薬剤師資格を持っている皆さんの中には、資格を生かして未経験でも転職をしてみたい!と考えている方いるでしょう。
薬剤師資格は他の職種と比べて資格取得の難易度が高いので、一回取得してしまば一生活用できる資格といわれています。
しかしいざ未経験で転職するとなると、自分でも本当に転職できるのか不安になってしまいますよね。
そこで今回は薬剤師が未経験で異業種に転職するときにおすすめの転職先や、転職を成功させるためのコツを紹介していきます。
目次
薬剤師で未経験で転職できる2つの理由
結論から言って、薬剤師で業務未経験の状態で転職を成功させるのは、現実的には可能です。
理由は以下の2つです。
薬剤師資格がないとそもそも働けない
薬剤師が転職できる職業は、そもそも薬剤師資格がないと働けない職種が大半です。
そのため応募できる人数が限られているので、他の一般職で働いている人材よりも、応募の際のアドバンテージが大きいのです。
また企業としても薬剤師資格者と応募者を絞っているので、転職者とのマッチングがしやすい傾向にあります。
薬剤師業界でも、転職は企業とのマッチングですから、最初から企業と条件面でマッチングできている薬剤師は強いのです。
地域によっては人手不足だから
薬剤師は飽和状態にあるとの声も多いですが、地域によってはまだまだ人手不足の状態が続いているところも多いです。
またインターネットでの医薬品販売に当たり、薬剤師を募集している企業もあるため、薬剤師資格を持った人材を欲している企業はまだまだあります。
地域の求人広告を確認してみて、薬剤師の需要があるかを確認してみましょう。
薬剤師が未経験で転職できる転職先7選
薬剤師は資格を生かして様々な場所で活躍することが可能ですが、現在の職場を離れてどこの業種に転職できるのか気になりますよね。
薬剤師が業務未経験で転職できる転職先は、大きく分けて下記の7つです。
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- MR
- 医薬品販売業者
- 治験コーディネーター
- 医薬品を取り扱うベンチャー企業
- 薬剤師転職のコンサルタント
以下で詳しく解説していきます。
調剤薬局
地域の医療機関に併設されている調剤薬局は、薬剤師が業務未経験でも活躍できる可能性のある転職先の一つです。
調剤薬局では、医療機関で発行された処方箋に基づき、患者さんに合わせて薬を調合していきます。
一か所の調剤薬局には4~5人在籍していることが多く、比較的小規模な職場になることが多いです。
ベテランの薬剤師もいるため、研修制度の整っているところであれば、一から教えてもらうことも可能です。
ただし大学を卒業している年度や調剤知識から離れている期間が長いと、新しい知識を身に着けるために勉強をしないとついていけないこともあるので、注意が必要です。
ドラッグストア
大手のドラッグストアも業務未経験での薬剤師転職の転職先としては、おすすめです。
ドラッグストアでは、第一類医薬品の販売にあたり、薬剤師を一定の時間帯置く必要があります。
最近ではドラッグストアがどんどん出店を広げており、新規店舗での薬剤師募集をかけているところもあります。
またドラッグストアに調剤薬局を併設しているところも増えており、常駐できる薬剤師の需要が増えているのです。
求人があれば自宅近くの店舗で働くことも可能ですので、勤務するのに手間がかからないのもポイントです。
ドラッグストアは店舗によっては営業時間が決まっていますので、残業を強いられることもありません。
MR
MRは病院などの医療機関に向けて、新規の医薬品を販売する営業のことを指します。
医薬品メーカーに勤めて、自社の商品を医薬品知識と共に、医師や院長等に売り込んでいくスタイルで働くことになります。
医薬品の情報を正確に伝えることが主な業務になるので、常に最先端の医薬品知識が身に着けられるメリットがあります。
基本的には新卒一括採用になることが多いですが、企業によっては中途採用の求人を出しているところもあります。
調剤経験がなくとも知識を武器に働くことが可能です。
医薬品卸売業者
医薬品販売卸売業者では、医薬品の管理薬剤師としての薬剤師求人が出されていることが多いです。
ドラッグストアや調剤薬局に長年勤めている経験のある人は、管理薬剤師としての経験を持っている方も居ますよね。
