薬剤師は、未経験でも良いとしているところが多い傾向があります。
薬剤師は、他の仕事と比較して転職をしたとしても働きやすく、「未経験歓迎」と謳う職場もありますが、未経験の場合はすぐに活躍できるわけではないことを認識しておく必要があります。
未経験の仕事への転職は、大変ではあるもののやりがいを感じられることも多いです。
未経験での転職に適した仕事とは、人材育成の制度が整っているところだといえます。
例えば、ドラッグストア、調剤薬局、病院、企業が挙げられ、基本的に未経験でも転職しやすいでしょう。
目次
薬剤師は未経験で異業種に転職しやすい職種!
結論から言うと、薬剤師は異業種に転職しやすい職種です。
求人を見ていると、「未経験歓迎」としているものが多いのがその証拠。
ただ、転職しやすいからと言って喜んでいてはいけません。
異業種に転職する場合、職場のルールや業務内容はまったく異なります。
何も考えず、年収や転職のしやすさだけで転職先を決めてしまうと、後々苦労することになるかもしれないのです。
そのため、これから転職する人は新しい環境を受け入れていく、慣れていくという気持ちが求められます。
未経験でも前向きにチャレンジする姿勢をもちましょう。
薬剤師が未経験で転職しやすい業種4つ
- 製薬会社
- ドラッグストア
- 病院
- 調剤薬局
製薬会社
業務内容が幅広いため、新しく覚えることが多い転職先です。
さまざまな部署があるため、あらかじめ把握しておきましょう。
ドラッグストア
調剤のほかに、OTC医薬品などの販売や相談業務なども行います。
病院
病院というと業務内容が複雑なイメージがあるかもしれませんが、ここでも調剤業務が中心です。
病院によって年収や働き方はさまざまです。
調剤薬局
未経験でも働きやすいことがメリットです。
調剤、服薬指導、薬歴記載など一連の業務を行います。
未経験にはドラッグストアと調剤薬局がおすすめ
なかでも、特に未経験で働きやすいところが、ドラッグストアと調剤薬局です。
理由は業界大手が運営していることから、人材育成制度があること、薬剤師から人気ないため人員不足であることが挙げられます。
つまり、未経験でも転職希望者を受け入れるしかないという点もあるのです。
企業も未経験で転職しやすいといえます。
仕事も多忙ではなく、新しい仕事へ徐々に慣れることも可能です。
反対に、未経験での転職は適していない職場もあります。
大学や国立病院、製薬会社などであり、大学病院や国立病院は新卒の段階で入社し、研修を受ける必要があるためです。
また、製薬会社は、研究開発においては経験者の採用しか受け付けていない傾向があります.
違う業界だと仕事内容は全く異なる?
同じ薬剤師でも、働く現場によって仕事内容は異なるため、それぞれの業界ごとの仕事内容を見ていきましょう。
医療機関
まずは、医療機関で働く場合の仕事内容です。
病院や診療所で働いている場合、医師の処方箋をもとに薬剤を調合します。
ドラッグストア
次に、ドラッグストアや調剤薬局で働く場合です。
大型のドラッグストアも店舗展開が拡大しており、薬剤師の求人も多いといえます。
薬剤師でないと販売できない、第一類医薬品と呼ばれる薬剤を販売することが主な目的です。
しかし、薬品を常時販売しているわけではなく、店員の一員としてのレジ、商品陳列管理などの業務はこなす必要があるでしょう。
ドラッグストアへの転職ってあり?薬剤師の転職で後悔しないための秘訣
企業の研究部門
また、研究部門で働くこともあります。
新薬などの臨床治験の話はよく耳にしますが、治験のもとになる新薬開発や開発した新薬の情報提供が主な業務です。
他にも、薬学の知識が必要となる食品会社や化粧品会社などでも働いている人がいます。
調剤薬局
近年は、調剤薬局の看板を多くみかけるようになりました。
調剤薬局では、外来を受診した患者の処方箋を受け取り、処方箋をもとに薬を出して患者に説明して渡すまでが仕事となります。
