コワーキングスペースとは、業種や雇用形態問わず、さまざまな人が共同で利用する共有型のオフィススペースのことです。
総務省実施の令和5年通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業は約50%にのぼり、その数は増加傾向にあります。
近年、テレワークの普及により、仕事用のオフィスとしてコワーキングスペースが注目されています。
利用者層は、個人事業主、フリーランス、リモート勤務者、学生などさまざまで、働き方改革やハイブリッドワークの定着に伴い需要は拡大しています。
本記事では、コワーキングスペースの特徴や利用するメリットを紹介します。
また。おすすめのコワーキングスペースも紹介しているため、施設選びの参考にしてください。
この記事でわかること
- コワーキングスペースの特徴
- コワーキングスペースを利用する4つのメリット
- コワーキングスペースを利用する3つのデメリット
- コワーキングスペースの選ぶ際に注目すべきポイント
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースとは、さまざまな人が共有して使う仕事用オフィスのことです。
フリーランス、個人事業主、リモートワーカー、起業家、学生など、特定の会社や場所に縛られず働きたい人が利用しています。
総務省のテレワーク実態調査では、リモートワーク実施者のうち、自宅以外にもモバイルワークやサテライトオフィスを活用している人もおり、需要が年々拡大していることが示されています。
参照:総務省|令和6年版 情報通信白書|テレワーク・オンライン会議
特徴として、共有の作業スペースがあり、オープンな席で他者と交流しながら作業できるほか、集中用の個室や防音ブースを備えた施設もあります。
さらに、法人登記用住所、郵便物転送、電話応対などの事務サポートにも対応可能な場合があり、オフィス代わりに利用できます。
料金体系、月額制では24時間利用や複数拠点の利用が可能なプランもあり、ドロップインなら必要なときだけ1日単位で利用可能です。
コワーキングスペースは、情報共有やネットワーキングを通じて新しいビジネスやイノベーションを生み出す場としても評価されています。
コワーキングスペースを利用するメリット
コワーキングスペースは、自宅やカフェよりも集中できる環境が整っており、仕事効率が向上する点が特徴です。
コワーキングスペースを利用する主なメリットには、以下の4点が挙げられます。
集中できる環境が整っている
コワーキングスペースは、自宅やカフェと比較すると集中できる作業環境であるのが特徴です。
多くの施設では、静音設計やレイアウトを工夫し、防音ブースや個別作業ブースを備えています。
防音ブースや個別作業ブースの利用では、雑音を減らし業務効率を高めることが可能です。
設備が充実している
コワーキングスペースは、ビジネスに必要な設備を完備しています。
高速Wi-Fi、電源、複合機、プロジェクターなどの必須機能に加え、フリードリンクやロッカー、郵便物の受取・転送サービスを備えた施設も少なくありません。
オフィスを自前で用意する場合と比較すると、コワーキングスペースは業務のみに集中でき環境が整っているため、効率的かつ快適に進められるメリットがあります。
低コストで仕事場を確保できる
コワーキングスペースは、賃貸オフィスより低コストで仕事場が確保できます。
東京都心で10㎡程度のオフィスを借りる場合、月額10〜15万円が相場ですが、コワーキングスペースの月額料金は1〜3万円程度です。
さらに、必要なときだけ使えるドロップインプランは1日約2,000円前後で利用でき、長期契約の負担を避けながら柔軟にコストを管理できます。
特に起業初期や学生にとって、コストを抑えながら効率よく作業が進められるのは大きな利点といえます。
他業種と出会える
コワーキングスペースは、職種関係なく利用できるため、フリーランス、エンジニア、起業家、学生など多様な業種の人が集まります。
多様な職種の交流では、ビジネスのアイデア交換や人脈形成が期待できます。
また、多くの施設ではネットワーキングイベントや勉強会が定期的に開催されており、情報共有やスキルアップの場としても利用可能です。
コワーキングスペースを利用するデメリット
コワーキングスペースは作業に集中できる環境を提供している反面、不特定多数の人が利用している場でもあり、セキュリティには不安があります。
コワーキングスペースの利用によるデメリットには、以下の3点が挙げられます。
作業スペース確保が難しい
