薬剤師が感じる仕事のやりがいは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
医療の分野でもIT化が進み、薬剤師が仕事の上で使うツールやデバイスなども日々進化しています。
環境が大きく変わることで、仕事に対してのやりがいや満足度にも変化が起きる場合もあります。
今回の記事では、薬剤師のやりがいに加え、やりがいが持てないときの対処法もくわしくまとめました。
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薬剤師はどんなときにやりがいを感じる？
薬剤師の仕事は医薬品の知識を幅広く持ち、服薬説明や薬の販売をしたり、医薬品にかかわる悩みの相談に乗ったりします。
薬が体にどのように効くか、副作用はあるかの確認だけではなく、治療する病気についても勉強が必要です。
薬剤師の仕事はやりがいが大きく、日々の努力が必要ですね。
それでは、薬剤師が感じる具体的なやりがいを紹介します。
役に立った・感謝されたとき
感謝の言葉をもらったとき、薬剤師として自分の仕事を誇りに思うことも多いのではないでしょうか。
薬剤師は個人の病気やけがに対する背景や問題をきちんと聴き、健康面のサポートをすることで、感謝される場面が多い仕事です。
薬の使用に関するフォローや飲み合わせの対応、医師との連携や在宅訪問など、対人業務が多く、健康改善への貢献度が高いことも薬剤師の特徴です。
患者さんに「ありがとう」といった感謝の言葉をもらったとき、役に立ったことを感じて薬剤師はやりがいを感じます。
さまざまな医療貢献ができるとき
薬剤師は、緊急時のトラブルや臨床研究など幅広い知識が必要な仕事です。
さまざまな医療に自分のスキルが発揮ができるとき、薬剤師はやりがいを感じられます。
例としてドラッグストアに勤める薬剤師の場合、セルフメディケーションの対応をしたり、病院への受診を進めたり、病状に応じた柔軟な対応力を求められます。
がんといった専門的な病気の薬学管理を行う専門医療機関連携薬局の新設や、在宅訪問医療などの地域連携薬局など、薬剤師の仕事は多岐にわたるでしょう。
これから薬剤師がやりがいを感じる機会も、さらに増えていきそうですね。
責任あるポジションを任されたとき
仕事をするうえで、責任あるポジションを任されたときにやりがいを感じる人は多いのではないでしょうか。
多くの薬剤師も重要な業務の担当者になったとき、仕事への満足感がさらに高まります。
薬剤師として働く中で、責任をもって業務の徹底や改善を目指して試行錯誤し、結果につなげるということは大切なスキルです。
逆を言えば、任された仕事の提案や取り組みで周囲を巻き込んで成果を得られることは、責任感が認められた証拠といえるでしょう。
高い給料水準と手厚い福利厚生を感じたとき
薬剤師は専門職であり、一般的に給料水準が高い高収入の仕事といえます。
自分の仕事に見合う給料をもらうことは、仕事を続けるための大切なモチベーションの一つですね。
また、病院やクリニックに勤める薬剤師のなかには土日もしくはそのどちらかが休みで、平日も決まった休日があるという人もいます。
休日の規定がきちんとあることは、仕事と生活のバランスがうまく取れることにつながりますね。
産休や育児休暇が申請できる場合は、女性が働きやすい環境ともいえるでしょう。
頑張りに見合った給料がもらえて福利厚生といったフォローがしっかりしていることが、仕事のやりがいに影響する薬剤師もいます。
薬剤師によって感じるやりがい
薬剤師の勤務先によって感じるやりがいは、それぞれ異なるようです。
患者さんからの感謝や役に立てたという気持ちは薬剤師のやりがいの前提としてありますが、勤務先によって違う仕事に感じる具体的な満足感を確認してみましょう。
病院やクリニックの薬剤師
病院の病棟薬剤師は、患者さんと接して毎日の経過を観察する、人命にかかわる仕事です。
また、チーム医療として医者や看護師と連携し、高度な医療にかかわる場合もあります。
責任感のある仕事でスキルと知識が発揮できることは、大きなやりがいになるでしょう。
病院やクリニックの薬剤師薬の調剤だけでなく、注射薬や点滴の管理・調製、飲み方の指導、在庫管理や品質の確認のほか、臨床検査も行います。
より専門的な医薬品のスペシャリストとして成長できることも、病院やクリニックで働く魅力のひとつです。
ドラッグストアで働く場合
ドラッグストアで働く薬剤師は、自分の判断でお客様の症状に合った薬を提案できることにやりがいを感じるケースが多いです。
医療医薬品の案内やOTC医薬品のアドバイス、サプリメントや健康補助食品などをすすめることで、幅広い業務を担当できます。
接客スキルの向上にもつながるため、新商品の医薬品の勉強や説明など、新しい情報のインプットとアウトプットも欠かせません
常に向上心と責任感を伴うやりがいのある仕事ですね。
調剤薬局勤務の場合
調剤薬局・保険薬局に勤める薬剤師は、長期にわたって患者さんの定期的な健康サポートを行えます。
調剤薬局勤務の薬剤師は、多くの患者さんとコミュニケーションをとり、健康指導にかかわることを仕事のやりがいと感じるのではないでしょうか。
地域密着型の薬局では、患者さんに寄り添い薬と健康に関する細かなサポートができることに、おおきなやりがいを感じられます。
高齢者の在宅医療の場面では、健康管理や相談にのることにも責任感が必要な、医療サービスの中でも重要な仕事といえますね。
メーカーや製薬会社
MR(医療情報担当者)や研究所の管理、臨床開発や研究職、学術などにかかわる薬剤師は、幅広い分野でやりがいを得られます。
