子どもの進路を実現するために加入する学資保険ですが、生命保険と同様に病気の告知義務があります。
うつ病などの精神疾患をわずらっている親御さんの中には、これから学資保険に加入するにあたって「自分でも学資保険に加入できるのかな…」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
実はうつ病などの精神疾患に罹患していると、学資保険の加入申請時に断られてしまうこともあるのです。
そこで今回は学資保険にうつ病だと加入できない理由から、代わりに子供の教育費用を準備する方法まで徹底的に解説していきます。
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学資保険にはうつ病だと加入できない可能性がある
厚生労働省の統計によれば、一生のうち15人に1人がうつ病にかかるといわれているほど、人生でかかるリスクの高い病気です。
こころの病気ですから自分で気を付けていてもかかってしまう可能性があります。
しかしうつ病は以下の理由から学資保険への加入を断られる可能性があります。
- うつ病は完治の判断が難しいため
- うつ病にかかっていると自殺のリスクが高いため
- 保険会社の告知義務疾患に含まれている
以下で詳しく解説していきます。
①うつ病は完治の判断が難しいため
うつ病は心の病気ともいわれていますから、生活習慣病や成人病のように数値で管理できない病気です。
心の状態が安定するように改善していくあるいは服薬で改善を図りますが、明確に完治したという数字が出てこないのがネック。
精神科医や心療内科医が完治したと判断しても、またいつ再発するかがわからないため加入期間中に再度うつ病と診断されてしまうリスクもあるのです。
②うつ病にかかっていると自殺のリスクが高いため
全ての人が当てはまるわけではありませんが、うつ病に罹患している人は健康状態がいい人に比べて精神状態が不安定な状況が続きがちです。
中には思いつめて自殺の道を選んでしまうことも。
学資保険には契約者が死亡時に保険料の払い込みが免除されることもありますから、死亡リスクが高い契約者が加入してしまうと他の加入者とのバランスが取れなくなってしまいます。
保険会社としてはすべての加入者を公平に扱う必要がありますので、死亡リスクが高いと認識されがちなうつ病患者の加入を断る傾向にあるのです。
③保険会社の告知義務疾患に含まれている
うつ病は保険会社が加入時に契約希望者に要求する告知義務疾患の中に含まれています。
またうつ病だけではなく双極性障害や自立神経失調症などのその他の精神病に関しても、告知義務が発生します。
保険会社や保険商品によって前後しますが、5年以内の疾患に関しては告知義務が生じると考えてよいでしょう。
保険会社指定の疾患を抱えていると、学資保険に通常加入はできず条件付きあるいは加入を断られる可能性が非常に高いのです。
うつ病を告知しないと罰則を受けるリスクがある
「告知義務に含まれているならうつ病を申告しなければばれないじゃん」と考える方もいるかもしれませんが、保険会社に対して告知を正しく行わないと罰則を受けるリスクがあります。
病気まで調べないだろうと高をくくってしまうのはNG。
保険会社は保険金支払いの際には告知内容と実際の情報に間違いがないかを綿密にチェックします。
うつ病を隠して学資保険に加入していることがばれてしまうと、契約が解除されてしまう可能性があるんです。
契約解除になってしまえばその時点で保険契約はストップ、これまで継続してきた特約も消失してしまいます。
また解約返戻金は発生しますが保険期間が短ければ短いほど元本割れを引き起こす可能性が高まりますから、当初よてしていた金額を子供の為に用意できない可能性があります。
最悪保険会社側から保険金すら支払ってもらえないこともありますから、注意が必要です。
うつ病でも学資保険で子供の教育費を賄う方法
うつ病にかかっていると学資保険への加入は難しいといわれていますが、「じゃあ子供の教育費はどうすればいいの…?」と疑問に感じてしまう方もいるかもしれません。
学資保険に加入せずとも、子供の教育費を貯めていく方法はありますので安心してください。
具体的に子供の教育費を貯める方法は以下の通りです。
- 保険契約者をうつ病にかかっていない親族に設定する
- 定期預金でコツコツ貯めていく
- うつ病の告知に該当しない5年後の加入を目指す
- 告知内容のハードルの低い保険に加入する
以下で詳しく解説していきます。
保険契約者をうつ病にかかっていない親族に設定する
学資保険の契約者が必ずしも家計を支えている人である必要はありません。
もし仮に父親がうつ病にかかってしまっている場合には、別の親族を保険契約者に指定するのも一つの手です。