コワーキングスペースでは、フリーアドレス制を採用している施設が多く、希望する席を確保できない場合があります。
特に平日の午前中や繁忙期には、人気の席や個室ブースが埋まる傾向があり、席確保は容易ではありません。
座席予約システムを導入している施設もありますが、予約枠が限られることもあり、急な利用には対応できない可能性もあります。
安定して利用したい場合は、混雑状況を公開している施設や、月額固定席プランを選ぶなどの対策が必要です。
セキュリティに不安がある
コワーキングスペースでは、情報漏洩のリスクやデバイスの盗難など、セキュリティ面での懸念があります。
総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」では、公共Wi-Fiを使った通信は盗聴リスクがあるため、VPNや暗号化接続の利用が推奨されています。
さらに、共有スペースではパソコン画面が周囲から見える「ショルダーハッキング」や、無人時の荷物盗難も報告されています。
重要情報を扱う際は、個室ブースの利用やセキュリティ対策の強化を徹底する必要があります。
周囲の雑談により集中力が低下する可能性がある
オープンスペース型のコワーキング施設では、周囲の会話や雑音が集中を妨げることがあります。
特に、打ち合わせや電話を頻繁に行う利用者が近くにいる場合、音が業務効率を下げる原因となります。
防音ブースや静音エリアを備えた施設を選ぶ、ノイズキャンセリング機能付きヘッドホンを活用するなど、セキュリティ対策が必要です。
おすすめのコワーキングスペース
リモートワークやスタートアップの拠点として注目されているコワーキングスペース。
ここでは、利便性・快適性・コミュニティの観点から厳選したおすすめスポットを紹介します。
自分に合った働き方を見つける参考にしてください。
いいオフィス

全国900拠点以上を展開し、業界No.1の規模を誇る「いいオフィス」。
専用アプリから簡単に検索・利用できるため、出張先や移動中でもすぐに最適なワークスペースを見つけられる利便性が魅力です。
会員登録はわずか90秒、ドロップインなら予約不要で入口のQRコードをスキャンすれば即入室できる手軽さも人気の理由です。
利用できるスペースは多彩で、プライバシーを守れる個室型、開放感あふれるオープンスペース、チーム利用に適した会議室、大人数向けの大会議室など、働き方に合わせて選択可能。
多くの店舗で電源・Wi-Fiが完備され、オンライン会議にも対応しています。
フリードリンクサービスなどを提供する店舗もあり、快適かつ効率的に仕事を進められます。※設備やサービス内容は店舗によって異なります。
さらに、セキュリティ対策として入退室はカメラとAIで管理され、個室には鍵や曇りガラスを採用。
女性や学生でも安心して利用できる設計になっています。
清潔で明るい空間づくりにもこだわっており、トイレや共用エリアの清掃も徹底されています。
料金は使った分だけ支払える時間課金から、月額22,000円で全国の「いいオフィス」が使い放題になるプレミアムパスポート、法人利用に便利なプランまで幅広く用意されてます。
さらに、店舗ごとに独自の月額プランもあり、ニーズに応じて柔軟に選べるのも大きな魅力です。
アクセスの良さ、清潔で快適な環境、スムーズな利用体験を兼ね備えた「いいオフィス」は、企業やフリーランスにとって理想的な仕事の拠点となるでしょう。
サービス概要 | 専用アプリを使って全国のコワーキングスペースやシェアオフィスを検索・利用可能 カラオケ、漫画喫茶、ホテルを除くワークスペース専用の店舗を提供 |
拠点数 | 全国900拠点以上を展開
※業界No.1の店舗数 |
利用方法 | アプリをダウンロードし、90秒で会員登録を完了
時間課金(ドロップイン)の場合は予約なしで5秒で入室が可能 |
主な特徴 | ◦ 多様なスペース ◦ 設備: 全ての店舗で電源とWi-Fiが完備でウェブ会議も可能 ◦ セキュリティ: 入退室をカメラとAIで監視しており、女性や学生も安心個室型 ◦ 料金体系: 利用した時間分だけ支払う「時間課金(ドロップイン)」月額22,000円で全国使い放題の「プレミアムパスポート」 法人向けの「法人プラン」など、多様なプランあり |
TREE BASE

札幌の中心、大通駅から徒歩1分のTREE BASE(ツリーベース)は、シェアオフィス・コワーキングスペース・オープンイノベーションを融合させた共創型ワークスペースです。
「誰もが挑戦でき、創造力が花開く世界を創る」というコンセプトのもと、多様な人々が集まり、新たなアイデアやプロジェクトが生まれています。
