自分にはもっと相応しい職場があるはず!
…と思って転職活動をしても、必ずしも転職先が見つかるとは限りません。結果的に転職できずに今の会社にとどまるしかない、という方もいらっしゃるでしょう。
それは、なぜなのか。
転職できないことには、何らかの理由があります。その理由をきちんと把握した上で、改善のための努力をしなければ、転職先はいつまでも見つからないでしょう。
今回は、転職できない方の特徴をご紹介。そして、どうすれば転職できるようになるのか、誰に相談すべきなのかなどを解説します。
目次
転職できない薬剤師の特徴
転職できない。
つまり、企業から「採用したい」と思われる薬剤師ではなかったということ。
その理由には、いくつかの共通点があります。今回は代表的なものをご紹介していきますので、ご自身に当てはまるものが無いか、チェックしてください。もし該当するものがあれば、重点的に改善に取り組んでみましょう。
社員の平均と比べて年齢が高い
年齢は、転職活動においてネックになる要素です。
企業としては、今後できるだけ長く働いてくれる若手がほしいと思うのは当然のこと。
特別なスキルや経験、役割を求める場合はベテランを採用することもありますが、そうでない限り、同じスキル・経験なら若手に目が向きます。
年齢を重ねるとリーダー職の経験がないときつい
年齢を重ねての転職となると、リーダーなど役職・マネジメントの経験がないと転職活動は厳しいかもしれません。
調剤薬局であっても、ドラッグストアであっても、利益を追い求める“企業”です。企業活動を継続していくためには、ベテランが後輩に技術や経験を伝えていくことが求められます。
ゆえに、年齢を重ねているにも関わらずリーダーなどの役職経験がない方は、転職市場においては不利になりがちです。
未経験・異業種への転職も厳しくなる
薬剤師としての転職が難しいなら別業界へ!…と思っても、年齢を重ねれば重ねるほど、異業種への未経験転職も難しくなってしまいます。
…といってもせっかく薬剤師の資格を持っている以上は、薬剤師としての転職を目指すべきでしょう。
自主都合で退職して転職理由が明確ではない
転職は悪いことではありません。しかし、転職理由が明確でないと、企業からの印象は悪くなります。
退職には、自主都合退職と、企業都合退職があります。企業都合とは、会社の倒産や事業縮小によるリストラなどが該当します。これに対して自主都合退職は、自分から会社に「辞めます」と伝えて退職すること。
面接官は、転職者の『転職理由』を気にします。例えば転職理由が曖昧な場合、「ウチに入社しても、またフラっと退職してしまうのではないか…」とリスクを考えてしまいます。採用にはお金が掛かるので、こうしたリスクは取り除いておきたいと思うのが、企業側の本音でしょう。
転職理由が明確であれば、面接官はそこまで懸念を感じません。例えば…
「認定薬剤師を目指しており、学習支援制度が整った会社で学びたい」
「子供の教育などを考えて、収入アップを目指して転職活動をしている」
「年齢層が高く上が詰まっていたため、役職者を目指せない。キャリアアップのため、役職者候補として採用してくれる会社を選びたい」
こういったふうに。決してネガティブにならないよう、前向きな転職理由を語ることができれば良いと思います。
転職回数が多すぎる
薬剤師は他の職種に比べると転職が当たり前なので、転職回数が多くてもそこまで問題にならないかもしれません。
しかし、例えば転職回数が5回の方と1回の方、どちらかを採用するとなったとき。企業としては転職リスクが少ないであろう【1回】の方を採用したくなるのは当然です。
もしあなたの年齢に対して転職活動が多いようであれば、転職が多い理由、過去に転職をした目的などを明確に伝えるようにしましょう。
転職回数の多い薬剤師が転職で成功するためのポイント!上手な転職理由の伝え方
求める条件が高すぎる
自分自身がその求人にふさわしい人材かを見極めることも大切です。
たとえば、薬剤師として現場で数年仕事をしてきただけなのに、年収800万円の管理薬剤師の募集に応募しても、採用はされませんよね。
チャレンジングな転職は素晴らしいと思いますが、求める条件が明らかに高すぎるようであれば、転職活動はうまくいきません。自分の市場価値を理解した上で、自分自身にふさわしい求人を選ぶようにしましょう。
コミュニケーション能力が低い
コミュニケーション能力も、薬剤師として大切な素養のひとつです。
薬剤師なんだから、調剤や服薬の説明ができれば問題ないだろう…という時代ではありません。
薬局は飽和状態に近づき、ある調査では10年後には30%ほどの薬剤師が職に困るかもしれないというものまで…。そんな中で『地域のかかりつけ薬局』としての役割が求められるようになり、より患者さんとのコミュニケーションが大切になっています。
また、同じ職場のスタッフと円滑に仕事をしていくためにも、コミュニケーション力は大切。薬剤師の転職理由の上位にも、よく『人間関係への不満』が挙がります。
人気の企業へ申し込んでいる
