薬剤師が転職に失敗しないためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。
「前の職場や業務内容の方が良かった」
「仕事の条件の確認が足りていなかった」など、転職での失敗は避けたいですよね。
転職は事前調査をし、自分が求める条件をしっかり定めましょう。
この記事では薬剤師が転職で失敗しないためのコツと、失敗したと感じる原因を紹介します。
転職で迷っている薬剤師は、より良い環境で仕事できるように確認してください。
目次
薬剤師が転職に失敗しないためのコツ12選
薬剤師が転職に失敗しないためには、本格的な活動を始める前に覚えておきたいコツがあります。
転職の理由を明確にして企業や職種の研究を行わなければ、成功しても良い結果につながりにくい傾向です。
新しい仕事に就いてから後悔しないために、転職で薬剤師が気をつけるポイントを確認しましょう。
1.転職理由や優先条件を洗い出す
まずは、転職で「これだけは外せない」という条件を洗い出し、優先順位を決めてください。
転職先に望むことはたくさんあると思いますが、条件をつけすぎると転職しにくくなります。
年収や待遇に実現が難しいものがあれば、条件のランクを下げるといった工夫も必要です。
高い目標を持つことは大切ですが、高望みをすると転職の失敗につながるので注意してください。
理想通りの転職先を見つけることは難しいため、ある程度の妥協は必要です。
ある程度考えがまとまったら、自分が考える転職先への条件を紙に書き出し、優先順位を付けましょう。
条件に優先順位をつけると、仕事に期待することが分かりやすくなり、希望と合致する転職先が見つけやすくなります。
2.職場の雰囲気や状況をチェックする
人間関係や待遇でトラブルが起きないために、転職前に職場の雰囲気をチェックしましょう。
今の仕事で対人関係や待遇などに悩みを持っている場合は、同じ状況に陥らないためにも転職先の環境をよく確認してください。
できるなら職場見学をしたり、面接を受けるときに働いている薬剤師の観察をしたり、雰囲気を自分で感じとることが重要です。
とくに、薬剤師同士のコミュニケーションがなかったり、厳しい言葉が飛び交っている職場は注意してください。
職場の環境をチェックして不安に思ったり怪しいと感じたりしたら、無理な転職はおすすめしません。
3.求人の給料や待遇の良さだけで転職を決めない
給料や待遇がいいからと言って、その理由だけで転職先を決めることは非常に危険です。
高収入がもらえる仕事は、その背景にマイナスの理由があることが多いため注意しましょう。
残業時間が長かったり、一人当たりの業務量がとても多かったり、高収入でも仕事の内容が過酷で見合わない可能性もあります。
転職先の離職率が高かったり、慢性的な人員不足に悩んでいたり、給料を上げて人材を募集していることもあるので気をつけてください。
薬剤師に限らず、社員が長く働けない職場は、せっかく転職に成功しても長期にわたって活躍できない可能性が高いです。
なぜ高待遇なのか、転職するときはその理由も確認してください。
4.残業時間や昇給の条件をチェックする
昇給や残業などの条件は、募集要項をよく読んでください。
仕事は勤務時間内に業務が終わるとは限らないうえに、残業が当然と考えられている職場もあります。
土日の勤務がある転職先では、出勤は当番制の可能性もあるでしょう。
転職前には、中途採用の薬剤師の昇給率について、快適な数字を確認することが重要です。
昇給制度は転職先によって異なるため、新卒を優先に昇級を考える企業や薬局もあるので注意しましょう。
転職後の条件は、雇われたあとは話しづらい傾向にあるため、入社前にきちんと確認してください。
就業の条件について不明な点がある場合は、面接のときに採用担当者に質問しましょう。
5.未経験者は研修が整っているか確認する
実務未経験で薬剤師に転職する場合は、転職先を慎重に選びましょう。
未経験の薬剤師はスキルを身につけることが最重要のため、研修制度が整っている転職先を選ぶことが大切です。
とくに、調剤薬局への転職を希望する薬剤師は、業務にOJT研修や質問しやすい環境が整っているか事前にチェックしてください。
転職先にもよりますが、中小企業ではOJT研修に加えて、歳の近い担当の教育者から業務について指導してもらえる可能性があります。
薬剤師未経験者の場合は、後悔しないためにも転職先の入社実績や実習について確認を忘れてはいけません。
6.働く地域の給料相場をチェックしよう
薬剤師の給料相場は、企業の規模や職種だけでなく、働く地域によって差があることが多いです。
人手不足が進む地域では給料が高い傾向ですが、薬剤師が飽和状態の地域では賃金ベースが平均的かそれ以下の可能性があるでしょう。
転職をするときは、勤務エリアで働く薬剤師の給料相場もチェックしてください。
しかし、年齢や労働時間にも左右されるため、薬剤師の給料を地域差だけで判断することは危険です。
年収を調べるときは、自分と似ている年代や、同じ職種のモデルケースを参考にしてください。
7.転職にベストなタイミングをつかむ
薬剤師が転職のタイミングをつかむことは、新しい仕事で成功するために重要なポイントです。
薬剤師の求人募集が出やすい1月〜3月は、比較的転職しやすい時期でしょう。
