世界でも名高い長寿国として有名な日本ですが、その分高齢者の医療・介護に必要な金額が上がっています。
60代は仕事を定年退職してすぐ、というタイミングなので、保険の見直し時期としてちょうどよいタイミングです。
60代からは、保険に加入する目的が「将来のための備え」、「万が一の時のための対策」だったこれまでと異なります。
「万が一の時のための対策」は今まで通りですが、「将来」ではなく、「長生きをすることのリスク」を解消するための、保険加入が必要です。
長生きをすることでその分発生する、生活費などを工面するためには、60代からの準備が必要不可欠になってきます。
今回は60代からでも加入してメリットのある保険と、生命保険について詳しくご紹介していくので、参考にしていただければ幸いです。
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60代から加入しておくべき5つの生命保険
60代からでも加入できる保険としては、60代特有の家計や生活状況に見合った保険です。
特に60代では定年退職という、大きな機会があるので他の働いている年代とは異なる目的や保障での、保険内容の見直しが求められます。
この章では、具体的に60代の人が加入してメリットのある保険を5つ紹介していくので、参考にしてみてください!
本人が亡くなった場合に支払われる「死亡保険」
本人である被保険者が亡くなった場合に、遺族に支払われる保険が「死亡保険」です。
60代の人が「死亡保険」に加入をする目的としては主に2点あります。
- 本人が死亡した時の葬儀代やお墓の代金を準備するため
- 残された遺族の生活資金を準備するため
60代の場合は、多くの場合子どもも独立しているため、2点目の「残された遺族の生活資金を準備するため」に、「死亡保険」に加入する人は少ないです。
病気・ケガの入院費や手術費を保障してくれる「医療保険」
病気やケガによって入院や手術をした時にかかった医療費を保障してくれるものが「医療保険」です。
60代の人が医療保険に加入するのはほとんどの場合、公的医療保険制度でまかないきれない、医療費の保障目的ではないでしょうか。
多くの人が健康保険か、国民健康保険のどちらかには少なくとも加入しているので、医療機関にかかった時の自己負担額は、実際にかかった医療費の3割程だと言われています。
医療保険で受け取れる保険金の種類は基本的に3種類です。
- 入院した日数分決まった保険金を受け取れる「基本入院保険金」
- 手術をする時に基本入院保険金に応じた保険金を受け取れる「手術給付金」
- 全額自己負担する必要がある“先進医療”を受けた際に自己負担分を保障してくれる「先進医療給付金」
がんに特化した医療保険の「がん保険」
医療保険と保障内容はほとんど一緒ですが、医療保険が病気やケガ全般に対して保障してくれるのに対し、がん治療に特化した保険がこちらの「がん保険」です。
がん保険の場合は医療保険の場合よりも受け取れる保険金の種類が多く、代表的なものが9種類あります。
- がんと診断された時点で受け取れる「がん保険診断給付金」
- がん治療のために必要な治療を受けた時に受け取れる「がん治療給付金」
- がん治療が目的で入院した時に日数分受け取れる「がん入院給付金」
- がん治療のための手術をした時に受け取れる「がん手術給付金」
- がん治療のために病院へ通院した時に受け取れる「がん通院給付金」
- がん治療のために受けた先進医療の自己負担分を保障する「がん先進医療給付金」
- がんによって収入が減少してしまったときに受け取れる「がん収入保障給付金」
- 女性特有のがん治療に関して受け取れる「女性向けがん給付金」
- がんと診断された時以降の保険料支払い免除
本人が要介護・要支援状態で介護費用がかかった時に受け取れる「介護保険」
公的介護サービスでは賄えない、民間の介護サービスの利用費を一部補助してくれるものが「介護保険」です。
保険金を受け取れる要件としては2つの種類があります。
- 公的介護保険制度で要介護認定を受けた時に保険金が給付されるタイプ
- 保険会社ごとに独自で定めた要介護状態を認定する基準を満たしたら給付されるタイプ
認知症が原因で治療費がかかった時に受け取れる「認知症保険」
認知症と診断された時や、認知症が原因で入院や治療を行う時に医療費がかかった時に、まとまった保険金を受け取れるものが「認知症保険」です。
こちらの「認知症保険」は近年広まってきた保険ですが、保障内容としては、2つに分けられます。
- 認知症だと診断された時に一時金が支払われる「認知症診断保険金」
- 認知症状態が一定期間続いたときに支払われる「認知症治療保険金」
生命保険ってどんな種類があるの?