また、服薬指導として、対象の患者に病気や生活内容、症状などを聞き、薬の飲み方や副作用について説明を行うこともあるのです。
ジェネリック薬品の推進があり、処方と違う薬品に調整するしごともあります。
さらに、症状や病気歴から注意点や不合理な情報があれば医師へ情報提供を行わなければなりません。
調剤薬局では、薬歴管理も行います。
お薬手帳が代表で、副作用のリスクやしっかりと服用しているかなどの情報取得が目的です。
管理料も加算されていることから、服薬管理とともに薬剤師の独占業務ともいえます。
製薬会社
最後に、製薬会社で働く場合です。
製薬会社では、社内外の製品についての専門知識を要する対応、新商品の開発にあたり情報提供を行います。
治験の担当になると、治験をするための施設を選んだり、契約をしたりと事務的な手続きが主な仕事です。
治験コーディネーターになると、報告書を作る作業などを行います。
製薬会社で働く薬剤師の仕事内容はドラッグストア、調剤薬局とは、大きく異なるといえるでしょう。
製薬会社での仕事は、自社で、開発した薬が世の中の患者の助けとなり、病気の回復にも役立つことが魅力になります。
さらに、医薬に関連する最新の情報や知識を得られることも、薬剤師としてのやりがいにつながるでしょう。
しかし、新薬を病院で使用してもらうまでには医師との信頼関係を築く必要もあり、コミュニケーションスキルが必要な点は他の仕事と同様です。
担当の医師と話をしてもらうまでに待たなければならなかったり、会ってもらえなかったりと、営業職としての忍耐やスキルも必要となります。
このように、薬剤師は仕事によって内容も働く環境もさまざまです。
たくさんの仕事があるなかから、薬剤師の資格を活用して自分に適した場所、理想に近い仕事を選択することは大切ですが、いずれは自身の薬局を運営することも可能です。
薬剤師が未経験の業界へ転職するメリット
- 給料が上がる可能性がある
- 休日が増やせる可能性がある
給料が上がる可能性がある
未経験の業界へ転職するメリットとして、病院からドラッグストアや調剤薬局の薬剤師になる場合、給料があがる可能性が挙げられます。
すべてのドラッグストアや調剤薬局に該当するわけではありませんが、地方のほうが都会と比較して給料が高額になることが多く、中小調剤薬局であれば地方が年収は高額になる傾向があるのです。
理由は、一定の地域に薬剤師の在籍数が少ないことや募集をしても集まらないことが理由であり、採用率をあげるために収入を高く設定しています。
休日が増やせる可能性がある
また、休暇を増やせる可能性もメリットだといえるでしょう。
薬剤師が働く場所は忙しいことが多く、残業や土日の出勤も当たり前というケースも珍しくありません。
未経験の業界、ほかの職場へ転職することで、場合によっては休暇日数が増えたり、歴通りに休めたりという可能性があります。
未経験の業界へ転職するデメリット
- 病院への転職は年収が下がる恐れがある
- 年収が高い仕事は業務内容が難しい
- 新しい人間関係や職場に慣れる必要がある
- 転職することで昇進が遅くなる可能性がある
病院への転職は年収が下がる恐れがある
未経験の業界へ転職する際に理解しておきたいポイントは、ドラッグストアや調剤薬局から病院などへ転職する場合に年収がさがることです。
特に男性薬剤師が転職するときに多いのは、未経験の仕事に興味をもっているものの、年収がさがる点に不満をいだくケースが挙げられます。
そして、年収がさがることは仕方ないにも関わらず、希望する年収が見込める転職先見つかるまで活動を継続する人もいるのです。
スムーズに転職を成功させるためにも、業務に慣れてから年収があがるところへ転職するなど、転職そのものを検討し直す必要もあるでしょう。
年収が高い仕事は業務内容が難しい
年収が高い仕事の場合、通常よりも複雑な仕事をこなさなければならないことが多いため、未経験では難しいケースもあるのです。
そのため、まずは自分に最適な仕事からはじめられる職場を選びましょう。