そのほかにも、ボーナスを受け取った後のタイミングも、薬剤師が辞めていく可能性があるため転職に向いている時期です。
予備知識として、女性薬剤師がライフスタイルの変化で転職する場合は、タイミングにかかわらず採用の判断でマイナスの印象になりにくい可能性があります。
体調不良や精神的なトラブルが原因で転職を考えている薬剤師は、新しい仕事でも働き続けることができるか、よく考えましょう。
心身に不調があると転職のタイミング以前の問題のため、健康を整えることを第一に考えてください。
8.転職先の年間休日数を確認する
休日を重視する薬剤師は、企業の「年間休日数」を参考にしてください。
同じ薬剤師でも職種によって年間休日数が大幅に異なるため、事前に確認しましょう。
企業に勤める薬剤師は120日が目安で、土日祝や年末年始お盆の期間に休める可能性があります。
ドラッグストアや土曜日も開業している調剤薬局では、年間休日数が120日に満たない場合もあるでしょう。
加えて、土日休みの転職先だからといって、年間休日数が多いとは言い切れません。
年末年始や祝日も働く仕事の場合は、土日が休みでも年間休日数が少ないおそれがあるので注意してください。
9.転職理由はポジティブなものを用意する
前提として、退職理由について応募する企業に自分から話す必要はありません。
ただし、転職理由を面接で聞かれる可能性があるため、簡潔でポジティブなものを用意しましょう。
「自分の成長性を高めたくて転職する」といったような、良いイメージを与えられる明るい理由を伝えてください。
人間関係のトラブルや給料への不満があって転職を考える場合でも、そのまま伝えるとマイナスの印象になってしまいます。
10.転職先の企業研究・情報収集をする
転職を成功させるために、どんな人材が求められるのか「薬剤師としての理想像」を見極めましょう。
企業の公式ホームページや求人情報を確認すると、転職先はどんな人を雇いたいのか、大まかなイメージができるはずです。
人材市場における薬剤師の需要を見極めることで、転職しやすくなるでしょう。
転職後に後悔しないためにも、入社を希望する職場の情報を集めることは必須です。
12.求人情報をうのみにしない
求人の募集条件ではわからない、支給実績のない手当が導入されている可能性に注意しましょう。
ほかにも、実際に働いてみたら、頻繁に勤務時間の変動を依頼されたり、資格取得のサポートに制限があったりするおそれがあります。
薬剤師の求人情報の募集要項は、採用条件のうち以下のものを注視してください。
仕事内容:どのような業務内容の求人か
応募要件:必要な資格や経験はあるか
給与手当:給与水準や手当について
雇用形態:正社員、契約社員、期間の定めなど
その他、勤務時間や休日、福利厚生、資格取得のサポートなど
実際の仕事についている姿をイメージすることができて、自分に合っていると感じれば第一段階はクリアです。
12.薬剤師特化の転職エージェントを活用する
薬剤師向けの転職エージェントを利用すれば、一人で活動を進めるよりも効率的に動けます。
自分に合った職場を見つけるためには、第三者から見た時の意見も重要でしょう。
求人紹介や転職のサポートをしてくれるサービスが受けられるため、失敗を防げる可能性が高くなります。
書類添削や面接対策など、転職における全体的なサポートが受けられるので、有効活用してください。
転職に失敗した体験談を紹介
薬剤師が転職に失敗した体験談を集めました。
転職に焦ってしまったり、企業のことをよく勉強せずに入社を決めてしまうと、失敗につながりやすいので注意してください。
待遇だけで決めたら職場の雰囲気が悪い
給料や福利厚生などの待遇が良い調剤薬局へ転職しました。
しかしスピード感が求められる仕事を常に担当しなくてはならず、薬剤師同士のコミュニケーションも少ないので、後悔しています。
社風や職場の風潮になじめないまま、仕事を続けることはつらいです。
今の仕事を辞めたくて時期を誤った
前の仕事を辞めたい一心で、準備不足のまま半年前に転職をしました。
現在の仕事は前の職場よりも自宅から遠く給料が安いため、転職後に不満が大きくなっています。
再び転職を考えていますが、薬剤師の資格があっても数ヶ月の勤務だけでは採用試験で不利だと思います。
研修制度がない転職先でスキルが磨けない
薬剤師としてのキャリアアップを考えて、調剤薬局からドラッグストアに転職しました。
今勤めている店舗では研修制度がまったくないため、薬品や医学に関しての知識を学ぶ暇がなく、日々の接客業に追われています。
薬品に関するスキルを学びたいのに機会がないため、転職に後悔を感じています。
転職先の残業が多く体調が崩れた
出産と子育てを機に以前勤めていた仕事を退職しました。
子供が進学したタイミングで時間に余裕が出たので、待遇がいいドラッグストアへ転職を決めました。
勤務時間が長いうえに残業が多くあり、体調が崩れてしまって家庭との両立に困っています。
急なシフト変更が行われることもあるので、連日勤務が続くこともありました。
給与や待遇に大きな魅力を感じましたが、私にとっては時間の面で激務でした。
転職に失敗したと感じる6つの原因
薬剤師が転職に失敗したと感じる原因には、おもに6つのものがあります。
