薬剤師の夜勤はどんな業務内容なのか、どれくらいの給料がもらえるのか気になりますよね。
体力や生活リズムに影響がなければ、積極的に夜勤で働いて高収入を得たいという薬剤師もいるのではないでしょうか。
この記事では、薬剤師が夜勤をするときの仕事内容や給料、どんな企業で夜勤ができるかくわしくまとめました。
薬剤師の夜勤について知りたい人の疑問を解決する、ベストな内容です。
目次
薬剤師の夜勤はどんな仕事?勤務先ごとに徹底解説
薬剤師の夜勤の仕事を、勤務先ごとに解説します。
夜間に行う業務内容や、活躍の場と働くポイントを確認しましょう。
病院で働く薬剤師の夜勤
救急対応や急性期病院、入院設備のある総合病院では、薬剤師に夜勤があることが多いです。
夜勤は夕方から翌朝までの勤務時間で、業務内容は日勤の場合とほとんど同じです。
事故にあって負傷したり、病状が急変したりといった患者に、治療に必要な薬や点滴を用意します。
処方された調剤を渡すこともありますが、勤務先の病院によっては夜勤の場合は会計処理の判断で調剤自体を免除される可能性があります。
夜勤の仕事がハードな場合は、患者の病状に急変があり、夜間対応が忙しいときなど、さまざまな原因が考えられるでしょう。
ドラッグストアで働く薬剤師の夜勤
24時間営業や深夜まで開いているドラッグストアで働く薬剤師は、夜勤対応が求められる可能性があります。
夜間に在住する薬剤師がいないと、その時間に決められた薬の販売が難しいためです。
医者の処方箋がなくても一般薬を販売できますが、要指導医薬品と一類医薬品販売は薬剤師がいなくてはお客様に売ることができません。
ドラッグストアの夜勤は従業員の人数が少ないため、レジや棚卸などの業務も求められるでしょう。
ドラッグストアで働く薬剤師の仕事は、夜勤も調剤だけに限られないことに注意してください。
薬剤師の夜勤は給料が高い理由
薬剤師の給料は、夜勤の場合さらなるアップが見込めます。
なぜ薬剤師は夜に働くと給料が高くなるのか、その理由をまとめました。
夜勤の時給がいいから
薬剤師の夜勤は法定労働時間となり、どの仕事でも深夜労働の割増賃金が加算されます。
深夜割増賃金は時給1時間当たり25%のアップが期待できるので、普段の時給に加えて高い手当が受け取れるでしょう。
そもそも薬剤師の給料が高いから
そもそも薬剤師の給料は、賃金ベースが高めに設定されています。
薬剤師は専門性が高く国家資格が必要な仕事のため、高い年収が期待される仕事ではないでしょうか。
薬剤師の平均年収は530万〜540万と考えられ、時給に換算すると2151円〜2500円が平均額です。
そのうえ夜勤勤務は25%プラスされるので、2688円〜3126円が夜勤で働いたときの平均時給と考えていいでしょう。
薬剤師は基本の賃金がそもそも高いことから、夜勤の場合も高給料が期待できます。
目標に向かってお金を貯めている人や短時間で高収入を稼ぎたい薬剤師は、積極的に夜勤に入っても良いでしょう。
薬剤師が夜勤で働くメリット
薬剤師が夜勤で働くメリットを紹介します。
夜勤で働くことは大変というイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
夜勤は日中の時間を有効活用できる
夜勤をする場合は夜勤明けや休み明けなど、自由な時間が昼に取れると考えられますね。
一方で、日中に仕事をしていると、自由に使える時間が夜や早朝に限定されます。
平日の日中に有効活用できる時間があるため、買い物や通院、銀行や役所などへ出向くことも難しくありません。
夜勤はスキルやキャリアアップにつながる
薬剤師として夜勤経験を積めばスキルがあると認められ、キャリアアップにつながる可能性があります。
夜勤は少人数で仕事をするため責任の重大さが大きく、ミスは当然許されません。
薬剤師が夜勤をするためには命に関わる薬の知識はもちろん、医療の知識も必要です。
ある程度のスキルがなければ夜勤は任せられないため、夜勤の経験がある薬剤師は知識や技術があるという裏付けになります。
薬剤師が夜勤で働くデメリット
薬剤師が夜勤で働くことには、どんな短所があるのでしょうか。
夜勤で働くことのデメリットとその対処法をくわしく紹介します。
生活リズムが乱れやすく体調に負担がかかる
夜勤に慣れないと、生活リズムが狂ってしまい、体調を崩す可能性は低くありません。
夜間に働くことで体調が崩れる原因には、自律神経の乱れや寝不足などが考えられるでしょう。
急性期の病院の夜勤には、体調不良と疲労により患者の感染症をもらいやすいといったデメリットもあります。
まずは体調の変化に気付けるように、日々の自己管理をきちんと行いましょう。
自律神経の乱れを防ぐためには、なるべく決まった時間に起床したり、日光を浴びたりすることが重要です。
家族と時間が合わないことがある
夜勤は、家族が夜に家で過ごす時間に仕事をします。
家族と時間が合わなくなる可能性が高いので、幼い子供がいる薬剤師などはコミュニケーション不足になることもあるでしょう。
