病気やケガをすると健康保険証を持って病院へ行きます。
健康保険証は、保険組合に加入することで受け取ることのできるものですが、会社に勤めていると退職のタイミングで返却することになりますよね。
しかし健康保険証には任意継続という選択肢があり、継続することも可能なことをご存じですか。
そこで今回は、健康保険の人に継続について解説します。
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任意継続は最大2年間職場の健康保険に入れる制度
会社員が加入できる健康保険には「協会けんぽ」と「健康保険組合」の2つがあり、加入することで健康保険証を受け取ることができます。
会社で加入しているため、会社を退職すると健康保険書を返却することになり、資格を喪失することになります。
しかし退職後も勤務していた会社の健康保険を最大2年間継続できるのですが、これが任意継続です。
会社を退職すると国民保険しか選択肢がないと思っている人もいるかもしれませんが、一定の条件を満たすことで任意継続することも可能です。
任意継続を選ぶことで退職後も国民保険に加入する必要がなく、人によっては保険料の面でも得することもあります。
健康保険を任意継続する3つのメリット
会社を退社したタイミングで、健康保険の資格を喪失するとその後は国民保険を選択するか、健康保険を任意継続を選択することもできるとお伝えしました。
しかし国民保険ではなく、健康保険を任意継続するメリットはどのようなところかわからない人もいるでしょう。
そこでここでは健康保険を任意継続するメリットとデメリットを紹介します。
すぐに国民健康保険の切り替え手続きをしなくて済む
会社を退職すると、保険資格を喪失するので誰にでも加入する権利のある国民保険を選択する人もいいでしょう。
しかし手続きをするためには、すぐに市役所など行政への窓口へ行かなくてはいけません。
行政で手続きするには、決まった時間に足を運ぶ必要がありなかなか時間の取れない人にとっては、手続きしづらいこともあります。
しかし健康保険を任意継続すると国民保険への切り替え手続きの手間が省けるので、その点もメリットと言えるでしょう。
付加給付が受けられる
付加給付制度とは、大手企業の健康保険組合で1ヶ月の医療費の自己負担限度額を設定しておき、限度額を超えると、超えた分に費用を払い戻す制度のことを指します。
健康保険を任意継続することで、この付加給付制度も継続して利用することができるというのも、メリットの一つと言えます。
その他にも任意継続している間は、退職前と変わらず保養所などを利用できるのも嬉しいポイントです。
扶養家族も同時に加入できるので安心
扶養している家族がいる場合、扶養家族も同時に加入することができます。
退職することで、家族の保険も切れてしまうと不安や困ることもあるので、同時に加入できるというのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
健康保険を任意継続する4つのデメリット
健康保険を任意継続するメリットは、上記のようなことがあります。
もちろんメリットをみて任意継続をしようと思う人もいるでしょう。
しかし任意継続にもデメリットがあり、知ったうえで任意継続を選択することが大切です。
知らずに任意継続手続きをすると、あとになって困ることもあるかもしれません。
困ることがないように、ここでは任意継続における4つのデメリットを紹介します。
標準報酬月額で保険料を計算されるので保険料が高くなる
任意継続をするときの健康保険料は、会社を辞めたときの標準報酬月額となります。
標準報酬額とは『被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分したもの』です。
標準報酬月額は50等級に区分されており、標準賞与額と合わせて保険料が決まるので場合によっては国民保険よりも保険料が高くなってしまう可能性があることも、デメリットの一つでしょう。
2年後には強制的に国民健康保険に加入手続きをする必要がある
健康保険の任意継続は、最大でも2年間しかできません。
ですのでその間に別の会社に入り新たな健康保険に加入しない限り、2年後は強制的に国民保険に加入手続きすることになります。
このように健康保険の任意継続には期間が決められているのも、デメリットの一つと言えます。
加入する条件が厳しい