転職を成功させるためには、新しい仕事に対する研究だけでなく、自分のスキルをチェックしましょう。
1.自分のスキルを過信した
自分のスキルを把握できていない状態で、転職活動を行うことは危険です。
ミスマッチな職場に転職してしまう可能性があるので、自分の能力を確認しましょう。
「できること」と「できないこと」がはっきりと判断できると、自分が活躍できる仕事が見極められます。
スキルの棚卸しを行う方法
- 今までの経験を振り返って書き出す
- スキルや強み資格などをまとめる
- 生産効率の改善や業務の達成データなど、仕事での成果を書き出す
2.職場の人間関係がよくない
薬剤師は転職後に、職場の人間関係について悩む人も多い傾向です。
高収入をもらえても、出社するたびにストレスが溜まるような人間関係の職場は避けたいですよね。
働きにくい環境は、心身ともにストレスを感じてしまう可能性があります。
職場見学や求人情報から読み取るほか、口コミを参考にすることも重要です。
3.年収や昇給率が期待通りではない
薬剤師は年収や昇給率の低さが、転職の失敗につながる可能性があります。
転職時は年収を細かくチェックしても、昇給の制度や昇給率まで確認しなかったと言う人もいるでしょう。
年収の総支給額アップを長期的なスパンで望む人は、昇給率もチェックしてください。
キャリアプランを踏まえたうえで、転職先を決めることが重要です。
4.勤務地やアクセスの問題
転職後に、勤務地や職場へのアクセスに不満を持つ薬剤師もいるでしょう。
交通の便が悪かったり、通勤に時間がかかったり、出社するまでの道のりがストレスになる可能性があります。
一方で、勤務先が家から近すぎると、仕事や私生活に支障が出てしまうことにも注意してください。
緊急時に呼び出しを受けやすくなったり、プライベートの時間に他の薬剤師と鉢合わせしたり、身も心も休まらない場合があります。
転職前には、仕事しやすく通いやすい立地か、会社の場所をチェックしましょう。
5.勤務時間や業務量への不満
転職先の企業や職種によっては、勤務時間や業務量が多い可能性があります。
たとえば「残業少なめ」と求人票に記載があっても、実際はどの程度オーバーしているか分かりにくいでしょう。
繁忙期についてもどれぐらい忙しくなるのか、数字のデータで確認することをおすすめします。
イメージと現場のギャップに後悔しないためにも、面接の時に不明な箇所を尋ねてください。
6.スキルアップ制度の問題
スキルアップを目指して転職したのに制度が整っていないと、これからのキャリアプランに影響する可能性があります。
資格取得の支援がなかったり、勉強会や研修が少なかったり、薬剤師として技術を磨く機会がなければやりがいを感じられない人もいるでしょう。
転職で後悔しないためには、研修制度や資格取得サポートについてチェックしてください。
薬剤師におすすめの転職エージェント
薬剤師が転職に失敗しないためには、エージェントを活用しましょう。
薬剤師に特化した転職エージェントなら、自分のスキルや条件にマッチする転職先が見つけられる可能性があります。
ファーマキャリア
ファーマキャリアは、経験豊富なコンサルタントが好条件な求人を作って、転職をサポートしてくれるサービスです。
コンサルタントが薬剤師の希望条件をヒアリングし、企業と交渉することで自分に合った条件で転職ができます。
オーダーメイドのような形で求人を作ってもらえるので、転職後のミスマッチが起きにくいでしょう。
ファーマキャリアのメリット
- コンサルタントによってオーダーメイド形式の求人が用意してもらえる
- 自分の期待する条件で転職できる可能性がある
- 転職で年収アップが期待できる
薬キャリエージェント
薬キャリエージェントは、薬剤師専門の転職サービスです。
業界に精通したコンサルタントが専任で着くため、転職から就業までを手厚くサポートしてもらえるでしょう。
専門性の高さと迅速な対応がポイントで、仕事の紹介や条件交渉だけでなく、職場の調査なども行うサービスが特徴です。
薬キャリエージェントにしかない求人や調査情報も提供してもらえるので、転職先に悩んでいる人にオススメのエージェントです。
薬キャリエージェントのメリット
- 求人の募集情報と、その背景まで教えてもらえる
- 専門性の高いスタッフによる満足度の高い仕事探しが可能
- 医療業界専門のエムスリーグループが提供
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は、エリアごとの求人を網羅し薬局事情に詳しいスタッフがそろっています。
人間関係や残業などの実情も丁寧に説明してもらえるため、転職の後悔が防げる可能性があるでしょう。
キャリアアップについても相談できるので、薬剤師としてさらなる活躍を目指す人にもオススメのサービスです。
マイナビ薬剤師のメリット
- マイナビ薬剤師にしかない非公開求人が多数用意されている
- アドバイザーが親身に対応してくれる
- 登録でサポートブック進呈や限定コンテンツの閲覧など特典が受けられる
薬剤師が転職に失敗しないための疑問を解決【Q&A】
薬剤師が転職に失敗しないための疑問と、その解決策をまとめました。
仕事を進める上で多く見られる疑問をまとめたので、転職を考える薬剤師におすすめの内容です。
Q.転職しない方がいいパターンは?
