薬剤師は高い専門知識を有する職業になるので他の職種と比べると給料は高いのですが、職場によって大きく給料が変わります。
同じ薬剤師として働く以上は、給料の高い職場で働きたいですよね。
では、給料が高い職場はどこなのでしょうか?
この記事では薬剤師の給料が高い理由、給料が安い職場・高い職場、給料を上げるためのポイントについて詳しく解説していきます。
目次
基本的に薬剤師の給料は他の職種と比べて高い
薬剤師は「給料が安い」なんて言われることもありますが、基本的に他の職種と比べると給料は高いです。
薬剤師でも職場によって給料は異なるため、明確に「〇〇円」高いということは言えませんが、平均年収が高い傾向にあります。
なぜ薬剤師は他の職種よりも給料が高いのでしょうか?薬剤師の給料が高い理由を解説します。
薬科大学に入学する難易度が非常に高いから
薬剤師になるためには薬科大学に入学する必要があるのですが、入学すること自体難易度が高いです。
偏差値は最低でも「60以上」必要で、国公立の薬科大を目指す場合は、偏差値は「70以上」必要になります。
偏差値70は高校3年間を勉強にささげても難しいラインです。
これほど薬科大学に入学することが難しいので、他の職種よりも給料が高いのでしょう。
国家資格である薬剤師資格の取得難易度が高いから
薬剤師になるためには国家資格も取得する必要があるのですが、取得難易度も高いです。
入学することも資格を取得することも難易度が高いと考えると、他の職種よりも給料が高くなりますよね。
薬剤師資格の取得率は60%前後で、試験科目は7種類もあります。
7種類の科目について詳しく勉強する必要があると考えると、取得することは難しいでしょう。
専門知識を活用して働くことになるから
薬剤師は薬を扱う仕事で、専門知識を活用して働きます。
基本的に専門知識を活用して働く職種は給料が高い傾向にあります。
薬剤師の他にも「弁護士」「医者」「一級建築士」などが挙げられて、専門知識を活用する職種は代わりの人材を探すのが大変なため、給料が高いのでしょう。
薬剤師になるのは難しい?試験難易度や覚悟すべきポイントを徹底解説
薬剤師の中でも給料が安い職場は「病院」
薬剤師の中で給料が安い職場は「病院」です。
「病院=給料が高い」というイメージを持たれている方が多いと思いますが、実際は最も給料が安い職場になります。
病院の給料が安い理由について詳しく解説します。
薬剤師からの人気が高い職場だから
薬剤師は「ドラッグストア・調剤薬局・製薬会社」などさまざまな職場に勤めることが可能なのですが、中でも病院は人気がある職場です。
「人気のある職場=人手が足りている」ということになるため、給料が安いと考えられます。
さらに病院に勤めている薬剤師の人数は多く、数人退職することになっても大きな影響はありません。
そのため給料を安く設定できるのでしょう。
他の職場の方が人手不足が深刻だから
上記でお伝えしたように病院は人手不足ではないのですが、病院以外の職場「ドラッグストア・調剤薬局・製薬会社」などは人手不足が深刻です。
人手不足が深刻な職場では高い給料が支払われるため、必然的に病院の給料が安いということになります。
そのため病院以外の職場が人手不足になればなるほど病院の給料が安く感じるでしょう。
昇給スピードが決まっているから
病院で働く薬剤師は昇級スピードが決まっていて、他の職場と比べると遅いです。
初任給では製薬会社・調剤薬局よりも病院の方が高いことがあるのですが、キャリを積めば積むほど製薬会社・調剤薬局の方が給料が高くなります。
病院は昇給スピードが決まっている上に、昇給スピードが遅いため、病院は薬剤師の職場の中で給料が安いのでしょう。
薬剤師の給料が高い職場3選!