ここまでで、60代の人が入っておきたい保険についてご紹介していきました。
こちらの章では「そもそも生命保険ってどんな保険のことなの?」という疑問に答えるために、生命保険の概要について説明していきます。
「保障を受けるタイミング」で区別できるもの
「生命保険」と一括りで言っても、様々な種類のものがあります。
中でも代表的な2つの分け方が、「保障を受けるタイミング」と「保険期間」で分けるものです。
こちらでは「保障を受けるタイミング」で分けた3つをご紹介していきます。
本人が亡くなった時に遺族が受け取れる「死亡保険」
被保険者が亡くなった場合、もしくは植物状態などの高度障害になった場合に、保険金が支払われるものが「死亡保険」です。
死亡保険は、「定期保険」と「終身保険」の2つの種類に分けることができます。
- 定められている期間内に、亡くなった場合のみ保険金を受け取れる保険が「定期保険」
- 名前の通り、期間は決まっておらず被保険者が亡くなるまで保険期間は続き、自分から解約しない限り、必ず死亡保険金を受け取れるものが「終身保険」
本人が期間満了時に生存していたら受け取れる「生存保険」
被保険者が契約する時に決定した保険期間が終了した時に、生存していれば保険金を受け取れるというものが「生存保険」です。
具体的な保険の種類としては、「学資保険」や「個人年金保険」のような保険を指します。
「学資保険」と「個人年金保険」は、自分の子どもの将来のための資金や、自分の老後に備えた資金準備など、60代から加入するには少し遅めな保険です。
亡くなった時も満期終了時に生存していても受け取れる「生死混合保険」
名前の通り、「生存保険」と「死亡保険」が組み合わされたのが「生死混合保険」です。
保険期間内に被保険者が亡くなれば「死亡保険金」を受け取れ、保険期間終了時に生存していれば、「生存保険金」を受け取れます。
亡くなった場合でも、生存した場合でも必ず、保険金を受け取れるので、保険料は他の保険と比べると高めに設定されていることがほとんどです。
「保険期間」で区別できるもの
続いては、「保険期間」で区別ができる保険をご紹介していきます。
定まった期間を保障してくれる「定期保険」
“定期”とある通り、保障期間が定められたものが「定期保険」です。
定められた期間は保障を受けられますが、期間終了と同時に保障もすべて消えてしまうので注意しましょう。
ほとんどの場合は期間終了が近づくと、更新するか契約を終了するかを選ぶことができます。
更新時の年齢で保険料を再計算するので、基本的には保険料が上がるので、更新する時には保険料の確認が必要です。
期間満了時にも満期金を受け取れる「養老保険」
期間が定められているのは「定期保険」と同じですが、期間終了時にも満期金を受け取れるのがこちらの「養老保険」の特徴です。
先ほどの「生死混合保険」と同じく、保険金を受け取らなくとも、期間が終了すると満期金を受け取れるので、保険料は高くなりがちなので注意しましょう。
本人が亡くなるまで一生涯の「終身保険」
これまでの2つとは大きく異なり、期間が定められているのではなく、被保険者が亡くなるまで一生涯保障が続くのが、「終身保険」です。
契約者が自ら解約しない限り、保障が継続し続け支払った保険料総額に見合った金額の解約返戻金を受け取れます。
「終身保険」の場合は更新が必要ないため、契約時の保険料から変わることが無いのも特徴です。
その他の死亡以外に備えた保険
死亡以外に備えるための保険として、「医療保険」、「がん保険」があり、60代の人たちにはこちらの保険がおすすめです。
「死亡保険」は残された遺族に生活資金を残すための保険なのに対して、それ以外の「医療保険」などは長生きするために、必要な資金の補助という役割が大きいです。
60代から増える3つの健康リスク
60代から加入しても、メリットのある保険についてご紹介してきましたが、60代から健康に関してのリスクが高くなります。
実際に起こりうる、60代からの健康リスクをこちらでは3つご紹介していきます。
日常生活が正常に送れなくなる「認知症」
近年急速に知名度が上がってきている「認知症」ですが、現在のところは「認知症」を完治する治療法はいまだに見つかっていません。
現在は認知症の症状を軽くして、進行を遅らせること歯科できないので、早期からの治療が重要です。
認知症の介護は負担が大きいので、保険金を受け取り、介護サービスを早期から利用することで、認知症患者と介護者双方の負担を軽減できます。
発病すると命にもかかわる「脳卒中」
高齢の男性がかかることが多く、治療後に一命をとりとめても寝たきりになることもあります。
脳卒中の前兆が現れたら、早急に病院にて検査を行い、治療をする必要があります。
医療保険に加入している場合はその検査費用や、治療費も保障の対象内の可能性があるので、加入している保険内容を確認しましょう。
高齢による体力の衰え・衰弱
高齢による体力の衰えは、仕方ないという方もいると思いますが、“衰弱”については定義づけられています。
過度な衰弱はなんらかの病気に起因して起こっている可能性もあるので、確認してみてはいかがでしょうか。
下記5つの条件のうち3つ以上該当する場合は“衰弱”状態にあるので、健康に気を付けましょう。
- 低下すると食欲減退などの症状が現れる「活動量の低下」
- 上記活動量の低下に伴う「体重の減少」
- 「歩行速度の低下」
- 常に「疲労」を感じる
- 筋力の衰えを実感している
ライフスタイルの変化に合わせた保険の見直しを!
60代にさしかかり、定年退職を迎えるころには、子どもはすでに独立しており、自分に万が一のことがあっても生活は続けられるでしょう。
60代は年齢的に、病気にかかる確率もリスクも高くなります。
子どもへ残すための「死亡保険」だけではなく、自分への保障を重視した「医療保険」や「がん保険」に契約を見直すことも、考えてみてはいかがでしょうか。