子どもが修学旅行で海外に行くという人もいるのではないでしょうか。
海外旅行には不測の事態に備えて、保険に加入しておきたいという親も少なくありません。
学校で海外に行く場合「学校旅行総合保険」に加入しているので、新たに保険に入らなくてはいけないということはありません。
しかしより万全な補償をしておきたいという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、修学旅行の補償について解説します。
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修学旅行時は学校側で「学校旅行総合保険」に加入している
学生にとって、修学旅行というと学生生活で1番の思い出と言っても過言ではありません。
高校の修学旅行となると海外に行くことも増えています。学生にとっては楽しみな修学旅行ですが、送り出す親御さんにとっては、心配が絶えないですよね。
しかも海外旅行となるとより心配なため、海外旅行保険に加入したほうが良いのかと考える人もいるのではないでしょうか。
海外旅行保険は、海外旅行の際のトラブルに備えて加入する損害保険ですが、修学旅行は「学校旅行総合保険」という保険に加入しているため、新たに加入しなくてはいけないというものではありません。
「学校旅行総合保険」とは、学校条項に基づく補償で構成されている保険です。その詳しい内容に関して、以下より解説していきます。
【補償1】学校条項に基づく補償
学校旅行総合保険は、自宅~旅行期間~帰宅までを補償している保険で、生徒や引率の先生を被保険者とする旅行参加者条項と学校を被保険者とした学校条項の2つで成り立っています。
まず最初に学校条項に基づく補償について解説します。学校条項で補償しているのは以下の通りです。
①学校緊急応対費用補償
修学旅行中の事故により、旅行者が生死不明の場合現地警察や公的機関で、捜索や救助してもらうのにかかる費用を学校が負担するのですが、それを補償するのが学校緊急対応費用補償です。
さらに旅行中に旅行者が病気やケガにより、死亡または入院治療になった場合に旅行者(生徒や教職員)の家族の渡航費用などの学校が負担するものの補償も対象となっています。
②賠償責任補償
賠償責任補償は、旅行中に第三者の身体にケガを負わせたり、損害をもたらした場合に学校が負う「損害賠償責任を負ったことによる損害費用」を補償するものです。
③弔意費用補償
旅行者(生徒や教職員)が修学旅行中に事故で死亡した場合に、学校が支払う「弔意費用」を補償するものです。
これらが学校条項に基づく補償になります。修学旅行中に旅行者に起きた事故などで、学校側が支払う費用を補償の対象としています。
【補償2】旅行者条項に基づく補償
次に旅行者条項に基づく補償についてお話します。
旅行者条項に基づく補償は、生徒や引率の教員を被保険者としているもののことを指します。
先ほどの学校条項は学校が支払うものを補償の対象としているのに対して、旅行者条項は旅行者が支払うものを補償の対象としているという違いがあります。
それぞれの補償内容を詳しく解説します。
①疾病治療費用補償
旅行中に感染症や病気などにかかってしまい、病院で治療を受けた場合にかかった費用を補償するものです。
②傷害治療費用補償
旅行中に旅行者や事故などでケガを負った場合に、そのケガに対する治療費を補償するものです。
海外旅行で病院にかかると、莫大な治療費を請求されることも多いので、その部分を心配して海外旅行保険に加入しますが、学校旅行総合保険でも十分な補償が整っていることがわかります。
③疾病死亡保障
疾病死亡保障は、旅行中にかかった病気が原因でその後死亡した場合に、保険金が支払われるというものです。
④後遺障害補償
旅行中に事故でケガに遭ってしまい、身体に永久的に障害が残ってしまった場合に支払われる保険金です。これは傷害の程度によって支払いが決まります。
⑤救援者費用補償
旅行者が旅行中に、事故やトラブルに巻き込まれてしまい生死不明になった際に、現地警察や公的機関に捜索や救助をした場合にかかった費用や、親族が現地に渡航するために必要な費用を補償するものです。
さらに旅行者が旅行中のケガや病気で死亡したり、入院・治療が必要となり旅行に参加できなくなったための移送に関する費用なども補償の対象としています。
⑥個人賠償責任補償
旅行中に、旅行者が誤って第三者の身体を傷つけたり他人のものを壊したりした際に、損害賠償が発生しうることもあります。
その時の損害賠償責任を負ったことによる、損害を補償しているものです。
修学旅行では思わぬトラブルに遭うこともあります。それが海外だと、病気やケガで病院にかかると多額の費用を請求されることもあり不安がつきません。