夜勤はシフト交換が難しいため、体調不良や家族の都合があっても、急な休みを取りづらいこともデメリットです。
食事の時間も不規則になり、生活が不便に感じることも夜勤の短所です。
夜勤は家族の理解が重要なため、配偶者や子供に対して事前に相談して勤務を始めましょう。
ひとりで対応するスキルが求められることも
夜勤をする仕事内容によっては、一人で対応しなくてはいけないことがあります。
日勤の場合はスタッフの人数が多いためフォローがあったり相談しやすい環境だったり、問題がすぐに解決できる環境です。
一方で、夜勤は少人数の勤務となりフォローがもらえないことが多く、薬剤師の負担も大きいと考えられます。
臨機応変に対応できるスキルを身につけ、トラブルがあった場合の対処法や緊急時の連絡先などをあらかじめ共有してもらいましょう。
急性の病気やけがの知識が必要
緊急搬送された患者や急に具合が悪くなったお客様の対応には、どんな薬が効くのか判断するために急性の病気やけがの知識が必須です。
調剤のためには、症状が発生する原因について深い理解をしなくてはなりません。
薬の知識だけではスキルが間に合わないことが考えられるので、薬物治療の計画にくわえて医療全般の知識や緊急時の対処法を勉強してください。
対応や判断にスピードが求められる
急性期病院の場合は、夜間にも緊急の患者が搬送されます。
どの患者を優先して対応するのか、薬剤師も判断力にスピード感が求められるでしょう。
忙しい場面で柔軟に対応できるかだけでなく、医師や看護師が伝えたい要点を聞き取る能力も必須です。
薬剤師で夜勤がない仕事を紹介
薬剤師で夜勤がない勤務先は、どのようなものがあるのでしょうか。
ここからは夜勤を避けたいという薬剤師向けに、ベストな勤務先を紹介します。
調剤薬局
調剤薬局は、営業時間が決まっているところが多く夜勤が少ない仕事です。
ただし、24時間体制で相談を受け付けているかかりつけ薬局などは、勤務時間外に連絡を受ける可能性があります。
プライベートの時間に薬の症状について相談を受けるため、時間外対応への理解が求められるでしょう。
製薬会社
製薬会社に勤務する薬剤師は、夜勤なしで働ける場合がほとんどです。
医薬品メーカーでも開発や研究などの仕事を行う薬剤師が多く、夜間の勤務が求められるケースはないでしょう。
トラブルが起きた場合は対応が求められますが、ほかの社員に夜勤がない場合は薬剤師だけが出勤を依頼されることは少ないと考えられます。
24時間営業ではないドラッグストア
24時間営業ではないドラッグストアでは、夜勤はありません。
そもそも24時間ではないドラッグストアの場合、夜間は店舗に入ることが難しいでしょう。
決められた営業時間外に働く必要がないため、夜勤の必要はありません。
薬剤師の夜勤と当直の違い
薬剤師の夜勤と当直の違いは以下の通りです。
薬剤師の夜勤 | 夕方17時頃から朝まで出勤する |
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薬剤師の当直 | 朝から出勤して翌朝~昼まで働く 業務が発生したタイミングで対応、それ以外の時間は仮眠を取ることも場合によっては可能 |
当直手当の金額は、1日の平均賃金の3分の1を下回らないことが法律で決まっています。
当直中に仕事が発生しなくても、当直手当は受け取れるため、忙しさや担当する患者の数によっては割の良い勤務形態と考えられるでしょう。
薬剤師で夜勤の仕事を探すならエージェントがおすすめ
薬剤師で夜勤の仕事を探すなら、転職エージェントの登録をおすすめします。
自分のスキルや市場価値を判断できて、希望にマッチする求人が紹介してもらえるでしょう。
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は、初めて転職する人も安心してサポートが受けられます。
フリーワード検索で「夜勤あり」と調べると、希望に合う仕事がヒットするでしょう。
薬局だけでなく企業で働きたい薬剤師向けの仕事も多いので、夜勤を避けたい人にもオススメの転職サポートです。
ファーマキャリア
ファーマキャリアは希望のヒアリング後に、キャリアコンサルタントが企業へ交渉しくわしい条件を設定してもらえます。
いわゆるオーダーメイドのような感覚で求人が見つけられるため、転職後の待遇へのギャップも抑えられる可能性が高いです。
夜勤について相談したい薬剤師は、ファーマキャリアの登録後にコンサルタントへ相談しましょう。
薬剤師の夜勤はやりがいがある仕事
薬剤師の夜勤はやりがいがある仕事で、うまくできればキャリアアップにつなげられる可能性があります。
ただし、夜勤は少人数で勤務するため責任感がともない、緊急時に柔軟な対応力が求められる仕事です。
手当があるからと言って安易に夜勤の仕事を決めるのではなく、自分に完遂できる能力があるかよく考えましょう。