新しい人間関係や職場に慣れる必要がある
未経験の業界へ転職するデメリットとして、1から人間関係を構築する必要があることも挙げられます。
未経験のため、仕事の内容を教えてもらう人とコミュニケーションを取らなければならず、厳しい指導を受けることもあるでしょう。
経験のある業界であれば、職場ごとの小さなルールを覚えるだけで良く、仕事内容について厳しい指導をされることは少ないといえます。
未経験の業界、仕事であるからこそ、新しく覚えるルールも増え、人間関係に悩むことも多くなるのです。
転職することで昇進が遅くなる可能性がある
また、昇進は遅くなる可能性があります。
薬剤師の仕事は、1つの業界で働き続けて成果を出すことが昇進のカギになるため、転職によって実績が0になってしまうことはデメリットです。
未経験への転職に成功するためのポイント
未経験の業界へ転職するときに、転職を成功させる方法として3つのポイントがあります。
- もとの職場に関する不満を伝えないこと
- 転職先の情報収集を続けること
- 自分に合った転職エージェントを見つけること
もとの職場に関する不満を伝えないこと
1つ目は、もとの職場に関する不満を伝えないことです。
転職希望先の面接で、「現在の職場は働いている人に問題がある」「上司は仕事ができない」など、素直に伝えないように注意します。
面接官は同情してくれるかもしれませんが、実際には「雇えば不満ばかりで直ぐに辞めてしまいそう」と考えるでしょう。
転職先の情報収集を続けること
2つ目は、転職先の情報収集を続けることです。
薬剤師は人材不足であるといわれており、比較的未経験であっても転職しやすいものの、ブラック企業に転職しないためにも絶えず情報収集を続けましょう。
転職希望を出し、面接でよほどの問題点がなければ、簡単に転職先は見つかる可能性が高いです。
しかし、新しい転職先は人員を使い捨てているかもしれません。
薬剤師は未経験でも転職しやすいため、未経験者を受け入れてくれる企業に疑問をいだきにくいです。
良い職場に転職するためには、ブラック企業の情報を収集し、安易に転職先を決めないようにしましょう。
自分に合った転職エージェントを見つけること
3つ目は、自分に合った転職エージェントを見つけることです。
転職サイトに登録し、悩みを相談できるエージェントと出会うことは、大きなポイントとなります。
優秀なエージェントを見つけられれば、自分の悩みをくみ取ってくれるため、理想の転職先を見つけることにもつながるでしょう。
さらに、転職エージェントであれば非公開求人も持っているため、信頼関係を築ければ、より自分の希望にマッチする求人を紹介してもらえます。
薬剤師の転職に最適な転職サイトやエージェントはいくつかありますが、なかでも人気がある5つのサイト・エージェントを見ていきましょう。
薬剤師の転職理由に多いのは?
年収や条件を今よりもよくしたい
人間関係や環境を変えたい
スキルアップできる職場で働きたい
年収や条件を今よりもよくしたい
薬剤師は年収だけでなく、育休制度や休暇の日数などの条件に不満がある人が転職する傾向にあります。
単なる年収アップであれば、年齢とともに上がっていくものなので成功しやすいといえるでしょう。
人間関係や環境を変えたい
また、今の職場の労働環境や人間関係がつらくて転職するという人も多いです。
未経験でも転職しやすいとなれば、居心地の悪い環境からは早く去りたいと思いますよね。
ただ、人間関係のトラブルで転職する場合は自分に原因があると思われると転職しづらくなります。
先ほどお話したように、前の職場の不満はできるだけ言わないほうが良いでしょう。
スキルアップできる職場で働きたい
自分の成長のために転職を希望する人も多く見られます。
スキルアップができる環境のほうが、その次の転職で高収入や良い待遇を受けられる可能性が高まりますよね。
長期的な目で見て、スキルアップできる職場に転職するのは非常に良い選択だと言えます。
薬剤師は何回まで転職しても大丈夫?