薬剤師で転職しないほうがいい人の特徴は以下の通りです。
- 年収が既に700万円以上ある
- 定年退職間近の薬剤師
- 今の仕事で年収アップの実績と見込みがある
- 奨学金免除制度を利用している
- 住宅ローンといった高い金額の融資を受ける予定がある
- 人間関係の悩みはなく薬剤師の仕事が楽しい
あくまで一例ですが、以上のような薬剤師は無理な転職をおすすめしません。
結果的に後悔してしまう可能性が非常に高くなるので、今の仕事に不満がない薬剤師は転職することは避けてください。
Q.実務経験半年で転職はむずかしい?
結論から言うと、どの仕事でも実務経験半年で転職は難しいでしょう。
国家資格を持っている薬剤師は、転職しやすいと考えられがちですが一概にそうとは言えません。
実務経験を重ねないまま転職すると、早期離職によって採用されにくくなったり、同期の薬剤師と年収に差が出てしまう可能性があります。
すぐに仕事を辞める癖がついてしまうこともあるので、注意が必要です。
Q.調剤薬局から企業薬剤師への転職は厳しい?
薬剤師の企業の求人には、試験開発モニター、管理薬剤師、製薬会社の品質管理や医薬品開発などがあります。
以上の仕事は求人数が非常に少なく希望者が多いため、採用試験の倍率が高い傾向です。
調剤薬局勤務の薬剤師に限らず、志望動機や自己PRを徹底的に練らなければ採用される確率は低いでしょう。
自分がやりたいことにマッチするか、その仕事を志望するのか、よく考えて転職を決めてください。
Q.50代以上は転職が難しい?
50代以上の薬剤師は転職が難しいとは言い切れません。
求人数自体は少ない傾向ですが調剤薬局やドラッグストアなどを対象にすれば、実務経験が発揮できる仕事が見つけやすいでしょう。
自分のスキルを見据え、転職事情を把握して行動してください。
Q.第二新卒の薬剤師は転職しやすいって本当?
第二新卒の薬剤師は即戦力として期待され、将来性が望めるため、他の年代より比較的転職しやすい傾向です。
企業にとっても教育にコストがかからず、固定概念がない若い年代の薬剤師は需要があるでしょう。
ただし第二新卒の薬剤師が転職する場合は情報収集を徹底し、自分の意欲を伝えることが重要です。
Q.薬剤師から違う仕事に就くのはむずかしい?
薬剤師から違う仕事に就くためには、国家資格や医薬品に関する知識を活かせる仕事がおすすめです。
薬剤師の経験が活かせる仕事の一例には、以下の職種があります。
- 研究職
- 製薬会社のMR(医薬情報担当者)
- 医療コンサルタント
- CRC(治験コーディネーター)
- 薬科大学の教員(助教・講師など)
ただし、以上の仕事は、転職では求人情報や採用人数が少ないことに気をつけましょう。
それだけでなく、自分のスキルや条件に合う仕事が見つけにくいことにも注意してください。
専門性が高くない職種の場合は、これまで活躍を続けた仕事と比べると、年収がダウンしてしまう可能性もあるでしょう。
転職前に優先する条件を決めよう
薬剤師が転職に失敗しないためには、新しい仕事に求める条件を書き出し、優先順位を決めることが重要なポイントです。
どんなことを仕事で最重視するか、自分が大切にしたいことに順番を決めて、スキルや希望にマッチする転職先を選びましょう。
その職種の実務経験がなかったり、今の仕事の勤務年数が1年以下と少ない薬剤師は、転職でやや不利になるので注意してください。