健康保険の任意継続には、加入するための条件が厳しく決められています。定められている条件は
- 退職時に任意継続を希望する健康保険に2か月以上加入していること
- 退職日の翌日から20日以内に必ず手続きをすること
- 2年間という期限が決められていること
です。
これらの条件を満たしたうえで、健康保険の任意継続ができますが、この条件を満たさなければいけないのもデメリットとなるでしょう。
さらに、保険料を滞納すると即資格喪失なる滞納に厳しいこと、1度任意継続を決めると、国保に変えたい場合や家族の扶養に入りたくても変更できないことなどの注意ポイントもあるので、任意継続ずる際にはきちんと理解してから手続きを進めるようにしましょう。
保険料を会社と折半しないので自己負担
健康保険の保険料は会社と折半となっているため負担は半分ですが、退社後に任意継続することを選択しても、保険料は折半されないので全額自己負担となります。
会社にいたときのままの保険料で加入することはできず、全額自己負担となるので支払う金額は大きくなるでしょう。
その点を理解し任意継続を選択することが重要です。
任意継続を受けるなら現役時代と同じくらいの収入が必要
任意継続を選択するためには、現役時代の収入と同じくらいの収入をキープしていることが必要です。
任意継続にすることで、保険料は全額自己負担となり単純に計算しても2倍の保険料がかかります。そのため会社に勤めていたときと同じだけの年収でないと、支払いがきつくなるでしょう。
任意継続は保険料滞納に厳しいので、滞納すると保険資格を失うことになります。
保険資格を失うと、無保険となり不安です。そうならないためにも無理のない保険を選ぶことが大切です。
現役よりも収入が減ることが分かっているのであれば、国民保険も選択肢にいれることも忘れないようにしましょう。
任意継続を受けるための手続き方法
任意継続するメリット・デメリットは理解しましたか?
任意保険の手続きは20日以内に早急に行う必要があります。退職が決まった時点で、健康保険組合等に連絡し保険料などの確認をしておきましょう。
その際には、市役所にも連絡し国民保険の保険料も確認し両方の保険料を聞いたうえで、どちらを選ぶか決めるようにしましょう。
ここからは任意継続手続きを受けるための具体的な方法を紹介します。
手続きをスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
勤め先に継続手続きの内容を確認する
まず勤め先に継続手続きのための内容を確認をしましょう。
継続する意思があることを伝えると、必要な書類や申請書類を渡してくれるでしょう。
中には継続手続きについてわからないと言われてしまうこともあるかもしれません。
その時は加入している健康保険組合に連絡し、手続きの進め方や書類を請求するようにしましょう。
申請書類を記入する
申請書類が揃ったら、必要事項に記入します。
任意継続には「任意継続被保険者資格申出書」が必要です。
継続を希望する健康保険組合などのホームページにも、この書類がダウンロードできるようになっているので、パソコンで簡単にダウンロードして揃えることもできます。
扶養家族がいる場合には、戸籍謄本や世帯全員分の住民票を一緒に提出することになるので、合わせて揃えましょう。
何度もお伝えしましたが、資格喪失日より20日以内に手続きを進める必要があるので、スムーズに手続きするためにも退職を決意したときから徐々に書類を揃えるようにしましょう。
提出する
すべての申請書に必要事項を記入し、戸籍謄本などの必要書類を揃えたら任意継続を希望する健康保険組合に提出します。
申請書に記入するときは、記入ミスや記入漏れがあるとスムーズに手続きが進まにこともあるので、ミスがないようにわからない箇所があれば、連絡して確認しながら進めましょう。
>健康保険を任意継続するなら自分にメリットがあるかを確認しよう
会社を退職すると健康保険資格が消失し、保険証を失うことになります。
もし未加入時期に病気やケガをすると医療費全額負担となり、大きな金銭的な負担も生じます。
そうならないためにすぐに国民保険に加入するという方法以外に、健康保険任意継続という選択肢もあります。
任意継続にもメリット・デメリットがあるので、保険料などを含め両方のメリット・デメリットを知り自分にメリットがある方を選択するようのがベターでしょう。
自分と家族にとって安心できる選択をしましょう。