薬剤師として同じ時間働くなら、給料が高い職場で働きたいと思いますよね。
そこで薬剤師の中で給料が高い職場を3つご紹介します。
「給料の高い職場で働きたい」と思っている人は参考にしてみてください。
ドラッグストア
ドラッグストアは初任給が最も高い職場です。
キャリアを積んだ後の給料は製薬会社の方が高いですが、薬剤師の中では給料が高い職場になります。
その理由は薬剤師手当が5万円〜10万円程度支給されるからです。
薬剤師手当ての相場は「3万円〜5万円」になっているため、ドラッグストアの薬剤師手当ては他の職場よりも高いです。
他にもドラッグストアの給料が高い理由はいくつかあります。
調剤薬局併設型が増えているから
近年は「調剤薬局併設」のドラッグストアが増えてきていて、薬剤師の需要が増しています。
調剤薬局併設のドラッグストアとは、医療機関からの処方せんを取り扱う「調剤薬局」と、OTC医薬品や健康食品などを取り扱う「通常のドラッグストア」が併設された業態を指します。
調剤薬局併設型のドラッグストアには、必ず薬剤師が勤務している必要があるため、需要が向上していきます。
ドラッグストア自体の店舗数が増加しているから
近年は調剤薬局併設型のドラッグストアが増加していますが、通常のドラッグストア自体の店舗数も増加しています。
通常のドラッグストアでも薬剤師は必ず勤務している必要があるため、店舗数が増えれば増えるほど薬剤師の需要が高まります。
薬剤師の需要が高まっているドラッグストアで働くと、必然的に給料は高くなりますよね。
ドラッグストアへの転職ってあり?薬剤師の転職で後悔しないための秘訣
製薬会社
製薬会社は昇給スピードが速いため、キャリアを積めば積むほど給料は高くなります。
初任給は他の職場と大きく変わらないのですが、キャリアを積むと年収は病院の約2倍以上になります。
その理由として挙げられるのが、景気に左右されないということです。
医薬品は現代人にとって常に必要なものになるので、不景気になることはありません。
製薬会社の給料が高いことについてさらに詳しく解説します。
MRや研究開発はインセンティブや専門性が高いから
製薬会社と言ってもさまざまな部門があり、中でも給料が高いのが「MR」と「研究開発」です。
MRは製薬の営業で取り扱う薬は医療用になるので、取引先は「病院」です。
そのため製薬や医療品に関する専門の知識を持っていることが前提になるのですが、その分インセンティブも高いです。
そして研究開発は、新しい薬を開発することが仕事です。
豊富な知識量が必要になる研究開発は高い専門性が求められるため、製薬会社の中でも給料が高いです。
大手企業が多いから
製薬会社はドラッグストアや調剤薬局に比べると大手企業が多いので、給料が高いです。
製薬会社でも売上げトップの「武田薬品工場」は、売上高「3兆円以上」を誇っています。
薬剤師の限らず、大手企業に勤めることになると給料は高くなりますよね。
中途採用の基準が高いので注意
製薬会社は新卒の方が入社しやすく、中途採用の場合は採用基準が高く設定されています。
そのため中途採用で製薬会社に入社するのは難しいです。
ただし、製薬会社から製薬会社に転職する場合は入社しやすいです。
「将来は大手製薬会社で働きたい」と思っている方は、中小製薬会社でも良いので入社しておくことをおすすめします。
調剤薬局
調剤薬局の初任給は製薬会社よりも高く、キャリアを積んでいくとドラッグストアと同じぐらいの給料がもらえます。
調剤薬局の給料が高い理由として挙げられるのは「人手不足」です。
調剤薬局は上記でご紹介した職場の中で最も人気がないと言われています。
そのため常に人手不足が深刻で給料を高くしざるを得ない状況です。
調剤薬局は「閉鎖的な職場」と言われているため、人気が低いのでしょう。
新卒でも高い給料がもらえることが多い
調剤薬局は新卒でも高い給料をもらうことが可能で、企業によっては年収「400万円」を超えることもあります。
一般企業に勤めている新卒の平均年収は「200万〜250万円」になるので、約150万円以上の差があります。
ただし、昇給する金額は少ないのでキャリアを積んでも、年収が1,000万円を超えることは考えにくいです。
昇進しないと給料が上がらないデメリットもある
調剤薬局は新卒でも給料が高いというメリットがありますが、昇進しないと給料が上がらないというデメリットもあります。
昇進せずに勤めていると新卒の給料とさほど変わらない金額で5年、10年と働くことになります。
調剤薬局で高い給料をもらいたい方は、昇進するようにしましょう。
