在宅勤務でストレスをためないためには、予防方法や対処法をチェックしましょう。
通勤や職場環境の精神的負担が軽減できる在宅勤務ですが、会社で働くこととは別のストレスがたまりやすいという人もいます。
リモート勤務で精神的な負担を避けるために、適切なストレスに対するケアの方法をまとめました。
目次
在宅勤務でストレスがたまる8つの原因
まずは在宅勤務でストレスを感じることを、具体的に紹介します。
どのようなことが理由で、ストレスが発生するのかチェックしましょう。
1.仕事と私生活の切り替えがむずかしい
在宅勤務のストレスには、仕事とプライベートが切り替えにくいことがあげられます。
出社という行為自体がなくなり、服装もスーツの着用が不要になるため、仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすいことに注意が必要です。
会社に出勤する場合は、始業のタイミングで仕事のモードに切り替えられる利点があります。
退社後に家に着く頃には、プライベートに切り替わっている人もいるのではないでしょうか。
一方で、家に居ながら仕事をする在宅勤務は切り替えが難しい傾向です。
常に仕事をしている気分になったり、プライベートの時間を割いて仕事をしていたり、メリハリがつきにくいおそれがあります。
2.運動不足によるストレス
在宅勤務でストレスを感じることには、運動不足によるものがあげられます。
通勤や移動の機会と運動量が減ってしまう在宅勤務は、無意識で歩くことがほとんどなくなります。
令和1年に厚生労働省が発表したデータによると、1日の歩数の平均値は男性で6,793歩、女性は5,832歩が目安です。(参考:厚生労働省公式サイト)
在宅勤務で、仕事中に6,000歩近く歩くことは、ほとんど考えにくいですよね。
運動不足解消のため一駅分歩く、オフィス内を移動するといったことが減り、外出の機会も減少する傾向があります。
3.家族や同居人によるストレス
在宅勤務は1日のほとんどの時間を家で過ごすこととなり、家族や同居人によるストレスが発生することがあります。
パートナーや家族と摩擦が生まれてストレスを抱え込んだり、子供の面倒を見ながら仕事をしなくてはならなかったり、さまざまな影響があるでしょう。
ひとりの時間が好きな人や集中したい人にとっては、仕事中も家族といることで大きなストレスがかかるおそれがあります。
在宅勤務をしている社員の同居人も、物音に気を遣うことや、昼食を用意する負担などが考えられるでしょう。
4.作業環境が整っていないストレス
今住んでいる家の環境が在宅勤務に向いていないと、仕事に影響してしまいストレスを感じる可能性があります。
プライベートの環境と変化がない状態で仕事を行うため、思うようにはかどらないと言ったこともあるのではないでしょうか。
今住んでいる環境や周囲に騒音の問題がないか、仕事ができるインターネット環境は整っているのか、在宅勤務にベストな状態か確認しましょう。
5.仕事の時間やタスクを管理するストレス
在宅勤務は、自分自身で時間や仕事を管理しなくてはならない場合が多いです。
仕事中に上司の目が届きにくいことで、集中力が散ってしまうことも考えられますよね。
在宅勤務は自分でスケジュールを立てて作業し、優先順位でタスクを完了することが必須です。
過度な残業を避けるためにも、効率的なスケジュールを考えましょう。
6.会話減少の孤独感によるストレス
一人暮らしの人は、在宅勤務で強い孤独感を感じる場合があります。
職場での雑談や相談の機会が減り、他の社員とのコミュニケーションも難しいでしょう。
在宅勤務は、働く環境次第ではコミュニケーション不足に陥ってしまう可能性は否めません。
7.会社への貢献が見えにくいストレス
在宅勤務は、会社への貢献度が見えにくいストレスがあります。
成果達成のプレッシャーがかかる中、結果が分かりにくい状況で仕事を続けることに抵抗がある人もいるでしょう。
成果が分かりにくいと自分の価値も明確にならず、仕事のやりがいを見つけにくくなる可能性があります。
とくに、新入社員は慣れない環境での在宅勤務によって、大きなストレスを感じてしまう傾向が高いです。
8.リフレッシュできる機会が減る
在宅勤務のストレスには、リフレッシュの機会が減ることがあります。
ランチや仕事終わりの飲み会、たわいもない会話など、出勤でしか取れないリフレッシュ方法があります。
在宅勤務でリフレッシュの場面が減り、ストレスを感じやすくなったという人も多いのではないでしょうか。
そのうえ、コロナウイルス感染症の影響で、娯楽施設や飲食店に行きづらくなったことも要因のひとつです。
休日も思うように羽を伸ばせなくなり、ストレスの解消方法が見つけられないという人も多い傾向です。
在宅勤務のストレスを予防する4つの方法
自宅勤務のストレスを予防する方法は以下の4つがあります。
- 仕事とプライベートにメリハリをつける
- 生活リズムを整える
- コミュニケーションを心がける
セルフマネジメント能力を補強するそれぞれの予防法を詳しくまとめました。
1.仕事とプライベートにメリハリをつける
在宅勤務は仕事とプライベートにメリハリをつけることで、ストレスを予防できます。
「タスクが残っていても19時以降は仕事をしない」「このタスクは3時間以内に終わらせる」といったルールをあらかじめ決めましょう。
時間的な制約を決めることで自己管理につながり、仕事とプライベートの区別がしっかりできるようになります。
在宅勤務はだらだらと仕事を続けてしまわずに、時間の目標を設けて効率的に行いましょう。
2.生活リズムを一定に整える
生活のリズムを一定にすると、ストレスの予防に効果的です。
毎日同じ時間に起床して、食事や就寝の時間も決めることで生活リズムが整います。
在宅勤務だからといって始業直前に起きると、頭が働かず仕事が効率的に進みません。
