアアップを目指す男性にとって働きやすいといえるでしょう。
男性薬剤師が転職するのは普通!よくある転職理由とは
薬剤師業界では女性はライフイベントが多様であるがために、転職するのはよくあることです。
しかし皆さんの中には、男性薬剤師で身近に転職している人が少なく、「もしかして転職するのは普通じゃないの…?」と不安になってしまう方も居るでしょう。
結論から言うと、男性薬剤師の転職はよくあることです。
他の職種と同じように、男性薬剤師でも自分の目標を達成するために転職活動をするのは、一般的におこなわれています。
以下では男性薬剤師でよくある転職理由を紹介していきます。
業務量と年収が合わない
男性薬剤師が転職する理由として、業務量と年収が合わないことが挙げられます。
現在薬剤師になるためには、大学の薬学部に6年間在籍しなければ国家資格を獲得することができない仕組みになっています。
非常に難易度の高い資格である反面、調剤薬局や病院では業務量の割に給料が低いこともあります。
薬剤師の中には大学に在学するために奨学金を借りている人もいますし、ある程度の水準の給与がないと生活を保てなくなることもあります。
業務量と年収が合わないことで、給与UPを目指して転職活動をする男性薬剤師も多いのです。
職場環境的に昇進が見込めない
小さい調剤薬局や病院の場合、人数が少なく就けるポストが限られていることも多いです。
そのためどれだけスキルがあっても、上に行けるポストが限られているのであれば、昇進できるのはすでに役職についている人が退職した後になります。
昇進することで役職手当がもらえることもありますから、将来的にキャリアアップを目指したい男性薬剤師からしたら、その職場にとどまっていても意味がなくなってしまいます。
上述した通り、薬剤師は女性の多い職場でもあり、ライフイベントに合わせて離職してしまう方も多いです。
他の職場でスキルのある人材を管理職として採用したいと考えている企業に転職することで、自分でキャリアアップの道を切り開いていくのです。
業務内容に不満がある
業務内容に不満がある場合も男性薬剤師が転職を考えるタイミングになります。
同じ業務をずっと続けることに嫌気がさしたり、仕事に対して変化を求めているケースが多いです。
より多くの顧客と対話できる企業を探したり、業務が多彩な企業を探すこともあります。
職場の人間関係を一新したい
薬剤師の職場は女性が多いこともあり、女性同士の人間関係がギスギスしているところもあります。
中には男性を巻き込んでひと騒動に発展するところも…。
職場の人間関係に疲れた薬剤師の男性も、転職を検討することが多いです。
男性薬剤師がうまくやっていくために必要なこと
女性の割合が多い職場で男性がうまく立ち回るためには、女性の言動を意識せず、衝突を避けることが大切です。
女性同士の会話に無理矢理入ったり、意見を言ったりする必要はないため、適度に相槌を打ち同調します。
忙しくはない職場では、女性同士の私語がうるさいと感じることもあるはずです。
しかし、可能な限り気に留めず、注意なども絶対にせずに受け流すようにしましょう。
また、1人でも女性を敵に回してしまうと、女性全員から距離をおかれることもあり得ます。
そのため、自分と意見が合わないと感じても感情的にならず、受け入れることもポイントです。
さらに、清潔感を保つことも大切であり、身体のニオイやヒゲ、髪の毛の手入れなども毎日しっかり行います。
女性は細かな部分まで見ているため、手入れを怠れば良い印象をもたず、「不潔である」としてコミュニケーションを取らなくなるケースもあるでしょう。
薬剤師として仕事をするうえでもコミュニケーションが良好であるか否かは大切なポイントになるため、見た目の清潔感には気を配る必要があります。
特に、狭い場所で調剤を行うのであれば、身体のニオイのケアは必須です。
夏場などは着替えを用意し、汗をかいたりニオイが気になったりした場合には直ぐに着替えるなど、男性が多い職場よりも身だしなみを強く意識しなければなりません。
男性薬剤師が転職でやってはいけないNG項目
男性薬剤師は様々な調剤薬局で需要があるものの、誰でも簡単に転職できるわけではありません。
転職が成功しない薬剤師のNG項目を下記で紹介していきます。
何回も転職を繰り返している
男性薬剤師で転職に失敗する人に共通する特徴として、同年代の他の薬剤師に比べて転職の回数が著しく多いことが挙げられます。
転職はキャリアアップの一環としてとらえられる風潮があるものの、やはり採用する側としては「何回も転職してるって本人に問題があるんじゃないの」と考えてしまうこともあるんです。
なんども転職するということは、職場になじめない・スキルに問題がある等、マイナスなイメージを持ちやすくなってしまいます。
現在転職の回数が少ないのであれば、今のうちに長く定着できる企業をさがすようにしましょう。
年齢が高いのに調剤経験がない
年齢が高いのに調剤経験がないと、転職先が見つからないこともあります。
調剤薬局やドラッグストアで働くときには、お客さんの処方箋を確認して調剤を行うことになります。
調剤経験は実務経験でのみ身につくスキルですから、ある程度時間の経過が必要になります。
現段階で調剤経験がない場合は、一旦スキルを身に着けてから転職することをおすすめします。
男性薬剤師の方がキャリアはある?