患者さんとじかに接して感謝されるケースは少ないですが、多くの人の命や健康にプラスになる仕事ができます。
新薬の開発や医薬品の普及活動、製品の安全性チェックなどを通して、購入者の健康に貢献することは、仕事への満足度につながりますね。
行政機関で働く場合
国や都道府県、保健所などに勤める薬剤師は安全や健康に大きくかかわる仕事に貢献できます。
一般的な薬剤師とは異なる仕事にやりがいを見つけることが可能です。
薬剤師が行政機関で働く場合の、業種の一例を紹介します。
- 薬事監視員として医薬品の表示・保管・適正使用について調査・指導・監視をする
- 衛生研究所といった公立研究機関で、試験検査や医薬品研究を行う
- 警察や自衛隊で麻薬取締官や自衛隊薬務官として貢献する
薬剤師がやりがいを感じられないときの4つの対処法
多くのジャンルで活躍できる薬剤師ですが、同じ業務が繰り返されることや人間関係のトラブルでやりがいがはっきりと見えなくなってしまうケースがあります。
ここからは、薬剤師がやりがいを感じられないときの対処法をいくつか紹介していきます。
1.あたらしい目標を設定する
仕事でやりがいを感じられないときは、新しいことにチャレンジしてはいかがでしょうか。
薬剤師の仕事は、学ぶ分野が多く、求められることが多岐に分かれています。
自分が興味のある、気になるものをチェックしてみましょう。
ひとりでトライすることが難しい療養指導や専門認定薬剤師へのチャレンジは、金銭的サポートやメンバーを見つける補助をしている企業があります。
また、対人関係や労働環境が悪く、やりがいに悪影響を及ぼしている場合、上司へ相談して環境を改善してもらうことも考えましょう。
勤務先が働き方改革や医療従事者のメンタルヘルスのサポートに取り組んでいる場合、持ち直せる可能性があります。
2.リフレッシュのため休暇をとる
やりがいを感じられない場合、心身もしくはどちらかの疲労が原因のケースが多いです。
仕事に疲れている場合は、業務内容が作業的になってしまう危険性があります。
ミス防止のためにも、いったん仕事から離れて頭と気持ちを切り替えてはいかがでしょうか。
一定の期間休むことで、薬剤師としてのやりがいや仕事の面白さを再確認できます。
企業勤務の場合は、ある程度であれば有給休暇が取得しやすい場合が多いです。
薬剤師にかかわらず、働くうえで仕事を見つめなおすための休暇は大切です。
3.感謝されたときの言葉を思い出す
やりがいを見失ったときは、患者さんや他のスタッフからもらった感謝の言葉を思い出しましょう。
薬剤師がやりがいを感じて仕事に取り組む姿勢は、患者さんの健康や生活改善につながる大切なことです。
ひいては、薬剤師のやりがいは、患者さんやお客さんの幸せにかかわります。
非常に忙しい現場の仕事や対応に嫌気がさしたときは、仕事で得られたうれしいメッセージを思い出してください。
4.先輩や友人に相談してみる
自分がおかれた環境を客観的に見直すために、就職先や業種が違う友人や先輩に相談してみることも一つの方法です。
自分はこんなに頑張っているのに仕事場で評価されない、業務量が自分だけ多いといった悩みには、職場環境や経営状態など何かしらの原因がある場合がほとんどです。
ただし、他の人の話を聞くことで、自分の待遇や職場が案外恵まれていると気付けるケースがあります。
また、多くの薬剤師が集まる薬学系の学会や学術集会への出席は、モチベーションの維持や刺激にプラスとなる影響が得られるためおすすめですよ。
薬剤師が転職で失敗しない方法3つ
薬剤師として、どうしてもやりがいを感じられず転職を考えているという人向けに、仕事を変えるうえで失敗しない方法をまとめました。
薬剤師が転職で失敗しない方法はおもに次のことに注意しましょう。
1.自己分析をしっかり行う
薬剤師として何がしたいのか、どうなりたいのか、どうしてやりがいを感じられないのか、自己分析をしっかり行いましょう。
本当に転職をするべきか見極めるだけでなく、自分が働きたい就職先や転職でアピールできるポイントが見つかります。
簡単な自己分析の方法は、「できること」「したいこと」「したくないこと」「やるべきこと」を紙に書き出すことです。
自分の考えと現状の悩みを冷静にまとめられるため、おすすめです。
2.新しい職場の情報収集を徹底する
転職前に新しい職場の情報収集をきちんと行いましょう。
入社後研修や教育体制の内容だけでなく、社風や職場の居心地などを面接時に確かめてください。
企業の理念や沿革から会社の風土が読み取れますし、社員のインタビュー記事から自分のスキルやキャリアが生かせる仕事なのか、入社後の働き方をイメージすることが重要です。
3.長く働ける仕事内容か冷静に見定める
やりがいだけに着目しないで、長く働ける仕事内容か一歩下がった位置で見てみましょう。
勤務条件や待遇、環境や勤務地なども確認し、総合的な判断をしてください。
実際に勤務したときにどんな悩みが生まれそうか、どんな課題が発生しそうか、それに対応する能力は自分にあるかを事前に確認してください。
薬剤師の大きなやりがいは健康への貢献
薬剤師が感じる仕事のやりがいは人によってさまざまですが、健康に対する貢献ができるということが共通します。
やりがいが持てなくなったときは、これまで仕事をするうえでもらった感謝の言葉を思い出したり、新たな目標を見つけたりしてくださいね。
また、薬剤師の仕事に悩んでいる人には、休暇を取ってリフレッシュする、先輩や友人に相談するといった解決策もあります。