抱えている在庫の医薬品を適切な管理で維持することが求められるので、前職での経験を活かして働くことができるでしょう。
また営業担当のサポートに就くこともあり、医薬品の知識を活用して現場の第一線で活躍できる可能性もあります。
薬剤師の数は多くとも管理薬剤師の人数はそこまで多くはないため、企業からの需要が高いとされています。
治験コーディネーター
治験コーディネーターは、その名の通り医薬品の治験段階で、施設でサポートに当たる人のことを指します。
治験を行う際には治験受験者に対して説明を行ったり、資料を作成する必要があるので、薬剤師の医薬品知識が重要になるのです。
また治験を円滑に進めるために意見をだしたり、調査を行うなど医薬品を完成させるまでの工程に深くかかわれる仕事の一つです。
病院専属の治験コーディネーターもいますが、治験サポートを専門にする企業もありますので、自分に合った働き方を選択できるのもメリットです。
医薬品を取り扱うベンチャー企業
最近ではベンチャー企業でも医薬品を取り扱う企業が増えています。
まだまだ成長段階のため、業務を行うのに必要な薬剤師が足りていないこともあります。
ベンチャーによって担当業務は多岐にわたりますので、一概にどんな業務を担当できるかは明言できませんが、大手とは異なる社風を体験できることには変わりありません。
通常の企業だと上から降られた仕事をただこなすことが求められますが、ベンチャー企業の場合自分の裁量で仕事を進められるので、一般企業とは異なる働き方を進められます。
薬剤師転職のコンサルタント
薬剤師の経験を活かせる職場として、薬剤師転職サービスのコンサルタントも一つの選択肢として挙げられます。
皆さんもご存じの通り、薬剤師には専門のサービスがいくつかあり、若手から年配まで様々な年代の薬剤師の転職活動をサポートしています。
実際に働いた体験をもとに、他の薬剤師の新しい職場を探すサポートができるので、実務経験がなくても活躍できる場が生まれます。
薬剤師の転職は楽じゃなくなる?注意すべき転職市場
薬剤師は一回資格を取得してしまえばそのあとの転職活動は比較的楽になるといわれてきましたが、最近ではその事情も少しずつ変わっています。
実は今後薬剤師の転職は楽ではなくなってしまう可能性もあるんです。
以下で解説していきます。
①薬剤師の人数が増えて雇用先が少なくなる
現在薬剤師資格を取得している人口がだんだんと上昇傾向にあり、薬剤師の人数と雇用先の比率が合わなくなってしまうことが予想されています。
つまり薬剤師はいるのに雇用先である調剤薬局の募集人数を超えてしまい、資格を活かして働けなくなってしまう可能性があるのです。
実は一時期から薬科大学の数が増加した影響で、薬剤師資格を持つ人もそれに伴って増加したことが原因とされています。
人数の増加を止めることはできませんから、今後もこの状況は継続していく可能性が高いです。
②ドラッグストアの薬局併設による調剤薬局の減少
上述した通り、大手ドラッグストアが段々と自社の店舗に調剤薬局を併設する動きを見せています。
医者から処方箋を受け取っておいて買い物ついでにドラッグストアの調剤薬局を利用する患者さんが増えたために、地域の調剤薬局の減少がみられているのです。
ドラッグストアも無限に出店できるわけではありませんから、薬局の併設が増えているといっても雇用先が爆発的に増えるわけではないのです。
③新型コロナウイルスによる調剤薬局の倒産
新型コロナウイルスによって、受診を希望する患者さんの数が減少したことで、調剤薬局が倒産に追い込まれる事例も多発しています。
医療機関での感染を恐れたり、ある程度の発熱では自宅で待機する傾向もみられており、調剤薬局を利用する患者さんも同様に減少する傾向も同様にみられています。
街中でも調剤薬局の閉店の表記を見かけた方も居ますよね。
雇用先の減少に伴い、特に派遣やパートでの勤務が難しい傾向に転じているとも言われています。
薬剤師が未経験で転職を成功させるポイント
薬剤師が業務未経験の状態で転職を成功させるには、ある程度のポイントやコツをつかんでおく必要があります。
- 調剤経験が全くないならパート・派遣から経験を積んでみる
- 転職回数を重ねない
- かかりつけ薬剤師になることをアピールする
- 転職エージェントを有効活用する