男性薬剤師は、長期間安定して働けることから期待値も大きく、キャリアを築きやすいといえます。
男性薬剤師のキャリアプランとしては、エリートタイプ、プロフェッショナルタイプに分かれるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。
エリートタイプは、薬剤師としての専門知識を身につけたうえで、キャリアプランに合ったところへ転職して昇進する方法です。
プロフェッショナルタイプは、特定の病気に関する治療を専門に仕事をしたい人に適したキャリアプランとなります。
女性でもキャリアを積むことは十分に可能ですが、産休で1度現場を離れるケースも多いため、男性の方が有利でしょう。
男性薬剤師は年収どれくらいを狙うべき?
人事院統計表による薬剤師全体の年収は、平成29年度が585.6万円、過去5年間の推移では556万円〜590万円の範囲となっており、平成26年度以降ほぼ横ばい状態になっています。
平成29年度 | 585.6万円 |
---|---|
平成28年度 | 580.8万円 |
平成27年度 | 590.4万円 |
平成26年度 | 585.6万円 |
平成25年度 | 556.8万円 |
次に、薬剤師全体の年齢別年収予想もチェックしておきましょう。
年齢帯別の年収データを、IRと厚生労働省の統計を照らし合わせてみると、薬剤師の年収は働き盛りである30代がおよそ584万円、50代で677万円前後と最高年収になると推測されています。
年代 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
---|---|---|---|
20~24歳 | 458.0万円~488.0万円 | 30.5万円 | 122.0万円 |
25~29歳 | 441.9万円~491.9万円 | 30.7万円 | 123.0万円 |
30~34歳 | 464.0万円~564.0万円 | 35.2万円 | 141.0万円 |
35~39歳 | 479.7万円~583.7万円 | 36.5万円 | 145.9万円 |
40~44歳 | 534.8万円~655.8万円 | 41.0万円 | 164.0万円 |
45~49歳 | 612.5万円~734.5万円 | 45.9万円 | 183.6万円 |
50~54歳 | 677.0万円~787.0万円 | 49.2万円 | 196.7万円 |
55~59歳 | 670.4万円~780.4万円 | 48.8万円 | 195.1万円 |
60~65歳 | 431.2万円~780.4万円 | 33.2万円 | 132.8万円 |
この表をベースに考えた場合、仮に現在の年齢が40代前半であるとすると、少なくとも535万円以上の年収があるという計算になるのです。
自身が本来もらうべき年収を確認してみることも大切だといえます。
男性におすすめ薬剤師転職サイト・エージェント
転職を考えている皆様、エージェントを利用する方法が有効です。
エージェントとは「代理人」という意味でであり、薬剤師の転職でエージェントを利用する人は非常に多く、年収アップや理想の働き方を実現しています。
実は、転職活動中に「ブラックな調剤薬局を紹介された」「年収はあがったが仕事がハードで体がもたなかった」という人は非常に多いです。
転職エージェントである代理人に、自分の働く条件や希望を伝えておけば、転職に失敗するリスクを回避できるかもしれません。
そこで、4件の薬剤師に特化した転職エージェントを紹介します。
マイナビ薬剤師
1つ目が「マイナビ薬剤師」です。
楽天リサーチが実施した「薬剤師転職支援サービス利用者満足度No.1」に選ばれた実績がある転職エージェントとして注目を集めています。
福利厚生や休日、職場の雰囲気など、自分からは聞きづらい部分も、エージェントが代わりに確認してくれるため、転職のリスク回避地につながるでしょう。
様々な職種の求人を多数掲載しているので、安心して転職活動をすすめられるでしょう。
また、エージェントとインターネット上のみのやりとりでは不安だと感じている人も多いしょう。