しかし学校旅行総合保険では、学校条項と旅行者条項それぞれに基づく補償がされているので、これらが全て補償内容に含まれている場合には、必ずしも別の保険に加入しなくてはいけないということはありません。
学校旅行総合保険の注意点
学校旅行総合保険の補償内容について上記でお話してきましたが、中には海外となると補償が足りないと感じる人もいるのではないでしょうか。
もちろん学校旅行総合保険は、基本的には補償をカバー出来ているのですが、もちろん万全という訳ではありません。
そもそも学校旅行総合保険の内容は、学校によって異なる部分もあるので、きちんと補償内容を確認したうえで、足りないと感じる補償を追加で保険に加入しておく必要があります。
先ほどもお話しましたが、海外で病院にかかると多額の治療費を請求されたりするケースが多く聞かれます。
そのため医療費や救助者費用に関する費用は、しっかりと補償されているようにしておくことが重要と言えます。
学校旅行総合保険が不安な場合の海外旅行保険
学校旅行総合保険で不安があると感じる場合には、個別で海外旅行保険に加入しておくことをおすすめします。
しかし海外旅行保険も色々な選択肢があり、どれに加入しておけば良いかわからないという人もいますよね。
修学旅行に限らず、海外旅行に家族で行く場合にもリスクに備えて、海外旅行保険への加入は必要不可欠です。
海外旅行保険に加入する場合に、保険会社の海外旅行を補償する商品かクレジットカードに付帯している海外旅行保険を利用するという手段があります。
それぞれの詳しい説明は以下でして行きます。
パターン①保険会社の商品
海外旅行保険商品を販売する、保険会社の保険に加入しておくという方法があります。
様々な保険会社から発売されているので、どれを選んでよいか悩んでしまいますが、選ぶべきポイントは以下の通りです。
- 治療費用の補償額
- 帯行品の損害補償額
- 損害賠償責任補償
- 滞在期間
損害賠償や治療費用は学校旅行総合保険にも含まれていることが多いのですが、帯行品の損害補償はされていないことが多いので付けておくと安心です。
これはカメラなどを持って行く人が多く、海外では盗まれる被害も多く聞かれるので補償を付けておくと安心できます。
学校旅行総合保険の補償内容と見合わせて、足りない部分を補う保険商品を選ぶようにしましょう。
パターン②クレカ付帯の海外旅行保険
クレジットカードには、海外旅行保険を付帯しているものも多くあります。
クレジットカードに付帯している保険は、クレジットカードに加入し家族特約を付けている無料で利用できるので修学旅行に行く高校生でも安心できます。
補償内容は、クレジットカードによって異なる部分がありますので、自分が持っているカードや、高校生でも入れるデビッドカードなどで付帯しても良いでしょう。
ただクレジットカードに付帯している補償額は低くなっているので、これだけで安心ということではないかもしれません。
学校旅行総合保険と合わせて補償をするという意識が重要です。
学校旅行総合保険では、海外旅行のリスクを全て網羅しているとは言えないことがあります。
補償内容を十分に確認してから、足りない部分を保険会社の商品やクレジットカードに付帯している保険で補うという方法を取ることも重要なのではないでしょうか。
パターン③健康保険制度での帰国後保障
海外で病院にかかった場合、治療費として請求される額が高額になることも多く、支払いに困ってしまうというケースもあります。
しかし日本では「海外療養費制度」という公的医療制度があるのをご存じでしょうか。
この制度を利用すると、かかった治療費の7割が支払われるのですが、これは日本でかかった治療費の7割なので、注意が必要です。
海外でかかった治療費の7割でなく日本で治療した費用の7割なので、日本より海外で受けた治療が高い場合には、その差額を負担しなくてはいけません。
この制度を利用しても海外での治療費負担は高額となるので、そのことも考慮して補償内容を確認しておくことが重要です。
海外旅行のリスクに応じて海外旅行保険への加入を検討しよう
最近では、修学旅行が海外という高校も増えてきました。高校生にとって学生生活の1番になるであろう修学旅行ですが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
海外では治安がわるいこともあり、いつどのようなトラブルに遭うかわかりません。
そうなってしまった時に、病院で治療を受けて支払いが高額になってしまうと、せっかくの楽しい思い出も残念なものになってしまいます。
もちろん何もないことが1番ですが、万が一の事態でも学校旅行総合保険の補償内容だけで足りているのか、個別に海外旅行保険に加入するべきなのかをきちんと事前に確認しておくことが重要です。
修学旅行を楽しい思い出に出来るように、安心できる補償を付けておきましょう。