仮に子供が0歳の時に契約者年齢が30歳、保険金目標金額が200万円保険料払い込み期間が18歳までと仮定した場合、契約者の性別ごとに月々以下の保険料を支払うことになります。
30歳男性 | 30歳女性 | |
---|---|---|
月々の保険料 | 約9000円 | 約8900円 |
父親・母親どちらを指定しても保険料支払いには特に影響はありませんので、健康状態の良い親族に変更しても保険料支払いには差支えは少ないでしょう。
ただし契約者年齢や子供の年齢に応じて保険料に変動はありますので、配偶者の方の年齢や子供の年齢に応じてシミュレーションしてみることをおすすめします。
契約者にも年齢制限があるので注意
中には祖父母に学資保険契約を依頼しようと検討されている方もいるかも知れません。
しかし学資保険には契約者の年齢制限が55歳~60歳程度といわれていますので、祖父母の年齢によっては代わりの契約を依頼できないこともあります。
また両親の契約時とは異なり、適用される税金が変わる可能性がありますので、注意が必要です。
定期預金でコツコツ貯めていく
学資保険に加入するのではなく、銀行の定期預金でコツコツ貯めていく方法もあります。
定期預金を契約しておけば決まった金額をスケジュールに合わせて貯蓄できますので、貯金が苦手な方でも安心して貯めていけます。
また子供が中学生になるまで10000~15000円の児童手当が支給されますので、手当を貯金していくスタイルでも十分に教育費用を貯蓄できます。
また定期預金でなくても普通預金であれば、必要な時に引き出せるので進学時に急遽必要になっても対応できますよ。
学資保険と貯金どっちで対応すべきか迷った方は、以下の記事で双方のメリット・デメリットを解説していますので、参考にしてみてくださいね。
うつ病の告知に該当しない5年後の加入を目指す
学資保険加入時にうつ病にかかっていても、完治後5年以上経過していれば通常加入時と同様に加入を認めてもらうこともできます。
保険会社は病院のカルテ等を調べて病気の申告内容に不備がないかをチェックしますが、完治後5年が経過すると病院側がカルテを破棄するシステムになっています。
完治の診断を受けてから5年経過するのを待って、再度加入申請すれば条件付きや断られることなくフリーで加入できるようにしましょう。
子供が小学生までに加入しないと損をするかも
完治後5年経過をまつといっても確実に完治できるとは限りません。
そのため通常加入するためには5年以上かかってしまう可能性も十分にあります。
学資保険には契約者だけではなく加入時の子どもの年齢にも制限が設けられています。
実は国内で発売されている学資保険の多くは、子供の年齢上限を小学生までに設定しています。
親の完治を待って保険に加入しようとしても、別の制限で保険への加入を断られてしまうこともありますので、注意が必要です。
告知内容のハードルが低い保険に加入する
引受基準緩和型保険や告知の必要ない保険を選べば、うつ病でも学資保険に加入できる可能性があります。
告知内容のハードルが引き下げられているので、保険商品の内容によっては条件を付けずとも加入を認められる可能性があります。
ただし告知内容のハードルが低い分保障される範囲も大きいですから、その分保険料が高く設定されています。
確実に加入するか、高い保険料を避けて他の方法で教育費用を貯めるかをメリット・デメリット含めてよく検討してみてくださいね。
闘病中に保険料支払いが厳しいなら見直しを検討してみよう
うつ病にかかっている最中は闘病中で、仕事を休職されている方もいるかもしれません。
通院して医療費もかかりますからすでに学資保険に加入されている方は、保険料支払いに苦しんでいるかもしれません。
闘病中に保険料支払いが厳しいと感じるのであれば、学資保険の保障内容を見直してみることも検討してみて下さい。
不要な特約を解約して保険料支払いを軽減できる可能性もあります。
以下の記事で闘病中に保険料支払いが厳しい場合の対処法について詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
うつ病でも工夫して子供の教育費用にそなえよう!
いかがでしたか?
うつ病にかかっていると保険会社に対する告知義務が生じ、死亡リスクや完治の難しさから保険加入を断られることもあります。
ただし子供の教育費用を貯めるには学資保険ではなく貯金で対応したり、契約者を変更するなど柔軟に対応する方法もありますので、自分に合った方法を試してみてください。
また現在うつ病闘病中で学資保険の保険料支払いに苦しんでいる方は、加入している保険の内容を見直すことで負担を軽減できる可能性があります。
自分で見直しが難しいと感じたら、保険相談窓口などで契約内容を確認してもらうのも一つの手ですよ!
うつ病にかかってしまったとはいえ子供の教育費用を貯められないなんてことはありませんから、工夫してひとつひとつ対応していきましょうね。