マイナビ薬剤師は相談会場が全国14箇所に設けられており、キャリアアドバイザーとの直接の面談はもちろん、遠方に住んでいる、多忙で時間が取れないといった場合も、電話やメールでの相談が可能です。
休日転職相談会や出張転職相談会を地方でも行っているため、自分の都合に合わせて利用できます。
ファルマスタッフ
2つ目が「ファルマスタッフ」です。
大手薬局チェーンを運営する日本調剤のグループ会社であり、業界の知識や動向に精通した転職エージェントが80名以上在籍しています。
薬剤師という専門性の高い職業のサポートに期待ができるでしょう。
調剤薬局の求人がおよそ40,000件と最も多く、その他病院やクリニックやドラッグストアはおよそ2,000件です。(非公開求人を除く※2018年8月現在)
雇用形態別では、正社員の求人がおよそ30,000件と、しっかり働きたい人におすすめできます。
また、派遣社員はおよそ5,000件、パートやアルバイトもおよそ20,000件と、正社員・派遣・パート・アルバイトからそれぞれの理想の働き方に合わせて求人を紹介してもらえることが魅力です。(非公開求人を除く※2018年8月現在)
さらに、業務に役立つアプリの配信など、薬剤師のスキルアップやキャリアアップにつながる情報も多いため、登録をしておくだけでも損はありません。
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薬キャリエージェント
3つ目が「薬キャリエージェント」です。
薬キャリエージェントは、エムスリーキャリア株式会社が運営している薬剤師のための転職エージェントであり、多数の企業が登録されています。
登録されている会社について求人情報を一括検索できるほか、万が一自分の希望に合う求人が見つからない場合でも、希望条件を登録しておくとよいでしょう。
登録されている内容から、希望に合う求人を紹介してくれるという便利な機能もあります。
ファーマジョブ
3つ目が「ファーマジョブ」です。
株式会社メディカルジョブセンターが運営している転職エージェントで、保有している求人のおよそ7割が非公開求人という点が注目を集めています。
会社が設立されたのは2009年と比較的新しい会社であり、ほかの老舗エージェントと比べると求人の掲載数は、少な目いものの、厳選された質の高い求人の紹介をしていることが特徴です。
職場別の求人数は、調剤薬局がおよそ3,000件、病院・クリニックがおよそ600件、ドラッグストアがおよそ1,000件、その他企業などがおよそ2,000件となります。(非公開求人を除く※2018年8月現在)
雇用形態別の求人数については、正社員およそ4,000件、 契約社員およそ200件、パート・アルバイトがおよそ100件です。(非公開求人を除く※2018年8月現在)
求人のほとんどは調剤薬局で、本社がある札幌、東京、大阪、福岡など都市部の求人数が軒並み多い傾向にあります。
薬剤師求人.com
4つ目が「薬剤師求人.com」です。
34社に及ぶ求人を1つにまとめた薬剤師向けの転職ポータルサイトです、それぞれの転職エージェントで掲載されている求人を検索できます。
応募の際も、薬剤師求人.comに登録した情報を利用するため、気軽に応募できるでしょう。
職場別の求人数は、調剤薬局がおよそ80,000件、病院・クリニックがおよそ3,000件、ドラッグストアがおよそ9,000件、OTCのみのドラッグストアがおよそ2,000件となります。
掲載されている雇用形態別の求人数は、正社員およそ80,000件、 契約社員およそ2,000件、派遣社員およそ3,000件、パート・アルバイトがおよそ45,000件となります。(非公開求人を除く)
登録特典として、自分のキャリアに関する相談に乗ってもらうことが可能です。
例えば、自分の漠然としたキャリアビジョンに対して、どのような職場を選べばよいか、どのようなスキルや技術を身につければよいかなど、具体的なアドバイスをもらえます。
1人で転職活動を進めるよりも、エージェントととも活動できる転職サイトを活用しましょう。