不規則な生活はストレスのスパイラルとなってしまうため、体にも不調が出る可能性があるので注意してください。
3.コミュニケーションを心がける
人とコミュニケーションをとる機会を作ると、ストレスの予防につながります。
在宅勤務のコミュニケーションはチャットやWeb会議が主流のため、他人と話す機会が減り孤独を感じる人も多いのではないでしょうか。
オンライン懇談会や食事会に参加して、コミュニケーションを図ることがおすすめです。
オンラインでのマナーや通信環境に気をつけて、気持ちよくコミュニケーションがとれるように注意してください。
4.セルフマネジメント能力を補強する
在宅勤務のストレス予防には、セルフマネジメント能力の補強が有効です。
仕事のゴールを意識してスケジュールを設定すると、自分の貢献度や目標とするものが見えてくるでしょう。
目標を設定することでいま自分が何をするべきか、逆算して考えられます。
在宅勤務のストレス解消方法
在宅勤務でストレスがたまった場合の解消方法を紹介します。
家で仕事を続けるうちに精神的な負担を感じた場合は、早めにケアをしましょう。
筋トレやストレッチなどの運動をする
家の中でできる簡単なストレッチや筋トレをすると、ストレス解消につながります。
デスクワークの休憩時間に上半身や下半身をストレッチし、運動不足を解消しましょう。
手軽にできるストレッチには以下のものがあります。
体側伸ばし | 椅子に座ったまま債務それぞれの体の側面を伸ばす わき腹に力を入ればエクササイズも可能 |
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胸の前で合掌して力を入れる | 胸の前で両手のひらを合わせ押し合うことで胸筋を鍛える バストアップ効果も期待できる |
かかとの上げ下げ | 足首を動かしてふくらはぎの血流をケア 椅子に座ったままできるストレッチ |
手を使って首を伸ばす | 両指を頭の後ろで組んで首を真下に向ける 首の後ろや背中の筋肉が伸びる |
仕事の環境を変える
在宅勤務の環境に問題がある場合は、コワーキングスペースやカフェで仕事をするとストレスが軽減できる可能性があります。
落ち着いた環境で仕事をすると、いつも以上に効率的にできる人もいるのではないでしょうか。
ただし、会社によってはインターネット環境に制限があり、パブリックなwi-fiにつなぐことが不可能な場合があるので注意してください。
家で勤務をする人は、スマホや本は集中力がなくなるため近くに置かない、仕事に使う自室を整えるといった工夫が必要です。
プライベートを充実させる
在宅勤務でストレスを感じたら、プライベートを充実させると新しい世界の発見につながります。
家で働くと、プライベートに使える時間が多いため、普段やらない趣味にも挑戦しやすいでしょう。
これまで時間がなくてチャレンジできなかった趣味や娯楽を試してみることもおすすめです。
DIYやヨガなどのほか、映画鑑賞やハンドメイド作品制作など、空いた時間で家にいながらできる楽しみはたくさんあります。
在宅勤務に便利なグッズを活用する
在宅勤務に便利なグッズを活用すれば、ストレスを軽減できる可能性があります。
昇降デスクやパーテーションなどを活用し、より快適な仕事の環境を作りましょう。
デスクワークは体に負担のかからない机とイスを導入することで、格段に作業効率が上がる傾向です。
フローリングに座って仕事をすると、思っている以上に体への負担が大きいためおすすめしません。
会社によっては環境整備の費用を経費で負担してくれる場合があるので、ルールを確認しましょう。
在宅勤務のストレスはセルフチェックで防げる
在宅勤務のストレスはセルフチェックで防げます。
厚生労働省が提供しているチェックシートでは、ストレスのレベルを確認できるため活用してはいかがでしょうか。(参考:厚生労働省公式サイト)
ストレスが悩みや食欲不振、不眠につながらないためにも、自分の状態をチェックすることが重要です。
在宅勤務でストレスがたまる?リモートワーク増加の理由
在宅勤務の増加の原因には、以下の2つが考えられます。
- 新型コロナウィルスが流行したから
- 働き方改革が行われたから
2019年より新型コロナウイルスの感染が拡大しました。
在宅勤務がスタートしたり、通勤の回数を減らしたり、感染リスクを抑えるために企業でもさまざまな努力が行われています。
働き方改革が行われ、多様な勤務体系が浸透したことも在宅勤務が増えた原因でしょう。
在宅勤務でストレスがたまる?働くメリット
在宅勤務はストレスがたまるだけでなく、社員にとって働くメリットがあります。
以下の4つは、とくに大きなメリットではないでしょうか。
- 成果を出せば自分のペースで働ける
- 働く場所にとらわれない
- プライベートが充実する
- 通勤のストレスがない
通勤という行為そのものが必要ないため、満員電車に揺られることも、スーツを着る必要もありません。
働く場所に影響せず、自分の得意な仕事ができることも大きなメリットですね。
在宅勤務でストレスがたまる?企業のメリット
在宅勤務を行っている企業は、以下の3つがおおきなメリットです。
- 多様な働き方ができるアピールになる
- 在宅勤務の実施で離職を防げる
- 在宅勤務はコストの削減が可能
在宅勤務によって、これまでは働く場所や遠方の会社を選べなかった優秀な人材も、仕事に参加できる体制が整ったのではないでしょうか。
海外や遠方の人も、社員として雇えることは大きなメリットです。
在宅勤務でストレスを避けるためにはケアが必要
在宅勤務でストレスを避けるためには、適切なケアが必要です。
ストレスを溜めないためには、仕事での目標をきちんと決めて時間内に成果を上げられるようにしましょう。
ストレスを感じているのか明確ではない人には、チェックシートで確認することをおすすめします。