以下で詳しく解説していきます。
調剤経験が全くないならパート・派遣から経験を積んでみる
調剤経験の求められる薬局系の職場に未経験で転職したいのであれば、パート・派遣から経験を積んでみる事をおすすめします。
調剤薬局によっては、即戦力を求めているところもありますから、資格はあってもミスマッチが起こって転職先が上手く決まらない可能性があります。
パートや派遣などで求人を紹介してもらえるのであれば、経験を一から積んでみる事をおすすめします。
転職回数を重ねない
転職回数を重ねすぎないことも、薬剤師の転職では重要です。
通常の転職活動と同じように、職場を転々と変えていると採用担当者からしても「せっかく採用してもこの人はやめてしまうのではないか」と疑問を抱かせてしまう可能性があるのです。
転職回数を重ねないうちに転職先を決められるように、慎重に転職先を選んでいきましょう。
かかりつけ薬剤師になることをアピールする
調剤薬局への転職を考えているなら、かかりつけ薬剤師になりたいことをアピールしておきましょう。
最近ではかかりつけ医と同様に、地域の医療に貢献できるかかりつけ薬剤師の需要も高まっています。
少子高齢化社会になるにあたって、定期的に薬の服用が必要な高齢者が増加しているため、いつも同じ担当者が調剤する方が勝手がわかって仕事もやりやすくなります。
かかりつけ薬剤師になりたい目標があることをアピールしておくことで、相手からの印象が良くなる可能性が高いです。
転職エージェントを有効活用する
薬剤師が未経験で転職先を探すのであれば、転職エーイェンとを有効活用することをおすすめします。
自分で未経験OKの求人を探すのも確かに一つ一つ確認できるので、じっくり転職先を探したい方には向いています。
しかし求人検索の際には自分の条件に合わない求人も紛れている可能性がありますから、情報の取捨選択が必要になります。
その点転職エージェントを利用することで、自分の目的に合った求人だけを優先して確認することができます。
また初めての転職活動でも不安がないように、担当のコンサルタントが丁寧に書類選考や面接対策に対応してくれます。
完全無料で対応してくれるので、未経験での転職活動に不安のある方は是非利用を検討してみてください。
薬剤師の未経験転職におすすめな転職エージェント2選
薬剤師が他の業種に未経験で転職するときに、心強い味方になってくれる転職エージェントを、以下にて紹介していきます。
ファーマキャリア
ファーマキャリアは薬剤師の転職に特化している転職エージェントの一つです。
紹介料は完全無料で、薬剤師の転職サービスの中でも特に、担当のコンサルタントのサポート力が高いとされています。
実はファーマキャリアではコンサルタント一人当たりで担当する転職者の人数を制限しています。
そのため一人一人に対して丁寧な対応が可能となっており、初めての転職活動でも安心して転職先を探すことができます。
もしも転職してみたい医療機関がある場合には、コンサルタントに伝えておくと、コンタクトを取って皆さんのために求人を出してくれないかを交渉してもらうことができます。
未経験やブランクのある方の転職サポートにも対応しているので、未経験で他の業種への転職を検討しているなら是非利用を検討してみてください。
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は大手人材紹介会社マイナビの運営する、薬剤師専門の転職エージェントです。
求人件数は46,000件以上を誇り(2022年11月現在)、キャリアアドバイザーの対応が丁寧との評判も高いです。
また公開求人だけではなく非公開求人も多数取り扱っているので、良い条件の求人に出会いたい!という方にとっては非常に利用するメリットが高いといえます。
これまで様々な業界の転職者を支援してきた実績を持ちますから、信頼できるサービスであるのも安心材料の一つです。
こちらも完全無料で利用できるので、初めて転職活動を利用される方は是非利用を検討してみてください。
未経験でも工夫一つで薬剤師の転職は可能
いかがでしたか?
薬剤師で業務未経験だったとしても、転職先を厳選したり工夫をひと手間加えるだけで転職先を見つけることは可能です。
是非現在の経歴を生かして働ける転職先をみつけてみてくださいね。