冒頭でお話したように、薬剤師は比較的転職しやすい職種です。
そのため、転職を経験する薬剤師は他の職種よりも多いと言えます。
転職回数が多いとネガティブな印象を与えやすい
しかし、意味もなく何度も転職したり、理由があっても転職を繰り返したりするのはやめたほうが良いでしょう。
転職回数が多ければ多いほど、次の転職は難しくなります。
心から転職したい、転職が必要な状況になったときに転職しづらくなっているのは困りますよね。
転職しやすい職種とはいえ、やむを得ない場合のみの転職をおすすめします。
回数でいうと0回~2回にとどめておくと次の転職も上手くいきやすいです。
未経験の転職におすすめ転職エージェント
薬キャリエージェント
1つ目が、素早い対応と丁寧な転職サポートが人気の「薬キャリエージェント」です。
薬剤師業界の転職先として人気の病院薬剤師や人気の高い調剤薬局などのほか、数多くの職種の求人企業が揃っています。
病院とも連携しているため、安心して転職先を探せるでしょう。
また、単に転職先企業が多いだけでなく、業界の事や業界の裏事情まで知っていたりと、エージェントの知識も豊富です。
転職ができるまで丁寧のサポートしてくれるといった口コミも多いため、希望の企業の裏事情など一度聞いてみても良いでしょう。
薬キャリエージェントの口コミ・評判からみるメリット・デメリットを徹底解説!
マイナビ薬剤師
2つ目が、応募者と面談してアドバイスをする「マイナビ薬剤師」です。
マイナビ薬剤師は、転職や求人サイトとしても最大手であり、知名度も高いマイナビグループの名を生かした転職支援サービスを行っています。
求人情報も豊富であり,求人数も多いです。
最大の特徴として応募者との面談を行っており、非常に丁寧にアドバイスをしてくれることが高評価を得ています。
全国各地に主要都市の支店を抱えているため、地方に住んでいる薬剤師の人はチェックしておきましょう。
マイナビ薬剤師の口コミ・評判からみるメリット・デメリットを徹底解説!
ファーマキャリア
5つ目が、オーダーメイド求人が特徴の「ファーマキャリア」です。
都内だけではなく地方都市での転職にも注力しており、20代で年収およそ700万円といった高額な求人も多数用意されています。
直接交渉することは躊躇われる時給や勤務時間の交渉を代行してくれるなど、薬剤師が働きやすい環境を整えていることが特徴です。
未経験の業界でも長く働ける職場に出会うためには、大手転職サイトや薬剤師の転職に特化したエージェントなどを併用し、サポートを受ける方法をおすすめします。
1人で転職活動をするよりも、良い条件の求人を紹介してもらえる可能性が非常に高いでしょう。
ファーマキャリアの口コミ・評判からみるメリット・デメリットを徹底解説!
リクナビ薬剤師
3つ目が、コンサルタントが優秀な「リクナビ薬剤師」です。
リクナビ薬剤師は、マイナビと並び求人・転職サイト最大手のリクルートグループが運営しています。
評判がよく、就職実績も非常に高いことがポイントです。
ドラッグストアの求人・高収入求人においては業界の中でも1位を獲得しており,大手企業とも強いつながりをもっています。
リクナビ薬剤師の強みは、人材紹介会社日本1位という点であり,就職・転職ノウハウをもつ優秀なコンサルタントが多数在籍しているのです。
求人紹介だけでなく、求人企業から人材の補充の連絡があった場合には素早く登録者へ伝えています。
初めて転職を考えているのであれば、リクナビ薬剤師の転職エージェントに相談してみましょう。
また、女性薬剤師で子育て中はパート、子育てがひと段落してから正社員に復帰するといった働き方を検討している人は、どのような準備をすればいいかなど、具体的に将来に対する相談もできるのです。
女性が多い職業だからこそのきめ細かなサポートも魅力でしょう。
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CME@薬剤師転職
4つ目が、CMEコンサルティングが運営している「CME@薬剤師転職」です。
業界に精通するベテランのエージェントが転職サポートを行っていますが、人気の理由は無料支援だといえます。
面接の同行、転職後のフォローまでを行っており、土日祝日や夜の時間帯でも対応していることが特徴です。
現在薬剤師として働いており多忙な人にも最適でしょう。