この場所は単なる作業場ではなく、コミュニティによる価値創造が魅力です。
コミュニティマネージャーが交流をサポートし、協業や新規事業が自然と育まれる環境を整備。
世代や業種を超えた出会いが挑戦やビジネスの加速につながります。
空間デザインは木質を基調に落ち着いた雰囲気で、オープンラウンジやコワーキングスペース、集中作業に適したフォーカスラウンジ、個室オフィスなど、用途に応じて利用可能です。
ミーティングルームやフォンブース、法人登記、専用アプリなど機能も充実しています。
さらに、イベントやセッションも定期的に開催され、会員同士の交流や情報発信の場として活用可能。
スタートアップやフリーランスにとって、新たな仲間やビジネスパートナーと出会える絶好の拠点です。
札幌で「働く」と「つながる」を両立させたい方に最適、それがTREE BASEです。
名称 | TREE BASE(ツリーベース) |
所在地 | 〒060-0061 札幌市中央区南1条西2丁目1-2 木NINARU BLDG |
アクセス | 札幌市営地下鉄 南北線/東西線/東豊線「大通駅」36番出口より徒歩1分 |
フロント対応時間 | 10:00~13:00、14:00~19:00(土日祝日を除く) |
ドロップイン利用時間 | 10:00-24:00(土日祝日を除く) |
ドロップインチェックイン時間 | 10:00~12:30、14:00~18:30 |
電話番号 | 011-596-8571 (受付時間: 10:00~19:00、土日祝除く) |
運営会社 | KITA JISHO Inc. |
提供サービス | シェアオフィス、コワーキングスペース、ドロップイン |
コワーキングスペースの選び方
コワーキングスペースは全国に多数あり、施設の特徴や、提供されている設備・サービス、料金体型は異なります。
自分に合う施設で効率よく作業を進めるためには、以下の点に注目して施設を選択しましょう。
通いやすい場所にある
移動時間の短縮が生産性向上につながるため、通いやすい立地であるのが重要です。
駅から徒歩5分以内の施設は、地方都市よりも大都市圏で多く、利用者の満足度が高い傾向があります。
また、交通費の負担も考慮しなければなりません。
たとえば、コワーキングスペースを週3回以上利用する場合、片道30分以上の移動では年間交通費が数万円以上になる可能性が高まります。
自宅や取引先に近い施設を選ぶことで、移動コストと時間を削減し、作業時間を最大限確保できます。
利用料金が明確である
コワーキングスペースを活用する場合は、料金体系が分かりやすい施設であることも比較する上で重要です。
料金の不透明さが理由で別の施設に乗り換える事例もあり、継続して利用するためには費用の把握はかかせません。
コワーキングスペースには、月額制(平均1〜3万円)やドロップイン(1日約1,500〜2,500円)などのプランがあり、追加費用(会議室・プリント代・ロッカー使用料)がかかる施設もあります。
契約前には、基本料金とオプション料金の総額を比較し、長期的なコストを把握することが重要です。
また、学生割引や長期契約割などの割引制度がある施設を選択すると、毎月の負担も軽減できます。
設備・サービスが充実している
設備やサービスが充実している施設であることも、よりよい環境で作業を進めるためには重要です。
多くの施設では会議室を完備しており、法人登記用住所サービスを提供している施設も多くあります。
安定したWi-Fi、電源、複合機がある環境で作業できるのは必須条件であり、郵便物の受け取り・転送、フリードリンク、ロッカーなどの付帯サービスがある施設はさらに業務効率を高められます。
また、防音ブースやオンライン会議用設備、24時間利用可能な施設は、リモートワークやチーム作業にも適しています。
利用目的に合わせて施設の設備やサービスを事前に確認することで、仕事効率が向上する環境で作業が進められるでしょう。
自身の働き方・予算・必要設備に合わせて最適なコワーキングスペースを選ぼう
コワーキングスペースを選ぶ際は、自身の働き方・予算・必要設備などを考慮した上で選択するのが重要です。
コワーキングスペースは、個人事業主や企業間もない人が利用するだけでなく、会社に勤めでも、よりよい作業環境を求めて利用する人もいます。
また、異業種の交流の場として活用されるケースもあり、人脈形成や新たな知識が身につく場にも適しています。
利用検討の際は、自身の働き方に合った条件を整理し、複数の候補を比較することで、最適なコワーキングスペースが見つけらられるでしょう。