今の給料に満足していないなら高収入の職場へ転職しよう
現職の給料に満足していない方は、上記でお伝えした給料が高い職場に転職することをおすすめします。
薬剤師は有資格者になるので「転職先が決まらない」ということは考えにくいです。
また、人手不足が深刻な職場・企業・地域は多くあるので、現職よりも給料の高い職場に転職することは可能です。
転職になると不安な気持ちが出てくると思いますが、満足していない職場は思い切って転職しましょう。
薬剤師が給与アップを目標に転職する際の対策法
薬剤師として給与アップを目標に思い切って転職したにも関わらず、「給与アップできなかった」ということは避けたいですよね。
そこで給与アップを目標に転職する際の対策をいくつかご紹介します。
「絶対に給与アップさせたい」と思っている方は参考にしてみてください。
薬剤師の給与が高いor人数が少ない地方で転職する
薬剤師の給与は勤務する地域によって変わります。
簡単にお伝えすると薬剤師が足りている地域が給与が低く、薬剤師が足りていない地域は給与が高いです。
そのため薬剤師の人数が少ない地方で転職するようにしましょう。
薬剤師の人数や給与は地域によって異なるので、給与アップさせたい方は転職する前に一度確認することをおすすめします。
求人情報を集めて自分にあった職場を探す
薬剤師の求人情報は山のようにあるので、可能な限り求人情報を集めましょう。
集めれば集めるほど自分に合った職場を見つけられる可能性が高まり、給与が高い求人も見つけやすくなります。
働きながら求人情報を集めることは時間的に厳しいと思うので、転職サイトを利用するようにしましょう。
転職サイトを利用する
転職サイトを利用すると、働きながらでも簡単に求人情報を集めることが可能で、サイトを介して応募もできます。
また求人の検索機能も便利で「勤務地・給与・手当て」など自分が希望する条件を入力すると、条件に近い求人を提案してくれます。
さらに転職サイトには転職のサポートをしてくれる「アドバイザー」が存在するため、初めて転職する方でも心配は不要です。
給与アップを目標に転職する際は、必ず転職サイトを活用しましょう。
給料UPを目標にしている薬剤師向けの転職エージェント
国内には数多くの転職エージェントがあるので、「どの転職エージェントを利用しよう…」と悩むと思います。
そこで給与アップを目標に転職する薬剤師向けの転職エージェントを3つご紹介します。
それぞれ特徴があるので、自分に合った転職エージェントを利用してください。
薬キャリ
薬キャリは薬剤師に特化した転職エージェントで、高い利用者満足度を誇ります。
そんな薬キャリの魅力は「圧倒的な求人数」です。
薬キャリが取り扱っている求人数は、常に4万件以上あります。
薬剤師の求人だけで4万件以上あ取り扱っているのは、業界トップクラスでしょう。
薬キャリには常に豊富な求人があるため、給与アップの目標も達成できる可能性が高まります。
マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は大手人材紹介会社「マイナビ」が運営している、薬剤師に特化した転職エージェントです。
そんなマイナビ薬剤師の魅力は「転職ノウハウ」です。
運営しているマイナビは「保育・看護・ゲーム」など、さまざまな分野に特化した転職エージェントを展開しているので、転職に関するノウハウは豊富です。
そのため転職をスムーズに成功させることができて、給与アップの目標も達成できるでしょう。
ファルメイト
ファルメイトは大手転職エージェントと比較すると知名度は低くなりますが、利用者からは高い評価を得ています。
そんなファルメイト魅力は「高待遇の求人が多い」ということです。
ファルメイトが取り扱っている求人は最低時給が「2,800円」が保証されています。
最低時給が「2,800円」になるので、それ以上の求人も多数取り扱っています。
そのため給与アップのための転職にはぴったりな転職エージェントと言えるでしょう。
給料に不満があるなら転職で昇給のチャンスをつかもう
この記事では薬剤師の給料についてお伝えしましたが、高い専門知識を必要とする職業なので、他の職種と比べると給料は高いです。
職場によって給料は異なるのですが、「製薬会社→ドラッグストア→調剤薬局→病院」の順に安くなります。
そのため薬剤師として高い給料を求める場合は、思い切って給料の高い職場に転職しましょう。
給与アップを目標に転職する際は、上記でお伝えした対策を参考にしてみてください。