人気の求人は当然倍率が高くなりますので、簡単には採用されません。求人で提示されている条件よりもハイレベルなスキル・経験を持った方も応募してくる中で、そんな方々と採用枠を争っていくことになります。
確かに人気の企業に応募したくなるのは当然なのですが、自分に見合った求人を選ぶことも大切です。
転職を検討しているなら市場価値を高めよう
転職市場において重視されるのが、転職者の『市場価値』です。市場価値とは読んで字のごとく、その人材の価値を示すもの。
年収などで表されることも多いですが、数字では表しきれない感覚的な価値観でもあります。
企業は市場価値が高い人材を欲しがりますし、反対に市場価値が低い人材は求められません。希望の転職を叶えるためには、自分自身の市場価値を理解した上で、高めていこうとすることが大切です。
では、どうやって市場価値を高めていけばいいのでしょうか。ここでは今日からできる3つの方法をご紹介します。
認定薬剤師を目指してみる
認定薬剤師の取得は、市場価値を高める近道です。
ご存知の方も多いと思いますが、認定薬剤師とは『自己研鑽により資質向上努力を継続している薬剤師』と証明を受けることです。
単位取得によって誰でも認定を受けることができ、すぐに始められる自己研鑽のひとつです。
認定薬剤師制度は大きく3つに分けられます。
①生涯研修認定制度
薬剤師としての能力の向上を目指した研修を受けることで、単位が給付されます。一定の生涯研修記録に基づいて成果が認定されます。
②特定領域認定制度
上記の生涯研修の中でもさらに焦点を絞って、特定の分野や領域の学習成果を認定する制度です。
③専門薬剤師認定制度
上記よりもさらに特定の疾患や診療領域を対象に、薬学的な専門知識を活かして保健・チーム医療・地域医療・福祉に貢献できる能力を保証し、専門薬剤師として認定する制度です。
ビジネス全体に活きる資格を取得する
薬剤師としての市場価値を高めるために、薬剤師のスキル・経験を積むのは当然のこと。
これに加えて業務に活かせる資格を取得することで、他の薬剤師にはない価値を手に入れることができます。
一例ですが、薬剤師の方であれば以下のような資格を取得していると、業務やキャリアの幅は広がるでしょう。
ご自身の志向性にもよるかとは思いますが、興味のある分野があればぜひ検討してみてください。
①第三種製造販売業者
医療機器や医薬部外品、化粧品などの製造販売を行う際に必要な資格です。特に化粧品などは市場が大きいので、ニーズの高い資格です。
②薬事監視員
薬務課や保健所などに所属して、医薬品の検査・指導を行います。
公的な業務に携わる、かなり特殊な役割です。
③食品衛生管理者
食品や添加物などを製造する施設に配置が義務付けられている国家資格です。
薬剤師の資格を取得しているだけで、食品衛生管理者になる要件はすでに満たしています。
④衛生管理者
労災などを未然に防ぐ役割で、50人以上の従業員がいる事業所では衛生管理者を置くことが義務付けられています。現在不足しているようなので、ねらい目です。
もちろん上記以外にも様々な資格が転職に役立ちます。薬剤師としての知識を活かすものだけでなく、店舗運営やビジネスそのものに活かせるような資格も重宝されるでしょう。
リーダー職を積極的に経験する
リーダーなどのマネジメント職を経験することでも、市場価値は高まります。
どんな店舗であっても役職者は必要です。マネジメントについてを指導するのは時間もコストもかかるため、すでに経験している方を採用したいと思うのは当然のこと。
もし現職でリーダーなどに挑戦できる環境があるのなら、ぜひ積極的に手を挙げてみましょう。
転職活動が不安なら転職エージェントにも相談しよう
転職活動に不安があるなら、転職エージェントに相談してサポートしてもらうのもオススメです。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは、転職活動のプロ。特に薬剤師専門の転職エージェントの場合、薬剤師の仕事やキャリアプラン、市場動向などにも詳しく、転職活動においてとても頼りになる存在といえるでしょう。
求人探しや転職活動のサポート以外に、あなた自身の市場価値を見極めてもらったり、キャリアの相談をしてみたりと、幅広い活用の仕方ができます。
登録や相談などすべてのサービスは無料で活用できますので、これから転職活動をする方はもちろん、転職活動の予定はなくとも自分のキャリアを考えたい方や市場価値を知りたい方なども、登録してみると良いでしょう。
薬剤師専門の転職エージェントは世の中にたくさんありますが、ここでは特にオススメな転職エージェントを2つご紹介したいと思います。
マイナビ薬剤師
特に使いたいサイトが無いのであれば、まずは『マイナビ薬剤師』への登録がおすすめです。
薬剤師専門の転職エージェントとしては業界最大手ともいえるサービスで、求人の数・質、そしてキャリアコンサルタントの質、どれをとっても高いレベルです。
「市場価値を高めたい!」と思うのであれば、やはりキャリアコンサルタントの質が高いサービスを選ぶべきです。
薬キャリ
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